安保徹先生のシリーズの御紹介 < 1~40>

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最近の私のブログが爆発で読まれている記事「子供に野菜は不要論」

 

未来型医学と新しい可能性〈37



食と健康



安保徹



 



 子供時代に必要な食べ方  

子供は成長するのが最大の特徴で、これは解糖系が優位に働いていることを表しています。解糖系優位でミトコンドリア系を上回ることで成長しています。ミトコンドリアの持ちこんだ分裂抑制遺伝子を抑制するので分裂が盛んになり、身長などが伸びるのです。



解糖系はブドウ糖を乳糖に分解する反応でエネルギーを得ていますが、エネルギー効率が悪いため食べる量を増やして対応しなければなりません。子供や伸び盛りの高校生などが、三食で足りずにおやつを食べたり夜食を摂るのはこのような理由からきています。



解糖系は糖しか使えないので、子供はご飯やパンやイモ(ポテトチップやフライドポテト)を食べてエネルギー源としています。しかし、成長によって増加する細胞の構成成分も補給する必要があります。それが蛋白質と脂肪です。からだの代謝を支える分子や酵素群は主に蛋白質でできています。また、細胞膜や細胞内小気質の膜成分やホルモンは脂質(脂肪酸やコレステロール)から構成されています。



このような理解があると、子供は主食の御飯に加えて蛋白質や脂肪が必要なことがわかります。日本食で考えると、米の御飯が糖質で、豆類や魚や肉が蛋白質と脂質の供給源となっています。この他、食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源として野菜があります。つまり、御飯と魚と野菜中心の献立が日本人が長年なじんできた食べ方です。



糖質の貯蔵は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられています。しかし、これは二日分くらいしか貯蔵ができないので、解糖系中心で生きている子供は空腹や飢餓に弱いのです。低血糖になってフラフラしたり、イライラしてしまうのが子供の特徴です。



子供はミトコンドリア系がまだ成熟していないので、持続力が少なく、食いだめができにくいのも特徴です。また、ミトコンドリアは芳香族化合物(ポリフェノールなど)の処理も行っています。くせの強い野菜類を子供が嫌うのはこのためです。無理にセロリやパセリなどを食べさせるのはよくないでしょう。



逆に、芳香族化合物の摂取は大人にとってはミトコンドリアを刺激して持久力を得るためにプラスになります。くせのある野菜、ウコン、葡萄酒などが健康食品として珍重される理由です。しかし、これらは子供にはマイナスでしょう。



私達は経験的に、子供は良く食べ、大人になるとふつうの食べ方になることを知っていますが、からだでのエネルギー生成系の移り変わりを学ぶと、もっと科学的に食べ方の変化を知ることができます。



総じて子供時代は解糖系が優位で分裂(成長)と瞬発力の時代です。既に述べたように、解糖系はエネルギー効率が悪いのでこの時代はたくさん食べる必然性があるのです。 



糖質、脂肪、蛋白質の相互移行



糖質、脂肪、蛋白質はからだの中で相互移行があるので、糖、油、蛋白質をそれぞれどれだけ摂れば良いという厳密な比率はないと思われます。つまり、食事の三大栄養素の割合は適当でいいいうことです。あまり熱心に比率を考えると実際の食生活では困ってしまうでしょう。



蛋白質を構成するアミノ酸もすべて糖からつくることができます。かなり蛋白質の少ない食事でも、からだがつくられてゆく理由です。特に、グルコースはピルビン酸に分解され、これにアミノ基がつくとアラニン(アミノ酸)になります。逆に、アラニンからアミノ基が取れるとピルビン酸です。このピルビン酸が2分子つながるとグルコースになります(糖新生)。



アラニンの他、セリン、トリプトファン、イソロイシンなどとその仲間のアミノ酸(ロイシン、バリン、システィン、チロシン、グリシンなど)が解糖系で得られる糖からつくられるアミノ酸群です。一方、ミトコンドリア系のクエン酸回路でも残りの半分のアミノ酸が作られます。アスパラギン酸やグルタミン酸を経由しています。この2つから、さらにいろいろなアミノ酸がつくられます。スレオニン、メチオニンアルギニン、プロリン、ヒスチジンなどです。



糖と脂肪の相互移行もあります。ピルビン酸(または乳酸)が肝臓に行って脂肪酸が蓄えられます。ピルビン酸はアセチル-CoAに変換され、これが材料になってカルボキシル化が起こると脂肪酸です。その逆も起こっています。これらの反応は細胞質(解糖系)とミトコンドリア内の両方で完結するので、ミトコンドリア系の優位になる大人では容易に起こるわけです。子供は不利になっています。言い換えると、大人の場合はかなり偏った食事をしていても健康に害はないということです。 



管理者からの一言



ニンジンやピーマン、セロリを無理に子供に食べさせる必要はないですね。



 

間違った情報が溢れている時代です。良いことだと言われていたことが悪かったり、悪いと言われていたことが良かったり、今の時代はカオスの時代のようです。余程、自分がしっかりしないと、間違ったことをしてしまいます。安保先生の食と健康のシリーズの一部を紹介しました。全文はホームページに記載しています。ちょっと難しいですが、是非ご覧ください。

安保徹先生の連載記事1~40(ザ・フナイ月間雑誌より)

1.なぜ病気になるのか1~10は左側の囲まれた欄にある+をクリックすると出てきます。)
2.過去から源治までの医学の流出
3.ストレスから病気にいたるまで
4.自律神経の働き
5.防御系の理解
6.体温と循環系

7.外呼吸と内呼吸の理解
8.医療と現代人の思想
9.自律神経による白血球の調節
10.ガン細胞増殖の秘密
(11~40はサブページが作れないので、この下に書いていきます)
11.膠原病は難病ではない
12.骨と骨髄の病気
13.増え続ける炎症性疾患
14.難治性皮膚疾患の治し方
15.炎症の理解
16.腎臓病へのアプローチ
17.超過敏に苦しむ人々
18.胃潰瘍の成因をめぐる考察
19.老化のメカニズム
20.免疫系の二層構造
21.アレルギー疾患を治すには
22.エネルギーの有効な生成法とリンパ球のしくみ
23.血流に関する新知識
22.エネルギーの有効な生成法とリンパ球のしくみ
24.特殊化ものの切り捨て
25.糖尿病
26.早期発見、早期治療の問題点
27.老化で起こる臓器質量の変化
28.新型インフルエンザ
29.妊娠時の免疫
30.甲状腺疾患
31.パーキンソン病とは
32.肝臓の働きと病気
33.耳鼻咽喉科疾患
34.眼下疾患
35.日常的に見られるウイルス感染疾患
36.運動と健康
37.食と健康
38.遺伝する体質と性格
39.医療の中の改善点
40.これからの医学・医療






青森県生まれ、1972年東北大学医学部卒業。91年より新潟大学大学院医歯学総合研究科教授、米アラバマ大学に留学中の80年、「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクロナール抗体」を作成。2000年胃潰瘍の原因が胃酸であるとの定説を覆して注目される。「免疫革命」「医者いらずおい知らずの生き方」など著書多数。

膠原病は難病ではない

11>未来型の医学と新しい可能性

膠原病は難病ではない

安保徹

 

はじめに

膠原病は自己免疫疾患とも呼ばれ、1974年あたりから日本では難病指定されているので、治らない病気という思いが広まってきています。

しかし、膠原病も原因がはっきりしていて、治る病気です。発症メカニズムを知れば納得できることばかりであり、治すための方向性も見えてきます。色々なストレスが発症の引き金になりますが、昔と今では原因も変化しているのです。紫外線、ウイルス、薬物の他、重力(過重労働、夜更かし)がからだの負担になって発症しています。

ストレスが直接、組織破壊を引き起こすこともありますし、ストレスが交感神経刺激と顆粒球(白血球の60%を占め、細胞質には殺菌作用を持つ顆粒が存在する)増多を介して組織破壊に至ることもあります。いずれにしても、組織破壊によって自己抗原が露出して、これに対して自己免疫が成立しています。ここで誤解してはならないのは、このような自己抗体の反応もからだに悪さをするために起こっているのではなく、異常自己細胞を速やかに排除するためのステップとして働いているということです

治るときの生体反応も、誤解されていることの一つです。炎症が悪者扱いされる傾向が強くなっていますが、薬による対症療法のやり過ぎが、治癒を妨げていることを知らなくてはなりません。

後述するように膠原病に見られる女性優位減少もここで明らかにされます。 また、免疫システムの二層構造も知る必要のあることです。

 

膠原病とストレス

自己抗原が露出するほどのストレスがないと膠原病は発症しません。いちばん代表的な膠原病とそれを引き起こすストレスを挙げると膠原病の特徴が見えてきます。それはSLE(全身性エリテマト―デス)と紫外線です。メラニン色素の少ない白人が強い日光に当たると、紫外線の力で細胞破壊が起こります。一つは、直接DNAを破壊して細胞死を誘発しますが、もう一つは、ミトコンドリアの過剰活性化を引き起こし、それが細胞死を誘発します。

このようにして、細胞が破壊されて自己抗原が露出するとB-1細胞(自己抗体産生B細胞)が活性化されて、自己抗体ができ、日光の当たりやすい場所は頬部なので、そこにバタフライ様のSLE紅斑ができるわけです。自己抗体は核の中のDNAに対して産生され、他の炎症細胞にも反応するようになります。そして、全身性に血管炎が起こればSLEと診断されるのです。

紫外線以外にも、色々なストレスが組織破壊の引き金になります。薬物によって起こることもあります。風邪薬などに入っている消炎鎮痛剤(NSAIDs)が代表的なものです。風邪薬は、服用する頻度も高いので膠原病の原因として多くなり、また、ウイルス感染も引き金になります。したがって、風邪をこじらせたという状態で膠原病になる人が多いのでしょう。

見逃されやすいのですが、膠原病の最大の原因は間違いなく重力です。長時間労働や夜更かしによって睡眠時間が少なくなると、からだにかかる重力の負荷が増大します。重力から解放されるためには、からだを横にしなければなりません。重力の負荷によって筋肉に負担が多くなると、ミトコンドリアの過剰活性化が起こり、ついには細胞死(アポトーシスや

ネクローシスが誘発されます。これが膠原病の発症の引き金になるわけです。

膠原病では女性優位減少(female predominance)がしられています。RA(慢性関節リウマチ)でもSLEでも、女性の発症率は男性のそれの510倍にも達します。この理由は、女性が副交感神経優位でリンパ球増多になっている頻度が高いことからきています。副交感神経優位の人は色白で色々な刺激に過敏で、日光に当たって紫外線アレルギー(紫外線障害)を起こしやすい体質です。

このような体質は遺伝的なものが半分、日常の世話からっくるものが半分、日常の世話からくるものが半分くらいを占めていると思います。RAやSLEの患者の外観をみると色白でふっくらした人が多く、やせて色白な人は遺伝的傾向が高いです。このような体質では紫外線の他、寒冷やストレスにも過敏になりすまし、ウイルス感染などにも過剰な生体反応を起こすことになります。

膠原病の中には女性優位現象を示さないものもありますが、これはからだの無理や心の悩みが直接ストレスとして働き、組織障害を起こしていると考えられます。

いずれにしても、ほとんどすべての膠原病の症例で発症前に明確なストレスを聞き出すことができます。病歴を取るときの注意が大切で、発症前のことを聞き出すことが原因を知るために不可欠なことなのです。患者本人も医療関係者もこのことを心に留めておきましょう。

 

組織破壊と自己抗体

ストレスでも紫外線や放射線のような波長の短い電磁波は、直接DNAに作用してアポトーシスを誘発します。しかし、重力のようなストレスは交感神経緊張を介して細胞障害を引き起こします。交感神経刺激は低体温、高血糖、顆粒球増多などの多彩な反応を誘発し、そこから組織障害が広がるわけです。多くの反応が低体温と高血糖につながっています。

からだが間違いを起こすことはないわけですから、ストレスが加わったときの低体温と高血糖にも深い意味があると考えなくてはなりません。特にストレスが短いときは、出血を防ぐ力になるし、解糖系を働かせて瞬発力を得て危機を乗り切るのです。瞬発力を作る白筋は、ミトコンドリアの力を借りずに、解糖系でエネルギーを作り、そのとき酸素は使われず、グルコースを乳酸にしてエネルギーを作ります。

交感神経緊張で起こる顆粒球増多も短いスパンで考えると、ストレスに打ち勝つ力です。傷口から侵入してくる細菌処理は大切な仕事です。しかし、低体温も高血糖も顆粒球増多も、ストレスが長く持続した場合、組織障害の原因になってしまいます。血流障害の下で顆粒球と常在細菌が反応し続けると、組織破壊の炎症へと進むからです。

炎症と組織破壊から自己抗原が露出して、自己抗体が発生する状況がつくられることになります。関節リウマチ患者の関節液を調べると湿潤している白血球の90%は顆粒球で、残りがリンパ球です。そして、このリンパ球も胸腺外文化T細胞とB-1細胞です。このことを知らないと膠原病の本当の病態把握はできません。免疫抑制状態の極限がすべての膠原病に共通した特徴です。

顆粒球が増加するようなときは、逆にリンパ球が減少します。リンパ球が副交感神経支配下にあるからであり、ここで理解しておかなければならないことは、顆粒球による組織破壊がおこるようなときは免疫力が低下し、常在するウイルスが暴れ出す減少を伴いやすいということです。ですからストレスの後に、帯状疱疹ウイルスなどが増殖するのは良く知られていることなのです。

私達の神経節などには、ヘルペスウイルスが住み着いていますし、Bリンパ球にはEBウイルス、関節にはパルボウイルスなどが常在しています。免疫力が高い状態ではウイルスはおとなしくしていますが、リンパ球の減少によって免疫抑制状態になると、これらのウイルスが暴れ出して、風邪のような症状を出してくるわけです。私達のからだは、組織破壊を修復するためにも血流を増やし炎症が誘発されますが、同時にウイルス増殖を抑える反応も炎症として出現するのです。

このような炎症が重なった形で出現するのが自己免疫疾患や膠原病も病態なのです。しかし、炎症はあくまで治癒のために起こっているので、消炎鎮痛剤やステロイドホルモンで止め過ぎると、治る機会が遠のくことになります。

膠原病では多くの薬剤が急性期のみならず、落ち着いてからも投与されているのが現状ですがこれは危険なことです。

活性化する古い免疫系

自己抗体産生を免疫系の亢進と考えては、膠原病の理解が間違ってしまいますし、治療もまったく逆の方向に進んでしまいます。胸腺外分化T細胞の自己応答性や、B-1細胞の自己抗体産生は、ストレスの後の免疫抑制反応であることを知らなければなりません。

このとき、胸腺で作られるT細胞や骨髄でつくられるB細胞(B-2細胞)は抑制されているのです。ストレスによる胸腺委縮は良く知られており、免疫の中心をなすのは、胸腺で作られるT細胞と骨髄で作られるB細胞です。いずれも生物が上陸してから進化する際に出現した新しい免疫系で、これは外来抗原向けの免疫システムです。

多くの臨床家は、膠原病はこのシステムによって、異常や過剰反応が起こっていると勘違いしていますが、それはでこのシステムは抑制されているのです。

一方、生物が上陸する前からの古い免疫システムがあります。これが、腸管、肝(腸管から発生)、外分泌腺の周りに存在する免疫システムで、構成するリンパ球にも特徴があります。それが胸腺分化T細胞とB-1細胞なのです。胸腺外分化T細胞は自己応答性がありますし、B-1細胞は自己抗体を産生します。つまり、異常自己を監視する免疫システムなわけです。

もし、このような理解がないと自己免疫疾患や膠原病の免疫状態を理解するのは不可能です。原因も不明、病態も不明、と言って現代医学が膠原病を治せない理由になっています。

逆に、私達の免疫システムは二層構造になっています。ストレスがあると進化レベルの高い外来抗原向けのシステムが抑制され、逆に、異常自己を監視していれば、膠原病の病態把握が容易なのです。

 

治癒反応の特徴

女性は全般的に副交感神経優位でリンパ球が多いのですが、この流れが進むと二つの特徴が出現します。一つはストレスに過敏になるということです。一般的ストレスでも、心の悩みでも紫外線でも、受けたときに過剰反応を起こしやすいのです。それが組織破壊を引き起こすような刺激となって、膠原病を誘発するわけです。

もう一つは、治るときの治癒反応がリンパ球の多い人は過剰に出やすいということです。組織破壊を修復するためには、血流を増やして代謝を高めて治る反応を促進するのですが、これが過剰に出ると本人は辛く感じます。リンパ球のレベルが3040%くらいの人は、修復反応もそんなに強く起こらずに、その反応に容易に耐えることができます。しかし、膠原病になるような人(リンパ球のレベルが40%以上の人)は、治る反応が強く出て、辛く感じてしまうのです。

本来、炎症は治るためのステップなのですが、辛いと対症療法を熱心に行う流れにいきやすいのです。このことを知らないと、医師も炎症に脅えて過剰に消炎鎮痛剤やステロイド剤や免疫抑制剤を使用してしまうことになります。急性期に多少は対症療法をやるのは良しとしても、維持療法までやってしまうと本当に治癒に入る機会をうしなってしまいます。

では最後に、どのようにしたら過剰な治癒反応を抑制することができるのでしょうか。それは、摂取カロリーの制限だと思います。栄養過剰は炎症を強くするので急性期は食事を抑制することが大切でしょう。特に、発熱して食欲を失ったときは、からだが栄養を入れないでほしいというシグナルを出していると考える必要があります。

このようにして、過剰な炎症を軽減して、薬物療法に頼り過ぎる危険から逃れる必要があります。ステロイドホルモンや免疫抑制剤の大量使用や長期使用を避けなければならないのです。

 

管理者からの一言

 人間が海の中の生活から、陸上の生活に移行した時に、えらが、胸腺になり、胸腺と骨髄から、ウイルスと闘ってくれる、高度に成長した白血球のリンパ球が、作られたようです。重力のストレスとは何かな?と思ったら、筋肉と骨の疲れのようですね。長時間労働、過労と疲労、夜更かし、無理に働き続けると、筋肉や骨が疲れて、そこから、骨休みという言葉が出てきたようです。また、陸上での生活は紫外線を浴び、寒さにさらされ、更に薬や、人口化合物など、ストレスがいっぱいです。過重になると、高度に成長したリンパ球を作れなくなり、高度なリンパ球が少なくなったので、古いシステムである顆粒球が増えることとなり、その顆粒球が、自分の身体を攻撃してしまう、それが自己免疫疾患のようですね。この地上で生活するには、古い免疫システムと新しい免疫システムのバランスが大事ですね。新旧、仲良く、出しゃばらず、争いを避けて健康な体で生きることが、すべてにおいて言えますね。

骨と骨髄と病気

12>未来型の医学と新しい可能性

骨と骨髄と病気

安保徹

骨と造血組織の密接な関係

骨は硬くて丈夫で私達のからだの支持組織となっており、骨髄は主に赤血球と白血球をつくる造血組織となっています。かなり両者の働きは異なるので、関連が少ないように思われますが、お互いに連動して仕事が行われています。しかし、このような考え方がないために、色々な薬物療法が行われ、一方の働きを阻害し、患者が苦しむような治療が行われています。例えば、骨そしょう症の治療薬などは、その薬がストレスの原因となっています。

皮膚組織が外肺葉、腸管の上皮細胞が内胚葉で、その他の色々な細胞が中胚葉あるいは間葉系の細胞です。ですから、働きに多少違いはあるますが、骨細胞(osteocytes)と造血機能(hematopoieticcells)は兄弟細胞となります。間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells)という万能細胞が私達のからだの至るところに存在していて、この間葉系幹細胞が骨細胞も、造血細胞も作り出しています。

骨を丈夫にすること、血球細胞を増やすことも、からだに重力の負荷が増大したときに身を守る反応として、同時に並行して起こっています。そして、この負荷が少な過ぎたり、多過ぎたときに、骨と骨髄は同時に破綻がくるわけです。今の医学では、整形外科疾患と血液疾患は別々の科で取り扱われています。そして、お互いの科では他の科と関連があるとは思えない状況です。このような未熟さから脱却しないと病気は治せないのです。

 

骨形成について

骨は、リン酸カルシウムが支持蛋白であるコラーゲン線維に吸着することで形成されています。この反応を起こしているのが骨芽細胞(osteoblasts)です。逆に、不要になった骨を溶かして吸収する役目の細胞が破骨細胞(osteoclasts)です。いずれの細胞も間葉系幹細胞からつくられる仲間の細胞です。破骨細胞は多核でマクロファージ(白血球の一つ)が融合した細胞とも言われています。そもそも、間葉系の細胞の元をたどるとマクロファージなので、すべてが仲間なわけです。

骨が丈夫になるためには、コラーゲンの蛋白合成とリン酸カルシウムの吸着が起る必要がありますが、これを促す力は重力や物理的な力です。人間の場合、歩いたりスポーツをして骨に重力の負荷が掛かると骨形成が促進されます。また、体操や筋肉トレーニングのように物理的な力は筋肉をも刺激します。ですから、筋力を鍛えると骨は丈夫になるのです。さらに筋肉や骨が丈夫になることで、精神的な気迫も生まれ、人が生き続けるための必須条件が整うようになります。のんびりし過ぎると生きる力が失われる可能性があることを知っておきましょう。

もし、寝たきりになったり、運動不足が続いたりして、重力の負荷が少なくなると骨は脱灰を始めます。これはリン酸カルシウムが骨から溶け出すということですが、からだにとって大切な反応の一つです。カルシウムやリン酸は、からだの反応を刺激する力がありますから、のんびりし過ぎる生き方を刺激する力になるのです。また、骨が細くなることも合理的です。運動の少ない人は、骨に丈夫さが必要ないので、支持組織を自動的に縮小しているわけです。

骨形成はこのように、重力や物理的な力に対応して進んだり脱灰したりしているのであって、失敗を繰り返して、骨が丈夫になったり弱くなったりしているのではありません。骨そしょう症になるのは、“その人の生き方に重力の負荷が掛からなくなったから”と考えなくてはなりません。現代医療では、このような理論的な考え方をしないで、すぐに対症療法に走る傾向が強くなっています。

重力や物理的な力の増大は、私達の体調を交感神経緊張状態にします。逆に、重力や物理的な力が弱まることは、私達の体調を副交感神経緊張状態にします。このようにして、骨形成自体もからだの全体の動きと連携しているのです。骨形成だけが独立して、調節されているわけではないことを知りましょう。

子供でも、大人でも、高齢者でも、からだの能力を高めるためには、適度な運動を毎日繰り返して、骨形成や筋肉増大の刺激を入れていく必要があるのです。運動不足になりがちな現代の子供が、骨形成が抑制されて骨や筋力が弱り、姿勢が悪くなる理由がおわかりいただけるでしょう。高齢者でも、からだを鍛えている人は姿勢もよく、運動能力も維持できますが、じっとしている人は骨が弱くなり、姿勢が悪くなり運動能力が低下していき、自力で歩けなくなったり、寝たきりに入ることになっていくのです。

さらに次の項目で述べるように、骨の内部で起こっている骨髄造血とも連動しており、骨形成が盛んなときは、赤血球造血も盛んになっています。

このような考え方ができるようになると、病気の成り立ちも治し方も明瞭になってくるのです。

 

神経と骨と造血の三者連動

交感神経の緊張が続くような生き方をしていると、骨は硬くて脆くなります。この流れが極端になったのが大理石病osteopetrosis)です。このような時も骨折が起こることがあります。そして、骨髄の造血は促進されることになるので、多血症(赤血球増多症ともいう)、白血球増多症血小板増多症などを伴うことになります。このような骨と骨髄の働きと連動を知っておくのは大切なことです。

交感神経の緊張が強く、血流が抑制されるまでになってしまうと、いろいろな蛋白合成が阻害されてきます。骨の素となるコラーゲン合成が阻害されて骨は細くなり、そこにリン酸カルシウムが大量に吸着して細くて硬い骨になるわけです。また血流障害が強くなると蛋白合成が低下するために、骨髄造血そのものが起こりにくくなってきます。これが、再生不良性貧血白血球減少症(特に顆粒球減少症)血小板減少性紫斑病なのです。このように考えていくと病気の成り立ちがよく見えてくるでしょう。

血流が抑制される状態にまでにはいらなくとも、骨形成が刺激され過ぎて骨髄造血が過剰に促進されると、骨髄異常や最終的に発ガンに至ることもあります。骨髄異常や最終的に発ガンに至ることもあります。骨髄異形成症候群は、このようなストレス病としての代表的な病気です。現代医療では、原因不明にされていますが、発症前に辛いストレスがあったことを患者より聞き出すことができます。

この疾患はストレスによる血流障害のために貧血が出てくることもありますし、がん化反応の前触れとして骨髄芽球が末梢血中にでてくることもあります。このための急性白血病に準じた化学療法に入ることもあるわけです。しかし、もともとはストレス病ですから、このようなからだに負担をかける治療法は、かえって悪化の原因となるのです。

ストレスが骨髄を刺激し、この状態が年余にわたって続くと発ガンします。これには、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫が含まれます。骨が刺激されて、それ自体が発ガンした場合が骨肉腫です。

調査してみると、いずれも発症前に激しいストレスが続いた生き方を患者がしていました。このような発症原因が明確になると、生活を改善し、からだを労わることで病気を治すという考え方が生まれます。しかし、原因が不明であれば、化学療法やステロイド療法のような流れになってしまうのです。骨髄細胞は正常でも悪性化した後でも、一時的には化学療法やステロイド療法に反応してガン細胞が減少するので、かえって過酷な治療がまかり通ってしまうようなことになるわけです。

副交感神経が優位の生き方は骨形成を抑制し、さらに骨髄造血も抑制します。子供や大人や高齢者で、姿勢が悪く貧血気味の人は、このような流れによって貧血などの体調不良が起こっている訳です。運動をしてからだを鍛えないと、この状況から逃れることはできません。鉄剤などを飲むのは、本質的な治療ではないことを知っておきましょう。

また、骨粗鬆症は、その人の生き方にふさわしい状況と見なす必要があります。もし、このような考え方がないと、寝たきりの人などに骨形成を促すために活性型ビタミンDが投与されてしまいます。からだは無理やり刺激され、動悸がしたり、血圧上昇がおきたりして逆に苦しむことになるのです。

骨吸収抑制のための薬も、骨粗鬆症の治療に使われています。カルシトニンビスフォスフォネートです。無理やり骨吸収が抑制されると、低カルシウム血漿が起きて、ショック状態になります。血流抑制によって活力を失うと共に、肝障害や腎障害が出現するでしょう。本来、運動して骨形成の促進や骨吸収の抑制をすべきところを、人為的に行おうとするところに無理が生じるわけです。骨形成自体が、その人の日常の活動と結び付いて行われているわけですから、勝手に骨だけ丈夫にすることには無理がくるのです。

造血反応も生き方にふさわしい形で調節されていることを知りましょう。例えば、白血球を増やすためにG-CSPなどを外から投与すると、からだも興奮してきます。そして体調不良に苦しむわけです。

自律神経レベル、骨形成、造血反応、の三者が連動して行われていることを考慮に入れないと「木を見て森を見ず」というような小手先の治療になってしまうのです。特に、寝たきりの人などに骨形成や造血反応を変化させる処方をするのは、その人を苦しめるだけ、という結果を引き起こすのです。

 

体内の深いレベルでの関連を知らない怖さ

骨形成を促したりする薬が、特に副作用が強い理由を知らなくてはなりません。それは、生き方の偏りを薬で作りだすという意味合いがあるからです。それは、寝たきりの人の骨を丈夫にしようと思えば、激しい交感神経の緊張を強いる体調になる薬を処方することになるからです。これで、患者が苦しむ理由をおわかりいただけることでしょう。

もう一つは、あまり関連がないと思われる骨形成と骨髄造血が協調して動いているということです。整形外科領域の疾患と血液内科領域の疾患には、深い関連があるのです。

そして、それらをつなぐものが自律神経であり、交感神経と副交感神経から成り立っています。それぞれは、エネルギー消費の体調とエネルギー蓄積の体調と連動しています。活動してエネルギーを消費する生き方をするには、丈夫な骨を作り酸素を運ぶ赤血球を作る必要があるわけです。すべて、過不足なく調節されています。

「薬を飲んで病気を治す」という考え方の中に、現代人の安易な浅知恵が潜んでいるのではないでしょうか。

 

管理者からの一言

“生物は重力が進化させた” “造血と造骨が同時に機能する”と西原克成先生も同じことを言われています。病院では骨粗鬆症の予防と言って、たくさんの人にカルシウム剤やホルモン剤を処方しています。この記事を読まれて、理解できた方は、それがナンセンスであることがおわかりになるのではないかと思います。

 

増え続ける炎症性腸疾患の本質とは何か?

13>未来型の医学と新しい可能性

増え続ける炎症性腸疾患の本質とは何か?

安保徹

 

“医療のコンビニ化”の危機

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の患者が増え続けています。そして、治らないで困っている患者が多いのです。「なぜ、これらの病気が増加しているのか?」「なぜ、治療すると、病気がかえって悪化するのか?」の理由を広く知ってもらわないと、医療は進歩せず、社会全体も未熟なままで変化がないでしょう。「理由もなく病気になる」ということはありません。炎症性腸疾患について、ここで学んでほしいと思います。

現代医療の未熟さを支えているのは、今の日本人の“病気に対する知識のなさ”もその一因であると思います。自分自身の置かれた状況が、ストレスとなって病気そつくっているのに、それには一切、思いをめぐらせることなく、束になって病院に押し掛けてくるのが現代の日本人たちです。“医療のコンビニ化”(最近は24時間、自分の都合で便利に診てくれるコンビニの医療が当然と誤解していること)という言葉もできています。

老若男女において、その傾向は変わらないのです。その結果、何がおこっているのかというと、県立病院クラスの中堅病院の医師が忙しさで疲れ果てて、勤務医を辞めて、開業に追い込まれているのです。朝から晩まで、患者が押し掛けてくるので、患者と一緒に病気の原因考えてあげる余裕はないのです。ひたすら対症療法の薬を処方して、その場を凌ぐしかありません。

いよいよ、医療関係者も一般人(患者)も、病気に対する新しい考えを学ばなくては、医療が崩壊してしまいます。

 

潰瘍性大腸炎とは?

20年ほど前の潰瘍性大腸炎の患者数は約1万人であったのに、現在は10万人を超えているほどの急増ぶりを示しています。この理由を考えないと、潰瘍性大腸炎の発症メカニズムにはたどり着けません。発症メカニズムを不明として、難病指定されたままの現状では、対症療法の流れから脱却するのは不可能なことです。今から、この発症メカニズムを明らかにしていきます。

まず、潰瘍性大腸炎患者の増加は、“日本人全般がストレス体制を失っている“ことに起因していることを知らなければなりません。穏やかさや豊かさからくる安定した生き方は、それ自体は、副交感神経優位の病気とは縁のない生き方ですが、ストレスに負けやすくなる、という流れに入るのです。例えば、親にも叱られたことが無いような、大事に育てられた青年が、職場で急にストレスを感じると、激しい交感神経緊張にさらされます。これが病気の原因となるわけです。

交感神経は、消化管の活動を止め便秘になり、交感神経支配下の顆粒球が増加して、大腸粘膜を破壊します。そして、家に帰って落ち着いたときに、今度は、副交感神経反射がおこります。

副交感神経反射自体は、ストレスから解放されるための大事な反応ですが、急に起こると、からだには辛い反応となります。ストレスで便秘がちの人に、急に下痢と腹痛が起きるからです。さらに、顆粒球によって破壊された粘膜を修復する反応として腫れと熱がでます。これが、潰瘍性大腸炎の炎症症状です。からだが治るためのステップが、患者にとっては苦しみとなるのです。

もし、患者も医師もこのような病態把握ができていないと下痢を止め、痛み止め、炎症を止めようとするでしょう。このとき使用される薬物は、ペンタサなどです。ペンタサは、腸溶性のアミノサリチル酸で、消炎鎮痛剤です。プロスタグランジンの産生を阻害し、下痢を止め、炎症を止めるわけですが、服用し続けると、病気が治る機会が失われることになります。

潰瘍性大腸炎は、末梢血中にも炎症部位にも多数の顆粒球が存在して、炎症をおこしています。さらに、消炎鎮痛剤(NSAID)やステロイド剤は、一時的に炎症を抑えるものの、顆粒球を増加させる作用があります。現在、「顆粒球除去療法」という治療法が、潰瘍性大腸炎の患者に行われています。その考え方は正しいのですが、そもそもストレスや薬剤の力によって顆粒球が増加し病状が悪化していることを考えると、少し考えを進めないといけないでしょう。つまり、顆粒球を増加する治療を行いながら、顆粒球除去療法を行うようなことになっていないかということです。

 

クローン病とは?

クローン病も、ストレスによって発症します。この病気の場合は、小腸に炎症がでます。小腸はリンパ球が多く、直接、ストレスで増加した顆粒球が炎症を起こすのではなく、常在する小腸のマクロファージが、肉芽腫瘍の炎症を起こして発症しています。しかし、ストレスを反映して抹消血中の顆粒球は増加しています。

クローン病の発症数は、潰瘍性大腸炎の1割程度くらいですが、増加傾向は同じです。つまり、ストレスを受けて病気になる患者が増えているわけです。クローン病の治療も、やはりストレスによって起こるという基本的な理解が必要です。それがないと、対症療法として、潰瘍性大腸炎と同時に、ペンタサなどの消炎鎮痛剤が使われて、炎症を悪化させることになってしまします。

潰瘍性大腸炎もクローン病も、下痢や腹痛が起こっているときは副交感神経反射が起こり、治るステップに入っているときなのです。この考えを持っていないと、重要な血流回復反応を止めてしまうことになるのです。これは、医療関係者も患者も、把握しなければならないことです。このことを把握していないと、いつめでも対症療法からの脱却ができないでしょう。

本来、潰瘍性大腸炎もクローン病もストレス病で、ストレスから解放されれば治る病気なのです。しかし現状では、これらの病気は難病指定されており、このことからも問題が発生します。つまり、医師は、治らない病気と思い込んで薬をどんどん処方し、患者やその家族は、この病気は治らないのだ、と諦めてしまうのです。あきらめと共に恐怖さえ受けるのです。これらの状態が、さらなるストレスを患者に与えることになるでしょう。23重に治りにくくなるパターンに突入しているわけです。

なるべく早く、炎症性腸疾患の発症メカニズムが広く一般に知られ、不安から逃れるようにしなければなりません。社会全体が間違って病気を治らなくしていると行ってもいいでしょう。未来の医学や医療にとって、炎症性腸疾患は重要な課題です。患者の一人ひとりが、病気の原因となったストレスを自覚し、そこから脱却できれば病気は治るということです。

 

過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群は、腹痛や下痢を繰り返すという主症状を表すストレス病です。潰瘍性大腸炎やクローン病と同じストレス病ですが、顆粒球による器質的障害は軽く、日常の生活にもある程度、適応できるでしょう。しかし、職場や家庭内にストレスを感じた後に、副交感神経反射が起こります。

消化管活動は、副交感神経支配下になって働きが起こっています。したがって、ストレスを感じて交感神経緊張になったとき、消化管活動は停止、または抑制されるわけです。強い持続的ストレスがあれば、便秘がちになってしまいます。しかし、私たちのからだはストレスからのがれようとするカを持っていて、それが副交感神経反射です。例えば、出勤前に“職場に行くのは辛いな”と感じたときは、交感神経緊張です。しかし、がんばって家を出た途端、“便意をもよおして公衆便所に駆け込んで下痢便が出る”、これが副交感神経反射ということです。

便秘のときは重苦しい感じがして、下痢のときは腹痛が伴ないがちになり、ストレスから逃れようとするときが辛いのです。その結果、治療は痛み止めや副交感神経遮断剤(アトロピンなど)を服用することになります。このため、ますます治りにくくなるわけです。この症例の中には、既にストレスから解放されている人もいます。しかし、どうして、病気が続いているのでしょうか。それは、痛み止めの薬物がストレスの代わりになってしまったからです。これらの薬物は、交感神経刺激作用があるのでストレスとなるのです。

頭痛や腰痛などでも同様です。痛むときは、ストレスから脱却するための血流回復が起こっているのです。しかし、頭痛薬や湿布薬を使用していると痛みは難治化し、最初のストレスから薬がストレスに置き換わっていることがあるわけです。ですから、下痢や痛みを理解する必要があります。

 

NSAID腸炎とは?

今までの話が理解できると、NSAID腸炎発症のメカニズムも理解できるでしょう。プロスタグランジンの産生阻害剤である消炎鎮痛剤(NSAID)は、それ自体が交感神経緊張作用を持っています。したがって、NSAIDを長期使用していると、交感神経緊張作用によって顆粒球が増加し腸炎が起こるわけです

整形外科疾患で、NSAIDを使用している人がびらん性胃炎になることはよくある症例です。この発症メカニズムは、NSAID腸炎と同じです。びらん性胃炎とはNSAIDを胃炎と言い換えることもできるでしょう。このようなNSAID胃腸炎に、胃薬などを処方するのは愚かなことです。薬自体を止めないことには、病気は治らないからです。間違った治療薬が、さらなる間違った薬を呼び込む流れになっています。

 

病気になる理由を考えてみよう

以上述べてきたように、腸管は自律神経支配がはっきりしていて、強くその影響を受けやすい臓器です。したがって、ストレスをまともに受ける臓器と言ってもいいでしょう。ストレスの中でも、心の苦悩をよく反映する臓器です。まじめ過ぎたり、クヨクヨしたり、感情を抑圧する、などの精神的ストレスが腸管の病気として出やすいわけです。

医療関係者も一般人(患者)も、炎症性腸疾患の成り立ちや、治癒反応から学ぶことは多いのです。特に、長期間ペンタサやステロイド剤を使用することは、病気を難治化させる流れに入ることを知りましょう。潰瘍性大腸炎患者が、ついには大腸全摘になってしまう背景にはこのような事実があるのです。痛みや炎症の本当の役割、つまり回復させるためのプロセスとして起こっているという事実を知らないことが背景としてあるのです。

 

管理者からの一言

娘がリウマチのときに、ステロイドや痛み止めが、たくさん処方されました。安保先生の理論が解っていたので、飲まない方が良いと、言ったけれども、反対に娘から「お母さんは、痛くないからそんなことを言えるんだよ、本当に痛いんだよ、飲むと痛みが楽になるんだよ」と言われて、現実には難しいなと思います。痛くない時には飲まないようにと、頼んで、少しずつ薬を減らしていきました。

私が病院で働き始めた頃は、患者が痛みを訴えて来院したときに、医師は原因が解らないと痛み止めは出せないと言って、痛み止めを直ぐに使いませんでした。ペインクリニックの考えが出てから、痛みのストレスを除いてから治療をした方が早く治るという考えに変わってきたように思います。最近は、直ぐに痛みをとるようになりました。それが病気を反対に悪化させていると思います。交感神経を刺激しないで痛みを取る方法は麻薬かなと思いますが、麻薬の使用は厳しくて、病院でも、一般には直ぐに使用出来ない状況です。でも麻薬は副作用が少なく痛みには非常に優れているのです。誤解されて情報が流されていると思います。

インターネットやコンビニで、薬が販売されるようになると、間違った薬をどんどんさせられて、病気を悪化します。一人ひとりが真実の情報をつかんで、健康な社会になってほしいです。

 

難治性皮膚疾患の治し方 

 

14>未来型の医学と新しい可能性



難治性皮膚疾患の治し方



安保徹



 



皮膚疾患の特徴と原因



皮膚疾患には慢性湿疹やアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症など難治化する病気が多いのですが、これらもまったく原因不明というわけでなく、原因を取り除くと治る疾患です。背景に生き方の偏りから起きる血流障害があり、壊れた組織を修復できないでいる状態にあると考えられます。しかし、現代医学では原因不明としていて、対症療法に走ってしまっているのが現状です。だから病気は治りません。皮膚には他の臓器と異なる大きな特徴があります。それは、外界に接しているので、低体温の影響が出やすいということと、分裂組織だということです。ここで、エネルギー生成系の理解が必要になってきます。低体温と低酸素で働く解凍系が皮膚では重要な役割を果たしています。このことが他の組織や臓器には見られない特徴であり、皮膚疾患の特徴をつくっているのです。



エネルギー生成系には他に、ミトコンドリアによる、有酸素や高体温で働くエネルギー生成系があります。低体温と低酸素で働く解糖系の経路の低下が、皮膚ではいつも起きやすくなっているのです。ステロイドホルモンの治療で一時的には炎症が抑制されて治ったかに見えて、結局は悪化して行くのは、ステロイドホルモンの作用がミトコンドリアのエネルギー生成系とつながっているからなのです。このような新しい知識や理解があると、難治性皮膚疾患の治療はそんなに困難ではありません。



 



皮膚の働きとエネルギー生成系



皮膚は扁平重層の上皮細胞で、分裂を続けながら厚さを維持しています。粘膜が炭層の上皮であるのと対照的です。細胞分裂のためのエネルギーは解糖系でつくられていて、皮膚上皮細胞の分裂も同様です。実際、分裂している皮膚の上皮細胞にはミトコンドリアが少ないことも知られています。解糖系は低体温、ミトコンドリア系は高体温で働きが支えられていますから、皮膚が外界に接していることは分裂にとって有利なのです。もう一歩進んで考えると、ときどき皮膚を冷やす生活は皮膚細胞の分裂を促し、皮膚を丈夫に厚くできるのです。だから“子供は風の子”と言って、子供を冬でも外で遊ばせることは大切なことなのです。逆に、いつもストーブに当たっている子供は皮膚の丈夫さが維持できなくなります。



しかし、エネルギーを持続的につくり蛋白合成を進めるためにはミトコンドリア系でのエネルギーが使われます。からだが冷えになやまされるような人は、ケラチンやサイトカインやメラニン色素などの合成が抑制されますから、皮膚が弾力を失って白くブヨブヨした状態になってしまいます。冷えは長く続くと、皮膚の機能自体を低下させてしまいます。冷えは長く続くと、皮膚の機能自体を低下させてしまうわけです。慢性的皮膚疾患は、このような状態でおこっています。



一時的に外傷、凍傷などに遭って組織を修復するような時は、解糖系でつくられたエネルギーを使って瞬発力を得ています。その後、腫れが出る状態に入ると、ミトコンドリア系のエネルギーにシフトしていきます。それは炎症が急性から慢性へ移行るということです。



ミトコンドリア系のエネルギーが不足すると、マクロファージ(皮膚ではランゲルハンス細胞)などの防御系の働きが低下します。これが、感染が治りにくい、感染をくり返す、という皮膚の状態になります。多くの皮膚の慢性疾患に感染が加わるのは、低体温によるミトコンドリアの働きの低下に関係しているのです。



私達はストレスが続くと、血流障害と低体温を起こします。この低体温にさらされるとところの最初が皮膚になるわけです。これが難治性の皮膚疾患が多い理由で、この体調が続くと、細胞分裂を促すために皮膚の肥厚や角化が始まります。掌蹠角化症や乾癬などが、このようにして起こると思われます。また、低体温は免疫系を低下させて、感染を招くので掌蹠膿疱掌や膿疱性乾癬という形を引き起こしてくるのです。



このように皮膚の病気は低体温、解糖系、細胞分裂という病態が加わることが特徴で、今まで誰も気づいていなかったことでしょう。そして、ここに感染が加わるという形で病態が複雑化しているのです。しかし、出発点はストレスによる血流障害ですから、治療はストレスからの脱却とからだを温めることになります。難治性、原因不明と言われた皮膚病も、このようにして治すことができるのです。



 



皮膚病と治癒反応



私達がストレスを受けて血流障害と低体温が続いても、そのまま敗北するわけではありません。からだは血流を増やして修復反応を起こし始めるからです。これが炎症です。皮膚の場合は発赤、発疹、紅斑、水泡という形で表れます。これらはプロスタグランジン、ヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエンなどのケミカルメディーターや炎症性サイトカインによって引き起こされます。つらい炎症が治るためのステップなのです。この炎症に痒みや痛みも加わります。



炎症によるエネルギーは、初期段階は解糖系によってつくられていると思われますが、強い腫脹や発赤をつくるエネルギーはミトコンドリアからのものでしょう。高体温はさらに、ミトコンドリアの働きを活発にして治る流れを加速しているのです。高体温はさらに、ミトコンドリアの働きを活発にして治る流れを加速しているのです。こういうことを知っていると、炎症反応の大切さがわかります。NSAIDs(消炎鎮痛剤)やステロイドホルモンを使って炎症を止め過ぎると、治りが遅れたり、治る機会が失われることになるのです。



慢性湿疹やアトピー性皮膚炎のよなありふれたものから、表皮水泡症なども治るためのステップっとしての治癒反応で、薬疹なども治るためのステップとしての治癒反応で、薬疹なども同様です。単に治るだけではなく、内外の遺物(外来性と内因性)を外に廃絶しようとする反応でもあります。治りきらないのは、血流障害が背景にあって、修復が完成しないからなのです。血流を増やすには生き方の偏りを正し、からだを温め、代謝を上げるには、体操やストレッチなどが基本になります。



現代医療では、炎症や症状を止めにかかる傾向が強くなっています。これによって、皮膚疾患の患者が増加の一因となっています。特に、アトピー性皮膚炎は、増加の一途をたどっています。治癒のための炎症を悪者扱いして、薬で止めにかかるので、治らない流れができてしまっているのです。先にも述べたように、皮膚の場合の炎症は、異物の排泄反応でもあるわけです。多くの不快な症状は、治るための反応なのです。 



抗ヒスタミン剤やステロイドで炎症を抑えると治りきらないで、薬が切れたらまた炎症が始まります。そして、また薬で抑えるということの繰り返しになってしまいます。対症療法の無意味さをしりましょう。皮膚の病気は、特にこの傾向が強いように思われます。



 



皮膚と膠原病



皮膚は紫外線、温熱、寒冷、外傷、感染などのストレスが直接加わるところなので、組織破壊がおこりやすくなります。障害が強ければ、ふだん細胞内にある成分が放出されて、それに対して自己抗体ができることになります。これが自己免疫疾患とか膠原病と言われる病気なのです。



今の医学では、このような膠原病を原因不明としていますが、実際は原因は明白なのです。発症前に受けたストレスを聴き出せばいいわけです。SLE(全身性ループス紅斑)のような病気は、若い(あるいは中年の)女性がグアムやハワイに行って、日光に当たり過ぎても起こるわけです。毎日の過重労働から、強皮症になる人もいます。原因がはっきりすれば、同じストレスを受けないようにして再発を防げばいいのです。無用な恐れ、怯えから解放されることでしょう。



SLEや強皮症、尋常性白斑など膠原病はすべてストレス病で出てくる炎症は治るためのステップなのです。SLEで全身に血管炎が起こっている状態も、血流を増やし代謝を上げて修復を進めているのです。こういう知識がないと消炎剤で炎症を止めるという考えしか出てこないのでしょう。そして、治る機会まで失うことになるわけです。



もう一つ、膠原病ではリンパ球の多い人が、感受性が強くストレスを受けやすいために発症するケースがあります。白人にSLEの発症が多いのは、色白でリンパ球が多いからです。膠原病の急性期は免疫抑制の状態なので、常在ウイルスが暴れ出し風邪のような症状が出現してくることも多くなります。そもそもリンパ球の多い人は、治癒反応が強く出るので、血管炎や皮膚の炎症が強く出るということを知っておくといいでしょう。



 



ステロイドホルモンの作用について



戦後、合成ステロイド剤が病気の治療に使われるようになってから、ステロイドの使用が拡大し続けています。“難病にはステロイド”という傾向が定着してしまって、ステロイドの害に苦しむ人が溢れるようになりました。それは、アトピー性皮膚炎でも皮膚の膠原病でも同様です。特に、子供の頃からステロイド外用剤を常用して、ステロイド薬害に苦しむ人が多いのです。そろそろ、日本人も目を覚ましてほしいものです。



ここからは、ステロイドホルモン(特に、糖質コルチコイド)の作用をステージを追って述べてみます。人がストレスを受けたときに、内在性に分泌されるステロイドの働きは低体温と高血糖をつくることにあります。(ステージⅠ)。これはミトコンドリア系の内呼吸を抑制して、謙気的解糖系を亢進させる働きです。解糖系は瞬発力を得るエネルギー性成系ですから、急性ストレスからの脱却に力を発揮するのです。



しかし、多くの皮膚病に使われるような外来性の合成ステロイド剤は、ミトコンドリアの内呼吸を抑制するので、炎症は抑えられますが、同時に治癒反応も抑制してしまうのです。したがって、患者は冷えに悩まされることになります。これがステージⅡです。合成ステロイドを長期に渡って使用すると、外用でも内服でも、ステロイドが組織に沈着して変性していきます。そして、炎症が悪化していくのがステージⅢです。



ミトコンドリアの多い部位が脳、心臓、骨格筋(赤筋)です。このため、合成ステロイド剤を長期間使用した人達は、この部位に障害が起きるわけです。その典型的なものがステロイド精神病(不安感・絶望感)でしょう。これがステージⅣです。そしてさらに進むと、発ガンや寿命短縮が起こることになります。これもステロイドホルモンによるミトコンドリアの機能抑制によるものであると気づくと、謎にたどり着けるわけです。



皮膚疾患の特徴や原因を正しくつかみ、難治性皮膚疾患の治療はそんなに困難ではないことを知りましょう。そして、薬で抑えるという対症療法の無意味さを知ることが肝心となってくるのです。 



 



管理者からの一言



私のいとこが小学校の低学年の娘を残したまま亡くなりました。いとこは白血病でなくなりました。周りにもたくさんのステロイド剤や抗がん剤のの被害者がいます。どうして、医師はステロイド剤や抗がん剤を出し続けているのか、患者は言うなりになっているのか、不思議でなりません。安保先生のステージに示された以外にもたくさんの副作用があります。いとこは顎がよく外れていました。もちろん骨折もよくしていました。顔はムーンフェイスで、ふとっていました。



話は変わって、対症療法の無意味さはいろんな所にも応用されると思います。先ず、イジメです。いじめる子が悪いのか、いじめられる子が悪いのかを考えてみましょう。いじめられる子が弱い事が原因なので、いじめる子を罰しても解決にならないとおもいます。解決方法は、いじめられる子が強くなればいいのです。日本が韓国や中国にいじめられているのも、日本が弱いからいじめられるので、中国や韓国が悪いのではないと思います。だから、武器を持ちましょうと言っているのではありません。江戸時代に外国から攻められなかったのは江戸時代の人々は字が読めて、学問があったから、容易には攻めることが出来なかったと言われています。私達が医師の言うなりにならず、しっかりと自分の病気の原因を見て、自分で治して行きましょう。自分の病気の原因は自分が一番わかるはずです。病気を治す答えは医者が解る筈がありません。自分が答えを考えないで、他人に問題を解いてもらっているのと同じだと思います。

炎症の理解

15>未来型の医学と新しい可能性

炎症の理解

安保徹

炎症が出るには理由がある

ギリシャ時代の医聖、」ヒポクラテスは「我に熱を与えたまえ、さすれば、いかなる病気も治して進ぜよう」と述べたと伝えられています。これは発熱などの炎症の大切さを表現したものと思われます。私達はいろいろな病気になっても、そのまま敗北するわけではありません。

からだは、腫れ、熱、痛みを出して治りにかかります。これが炎症で、症状は不快ですが、病気から脱却するためには必須の生体反応なのです。腫れや発熱は、血流を増やして代謝を亢進させて破壊された組織を修復する反応になります。しかし、この反応は副交感神経反射のために、患者は症状の不快さと共に、からだのだるさなど、あたかも生きる元気を失っているかのように感じます。このため、医師に治してもらおうとする思いが強くなるのでしょう。ここから医療上の問題が起こっていると思われます。

本来、このように病気を治すための生体反応なのに、現実に行われている医療の治療行為は、これを止めようとする方向に向かっています。典型的な例では、リウマチの患者に、消炎鎮痛剤、合成ステロイドホルモン、免疫抑制剤、抗がん剤(メソトレキセート)、坑TNFアルファ抗体などを次々に投与する治療が行われています。炎症を目の敵にしている様子がよく出ています。

からだは間違いを犯して炎症を出しているわけではないので、薬が切れるとまた治癒反応を繰り出すという流れが始まります。そして、またそれを抑えるわけです。そろそろ現代医学は、このような勘違いの治療から脱却しなければ、病人は辛い思いを繰り返し、破綻の道を進むばかりなのです。

ここで、もう一つの理解が必要です。炎症の強さは、自律神経の調節下にあり、辛い過剰な炎症は、生き方の偏りとつながっているので、その人の食生活からも影響を受けています。したがって、不快な症状を軽くする方策があるということです。

 

病気と炎症

炎症は主に白血球の反応として起こりますが、ここに血管内皮細胞や繊維芽細胞が加わることもあります。そして、遊走してくる炎症細胞の種類によって炎症の病態が変わってきます。通常、起こる炎症は、ケガや火傷や凍傷によって引き起こされるもので、組織修復のために炎症は起こります。それは、止血反応、繊維芽細胞の湿潤、マクロファージの炎症、そして元の組織細胞の再生という形で進みます。そして、ここにリンパ球の反応も加わるのです。腫れ、熱、痛みを出しながら治っていくのですが、リンパ球の反応も加わるので、カタール性炎症とも呼ばれます。化膿せず漿液の炎症と言い換えることもできます。

このような過程で細菌感染が加わったとき、リンパ球の反応から顆粒球の反応に変化します。これが化膿性炎症で、悪化したときは、壊疽性炎症とも呼ばれます。患者の体調によっても、カタール性炎症から化膿性炎症にシフトすることもあります。交感神経緊張状態にある人が顆粒球増多を示すので、顆粒球の炎症にシフトしやすいからです。逆に副交感神経優位リンパ球の多い人は、化膿性炎症を起こしにくくなります。このように、細菌感染の程度以外にも、化膿性炎症に移行する可能性があることを知っておきましょう。

紫外線などによって細胞が破壊されて、内在抗原が放出されたときは、自己抗体などができてマクロファージの炎症血管内皮細胞の炎症がおこります。これが自己免疫疾患とか膠原病と呼ばれる病態です。マクロファージと血管内皮細胞は、近縁の防御細胞で共に活性化が起こることがあります。自己抗体をつくるB細胞や自己応答性のT細胞(古い免疫システム)も、このとき同時に活性化されます。それが膠原病の病態です。しかし、病気の引き金はストレス(紫外線や重力)によって起こっています。

からだに侵入してくる異物が微生物のときは、感染症を引き起こします。原虫の場合は、細胞内寄生するものがほとんどで、白血球の基本のマクロファージが自ら防御に当たります。これをマクロファージの炎症といい、時にはマクロファージが集肉芽腫性炎症になることもあります。結核菌や癩菌のような好酸菌の感染症で、このような炎症が見られます。

細菌や真菌(水虫など)の感染症で誘導されるのは顆粒球です。軽いときは発赤ですが、次第に化膿性炎症になっていきます。感染症で最も多く見られるのが、細菌感染による化膿性炎症で、これは顆粒球の働きによるものです。化膿性炎症はさらに進むと、周りの組織を破壊して、壊疽性炎症になることもあり、壊疽性虫垂炎などがそれにあたります。

ウイルス感染の場合は、リンパ球が誘導されてカタール性炎症になります。これがさらに進むと、腫れが強いフレグモーネ性炎症となり、フレグモーネ虫垂炎などと呼ばれます。またウイルス感染の代表は、風邪ウイルスの感染ですがカタール性炎症を作って漿液を分泌します。これが大量の鼻水が出るという症状です。そして、時には悪化してフレグモーネ性炎症になるのです。

自律神経系は、いつもリバウンド反応を起こしますから、初めカタール性のリンパ球炎症で始まっても、後に化膿性の顆粒球炎症にシフトして終わるという傾向があります。これが風邪の治るときに、鼻水が黄色になったり、黄色の痰が出たりするのです。この現象を知っておくことは大切です。

また、化学物質や薬物がストレスとなって起こるのがリンパ球によるアレルギー炎症で、リンパ球の多い過敏体質の人が起こしやすい炎症です。薬物が直接抗原になる場合や、からだの構成タンパクに付着して二次的に抗原になる場合があります。この現象をハプテン(薬物)とキャリア(蛋白)の反応と呼んでいます。

「酸素濃度」や「心の悩み」などは、日常で、いつも起こる生活に密着した要因ですが、私達が生きるために必須のものも、作用が過剰過ぎたり逆に少な過ぎても、病気や炎症とつながってきます。特に、重力はいつも私達のからだに降り掛かっているものですが、長時間労働などで起きている時間が長くなり、体への負荷が大きくなり過ぎると、組織破壊から炎症へと進むのです。横たわって睡眠をとることは、重力からのストレスを軽減する意味もおおきいのです。

逆に楽過ぎる生き方は、代謝抑制による低体温で、からだの防御細胞自体が働けなくなるという状態を引き起こします。ここから、免疫低下が起き、日和見感染へと進のです。慢性疲労症候群の患者が、常在する細菌やウイルスに敗北して感染をくり返すのは、この典型的流れの病気なのです。

 

炎症の強さを決める因子

これまで述べた病気の引き金としての直接てき因子だけでなく、炎症の強弱に影響を与えるファクターがあるのでこれを学びましょう。同じストレスを受けても、平気な人もいれば、炎症が強く出過ぎて困る人もいるということです。

自律神経の働き、栄養の問題、年齢などの要因が炎症の程度に影響を与えています。同じ風邪を引いても、出てくる症状は、人によって千差万別です。これは、からだの自律神経レベルが白血球の分布を決め、炎症の程度を左右しているからなのです。副交感神経優位でリンパ球の比率が高い人は炎症が強く出ます。例えば、風邪の場合は、高熱が出たり、扁桃腺の腫れが強くなります。普段から自分の出す炎症が強い人は、生き方を見直す必要があるのです。

これは膠原病の炎症の場合でも同じです。色白でふくよかな体質の人は、副交感神経優位のため炎症が強く出やすいので、交感神経優位に生き方を改善するというのは大切なことです。具体的には、運動する、食事量を控えめにするといいでしょう。栄養のレベルも炎症の程度に影響を与えています。たくさん食べて太っている人は、炎症が強く出る傾向があります。病気のときは、食欲が落ちることが多いのですが、これは過剰な炎症を防止しようとするからだの反応でもあるでしょう。特に甘い物、油分の多い物を取りすぎると、過剰の炎症に苦しむと思われます。ですから病気になったときは、すぐに消炎鎮痛剤や合成ステロイドホルモンに頼るのではなく、自分の生き方や生活習慣にも目を向ける必要があるのです。

年齢の変化も炎症の程度を決めている因子の一つです。14歳は白血球総数が多く、リンパ球比率の高い時期なので、炎症は強く出ます。加齢が進むにつれて、炎症の程度が軽くなることを知っておくと、無用な不安から逃れることができます。女性の場合は1525歳くらいでもリンパ球が多くなり、炎症が強く出る時期です。このような時期に、強いストレスがあると膠原病が発症しやすいのです。逆に、このような時期に炎症が強く出たら、これまで述べた理解によって不安を軽くすることができるわけです。

 

ストレス反応とエネルギー生成系

私達は多くのストレスにさらされて生きていますが、たいていのストレスには体調を活発化することで適応しています。

つまり、小さいストレスの時は自律神経の力で脈拍上昇と血圧上昇を誘発します。内分泌系では糖質コルチコイドが働いて、高血糖と蛋白合成の促進を引き起こしています。これらの一連の反応によって循環が高まり、代謝が亢進します。こうして活性化した体調でストレスが大きい時は、自律神経の働きで血流を抑制します。これが高血糖とあいまって解糖系を刺激することになります。解糖系は低体温と低酸素によって瞬発力を得るエネルギー生成系です。これによって危機を乗り切ることができます。糖質コルチコイドも大量に分泌されると低体温と免疫抑制が加わります。ミトコンドリア系のエネルギー生成を抑制し、解糖系にシフトして、こうした体調を作り危機を脱出するのです。

強いストレスが長時間にわたって続くと低体温と低酸素状態が続きます。一部組織破壊も伴うことになるでしょう。こうした状態から逃れようとする生体反応が炎症なのです。炎症は再びミトコンドリア系に働いてもらうための反応とも言い換えることができます。このような巧妙な仕組みをよく知っておくことで、消炎鎮痛剤や合成ステロイドホルモンや免疫抑制剤で炎症を抑えようとする危険が理解できるのです。しかしもちろん、組織破壊が強すぎて炎症が大き過ぎると身を滅ぼすこともあるのです。大けがや大火傷のことを考えるとそれが理解できるでしょう。

 

 

管理者からの一言

「リウマチの患者に、消炎鎮痛剤、合成ステロイドホルモン、免疫抑制剤、抗がん剤(メソトレキセート)、坑TNFアルファ抗体などを次々に投与する治療が行われています。炎症を目の敵にしている」

これらの薬は、真に、19歳に発症した娘が処方された薬の内容と同じです。私は、抗がん剤が怖かったので、メソトレキセートだけは捨てさせていただきました。娘はお風呂が嫌いです。のぼせるといって、ほとんどシャワーで済まして、入浴してもカラスの行水です。今でもそれは変わらないです。安保先生の言う通り、生き方が病気を引き起こす、と解っていても、それを娘に伝えて、わかってもらって、実行してもらうには、かなり、私のエネルギーを費やし、反対に、それが仇となったり、とにかく、難しかったです。マッサージだけは受け入れてくれたので、出来るだけ毎日やっていました。もう28歳になったので、これからは、もし、また、病気になっても、それはお前の責任だからね、と言っています。

炎症の反応を理解するのがちょっと難しいですが、これが理解できると、もう、病気になっても、慌てる必要が無いし、病気になっても、怖くなくなるのではないかと思われます。何度も、読んで、理解してみてください。

腎臓病へのアプローチ

16>未来型の医学と新しい可能性

腎臓病へのアプローチ

安保 徹

 

現代医学では多くの腎疾患について、その原因は不明として根本的な治療が行われず、なかなか治らない現状です。しかし、病気には原因があります。生きていく中で精神的に受けるストレス、感染によるストレスなどが背景にあり、病気の原因になっているのは、腎臓病も他の臓器の疾患も同じことなのです。そして、ストレスに対して、からだは二つの反応を起こすという事実を知ることが大切です。

一つはストレスが慢性的に続いたときには、血流障害となって尿をつくる機能が低下し、腎不全の流れに入りますもう一つは、ストレスが急性で強い場合は、炎症を起こして修復反応を起こすことです。多くの腎臓で起こる炎症は、病気が治るためのステップとして起こっています。それなのに、炎症を止めようとする医療行為を行い過ぎることは、からだにとって危険なことであると知っておきましょう。

炎症は、代謝を亢進させて病気をなおすためのミトコンドリアの反応だと考えられます。ミトコンドリア系のエネルギー生成は高体温で上昇しますから、炎症を起こしているわけです。ミトコンドリア内には、ステロイドホルモン(糖質コルチコイド)のレセプター(受容体)があり、この炎症反応はステロイドの投与で反応は抑制されます。したがって、ステロイドの投与による消炎は、病気が治ったから炎症が治まったわけではなく、ミトコンドリアのエネルギー生成系が直接抑制されたことによるものす。この理由をわかっていないと過剰に治療が行われてしまう危険があるので、注意を要します。

この他、腎臓は糸球体や尿細管など腎臓特有の構造があるので、注意を要します。

この他、腎臓は糸球体や尿細管など腎臓特有の構造があるので、この特徴に応じた病態の特殊性も理解する必要があるでしょう。蛋白尿、血流障害、利尿剤の働きなどがキーワードになります。また、ストレスがおなじでも、病気になる人ならない人がいます。これは自律神経や白血球のレベルの変化によって起こる現象です。

 

蛋白尿が出るメカニズム

起立性蛋白尿やネフローゼやその他の腎疾患では、病態の一つとして、蛋白尿が出ます。なぜ蛋白尿が出るのか、原因を考えてみましょう。腎臓で尿をつくる最初の場所が糸球体です。血液から原尿はつくられ、その後、尿細管を通過するうちに水が再吸収されたり、電解質の出入りの調節が行われて最終的な尿として完成し排泄されています。糸球体の内外の境界になっているのは血管内皮細胞で、白血球の基本細胞であるマクロファージ近縁の細胞です。真核細胞が多細胞化して進化を始めたとき、その基本型を残して防御や多文化能細胞としての役割を果たし続けたのが減租のマクロファージです。

防御細胞としての元祖マクロファージは、その後、血球細胞も生み出していますが、その血球細胞を流す管として進化したものが血管内皮細胞です。マクロファージはからだに侵入してきた異物を貪食する能力を保持しています。このような血管内皮細胞は接着分子をつかって相互に手をつなぎ、管としての機能を発揮しているのです。しかし、このような特殊化した機能は、からだの全体の機能が正常に維持されていないと破綻します。

もし、私達が多大なストレスに出合って、交感神経緊張から血管収縮、そして血流障害低体温が起こったとき、蛋白合成低下によって、いろいろな接着蛋白を十分につくれなくなる状況が起きます。このため血管内皮細胞間隙間ができて蛋白成分が漏れるのです。これが蛋白尿の原因です。特に、血中に大量にあるアルブミンが露出します。

起立性蛋白尿の場合は、過敏な体質の人が「立つ」という動作にストレスを受けて蛋白尿が出ると思われます。軽症なので問題にはなりません。しかし、ストレスが強い場合、血中のアルブミン値の低下により、むくみが起きます。膠質浸透圧の低下による組織への水分貯留で起こり、これがネフローゼです。

ここで大切なことは、

過敏体質の人(特に子供)は、普通の人がストレスと感じないレベルの行為、例えば、長く遊ぶ、激しく運動する、日光を浴びる、疲れるなどということがストレスになっていると思われます。したがって、ネフローゼの治療は、からだを休める、からだを温めて血行を良くする、安心させるなどの指導が必要となります。発症のメカニズムが理解できると、医療関係者も親も本人も安心して病気から逃れることができ、また、過剰な対症療法を行う危険からも回避できます。

次に、副交感神経優位の子供は過敏体質になります。その一番大きな原因は、甘い物を摂り過ぎることでしょう。甘い物は、副交感神経優位の体調をつくり、時には低血糖を発症させます。低血糖はインスリンの過剰分泌によってもたらされ、すると、副交感神経も過剰優位になり過敏体質になるわけです。これがネフローゼも食生活の偏りとストレスによって発症するという理由です。

 

IgA腎症

副交感神経優位になるとリンパ球も過剰になるので、風邪を引いたとき、カタル性炎症も過剰になって出現します。それが辛い高熱、扁桃炎やアデノイドの炎症として表れることになります。扁桃腺やアデノイドは分泌型IgAを発生するので、これが過剰になり、一部血流をまわり腎の糸球体に沈着します。このようにしてIgA腎症が発症するわけです。

扁桃摘出手術でIgA腎症が軽症化するのは、IgAの産生部位を取り除くからです。しかし、完全ではありません。口蓋扁桃以外にも扁桃があるからです。むしろ、こういう外科的対症療法よりも、食生活や生活習慣の偏りを改善して過敏性体質そのものを正すのが根本的治療なのです。IgA腎症まで行かなくても、いつも扁桃炎を引き起こす子供や風邪のたびに高熱を出す子供は、体質改善が必要です。

 

糸球体腎炎

私達は激しいストレスに出合うと、血流障害や組織障害が起こります。そして、これらの状況を改善するために炎症が引き起こされるのです。その中の一つに血管炎があります。腎臓の糸球体組織は豊富な血管内皮細胞から成るので、血管炎が起こると、同時に糸球体腎炎が起こることにもなるのです。急性のストレスや慢性のストレスが急性糸球体腎炎慢性糸球体腎炎を引き起こしているわけです。

こういう考え方ができないと、糸球体腎炎の発症を原因不明として、消炎鎮痛剤、抗生物質、ステロイド、免疫抑制剤などを使用する対症療法を行うことになってしまうのです。しかし、ここでも炎症は組織修復のための反応なので対症療法をやり過ぎると、病気そのものが治る機会を失ってしまいます。

自己抗体産生を伴うような病態のときは、ループス腎炎と診断されます。SLE(全身性ループス紅斑)とはっきり診断されて腎炎症状がでてもループス腎炎です。膠原病そのものが血管炎なので、血管内皮細胞の豊富な腎臓の糸球体は炎症の起こりやすい場所なのです。ループス腎炎でも、対症療法をやり過ぎると治る機会が失われることを理解し、むしろ、血流を増やして(からだを温めて)、組織修復を早く終わらすという考え方が大切です。

 

糖尿病腎症

年々、透析に入る患者が増加していますが、約半数が慢性糸球体腎炎から、残りが糖尿病腎症から透析に入っている状況です。糖尿病の治療がうまく行かないまま、腎障害を合併しているのです。糖尿病の治療が経口糖尿薬主体になってしまっていることが、病気を治せない原因でしょう。

糖尿病はストレスによる低体温と高血糖の体調になって発症します。この体調は交感神経緊張でもあるので、副交感神経支配下にある分泌現象も抑制されインシュリンの分泌が低下します。これが高血糖の原因にもなっています。短い時間で、低体温と高血糖になることは瞬発力をつくる「解糖系」には有利になりますが、「ミトコンドリア系」には不利になるのです。

ミトコンドリアは低体温ではエネルギー生成ができないので、生活習慣の無理を止め、からだを温めるのが糖尿病治療の原点なのですが、すぐに経口糖尿薬を使用して、膵臓を疲弊させる流れになっています。働き過ぎなどの生活の改善に目を向ければ、糖尿病も糖尿病腎症も克服できるわけです。解糖系からミトコンドリア系に戻すには、からだを温めること、深呼吸をすることが大切です。

妊娠腎も似たメカニズムが関わっているのでここで説明しましょう。妊婦が心身のストレスを受けて交感神経緊張状態になると妊娠腎を発症します。ストレスが交感神経緊張をつくり、高血圧症や高血糖や蛋白尿を招くので糖尿病腎症と発症メカニズムが少し似ているのです。こちらの場合は妊娠が終わると治るというのみの違いです。

ストレスからはじまっているということがわかると対処法もわかると思います。腎機能の維持にはミトコンドリア系働きが重要で、低体温と高血糖の持続がこれを破綻させ腎症を引き起こしているのです。

 

腎不全と人工透析

腎疾患が進行すれば、尿をつくることが十分できなくなり、クレアチニンやBUNなどの排泄すべき物質が血清中に増加してきます。患者の顔色がすぐれなくなり、頻脈などの交感神経刺激症状が出てきます。アシドーシスのためです。さらに進むと尿毒症となってきます。また高カリウム血症による心停止などが誘発されます。

一般的な腎疾患の治療法は、降圧剤と利尿剤の投与です。しかし、これらの治療法にも問題があります。腎障害のときのレニン、アンギオテンシン系の刺激は腎虚血を改善しようとするからだの反応として起こっているからです。したがって、単にこれらの反応を抑えるだけでは腎虚血の改善になりません。やはり、からだを温めて、適量の水分を補給して腎の血流を促し、レニン、アンギオテンシン系が必要以上に働くことがないという状況をつくる必要があります。

利尿剤の投与は強制的に利尿をつけるので脱水が起きるという危険を常に伴っています。脱水は血液濃縮によって、さらに腎虚血を促進します。こういう考え方がないと、利尿剤の使用で透析に入る時期を早めているという現実を引き起こすでしょう。

いずれにしても、腎障害にはいつも原因があり、生き方に無理があることから始まっているという根本に立ち返って、治療を進める必要があるのです。

管理者からの一言

白血球はマクロファージが変化というか、進化して、マクロファージが筋肉も骨も、血管壁も作っていて、まるで、私達の身体はマクロファージから作られているのではないか、と思う程です。それならば、マクロファージを元気にする方法をおこなえば、病気の問題が解決できます。安保先生はからだを休める、からだを温めて血行を良くする、安心させる、をくり返していますが、飯山一郎さんは乳酸菌とマクロファージは同じ仲間で、豆乳ヨーグルトや発酵食品を進めています。日光浴もよいし、光線療法といって、コウケントー治療もあります。岩盤浴や陶盤浴、サウンドバス、砂の風呂、巷には色々な健康療法が溢れています。私はリンパマッサージを勧めます。空気も水も運動も大事です。病気を治す方法は、たっくさん、あります。しかし、我がリウマチの娘は、運動は嫌い、回帰水という高価な浄水器を買ったけれども、水は、おしっこが近くなるから飲みたくない、豆乳ヨーグルトは口にあわない、岩盤浴やサウンドバスはのぼせるから嫌、健康食品もアロエベラや三木プルーン、酵素ジュース、等、好きでない、玄米食は嫌い、体に悪そうなお菓子が好き、カップラーメンも好き、コーラーや甘い飲み物が大好き、母親として、健康に良いと思って勧めても、ほとんど拒否されてしまい、娘よりも私自身の身体の方がどんどん元気になってしまいました。結局、陶盤浴が、湿気が少なく、毎日、12カ月位通ってくれて、私のマッサージも毎日して、それが、効果があったのではないかなのかなと、振りかえってみて、考えています。

超過敏に苦しむ人々

17>未来型の医学と新しい可能性

超過敏に苦しむ人々

安保 徹

1. 過敏な病気

化学物質過敏症は急激な病気として有名です。せっかくの新築の家も建築の際に使用された有機溶剤などの化学物質が苦痛の原因になります。この他にも、低周波に過敏で苦しんでいる人も多いようです。冷蔵庫やエアコンなどのコンプレッサーから出るゴ―という音や、車の走る音も低周波です。低周波に過敏な人にとって、いったん気になり始めると、他人には理解できない苦しみに陥ります。また、臭いに過敏で苦しんでいる人もいます。

最近では、繊維筋痛症という病気が知られるようになってきました。からだのあらゆるところが痛く、知覚過敏でも苦しんでいるのです。皮膚に当たるそよ風でさえも、いたたまれない辛い刺激になるようです。繊維筋痛症の発症メカニズムは不明とされており、厚生労働省がサポートしている研究班もできているぐらいです。患者の苦しみは尋常ではありません。

パニック症候群も過敏の性状を有しているように思います。最初は激しいストレスによってパニック症候群になったのでしょう。しかし、おびえの気持ちは不安を招き、次第にストレスに過敏を示すようになっていくことが多いと思われます。いつもビクビクして暮らし、時々パニックになるのは辛いことです。パニック時は交感神経緊張ですから、頻脈、不安、おびえ、冷汗、が出現します。

現代医学では、このような人が超過敏になるメカニズムを不明としています。今回は、この問題に観察を入れてみたいと思います。自律神経系の働きを考えると謎に迫ることができます。なぜなら、私達の感覚系が自律神経系の調節下にあるからです。

 

2. 過敏症と副交感神経反応

過敏症や過敏な感覚は、自律神経系の影響を受けて変化します。その理由は、神経細胞と神経細胞の間の伝達が分泌現象によっておこなわれているからです。副交感神経細胞の末端から分泌されて、次の神経細胞にシグナルを伝える物質が、アセチルコリンで交感神経の末端から出る物質がカテコールアミンです。しかし途中のいろいろな神経細胞間の伝達も、アセチルコリンが使われているのです。

すべての分泌現象は副交感神経刺激で促進され、逆に交感神経刺激で抑制されます。このため、興奮状態で感覚は悪くなり、落ち着いている状態で感覚は良くなります。後者の場合が、副交感神経で神経伝達の分泌が良くなっているからなのです。例えば、私達は無我夢中になると、どこかにぶつかっても痛みを感じないときがあるのは、そのためです。

もし、副交感神経レベルがどんどん高くなると神経活動、特に神経伝達が良くなり、ついには知覚は過敏に陥ることになります。脳の活動も亢進して、迷いや悩みの状態に突入していくでしょう。このように自律神経の働きを考慮すると、超過敏の体調もだんだんと見えてくるのです。逆に忙し過ぎて過労死に至るような流れは、交感神経側への偏りによって引き起こされるわけです。

 

3. 甘い物の長所と短所

私達がストレスを受けたとき、素早くストレスを軽減する力のあるものが甘い物です。ケーキや和菓子、ジュースや缶コーヒー、アイスクリームなどが代表的なものでしょう。甘い物は繊維成分がほとんどないので、消化や吸収に手間がかからず、短時間で血糖を上昇させることができます。このとき同時に体温も上昇し、気持ちも安定することになります。

このように甘い物の力は強力なので、有史以来、甘い物が珍重されてきた所以です。1枚のチョコレートが山で遭難した人の命を救うということもあるでしょう。現在の日本では、主食の米を購入する金額よりも、お菓子を買う金額の方が多くなっていると言われます。しかし、お菓子(甘い物)には次のような弱点もあるのです。

甘い物は血糖値を素早く上昇させるために、インシュリンの分泌を促して血糖を下げようとするからだの反応も強くなります。そして、1時間半から2時間後に激しい低血糖になります。それと同様によって低体温も伴い、脱力不安イライラ怒りなどの感情が出現してきます。副交感神経優位から交感神経緊張までのすべての感情が、流れるように出現しては消え、また次に移ります。

穀物から糖を得た場合は、消化や吸収に手間がかかり、血糖は上昇も下降もゆっくりと起こります。そかし、甘い物の場合は血糖の揺れが大きくなるわけです。血糖が安定すると感情も安定します。自律神経の揺れがなく感情が安定した状態は、生きる力の安定でもあると言えるのです。甘い物が好きな人は、この安定化が阻害されてしまします。

低血糖になった人が血糖を安定させるには、再び甘い物を摂る必要があります。これが、甘い物を好きな人がいつも甘い物を摂り続ける理由です。そして、まわりに甘い物がないとイライラして不安になり、ついにはキレたりすることになるでしょう。キレるとアドレナリンが分泌されて、自分の力で血糖が上昇します。このようにキレることも身を守る反応ですが、危険を伴うのです。

 

4. 超過敏反応からの脱出

超過敏反応の人は、2つの要因によってその体質が維持されているのです。1つは過敏な体質をつくる要因、そして、過敏を苦しめるストレスの存在です。この2つを同時並行して減弱する方策を考えてみましょう。

まず、副交感神経優位の生き方は過敏反応をつよくするため、甘い物を控えてリンパ球を減らすことが第一段階になります。急に甘い物を止めるのは不安で辛いことでしょう。この流れを断ち切るのに有効なものがバナナです。バナナは甘さと同時に食物繊維も豊富なので、血糖を安定させることができます。バナナで落ち着いたら、徐々に米の御飯にならしていきましょう。不安な気持ちになったとき、梅干を口にするのも効果的です。梅干には塩分があるので交感神経を刺激する作用があります。また、クエン酸は酸っぱいので自律神経を揺さぶり、安定した状態に戻す力があります。さらに、クエン酸はミトコンドリアのクエン酸回路をまわし、エネルギーを安定供給させてくれます。

次にストレスを除く努力をすることです。痛み止め(消炎鎮痛剤)はストレスの一因になりますから、常用するのは避けた方がいいでしょう。抗炎症作用や鎮痛作用を持つインドメサシンを投与した後、神経伝達物質であるカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)が、通常よりも多く分泌される結果が出ています。痛み止めそのものが交感神経緊張作用を起こすことを知っておく必要があるでしょう。

このように2方向から過敏の原因を取り除くことが大切です。からだを温めることは、超過敏反応の二大要因に対してプラスになるので、ぜひやってみてください。具体的には、湯たんぽの利用や入浴、体操などです。

過敏な病気は、自律神経の働きを理解することで軽減できます。食事の偏りを正し、からだの冷えを取り除くことを始めてみましょう。また、精神や心の安定に努めるといいでしょう。

 

管理者からの一言

この、安保先生の理論を読んで、神経過敏な方のリンパマッサージはしない方がいいのかな、つまり、くすぐったいとか、痛いとか、ちょっと過敏に反応があるからです。リウマチだった娘もリンパマッサージはくすぐったいと言って、あまり好きではありません。しかし、病気のときにやっていた、圧迫のマッサージは、そんなことはありません。リンパマッサージは癒やしなので、交感神経のストレスの疲労には効果がありますが、副交感神経のストレスには効果がないのでは、と最近は感じています。リンパマッサージはリンパの詰まりをとって、リンパ液の流れを促進して、免疫力を高めます。血流を促すのは圧迫マッサージです。ホースに流れている水を勢いよく流すにはどうしたら良いか、という理論から、ホースの管を抑えて、止めた後に、離せば、水が勢いよく流れる、という理論です。どちらが良いのか、どちらも必要であるかも知れません。神経過敏の方は、どんどん外に出て、運動をしたり、気分を外に向け、何か熱中する事を捜すようにした方がいいですね。

私も甘い物が大好きで、性格も短気で、我が娘達から、お母さんは直ぐ怒るんだから、と言われています。山田豊文先生のセミナーで、玄米を食べると、精神状態が落ち着く、と聞いてから、玄米食を食べるようになりました。甘いお菓子は止められないので、食事後に、満腹の状態で食べることにしました。バナナも挑戦しましたが、やはり、ケーキが好きです。でも、23年経過しましたが、今では、昔ほど食べたいとは思わなくなりました。病気の責任を親のせいにしたくなるのも解りますが、それでは解決しません。大人になったら、自分にも責任があります。心を鍛錬して、いつまでも親に甘えず、責任のある大人になってください。

胃潰瘍の成因をめぐる考察

<18>未来型の医学と新しい可能性

胃潰瘍の成因をめぐる考察

安保徹

 

最もありふれた消化管粘膜障害である胃潰瘍の成因は、多くの臨床家や研究者の重要なテーマでした。しかし、今でもすべての人のコンセンサス(意見の一致)を得た成因にたどり着いたとは言えません。今でも「酸消化説」が残っていて、大まじめにH2ブロッカー(酸分泌の抑制)が処方されています。この薬は一般的に市販されるようになり、自分で買って飲んでいる人もいます。

「酸消化説」が消えたわけでもないのに、「ヘリコバクター・ピロリ菌説」が共存している現状もあります。「ヘリコバクター・ピロリ菌説」が本物なら、多くの有菌者が病気になるはずなのに、そのようなこともありません。一部の専門家はヘリコバクター・ピロリ菌のような常在菌を除菌すると良いと言っていますが、実際は解決するべき問題点が残ったままなのです。

本当は「ストレス、顆粒球説」を導入すれば一つの例外もなく、びらん性胃炎や胃潰瘍の成因を説明できます。ストレスは交感神経を刺激し血流障害と顆粒球増多症を招き、大量につくられた顆粒球は粘膜に押し掛けて常在菌と反応し組織破壊の炎症を引き起こすわけです。

しかし、すぐ結論を出してしまっても、皆さんには多くの疑問が残るでしょう。これらの原因について詳しく説明できますが、まず、胃潰瘍の成因をめぐる歴史を省みて、順番に疑問に答えることにします。

 

1800年代の学説

今から100年以上も前の1800年代には、すでに現在考えられているような代表的な「胃潰瘍成因の学説」が登場しています。まず最初に出たのがロキタンスキー(1814年)による「自律神経説」です。迷走神経(副交感神経)が刺激されて胃液の分泌が亢進していることをとらえています。

本来、胃潰瘍はストレスから始まっているので、交感神経刺激が起こるはずなのにどうして正反対の学説が生まれたのでしょうか。その理解は、からだの治癒反射を考えると理解できます。私達はストレスの後に、ストレスから回復しようとか、あるいはストレスを解放しようという自律神経反射が起こり、それが副交感神経反射にきます。これとよく似た現象は大腸でも起こります。ストレスで交感神経が刺激されると消化管活動は抑制され便秘になります。しかし、それをはね除けようとして、副交感神経が強く刺激され下痢になるのです。そして、副交感神経反射には普通の症状である「痛み」が伴ないます。胃で胃液の分泌が亢進しても、大腸で下痢が起こっても痛みが出現します。痛みが副交感神経反射の症状の一つです。

このような事情で、胃潰瘍でもストレス性下痢でも、本来は「痛み」がストレスからの解放反射として起こっているのに、つらい症状なので病気の原因と間違えられてしまうのです。これは潰瘍性大腸炎やクローン病でも同様です。治るときに、痛みや腫れ(血流回復)が起こることを、現代の医師達も早く理解しなければなりません。

次に出た学説がウイルヒョウ(1852年)の「血管説」です。組織標本で局所に血管梗塞を見出し、このような考え方が提唱されたのでしょう。胃潰瘍の人はストレス状態なので、血流障害が強く起こると梗塞まで進むことが考えられます。

そして、ついに出現したのがガンツブルグ(1852年)による「酸(胃液)消化説」です。胃は酸が強く、いかにも胃液によって粘膜が破壊されそうな気がします。しかしストレス状態では分泌現象が抑制されるので、基本的にこの考え方が継承され続けていて胃液や酸を抑制する医療行為が行われています。

 

1900年代に入ってからの学説

「ストレス学説」で有名なハンス・セリエ(1951年)が、胃潰瘍もストレスによって起こることを提唱しています。ストレスは自律神経系の中枢である視床下部を刺激して交感神経緊張が起こり、粘膜破壊につながると述べています。

その後、粘液や粘膜の防御因子に異常があるのではないかという考えなど、さまざま出たように思われます。その他に「粘液や粘膜のバランス説」というものもありました。しかし、自律神経説や酸消化説を上回る学説とはならず消えていったのです。したがって胃酸を抑制する薬剤が使用されているのが現状です。

1983年に、ワーレンとマーシャルによって「ヘリコバクタ―・ピロリ菌説の未熟な点は、この菌が常在菌として、ある年齢に達した人には保有されているということです。例えば、60歳に達した日本人ならば8割以上が保菌者です。しかし、60代の8割以上の人が胃潰瘍になっているわけではないでしょう。少し関連はあるが、絶対的相関がないという場合は、二次的因子としているというのが本当のところでしょう。

ヘリコバクタ―・ピロリ菌はpH1~2ぐらいの強酸では、ほとんど増殖できないので、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃潰瘍形成とつながってくるには条件が必要です。つまり、胃のpHが強酸性を維持できなくなるという条件、一つはストレスによって分泌現象が抑制されて起こること、もう一つは間違った治療(H2ブロッカーなどの長期投与によって胃の内部環境が壊されたとき)なのです。

 

「ストレス・顆粒球説」

顆粒球は細菌処理に大切な白血球の一つですが、過剰になると常在菌と反応して炎症を引き起こします。そして悪化した場合、組織破壊の炎症から潰瘍形成に至るのです。このような考え方は、戦後まもなく斉藤章(元東北大学医学部講師)によって提唱されていましたが、広まることはなかたのです。しかし、この考え方を導入すると例外なく、びらん性胃炎や胃潰瘍の成因にたどり着けるのです。マウスを拘束ストレスにかけたときの顆粒球の動きを示しました。胃だけは、時間が経つにつれて顆粒球が増えていく結果が出ています。

消炎鎮痛剤(NSAIDs)を使っていても胃が炎症を起こしますが、これも交感神経刺激作用を介して顆粒球増多をもたらしているからなのです。潰瘍性大腸炎やクローン病でペンタサやサラゾピリン(腸溶性のアミノサリチル酸)を使用しても病気は悪化していきますが、同じメカニズムによるものです顆粒球は常在細菌と反応して炎症を引き起こすので、ヘリコバクタ―・ピロリ菌の存在は二次的に意味を持つのです。しかし、除菌までするというのはやり過ぎでしょう。

顆粒球とヘリコバクタ―・ピロリ菌を増やしている原因のそれぞれを取り除く、NSAIDsなどの使用を止める、制酸剤で胃の内部環境を壊すことを止める、などに気をつけることです。

顆粒球は濃をつくる白血球ですから、たくさん集まると一か所にまとめられて外に放出される運命をたどります。これが、びらん性胃炎から胃潰瘍に進展するメカニズムで、すべての胃粘膜障害のメカニズムを無理なく説明できるのです。例外ばかりの酸消化説やヘリコバクタ―・ピロリ菌説の限界を知ってほしいのです。

最後に、H2ブロッカーとプロトンポンプ・インヒビターの作用にいて述べましょう。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムのような制酸剤とは違った特徴があります。H2ブロッカーはそもそも、抗ヒスタミン剤の中からスクリーニングで見つかった薬剤です。したがって、酸を抑制するだけでなく、ヒスタミンレセプターを持っている他の細胞にも作用を及ぼすということです。

顆粒球も膜上にヒスタミンレセプターを保有しています。このため、H2ブロッカーは胃の酸分泌を抑制すると同時に、顆粒球に働いて増殖を抑制する作用があったのです。しかし、顆粒球への作用は長く使用していると効果は減弱します。

もう一つ、プロトンポンプ・インヒビターは酸分泌の抑制作用だけでなく、多くの細胞の分泌現象を機能的に抑制する力があるということです。このため、顆粒球の細胞外分泌現象が抑制されて、顆粒球の活性酸素放出作用などが低下するのです。この働きによって顆粒球が常在菌と反応して組織破壊する力が低下します。つまり、プロトンポンプ・インヒビターの胃粘膜保護作用も酸分泌の抑制を介するよりは、顆粒球の働きを止めることによって起こっているわけです。しかし、分泌現象全般に作用するため副作用も強くなります。

このように、「ストレス、顆粒球」を導入すると胃粘膜障害の全体像が明らかになります。あらゆる薬剤に頼り過ぎ、無理な生き方や心の悩みを解決することが病気を治す本当の力になるでしょう。からだを温めて血行を良くすれば、組織の修復はより早くなります。ぜひ実践してみてください。

管理者からの一言

新薬は、旧薬よりも高価で、良く効きます。しかし“効果が大きい代わりに副作用も大きい”と言われる所以が良く分かると思います。病院に行くと、薬が処方されますが、飲み続けている限り、悪くなります。最終的には手術で取ってしまいます。治るどころか悪くなります。かといって、ドラッグストアから胃薬を購入して、服用するのも危ないです。

私の義理の兄は胃潰瘍で手術してから、糖尿病になり、その後の人生は好きなタバコも酒も楽しめずに、亡くなりました。

御自分のお体を御慈愛ください。

老化のメカニズム

19>未来型の医学と新しい可能性

老化のメカニズム

安保 徹

 

老化する生き物と老化しない生き物

細菌(バクテリア)類は老化のない生き物です。良い環境と栄養があれば分裂して個体を増やして繁栄しています。あまりにも低温であったり(冷蔵庫の中など)、まったく栄養が無いと分裂を休みジッとしています。そして、再び良い条件になると分裂を開始します。また、乾燥などで水分が無い場合も分裂を休む条件にはいります。したがって魚の干物は、細菌が繁殖しにくいわけです。

細菌類は原核生物で、動物や植物とは区別できます。動物や植物は真核生物で、分裂して生長しますが、いずれ老化してしまいます。この点が細菌類と違うところです。原核細胞には老化はなく、不老不死の世界をつくっています。一方、真核細胞は子孫をのこすものの本体はいずれ老化して死んでしまいます。この点が細菌類と違うところです。マラリア原虫は単細胞の真核生物で、私達ヒトは多細胞の真核細胞です。同じ仲間なので、やはりマラリア原虫にも老化はあると思います。

 

なぜ老化するのか

真核生物が老化する原因は、この生き物が今から約20億数年前に2つの生命体からできたためでしょう。20億年以上前の地球は、大気中にほとんど酸素が無い環境で、酸素を使わずに生きる謙気的生命体だけの世界でした。私達の先祖細胞も解糖系でエネルギーをつくっていきていた。いわゆる「解糖系生命体」です。このレベルでは、無酸素下で分裂しながら生き続ける原核生物だったわけです。

ちょうどこの頃(約20億年前)、シアノバクテリアという藻類の元素が進化で生まれ、酸素を大気中に産生し続けるということが起こり始めたようです。葉緑体を持つ植物の先祖とも言えるでしょう。それでもまだ、大気中の酸素は1%もなかったと思われますが、謙気的に解糖系で生きる私達の先祖細胞は酸素の害で生きづらくなっていたのです。また、この頃同時に、酸素を使って効率よくエネルギーをつくるミトコンドリア生命体」も進化で出現していました。

そして、ついに私達の先祖細胞にミトコンドリア生命体が寄生するという現象が起こったのです。2つの共同体が安定した状態になって真核細胞(真核生物)ができたのは、今から約12億年前のことです。謙気的生命体と好気的生命体の合体は、なかなか相容れず安定まで8億年を要したということです。

そもそも、解糖系生命体もミトコンドリア生命体も不老不死の生命体だったのです。しかし、酸素の嫌いな解糖系生命体が酸素の大好きなミトコンドリア生命体を受け入れたので、軋轢があるわけです。酸素の嫌いな本体が、ミトコンドリアで生成される活性酸素の害で老化するという現象が起こったのでしょう。これが、老化のメカニズムです。

老化して個体(真核生物)が死んでしまっては、子孫を残すことができません。そこで方策ができたのです。精子はミトコンドリアが少なく(100個以下/精子1個)、解糖系でエネルギーをつくり分裂しています。逆に、卵子はミトコンドリアが非常に多いのが特徴です。(10万個/卵子1個)。つまり、精子は解糖系生命体であり、卵子はミトコンドリア生命体と言っていいでしょう。生殖によって精子と卵子は合体します。これは20億年前の2つの生命体のやり直しと言い換えられるのです。新しい出発です。

しかし、このようにして新しく生まれた生命体も、いずれ老化して死ぬ運命にあるのです。真核生物には次々と進化は加わっていますが、老化現象と生殖は、どこまでもついてまわっています。

 

老化を早める生き方、

「ミトコンドリア老化説」という考え方があり、老化におけるミトコンドリアの放出する活性酸素の役割を重要視しています。しかし、ミトコンドリアの働き具合を決定しているのは私達の生き方です。ですから、最終的に老化を早めるのも老化を遅らせるのも、私達の生き方にかかっているのです。生き方によってミトコンドリアに負荷がかかりますが、ここには解糖系が必ず関係してくるので、ミトコンドリア老化説とまでいうのは過言でしょう。

では、老化のメカニズムを見ていきましょう

第一は、人間の持つ能力の使い過ぎでしょう。働き過ぎがその代表的なもので、現代人は働き過ぎで老化しているように思います。働き過ぎは重力に逆らっている時間が長いということでもあります。重力の負荷を受けて、骨格筋、脳、心臓に負担が続くことになります。平滑筋、特に赤筋はミトコンドリアの多いところです。

興奮のし過ぎは、解糖系に負担がかかり二次的にミトコンドリア系を刺激する行動です。感情の爆発は怒りや憎しみです。不平や不満や恨みなども老化の原因となりそうです。こちらは、直接ミトコンドリア系を刺激し続けて老化が進むパターンになりそうです。迷いや不安も危険でしょう。

日常生活の中に多くの老化を勧める原因が存在しています。ほどよく生きることの大切さがわかります。しかし、楽して寿命を延ばすことも困難です。こちらの方は、能力低下がストレスを受けやすくしてしまい、結局はストレスで破綻してしまうでしょう。運動不足、失望、楽のし過ぎなどの生き方です。無理をすると直接のストレスになり、楽をするとストレスに弱くなって二次的にストレスを受けやすくなってしまうということです。無理をすると直接のストレスになり、楽をするとストレスに弱くなって二次的にストレスを受けやすくなってしまうということです。

次にストレスの反応を知りましょう。ストレスは二つの反応系を介してストレス体調をつくります。交感神経系(副腎髄質も含む)を介した経路と糖質コルチコイド分泌を介した経路です。糖質コルチコイドは脳下垂体からACTHがまず分泌され、その刺激で副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌されるのです。

この2つの経路は、どちらも低体温と高血糖を起こします。とても不思議な状態ですが、これは瞬発力をつくる「解糖系」を働かせるために最適の体調です。しかし、この体調が長引くと連鎖でミトコンドリア系の過剰刺激にもなってしまいます。具体的には、怒りを爆発させて心臓がドキドキしたり、頭に血が上がったり、筋肉に緊張が走る状態です。

ミトコンドリアの過剰活性化は活性酸素フリーラジカルの露出を招くので老化が進むわけです。ミトコンドリアの働きも、それ自体で活性化する場合がありますが、このように急性ストレスから始まる場合も多いのです。老化の流れが進む過程で、糖尿病や高血圧症が出現します。そして、このストレス体調が集中的に続くと発ガンすることになります。解糖系へのシフト現象です。

 

エネルギー生成系の中の相互作用

今から2012億年前までの8億年間は、解糖系生命体とミトコンドリア生命体の協調を獲得するための歳月だったと思われます。解糖系側はミトコンドリア系側からの要求は、それまで解糖系生命体が持っていた分裂能を抑えて乳酸の産生を少なくさせることが大切だったと思われます。大量の乳酸を放出されて環境のpHが強い酸性に傾くと、自分のエネルギー生成につかっている酸素が消費されて使えなくなってしまうからです。今でも、私達のからだの体液や血流はpH7.37.45のアルカリ性になっています。この状況を保つことで、ミトコンドリアが酸素を使う条件が維持されているのです。

解糖系の分裂を抑制することは乳酸の産生を抑えるとともに、ピルビン酸のレベルでエネルギー源を取り入れて、ミトコンドリアがクエン酸回路を動かすためにも必須の条件です。現在の分裂抑制遺伝子あるいは、ガン抑制遺伝子の起源はここまで遡ることができ、つまり、再び分裂してほしくないというミトコンドリア側の要求が、私達の発ガン抑制の仕組みなのです。

もう少し具体的に相互作用を明らかにしました。解糖系の働きが高まると乳酸が産生され、糖に再生されます。したがって、解糖系が働いてもいずれミトコンドリア系に負担がのしかかることになります。

解糖系が分裂を盛んにするときは、bc-2遺伝子を使います。しかし、ミトコンドリア側は分裂を抑制するためにガン抑制遺伝子を使って対抗します。それでもうまくいかないときは、アポトーシス(細胞のプログラム死)を起こしてしまいます。

ミトコンドリア側のこのような働きはシトクロームCを使って行われます。ミトコンドリアが働き過ぎたときは、この中で電子が流れ過ぎの状態になっています。このとき、シトクロームCがミトコンドリアの外に放出されるわけです。FasApo-1などの細胞キラー分子を次に活性化します。そして、カスパーゼ(細胞にアポトーシスを起こさせるシグナル伝達経路を構成する蛋白質分解酵素)に働きが移って実際の死を実行します。

このとき、解糖系側の抵抗も起こり、HSP(熱ショック蛋白)を放出bc-2の上昇を促し、死よりも分裂を選択することになります。このようにして、死の刺激のくりかえし(老化)からの脱却反応が、発ガンを選択することになります。ヒトのからだの成熟期は、解糖系とミトコンドリア系の調和の時期なのですが、働き過ぎというような無理をすると突然死や老化の促進になります。また、ついには発ガンという流れをつくる力にもなるのです。

 

管理者からの一言

一人の人間の細胞は60兆とも100兆とも言われています。60兆かなと思っていたのですが、あるユーチューブで100兆とも言っていました。

老化は遺伝子のテロメアが短くなって起きるとも、更に発ガンはウイルスや放射線が原因で、遺伝子が傷ついて起きるともいわれています。話が飛んで、聖書では人間の罪が病気や老化、死の原因であると。

安保先生は生命体の起源から説明されているので、安保先生の理論の方がよく理解出来て納得ができます。すべての生物の起源は微生物であるということですね。微生物を理解して、仲良く生活する事が、生きるコツのように思われます。

 

免疫系の二層構造

20>未来型の医学と新しい可能性

免疫系の二層構造

安保 徹

 

リンパ球をつくる胸腺や骨髄は加齢と共に退縮します。リンパ球の働く場所であるリンパ節や脾臓(特に、白脾髄)も加齢と共に縮小する傾向にあります。こういうことに目を向けると、お年寄りは免疫力が低下して弱ってゆくという印象が強くなるでしょう。確かに、老衰したお年寄りが肺炎に罹ってこの世を去るというのはあることです。

しかし、免疫系は二層構造になっていて、前記したような流れとは別の動きや働きを示す免疫システムもあるのです。これは1990年頃から明らかになってきました。腸や肝臓に存在する免疫系は加齢による縮小という流れは取らず、むしろ老齢で活性化するような傾向を取っています。

胸腺と骨髄とリンパ節を中心とした古い免疫系と、腸や肝臓を中心とした古い免疫系の存在を正しく理解すると、難病や老化や妊娠の免疫システムが明らかになってくるのです新しい免疫系古い免疫系は生物の系統進化と関連しており、それぞれがその進化レベルで生き延びるために必須の免疫システムだったのです。

しかし私たち、ヒトのレベルに達すると、新しい免疫系と古い免疫系はそれぞれ、外来抗原(生体内に入ると抗体をつくらせる原因となる物質。一度抗体ができると、次に侵入した同じ原因物質と特異的に反応する。異種の蛋白質や多糖類・毒素・微生物などが抗原となりうる。)向けの免疫システムと、内部監視(自己応答性ゆえ)の免疫システムとして、働くようになっていると思います。これは、ストレスや老化に伴って巧妙にリンパ球が働くための条件を整備しているように思えます。

 

新しい免疫系の役割

胸腺や骨髄は、生物が上陸してから進化で出現した新しい免疫臓器です。胸腺は魚類や両生類のエラから進化しています。エラは多くの抗原と出会う場所なので、異物侵入から身を守るためにリンパ球が集合する場所になっていました。しかし、生物が上陸を果たして肺呼吸をするようになるとエラは退化していきました。

ところが、エラと周りのリンパ組織はそのまま残り、消滅しなかったのです。つまり、胸腺として私達のからだに残ったのです。エラは内胚葉ですがエラ穴は外肺葉です。それぞれの場所に多少、異なったリンパ球が進化していきました。胸腺は皮質が内胚葉上皮と新しいリンパ球で、髄質が外胚葉上皮と古いリンパ球から構成されています。

皮質に存在するリンパ球は新しい免疫系のリンパ球(T細胞)で、ここで成熟するT細胞の95%は自己抗原と強く反応してアポトーシス(細胞のプログラム死)で死滅してしまいます。そして、残りの5のクローン(同一の起源を持ち、尚かつ均一な遺伝情報をもつ核酸、細胞、個体の集団)はヘルパーT細胞や傷害性T細胞として成熟します。これらのクローンは自己とはもう反応せず、必然的に外来抗原向けクローンになるわけです。

アポトーシスを引き起こすには、リンパ球に対して強い反応が必要です。CD4+CD8+の形式を持ち、主要組織適合抗原(MHC)のⅠとⅡと両方に反応する刺激でこのような反応を起こすまでに至っています。生物が上陸すると外から入ってくる抗原は格段に増加したことでしょう。こうした環境でも生き延びるために、胸腺を準備したわけです。驚きです。

骨髄も生物が上陸するまでは無かった臓器です。上陸する前の生物は、主に腎臓(前腎)が造血臓器になっています。そして、上陸や出生によって造血臓器は骨髄に移ったのです。骨髄では赤血球造血の他に、ミエロイド系細胞(マクロファージと顆粒球)と血小板とそれにリンパ球B細胞がつくられています。

もう少し正確に言うと、ふつうB細胞の成熟は胎生期にすでに存在した幹細胞から脾臓の成熟は胎生期にすでにつくられているというのが本当のところのようです。胸腺でつくられているというのが本当のところのようです。胸腺でつくられるT細胞も骨髄から移行した幹細胞からつくられているのではなく胎生期から胸腺に存在した幹細胞から直接つくられているというのが本当です。これはパラバイオーシスという、マウスをわき腹でつなぎ合わせる実験から明らかになったことです。

いずれにしても進化レベルの高い、そして新しい免疫系を構成するリンパ球であるT細胞とB細胞は外来抗原向けの免疫システムなわけです。このB細胞はB-2細胞と呼ばれて、外来抗原向けの抗体を産生するB細胞はB-1細胞と呼ばれています。

 

古い免疫系について

リンパ球の進化は、生物が上陸する前から既に始まっています。では、これらのリンパ球はどこに存在したのでしょうか。それが、腸管と肝臓です。肝臓は、線形動物に進化したあたりで腸から派生しています。胆汁をつくる外分泌腺として進化が始まり、その後、造血臓器となったり、脂肪や蛋白を貯蔵する臓器ともなったのです。

腸と肝臓で起こったリンパ球の出現は、外来抗原に備えるという目的の他に、増殖する再生上皮細胞の調節や異常化した自己細胞の排除という目的があったものでしょう。生じてくるクローンはそのまま成熟したものと思われます。つまり胸腺のような自己と反応するクローンを積極的に除くというシステムはありませんでした。その方が、異常自己を除くにはむしろ適しています。

このような腸と肝臓に存在するリンパ球の特徴は、そのまま上陸後もこれらの臓器には残ったのです。実際、ヒトの腸上皮内リンパ球や肝リンパ球は胸腺外分化T細胞と呼ばれ自己応答性を保存しています。やはり、再生上皮細胞の調節やガン細胞の排除にも当たっているのです。また、これらの胸腺外分化T細胞と同時に存在するB細胞はB-1細胞と呼ばれ、自己抗体をつくる性質を持っています。

こうして概要を述べてみてわかることは、まずリンパ球は異常自己を除くために腸管で発生したということです。エラも上部消化管なので同じ仲間です。肝臓は腸から派生しているのでやはり同じようなリンパ球を保持する場所になっています。そして、生物が上陸を果たしてから、増加し続ける外来抗原に対応するために胸腺と骨髄のリンパ球が上乗せして進化したということになります。

NKおよびT細胞系列という言葉があります。NK細胞から胸腺外分化T細胞、さらに胸腺由来T細胞と進化していったのです。T細胞にはガンマデルタ型T細胞とアルファベーター型T細胞の2種類があります。前者のほとんどは胸腺外分化していて、腸管に存在します。しかし、アルファベーター型T細胞の中には胸腺外分化するものと胸腺内で分化するものの両方があります。出生後の胸腺でつくられるT細胞のほとんどすべては、アルファベーター型のものです。

 

二つの免疫システムと抗原提示分子

新しい免疫系は外来抗原向けで、この抗原認識には主要組織適合抗原(MHC)が使われています。胸腺でつくられたT細胞はT細胞レセプター(TCR)で抗原を認識しますが、直接認識するわけではありません。MHC分子の溝(グループ)に抗原を入れてT細胞に認識してもらうわけです。MHCは赤血球を除くほとんどの構成細胞に発現していますから、このMHCを介してリンパ球が働いているということです。

MHCは各個人でアミノ酸列に多少の違いがあります。このため2つの現象が生まれることになります。一つが移植の時の拒絶抗原となってしまうことです。私達の身体をつくっている蛋白質のほとんどは同じ構造ですが、MHCは多少異なります。このため、これが異物として認識されて移植の時に拒絶されてしまうのです。移殖片の拒絶は相手側のリンパ球によってなされています。

二つ目が、各個人でMHCのアミノ酸配列が異なるために同じ抗原を認識しても免疫反応に多少の違いが生まれるということです。このため、集団で危険な感染症が拡大しても生き延びる人が生じるということになります。これが人類を絶滅から救う力になっていたと考えられます。

しかし、MHCには各個人でアミノ酸列に多様性の無いものもあります。つまり多様化MHCに対して単様性MHCです。単様性MHCの存在する場所は、興味深いことに、腸上皮、肝臓細胞、そして子宮内膜細胞です。つまり、古い免疫系である胸腺外分化するT細胞の存在する部位です。これは深い意味をもった現象です。つまり、免疫システムの二重構造とMHCの進化が並行して進んでいったということです。

ヒトのMHCにはHLA-ABCDがあります。これらは多様化したMHCなわけです。しかし、HLA-EFGもあります。これらが多様性MHCです。HLA-Eは腸上皮に、HLA-Fは肝細胞に、そして、HLA-Gは子宮内膜に発現しています。母親のリンパ球も胎児のリンパ球もまわりは単様性のMHCなので拒絶反応はおこらないのです。これが妊娠の成立するメカニズムになっています。

 

古い免疫システムの働く時

老化では新しい免疫システムは縮小し、古い免疫システムが優位になっています。老化で生じたガン細胞や異常細胞を自己応答性を使って排除する仕組みからは、免疫系の巧妙さがわかります。90100くらいの年齢になると血清中に自己抗体(自分自身の細胞や組織を抗原とする抗体のこと)が大量に出現しています。健康なのにです。すなわち、自分自身を破綻させるものから身を守る力が強くなるということです。こういう事実をまなびましょう。老化は、ただ弱くなるという概念ではとらえられない現象なのです。

自己抗体が出現することはマラリア感染でも起こります。マラリア原虫は肝細胞や赤血球の中に寄生してしまうので、普通のT細胞やB細胞では攻撃できません。ここでも自己応答性を使って古い免疫システムが処理するわけです。自己抗体がついたマラリア原虫感染細胞は、最後には白血球の基本であるマクロファージが処理します。

自己免疫疾患で生じる自己応答性禁止クローンや自己抗体は今の医学では、悪いことのようにとらえられています。しかし、これも誤りの可能性があります。ストレスで生じた異常自己を速やかに排除するための合目的反応と考えられるからです。

もう一つ、自己免疫状態が、老化と同じように新しい免疫系にとっては免疫抑制状態にあるということです。この事実を知らないと自己抗体産生を免疫亢進と勘違いして免疫抑制剤を使用るという流れに入ってしまいます。身体にとっては、負担がかかり逆効果に作用します。

したがって、免疫システムの二層構造についてしっておくことが大切になるのです。

 

管理者からの一言

病院では“ベッドサイドマニュアル”というものがあり、それに沿って治療が行われます。このマニュアルの内容は、安保先生の説の真逆の治療がかかれています。なんということでしょうか!!…。しかし、少しづつですが、変化しているとおもいます。この変化に拍車をかけるのは、患者の意識です。お医者様にお任せ主義にしないことです。あなたの身体は、どんなことがあろうと、あなたが死ぬまで付き合ってくれます。だから、あなたのお体はご自分が守ってあげましょう。

 

アレルギー疾患を治すには  子供のアトピー性皮膚炎を治すには

<21>未来型の医学と新しい可能性 

体温と循環系

安保徹

アレルギー疾患の増加

子供のアトピー性皮膚疾患、食物アレルギー気管支喘息が増加し続けています。若者では、ステロイド軟膏で難治化したアトピー性皮膚炎が増加しています。大人では、花粉症や蕁麻疹で辛い目に合っている人が多くなっています。このような流れは、基本的には日本の経済的豊かさが関係しているようであり、また、治療法の問題点もあります。

アレルギー反応を起こすIgE反応を起こすIgE産生リンパ球や好酸球(白血球の一種である顆粒球の一つ)は副交感神経支配下にあり、穏やかな生き方が続くと増加していきます。日本では昭和50年代に入ってからアレルギー疾患(特に、アトピー性皮膚炎)が増加し始めました。お菓子を多食する、外で遊ばないなど、副交感神経優位の生き方が現代の日本の子供達には通常のことになっているからです。

一方、大人の場合は、自動車が普及して体を動かす機会が少ない。ストレス解消のために飲み食いに傾く、等が副交感神経優位の生き方となり、リンパ球全体を増やしている訳です。もう一つ、大人のストレス社会も関係しています。アレルギー疾患の引き金は、抗原(アレルゲン)だけではなく精神的なストレスも発症の引き金になるからです。

現代の日本人は、アレルギー疾患に罹っても自分で治そうと努力することが無くなっています。今の日本には28万人の医師がいて、毎年8000人近い医師が新しくうまれているにもかかわらず、医師不足になっています。便利で豊かな国に暮らす日本人は、子供から大人まで、ひたすら病院に押し掛けているからです。病院へ行って病気が治ればいいのですが、そうとばかりは限りません。この傾向はアレルギー疾患で特に顕著になっています。では、アレルギー疾患を治す方策を探りましょう。

 

アレルギー反応の意味

腫れ、痒み、発疹、下痢などのアレルギー反応が強く出現したら、辛くて大変です。また、気管支喘息の発作や食物アレルギーの激しい腹痛や下痢は身を滅ぼすような苦しみになります。しかし、これらのアレルギー反応がいすれも抗原を外に出すための治癒反応として出現していることは驚きの事実です。

例えば、花粉症の時の鼻水は花粉を鼻粘膜から取って外に出すための必須の生体反応なのです。喘息の時の喘鳴発作も強い呼気でハウスダストなどをからだの外に吐き出しているわけです。食物アレルギーの時の下痢はさらにわかりやすい例です。このように考えてゆくと、アトピー性皮膚炎で出現する腫れ・痒みも血管を拡張し、血流を増やし抗原を局所から洗い流す反応であると理解できるでしょう。

これにかかわるのが、IgE抗体と肥満細胞です。抗原と抗体の免疫複合体が肥満細胞のFcレセプターに着き、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターを放出します。これが血流を増やし、痒みをつくるのです。痒みがあると抗原のある場所を避けようとする行動と同時に体温上昇がおこります。くしゃみや下痢の後、さっぱりした気分になりますが、実際に体温が1℃上昇し、からだの血流が増加した状態になっています。

ここで大気汚染と気管支喘息の関係を考察してみましょう。浮遊状微粒子などの汚染物質もからだの外に出す必要がありますから、大気汚染は喘息発作を誘発する力になります。都会の子供たちの中での気管支喘息の増加は、このような背景も加わっています。

もう一つの、排気ガスとアレルギー疾患のつながりのメカニズムはが存在します。炭酸ガス(Co2)がリラックスの副交感神経を刺激する力を持っているからで、炭酸飲料が大好きな人が多いのは、この作用ためです。酸素(O2は私達を興奮させますが炭酸ガスはリラックスの体調を作ります。子供や女性ではコーラーやサイダーなど、大人にはビールがリラックスを介してリンパ球を増やす力になっています。

 

誘発刺激の多様性

アレルゲンとして一番多いものはハウスダストです。ハウスダストの中には綿ゴミやダニ抗原などの他、色々なホコリガ混在しています。動物(ネコの毛など)から出るホコリも入ります。これらが、皮膚に付着したり吸気から大量に入ってくると、普通の人は咳やくしゃみなどで排泄できますが、リンパ球過剰体質の人はアトピー性皮膚炎や気管支喘息を起こすことになります。

食物アレルギーで多く見られる抗原は、卵(卵白アルブミン)、牛乳(カゼイン)、小麦(グルテン)、この他、青背の魚やエビ、カニの蛋白です。抗原を避ける努力も必要ですが、リンパ球を減らす努力も大切です。それは甘い物を避けることです。

物質だけではなく、紫外線(電磁波)や寒冷の刺激もアレルゲンとなります。これに金属イオンも加わります。多くの人にとって、歯科の治療に使われる金属類はアレルギー反応を誘発しないのですが、リンパ球の多い過敏症のある人には刺激となって反応するのです。ホルムアルデヒドなどの有機溶剤も化学物質としてアレルゲンになり、化学物質過敏症が生じます。

最後に、肉体的、精神的なストレスがアレルギー反応を誘発することを知らなくてはなりません。大人の花粉症は、職場のストレスからも誘発されます。また、夜更かしなどのからだのストレスも問題になります。よって、アトピー性皮膚炎や気管支喘息の子供が、甘い物を食べて夜更かししていたら病気から脱却できないのです。子供にとっては、学校でのイジメなどのストレスも誘発原因になります。

低気圧は副交感神経優位の体調を作りリンパを増やす力を持っています。春は気圧が1035hpa(ヘクトパスカル)くらいから1010hpaまで下降する時期で、さらにホコリや花粉が多いのでアレルギーの季節となるのです。従って低気圧の時に発作が出る人も多いのです。

 

アレルギーの対症療法

アレルギーの発症は低年齢化の傾向が強くなっており、生後半年くらいでもアトピー性の発疹や発赤が出現しています。これは母乳を介してアレルゲンが乳児に入るためと考えられます。アレルギー反応を起こして、血流を増やしアレルゲンを洗い流しにかかっているわけです。本来は、アレルゲンを除去する働きとして起こっている発疹や発赤ですが、発疹や発赤が全身に拡がると周りの人は驚きます。

アレルゲンが母乳を介して乳児に移行する時は、母親の食べ物や日常生活を見直す必要があるでしょう。女性が好きなケーキやアイスクリームは抗原性の高い卵白アルブミン、牛乳(カゼイン)、小麦(グルテン)を大量に含み、冷たい飲み物もからだを冷やし、抗原処理を遅らせます。そして母乳に移行します。母親の日常生活や日常生活を見直すことが大切なのです。

対症療法の薬として抗ヒスタミン剤やステロイド軟膏があります。これらを熱心に使うと問題が起きています。そもそもアレルギー反応は抗原を外に出したり、局所から洗い流すための反応であり、抗ヒスタミン剤で反応を抑制すると、薬が切れた時にまた反応が起こる。また止める、また起こるという状態になるからです。

アレルギー反応はそのままにしておくと一晩くらいで消失しますから、対症療法の頼り過ぎから脱却できます。血行をよくするとアレルギー反応は治まります。いつも薬に頼る治し方から逃れる工夫が必要です。原因を追究しましょう。子供の場合は、甘い物をたくさん摂ってリンパ球体質になって発症していることが多いようです。

アトピー性皮膚炎に処方されているステロイド軟膏は、消炎作用が強く現在もまだ使われています。それが、病気を悪化させる原因になっています。ステロイドの消炎は、エネルギー生成系に働いて炎症を引き起こすエネルギーを止めて消炎しています。したがって病気が治って消炎がおこっているわけではないのです。子供でも感性があると、ステロイド軟膏による消炎は本当の治療ではないときづくはずです。

しかし、ステロイド軟膏に頼る人も多いのが現状です。炎症を薬で抑制すると薬が切れるという流れを続けるのです。しかし、ステロイドはコレステロール骨格を持ち、からだからの排泄が困難な物質です。このため、組織に沈着して残り、過酸化脂質に変成してゆきます。

こうして、過酸化脂質による刺激も加わりアレルギー炎症が増強してゆきます。長期にステロイド軟膏をつかっていると薬を増殖したり、強い力価のステロイドを使わないと炎症を止められなくなるのです。このようにしてステロイド依存が進行してゆきます。ここに至って、始めてステロイド離脱を試みる人も多いのです。

しかし、ステロイドの塗布を止めるとそれまで抑えられていた炎症が爆発的に出現します。顔だけではなく全身に炎症が拡がります。これがステロイド離脱後のリバウンド現象です。英語ではwithdrawal syndromeと呼ばれています。この発作は交感神経緊張も伴うので頻脈や尿減少や白内障などを誘発する力も持っています。からだを温めて血行を良くして乗り切りますが、症状が強い人は医師の指導下に進める必要もあります。

リバウンド現象で辛い時、交感神経緊張状態を反映して減少傾向のリンパ球レベルがさらに低下しています。しかし、次第に炎症が落ち着くとリンパ球レベルの正常化してゆきます。ステロイドの使用期間が長いと炎症が治まっても健康な状態の皮膚に戻るのは時間がかかります。塗った期間の3分の12分の期間が必要です。皮膚やからだを温めて炎症を強く起こした方が、過酸化脂質が排泄されやすく、健康な皮膚に戻る期間が短縮されます。

 

大人のアレルギー疾患

大人のアレルギー疾患で多いのは花粉症、通年性鼻アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症です。大人の場合、誘発原因は日常生活からくるストレスが引き金になっていることが多いのが特徴です。心の悩み、夜更かし、会社でのトラブルなど多彩です。原因は人それぞれですから、原因を自覚してそれを取り除く努力が必要になります。

食生活の偏りなども、リンパ球過剰体質をつくりますから見直しましょう。大人も子供もアレルギー疾患で辛い時は低体温が伴っています。入浴や体操で常に血行を良くしておくことが大切です。アレルギー疾患を根本的に治すためには対症療法から脱却し、体質改善とストレスから逃れることが必要です。乾布マッサージは心身を鍛えるには最適な方法です。

春はアレルギー疾患の人にとっては辛い季節です。単に花粉が飛ぶというだけではなく、冬の交感神経優位から春の副交感神経優位への移行の時期だからです。この法則を知っておくと、春はアレルギー症状が多少出ても、そのうち症状は落ち着くだろうと予測できます。すると、精神的ストレスから解放されて症状が軽くなるという流れがつくられるでしょう。

私達日本人には、経済的に恵まれて豊かな環境で暮らせるようになりました。副交感神経優位の生き方です。しかし、こういう生活がリンパ球を増やし過敏体質をつくるようになりました。生き方や食生活に注意を払わないと過敏症で苦しむことになるという現状把握が必要です。

管理者からの一言

アレルギー疾患を治すには、魔法の薬はないようですね。対症療法はどんどん悪化させるだけです。原因があって、結果です。病気の原因をわかって、それを取り除けば直ぐに病気を治せます。現在の病院の治療は対症療法が多いので、病気を治せません。自分の生活を振り返ってみて、少しでも原因を見つけ出して、取り除くしかないです。赤ちゃんの場合は母親が作っているようです。母親の生活を見直しましょう。

エネルギーの有効な生成法とリンパ球のしくみ

22>未来型の医学と新しい可能性

エネルギーの有効な生成法とリンパ球のしくみ

安保 徹

 

私たちのエネルギーは2つの方法を使ってつくられています。つまり、解糖系ミトコンドリア系です。前者低体温(32℃)、低酸素、高血糖の条件下で働き後者は高体温(3739℃)、高酸素の条件下で働いています。そして、使い道も異なるのが特徴です。解糖系でできたエネルギーは瞬発力(白筋による)に使われ、ミトコンドリア系でできたエネルギーは持続力(赤筋による)に使われています。

解糖系の場合はむしろ血流を止めた方が効率よくエネルギーをつくれます。短距離走や怒りのような行動のばあいは血流を抑制したり、呼吸を止めたりして、その条件をつくっています。実際、抹消の血液循環を顕微鏡下で観察すると、毛細管血流は流れたり止まったりをくり返していることを確かめられます。

赤血球の直径も、毛細血管の内腔も、直径が8ミクロン足らずです。いつも赤血球は毛細血管の壁にぶつかりながら、やっとのことで流れています。そして、時には血流が止まってしまうことも多々あるのです。私はつい最近まで、血流は常に流れているものと思っていましたが、そうではないのです。解糖系のエネルギー生成の条件を整えるためには、血流を止めなくてはならないのです。

血流を止める方法があります。それは、毛細血管との抵抗を多くして流れを止めることです。このために毛細血管内腔と赤血球の直径を同じにしているわけです。酸素不足になると細胞の膜のプラスの荷電が低下します。細胞と細胞はプラスととプラスの膜荷電で離れていますが、プラスの荷電の低下で、くっついてしまうのです。これで毛細管壁と赤血球がくっついて、流れがとまるのです。

このとき、赤血球同士のくっつきも起こります。それが連銭形成です。毛細管壁と赤血球膜の結合と赤血球自体の連銭形成の二つの力で血流を止めてしまうのです。血清の粘着力の上昇も血流を遅くするカになっています。血流は流れるだけでなく、止めるのも仕事の一つです。

 

アポトーシスとは何か

白筋の瞬発力だけでなく、細胞分裂も解糖系で得たエネルギーを使用しています。したがって、ここでも血流との関係が出てきます。ミトコンドリアの少ない細胞に血流を止めて分裂を盛んにしますし、ミトコンドリアの多い細胞はたくさんの血流を得て仕事に励んでいます。

心筋細胞は最もミトコンドリアの多い細胞です。したがって、分裂は無く筋収縮を持続的に行うのに適しています。これに次ぐのが骨格筋のうちの赤筋です。普段は休んでいますが、散歩やジョギングやエアロビクスをする時は、赤筋を使用しています。この時も血流を増やさないとついていけないのです。その次がニューロンです。思考中は多量の血流から大量の酸素を得て働いています。

本来、ミトコンドリアの多い細胞は分裂が起こりにくいことに加えて、アポトーシス(細胞のプログラム死)もあまり起こらないのが特徴です。しかし、ミトコンドリアを働かすための酸素が少なくなったり、ミトコンドリアを活性化し過ぎる刺激があると、ついにはアポトーシスで死を選びます。酸素不足で心筋が心筋梗塞を起こすのがその例です。逆にミトコンドリアを刺激し過ぎる例は、日射病(熱中症)や湯あたりです。ミトコンドリアの電子伝達系は、紫外線や熱で刺激され突然死を起こすのです。

アポトーシスの仕組みの基本は、ミトコンドリアから放出されるチトクロームCにあります。これがミトコンドリアの外に出て細胞質内にあるカスパーゼを活性化します。これがDNAや蛋白質などの分解を誘発する刺激になってゆくわけです。アポトーシス現象が集団的に起こる個体の死につながることもあります。

精子・上皮細胞(皮膚、腸)骨髄細胞)分裂の盛んな細胞です。これは解糖系がミトコンドリア系よりも優位になっている細胞です。少数存在するミトコンドリアの機能をさらに抑制し、十分解糖系に働いてもらうためには低体温にするか、低酸素にしなければなりません。精子も皮膚も冷却される場所にあることでその条件を獲得しています。骨髄細胞の場合は血流抑制によって、その条件がみたされていると思います。

分裂する細胞群の特徴は寿命が短いことです。せいぜい数日間になっています。ミトコンドリアの多い細胞の寿命が長いのとは対照的です。そして、分裂細胞は寿命が来た時、少数のミトコンドリアから多くのチトクロームCが細胞質に放出されてアポトーシスで寿命を終えています。これは、常に起こっているのが特徴です。

圧倒的にミトコンドリアが少なく、分裂能が高いのにアポトーシス能が低いのがガン細胞です。ほぼ全面的に解糖系に依存していきています。中間の細胞が胎児細胞で、ガン細胞よりは要所要所で、アポトーシスを発揮できるようになっています。ガン細胞も胎児細胞も解糖系で生きるためには低体温か低酸素の条件が必須です。この両方をみたしているのがガン細胞で、胎盤を介して低酸素の条件を得ているのが胎児でしょう。

ガン細胞がアポトーシス能が低いといっても、少量のミトコンドリアは存在するため、アポトーシス能を誘発することも可能です。それは、低体温と低酸素の条件から、高体温と高酸素の条件をつくって解糖系がはたらきにくくすればいいのです。具体的には、からだを温めることと深呼吸をすることでしょう。

 

リンパ球の不思議な役割

からだを構成する多くの細胞は2つに分かれています。ミトコンドリアが多く分裂が無い細胞か、ミトコンドリアが少なく常時分裂している細胞です。しかし、休止と分裂の両方の状態を1つの細胞で行っているのがリンパ球です。休止状態のリンパ球は、小リンパ球で細胞質にミトコンドリアを見つけることはできません。不思議な細胞です。

マウスでもヒトでもミトコンドリアの多い細胞は、個体の死に続いてすぐに死滅するのが特徴です。しかし、リンパ球は死後23日は、そのままからだの中で生き続けます。つまり、生存率が下がりません。休止状態のリンパ球が酸素なしの解糖系で命をつないでいるからでしょう。

1960年代に胸腺やリンパ節の働きが解明されるまでは、「リンパ球は、体の中で役にたってない細胞ではないか」とまで思われていまして。胸腺やリンパ節の大部分を占める小リンパ球は大きな核ばかりが目立って細胞質は狭く細胞内小器官の粗面小胞体もミトコンドリアもゴルジ体も見えないわけです。これでは働いていない細胞と思われてもしかたなかったのです。

しかし、小リンパ球はクローンを構成して、対応する抗原と反応すると、分裂を開始します。この分裂能もミトコンドリアが少ないからこそ起こる反応と理解できます。この分裂の途中は、まだ解糖系ですから、からだは低体温と低酸素の方がエネルギーをつくりやすいわけです。これが感染症の潜伏期間に悪寒が出る理由と考えています。

分裂と活性化が起こってクローンが拡大し、いよいよ働く時になると、活性化されたリンパ球は大リンパ球となり、細胞質も拡大して、中には多くの細胞内小器官が出現します。ここに至って仕事をする細胞の準備が整ったわけです。これらの細胞小器官にはミトコンドリアが多数見られ、大量のエネルギーがつくられます。この働きを支えているのが身体で起こる発熱です。代謝が亢進して働きがフル回転します。

風邪やインフルエンザの時、消炎鎮痛剤を使い過ぎると発熱が抑制され、大リンパ球のエネルギー生成系が停止してしまいます。このようにして起こるのが、ライ症候群やインフルエンザ脳症で、とても注意が必要です。免疫力を発揮するには発熱が必要な事を知っておきましょう。一方、発熱で得た大量のエネルギーは蛋白合成にも使われ、抗体などの産生が起こることになります。

抗原(ウイルス)の処理が終わるとクローンへの刺激も終わり、リンパ球の活性化から沈静化へと移る時期に入ります。ミトコンドリア系から解糖系へシフトする時期です。解熱が起こり一部のリンパ球は、アポトーシスで死滅することになります。一部は分裂してメモリー細胞となるでしょう。

身体を構成する多くの細胞は、解糖系かミトコンドリ系に偏って仕事しているのに、リンパ球だけは2つの系をうまく使い分けて休止や分裂や活性化を行って働いているわけです。

子供時代は解糖系優位で、大人は両方の調和の時代、そして老人になるとミトコンドリア系が優位になります。したがって、子供時代はリンパ球の分裂能の方が盛んでクローンの拡大力も強いわけです。子供時代に大いに風邪を引いて、免疫力を鍛えておくことが大切です

 

管理者からの一言

光線療法に不思議なことが書かれています。それは、死んでも、間が無ければ、光線療法の光を肛門に当て、蘇生をした人が何人かいると。???

安保先生は、「リンパ球は死後23日は、そのままからだの中で生き続けます。」と書いてあります。リンパ球は個体が死んでも、なお生きているということは、リンパ球が生きている限り、生き返させられるということ、冷却しておけば、永遠に生きる技術もあるようなので、それらの意味が何となくわかった気がします。リンパ球は未知の不思議な力が隠されているようです。

血流に関する新知見

23>未来型の医学と新しい可能性

血流に関する新知見

安保 徹

 

血流はいつもサラサラ流れていると、顔色も良くその人は健康であると考えていました。しかし、最近この考え方には問題があることがわかりました。つまり、血液は流れるだけではなく止めることも目的としてあったのです。この考え方が生まれたのは毛細血管の血流を観測した時のことです。

指先などの末端から針を刺して毛細管血をしみ出させると、紅い鮮血が出てくる人、黒い血が出てくる人もいます。黒い血が出てくるのは、病気の人や低体温の人、疲れた人です。酸素の十分に含まれた赤い血が健康の元だと考えていましたが、今でもこのことの半分は真実でしょう。

しかし、毛細血管の血流を観察していたら、いつも血流は流れているのではなく、止まっていることもありました。エネルギー生成系のことを考えると、止めることも必要だったのです。私達は真核細胞(細胞の中に細胞核とよばれる構造を有すること)からなる生命体で、謙気的解糖系と好気的ミトコンドリア系の2つの方法でエネルギーをつくっています。謙気的解糖系でエネルギーをつくる場合は、血流を止めていることに気づいたのです。解糖系のエネルギーは持続力に使われています。これらに対処するために、真核生命体はいつも血流を止めたり、血流を止めたり、血流を流したりする必要があったのです。例えば、怒りで顔色が青ざめた時は、血流を止める反応を起こして対処していた姿だったわけです。

 

血流を止める仕組み

映像で、赤血球が毛細血管の中を流れている様子を見たことがある人は多いと思います。赤血球が毛細血管の中を流れている様子を見た事がある人は多いと思います。赤血球がサラサラ流れているのではなく、狭い血管の内腔を窮屈そうに立ち止りながら流れています。ここに血流を止めるヒントが隠されているのです。つまり、赤血球は余裕を持っていつも流れているのではなく、ギリギリのところで流れていたわけです。

赤血球の直径は7.5ミクロンくらいですが、毛細血管の内腔も7.5ミクロンくらいなのです。このため、いつも赤血球の膜と毛細血管の内壁は擦り合う状態になっているのです。止めるのも流すのも自由自在なのは、こういう状況から生まれています。時に、からだを冷やすと血流は止まり、からだを温めると、また突然、血流が再開するのです

赤血球の膜も毛細血管の内壁もマイナスに帯電しています。特に、赤血球の膜にはシアル酸が多く、マイナスの荷電が増強されています。からだが温かい時は膜電位が強くマイナスになり、毛細管壁のマイナス荷電と反発し合い赤血球は流れやすくなるのです。赤血球の膜と毛細血管の内壁の間には多少の隙間もできるわけです。

逆に、からだを冷やしたり、ストレスで交感神経が緊張すると、赤血球の膜のマイナス荷電も毛細血管壁のマイナス荷電も弱くなったり消失して、互いに反発する力は無くなってしまいます。このため、血流は止まることになります。解剖学的条件と生化学的条件を最大限に駆使して、私達のからだは血流を流したり止めたりしていたのです。この巧妙さに驚かされることでしょう。

血液の流動性を決めている他の要因に血小板もあります。血小板の外膜もマイナスに荷電しています。この膜電位の力によって、血小板は血管壁に付着してしまわないようになっています。逆に、冷えやエネルギー不足があると膜荷電が低下し、血管壁との反発力が少なくなり、ついには血小板がすこしずつ血管壁に付着し始めます。血管壁内にいるマクロファージが最終的に貪食によって処理してくれますが、こういう状況が続くと動脈硬化の原因になってしまいます。

 

もう一つの血流を止める仕組み連銭形成

赤血球は円盤状の形をしています。円盤の上下が付着し合って数珠つなぎになった状態を赤血球の連銭形成(ルトウ・フォーメーション)といいます。冷えやエネルギー不足やアドレナリン刺激によって、赤血球の膜荷電が低下しますから、赤血球どうしの反発力も低下していきます。このようにして、連銭形成がおこっています。赤血球が1つでバラバラと分散しているよりも、連銭形成を起こした赤血球はさらに毛細血管をながれにくくなりますから、これも血流を止める力になるわけです。

例えば、耳たぶや指先から血を採って、そのまま顕微鏡下で観察し、それをさらにパソコン画面に出して観察します。連銭形成は、採血してからだの外に出た後でも、そのまま続いていますので、この側面を見ることで、からだの状態がわかるのです。体調不良の人や病気の人は、赤血球の連銭形成が起こっています。逆に健康で顔色の良い人は、赤血球はバラバラと離れて存在している様子が見えるのです。

赤血球の連銭形成と血小板凝集が同時に起こったとき、脳梗塞が発症することがイメージできます。冷えやストレスが引き金になるでしょう。

 

血流を止める意義

もし、毛細血管が血流を流すことが半分で、残りの半分が血流を止める役割を課しているとしたら、何の目的で血流を止めるかを、もう一度、考えてみましょう。それは、謙気的解糖系を働かせるためと考えられます。先の項目で述べたように、私達、真核細胞生命体は、謙気的エネルギー生成系と好気的エネルギー生成系の2つを持っています。謙気的エネルギー生成は解糖系とも言われ、ブドウ糖をピルビン酸に、さらに乳酸に分解することで、エネルギーを得ています。

解糖系のエネルギーは骨格筋のうちの白筋によってつくられたエネルギーに依存しています。この働きが前面に出る時は、むしろ血流を止めて酸素の流入を抑制する必要があるのでしょう。これが血流を止める最大のりゆうと思われます。

私達は、機敏な行動持続的な行動2つを織り交ぜながら生活しています。特に、危険なことに遭遇した時は、機敏な行動が必要です。仕事の中にも機敏な行動が要求されるようなことは多いでしょう。このような場合は白筋を使って、その行動が完成するわけです。そして、そのエネルギーは謙気的に得られるので血流を止める必要があるのです。

もっとわかりやすい例をあげましょう。それは、怒り不安で顔が青ざめる反応です。この時は、瞬間的に血流を止めているのです。危険な出来事に遭遇した時には、次の段階で逃げるとか、攻撃するという瞬発力を発揮しなければならないので、そのための準備反応を起こしているものと考えられます。

この他、細胞分裂も謙気的解糖系に依存しており、この時も血流がとめられます。具体的に冷やす反応が中心です。皮膚の細胞は、冷やされて血流が止まり分裂が始まることになります。したがって、時々、からだを冷やすことが成長期にある子供時代には大切になるわけです。これが成長にもつながります。

骨髄細胞の分裂刺激は、重力の負荷によるものと考えられます。飛んだり跳ねたりするような重力が、瞬間的に掛かるような行動が、血流を抑制して解糖系のエネルギー生成を刺激します。そして、このエネルギー生成を刺激します。そして、このエネルギーを利用して骨髄細胞がつくられてゆくわけです。

病気の人は、解糖系側にシフトし過ぎる生活が続いていることが多いと思われます。瞬発力に大切な低体温と高血糖も、長い時間、このような状況になるとミトコンドリア系のエネルギー生成が低下してしまいます。この場合は、積極的に身体を温めて血流を流す努力をする必要があるわけです。

血流は止めるのが半分、流れるのが半分という生体現象があることに思い至ると、病気の本質が見えてきます。それに、赤血球の直径と毛細管の内径が妙に同じだった理由にもたどり着くことができたのです。からだの巧妙さに気づくと、人間の小賢しさで病気を治す事には無理があるように思えるようになってきます。病気の症状を抑えるだけの治療ではなくて、根本的な病気の本質を知って理療する事を理解しましょう。

 

<西勝造先生は昭和29年に既に述べています。>

蛙の水かきをぐっと開いて、薄い孔の開いたキルクを当てがい、それを顕微鏡の下に挿入する。そして毛細血管の静脈の中に墨汁を濾過したものを注射する。そうすると血球が少し墨で染って来るのが、顕微鏡下に見られる。 その流れを見ると、先に行ったかと思うと戻って来たり、また消えてしまったり、まるでハツカネズミのように、ちょこちょこそこらを動き回る。心臓がポンプで血液を押し出すものならば、一斉に毛細血管を抜けて行かなければならない筈である。この血液が毛細血管内をハツカネズミのようにちょこちょこするのは、毛細血管にまとわりついているルージュ氏細胞のお陰である。ルージュ氏細胞に刺激が加わると、その細胞の所在するところの毛細血管が収縮する。そしてこの収縮によって、血液の流れの方向が左右されることになる。これが顕微鏡下に、ハツカネズミのちょこちょこした運動のように照射され出すのである。今まで血液が動脈から毛細血管を通って静脈に流れていたものが、ルージュ氏細胞の刺激によって毛細管が収縮すれば、それに応じてハツカネズミのようにちょこちょこするようになる。血流が方向転換をすることになる。そして毛細管を通って血液の流れが止められると、血液はグローミュを通って、小動脈から小動脈へ直通することになる。

生体の血液は22秒間で全身を循環する。このことは、私も認める。ところが、この循環の原動力はどこにあるかということで、現代医学者と私との間に、論争が投げられるのである。私は血液循環の原動力は毛細血管網にあると主張するし、現代医学は心臓にあるというのである。私が毛細血管の毛細管作用にあると主張すれば。現代医学は心臓のポンプ作用にあるというのである。ポンプ作用を吟味してみよう。ポンプ作用といっても、解剖学的には心臓の左心室のポンプ作用ということになる。拳固大の心臓、しかもその四分の一の左心室、即ち卵くらいの大きさの左心室のポンプ作用ということになる。次にポンプの管を検討してみよう。毛細管は51億本あって、その直径は5ミクロ半、5ミクロ半といえば、ワイシャツ等を止めているピンの切り口、700本も並ぶという細いものである。三厘三毛真角の中に2500本から2700本所在するともいわれている。また管を通る血液は、普通の水の五倍もの粘着力を持っている。以上の事柄を念頭に置いて、一分間に六十回から七十回の左心室のポンプ作用によって、血液が十一秒で左心室から出て毛細管を抜け、また十一秒で毛細管を抜け、また十一秒で毛細管から右心房に還ってくる。これが現代医学者の説く血液循環論である。これがポンプのメカニズムを知っている人にとって、納得できるものか否か。私は土木出身で、常にポンプを駆使していた関係上、ここに疑問を抱いたのである。

 

管理者からの一言

物理学者である西先生は医者でもないのに病気のことをよく知っていました。医者が病気のことを知っているとは限りません。

 

特殊化したものの切り捨て

24>未来型の医学と新しい可能性

特殊化したものの切り捨て

安保 徹

歯周病の本質

普通の骨と比較する歯は、かなり特殊化した組織という。ことができます。特殊化した組織を良い状態で維持するためには、からだの全身状態が万全である必要があります。体調が優れず、低体温やエネルギー不足になると一番最初に切り捨てられるのは、このような特殊化した組織なのです。

特殊化した組織は、特殊な蛋白質やエネルギーが必要です。ストレスが加わってエネルギー不足になった時は、特殊蛋白質をつくれないために組織が壊されてゆくことになります。しかし、逆の見方をすれば多大なエネルギー生成から解放されて生き延びるための戦略ととらえることもできます。

本来、その人が健康であれば70歳代くらいになったからといって、歯周病で歯を失うということは少ないはずです。入歯のお年寄りは身近にたくさん居ます。しかし、これは悪いことばかりでなく、特殊化した組織を切り捨てて生き延びていると考えることもできるのです。

歯周病はストレスによって引き起こされた血流障害と顆粒球増多によって始まります。血流不足という条件下で、炎症が起こります。増加した顆粒球と常在菌による炎症です。炎症自体はつらくて不快なものですが、ストレスが限度を超えた時は歯を脱落させて、からだの負担を軽減しているわけです。炎症は次第に治ってきます。

骨や歯の丈夫を支えているエネルギーの一つに太陽の光があります。黒人のように皮膚表面にメラニン色素の多い人種は、強い太陽の光の下で適応した人達です。このような人達が太陽の光の弱い北欧やイギリスに住むと骨の発達が抑制されます。特に、骨よりも歯に問題が起こります。乳児であれば一年たっても歯が生えてこないということになります。これも、特殊化した組織はつくるのが大変で、切り捨てられるという例の一つでしょう。

 

くも膜下出血の成り立ち

毎日忙しく働いて、突然、くも膜下出血で命を落とす人がいます。ここでも特殊化した組織の切り捨て現象がかかわっています。血管内皮細胞はマクロファージから分派した兄弟分です。今でも、血管内皮細胞は貪食能を保持しています。マクロファージから同様に分派した血球群を全身にくまなく運ぶために、マクロファージ自らが管になったのが血管内皮細胞とその周りの組織です。

忙しく働き過ぎ、それがからだのストレスとなると、この特殊化した組織を維持するのが困難になるのです。この時、切り捨て反応が起こり、血管内皮細胞が管であることを止めてしまいます。これが動脈瘤の形成です。血管から進化した組織に腎の糸球体もあります。ストレスが続くと腎機能が悪化して腎不全になる理由なのです。

このように、脆弱になった血管である動脈瘤にさらなるストレスがかかると破裂して、くも膜下出血になるのです。大動脈瘤なども同様のメカニズムで形成されています。そして、さらなるストレスで大出血となるのです。ストレスを受けたからだは、特殊化した組織から切り捨てていることがわかるでしょう。

骨の組織でも血管組織でも、特殊化したものを切り捨てる時は、顆粒球が攻撃し、マクロファージがオートファージ(自食)によって取り除くというのが共通した経過になります。すべての組織はマクロファージから進化していますが、ストレスでそれを切り捨てざるを得ない時にそれを実践しているのもマクロファージなのです。

マクロファージは単細胞時代からの生き残りで、幹細胞活性化(新しい細胞を生み出す)もあるので、万能細胞と言ってもいいでしょう。今話題のiPS細胞(人口多脳性幹細胞)も、本来、からだがあちこちに持っているものなのです。わざわざ持っている物を破壊して、外からiPS細胞や、分化細胞を移入しなければならなくなったのも、ストレスの多い生き方故に起こっていることなのです。

 

消化管の場合

食道、胃、十二指腸、小腸、大腸と消化管は多彩に分化していますが、最も基本を維持しているのは小腸でしょう。逆に、これらの中で特殊化が強く起こったのは胃と大腸と思われます。は胃酸を分泌してpH1の内部環境をつくる能力をつくり出しました。いろいろな微生物の増殖を抑制する環境になっています。胃内のpHがきちんと酸性になっていれば、常在菌であるヘリコバクタ―・ピロリ菌も増殖して悪さをすることも無いでしょう。

大腸も特殊化した組織です。生物が上陸して水分を失う危険が多くなりましたから、食べカスから水分を吸収し、再利用するわけです。ストレスなどで下痢するのは大腸の特殊化の機能が抑制されているからです。これで下痢の意味が正しくりかいできるでしょう。

胃も大腸もストレスで特殊化を維持できなくなると、胃は酸をつくれなくなり、大腸は水分を吸収できなくなります。特に、胃では腸上皮化生という組織変化が起こることが知られています。固有の胃腺が委縮し、小腸粘膜に類似した腺上皮が発生してくる反応です。ストレスによる慢性胃炎でよく見られます。これは先祖返り現象です。

 

皮膚の働き

皮膚は、ケラチン蛋白をつくって外界との境界を形成していて丈夫さが必要です。扁平重層上皮として、いつも再生と角化(角質化)をくり返しているのが特徴です。この他の大切な機能として、毛根細胞があり毛を作るのが仕事です。ヒトとしての進化以前は、からだの保温に重要な役割を果たしていたと思われます。

しかし、ヒトは発汗機能を進化させて体温を下げることに重点を移してから、身体を毛で覆うことはあまり大切なことではなくなり、頭髪などに限定して残ったわけです。このような流れも、強い特殊化としての特徴を残しています。ストレスがあると髪が抜けていくのは、ストレスで特殊化した組織を切り捨てる反応としておこっています。

このような考え方を知っていると、抗がん剤の投与や放射線照射の問題点が理解できます。多くの人は、治療による脱毛をしかたが無いことのように思って我慢していますが、生きる力を奪われているということを再認識できるのです。生きる力を低下させて成立する治療法が、この世に存在するということはあり得ないことでしょう。

皮膚には発汗機能が備わっています。この機能によって、ヒトとして進化し、他の霊長類から脱け出せたのです。毛があって汗がかけないと、体温が上昇しやすくて気温の高い地域での行動は制限されてしまいます。熱帯の草原を遠くまで、活発な活動を広げることができたのは、発汗機能のおかげなのです。

アトピー性皮膚炎などでステロイド軟膏を使用していると、発汗能力はしだいに低下していきます。これも特殊化した機能の切り捨て現象です。ステロイドはミトコンドリアに働いてエネルギー生成系を止めるので、見かけ上は消炎作用として表れますが、切り捨てで汗腺が障害されます。人間らしい特徴が障害され、体温調節ができなくなってしまうのです。

 

感覚器の切り捨て

臭覚細胞、網膜細胞、味覚細胞など、感覚器を構成する神経細胞も特殊化が進んでいる細胞群です。ストレスがかかり、からだへの負担が強くなると、これらの神経細胞も切り捨てが起こります。大人になってアレルギー性鼻炎などが強く起こったり長く続いたりすると炎症が起こり、特殊化の組織が破壊されてゆきます。臭いがわからなくなっている人はかなりの数に上がるでしょう。

また、今の時代は目の病気が多いように感じます。失明まではいかなくても、視力の低下する病気です。老人性の黄斑変性症などは、ストレスによる血流障害で切り捨てが起こっています。現代のお年寄りのストレスは、薬剤の飲み過ぎによるものが多くなってきています消炎鎮痛剤や降圧剤は能の血流を低下させるので、目の網膜細胞が障害を受けているわけです。

老人性の視力低下も切り捨ての反応です。脳細胞の働きを良くするためには上半身の体操が必要です。直接刺激が入り、脳の血流も良くなるからです。散歩だけをしていても脳の血流は増加しないでしょう。したがって、手・腕・肩・首を動かす運動が、脳神経や周りの感覚細胞を支えるための血流増加にプラスになります。亜鉛欠乏による味覚細胞の働きの低下も、切り捨て現象の一つと考えられます。

 

白血球の切り捨て

生き方の無理、心の悩み、抗がん剤投与、放射線照射などは、からだの強い負担になり切り捨て現象を呼び込みますが、この時、白血球もその対象となります。白血球の中では貪食細胞であるマクロファージや顆粒球は、ストレス耐性が強いのですが、リンパ球は弱いのです。このため、切り捨て反応が最初に起こる白血球がリンパ球なのです。つまり、免疫を司るリンパ球がストレス感受性が最も高いのです。こういう現象を知らないと、抗がん剤投与や放射線照射の時、白血球総数だけ調べても免疫抑制のレベルがわからないのです。

ガン治療中に多くの患者が肺炎を起こして危険な状態に陥るのは、白血球総数だけを目安にしているからなのです。リンパ球比率の測定が大切です。リンパ球比率が10%を切ったり、リンパ球総数が500(血液1マイクロリットル中)を切ったりすると、日和見感染の危険が出現します。

ガン細胞の増殖や退縮も、リンパ球のレベルの変化によって起こります。増殖と退縮も、リンパ球のレベルの変化によって起こります。増殖と退縮の境目がリンパ球比率で2025%、リンパ球総数で8001200くらいでしょう。ガン治療もやり過ぎると免疫抑制が起きて、治療のプラスの効果が出ないことになってしまいます。

身体の特殊化の強いものが切り捨て現象を起こします。したがって、白血球の中ではリンパ球が最も特殊化の進んでいる細胞です。次が顆粒球です。これはマクロファージが単細胞時代からの生き残り細胞だからです。

 

管理者からの一言

昨日のテレビで、相変わらず、脳出血の原因は高血圧と塩分であると叫んでいました。バッカじゃないの!!! テレビの方が馬鹿なのか、見ている方が馬鹿なのか、たぶん、見ている方でしょう。流している方は、国民に嘘をついて、薬漬けにしたいという企みがあるのですから。

「脳細胞の働きを良くするためには上半身の体操が必要です。直接刺激が入り、脳の血流も良くなるからです。散歩だけをしていても脳の血流は増加しないでしょう。したがって、手・腕・肩・首を動かす運動が、脳神経や周りの感覚細胞を支えるための血流増加にプラスになります。」

この体操にはサイ科学が勧めている腕振り運動があります。

http://www.kumagai-mitsue.jp/cont4/40.html

糖尿病

25>未来型の医学と新しい可能性

糖尿病

安保 徹

成り立ちの理解

糖尿病では、診断が付くとすぐ食事量の制限が指導されますがこのような考え方には一つの欠点があります。食べる量が多すぎるので糖尿病になったという考えに固執し続けているからです。いつも食べ過ぎて極端な肥満になっているのなら、こういう考えも当てはまりますが、日本人の糖尿病患者の多くは食べ過ぎている様子もないからです。

私達はストレスが加わると交感神経緊張状態になりますが、この時カテコールアミンの分泌が高まっています。アドレナリンやノルアドレナリンやドーパミンをまとめてカテコールアミンと呼んでいます。いすれも血糖上昇作用があります。ストレスによる危機を乗り越えるには、瞬発力の解糖系(glycolysisを働かせる必要があるので、からだを高血糖にするのは大切なことです。

しかし、ストレスが持続すると交感神経緊張によって低体温と高血糖が続くことで、糖尿病と診断される状況に至ります。日本人のように肥満が無く勤勉な民族は、働き過ぎのような原因で糖尿病になっている人が圧倒的に多いのです。逆に、欧米の白人の場合は肥満による糖尿病の方が多いでしょう。

白人は寒冷地域に適応した民族で、寒さや日光の少なさに順応した人種です。動物性の蛋白質や脂肪を摂取して、たくさんのエネルギーを得て寒さに耐えることができたのです。しかし、温暖の地に移住すると同じ食生活ではカロリー過剰になるでしょう。これが白人の肥満や糖尿病に罹る理由です。黒人にも肥満者が多いのですが、これも熱帯よりも温帯の方が穏やかでカロリー過剰になると思われます。

このように糖尿病の成り立ちは、無理な生き方が続いて交感神経緊張から始まっていると理解できると、治し方が見えてくるのです。無理な生き方を止めることなのです。生き方を変えずに食事制限や運動を始めると、かえってストレスが増大するので良い結果が生まれないわけです。特に、長時間労働で糖尿病になった人が、生き方をそのままにして運動したら、もっと交感神経緊張が強くなってしまいます。

 

血糖上昇の意味について

血糖を上昇させるのは食べ物の摂取だけではなく2つの生体内物質によっても成されます。1つが既に述べたカテコールアミンですが、糖質コルチコイド(glucocorticoidも糖新生を促し血糖を上昇させます。ストレスは副腎の髄質からアドレナリンを分泌させ、副腎の皮質から糖質コルチコイドを分泌させます。

なぜ、ストレスで血糖を上昇させる反応が起こるかというと、これは瞬発力のエネルギーを得るためです。私達は解糖系とミトコンドリア系の2つの方法でエネルギーを得ていますが、解糖系は瞬発力に、ミトコンドリア系は持続力に使われています。つまり、ストレスで血糖が上昇するのは解糖系を働かせて瞬発力を獲得するための大切な反応なのです。

短いスパンでは危機を乗り越えるための血糖上昇はプラスになりますが、長いスパンではからだに不利になりますストレスは低体温と高血糖をつくりますが、この状態がミトコンドリア系にはマイナスだからです。ミトコンドリア系のエネルギー低下は持続力の低下と蛋白合成の低下を招き、疲れとやつれが出てきます。これが糖尿病の体調となります。

以上のような理解があると、糖尿病は単なる食生活の乱れで起こるという考え方から逃れることができます。悪い病気ではなく、危機を乗り越える体調が長く続いている状態なのです。ストレスを除き血糖上昇反応を停止させることが糖尿病から逃れることだと分かるでしょう。

 

糖尿病の種類

糖尿病の最大原因はストレスの持続ですが食べ過ぎがまったく糖尿病と無関係家ということもありません。膵臓のβ細胞(膵臓のランゲルハンス島に存在する細胞で、血糖値を感知し必要に応じてインスリンを血中に分泌する。)の働きが追い付かないような大食も糖尿病の引き金になります。つまり、先の欧米の白人の例です。もう一つの理解は、極端な肥満が糖尿病に結び付くメカニズムです。

自分の体重を支えるのが負担になるほどの肥満は、身体を移動する時に交感神経緊張になりやすいのです。肥っている人が階段を上がったとき、心臓がドキドキして胸が苦しくなったり、息が荒くなったりする状態です。このような体調のときも交感神経が刺激されますからアドレナリンや糖質コルチコイドの分泌を盛んにして血糖値が上昇します。そして、糖尿病と診断されるようになります。

ストレスで起こる糖尿病も肥満で起こる糖尿病もⅡ型糖尿病に分類されます。では、もう一つのⅠ型糖尿病の発症メカニズムを考えてみましょう。まだ膵臓の働きに余裕のある若い年代に、強いストレスを受けて発症するのがⅠ型タイプです。自己免疫現象によって発症する糖尿病です。

自己免疫疾患は、ストレスで直接組織が壊れて起こるのが第一の経路です。交感神経緊張で増加した顆粒球が膵臓の一般分泌細胞やインスリンの分泌細胞を攻撃します。そして、通常のリンパ球は現象しますが、自己抗体産B細胞(Bリンパ球)や自己応答性T細胞(Tリンパ球)が活性化します。これが壊れて出た自己抗原に自己抗体が産生されるメカニズムです。

通常のT,Bリンパ球はストレスで現象するので、免疫抑制状態によって常在ウイルスが暴れ出す反応が起こることがあります。それは、ストレスの後に風邪のような症状を出して組織が破壊され、ここにウイルスも関与するわけです。いずれの経路にしても、ストレスによる免疫抑制がⅠ型糖尿病の発症にかかわっていますから、ストレスを取り除くことが治療の第一歩です。

糖尿病に関して明らかではありませんが、消炎鎮痛剤やステロイドホルモンや免疫抑制剤を使うことは問題があるでしょう。できれば、これらを使用せずにからだを温めて自然治癒を促すのが大切です。また、患者を安心させることも必要です。交感神経緊張が治まると顆粒球増多も解消し、インスリン分泌細胞も回復してきます。インスリンを分泌するβ細胞は、からだに備わっている万能幹細胞から再生されるでしょう。

 

糖質からの解放

私達は2つのエネルギー生成方法を持っています。1つはブドウ糖のほか脂肪酸も利用するミトコンドリア系です。ミトコンドリア系は脂肪酸をエネルギー源として使用したときは、ブドウ糖を使わないのであまりインスリンを必要としません。

急に糖質を減らすと、空腹感が強く低血糖になって苦しみます。頭痛、吐き気、めまい、腹痛、冷汗などが出現します。しかし、大人がゆっくりと小食に慣らすと苦しみも少なく、解糖系中心のエネルギー生成をミトコンドリア系中心のエネルギー生成にシフトさせることができます。

ミトコンドリア系はエネルギー効率が良く、たくさんのエネルギーを得ることができるので、糖を少なくすると共に小食でやってゆけることになります。そして、インスリンの要求も無くなるので糖尿病から解放されるというわけです。小食の人、ほとんど食べずに生きる人、11杯の青汁だけで生きる人、糖質ゼロ(脂肪、蛋白、炭水化物は摂る)の人は、このようなメカニズムにシフトして生きている人々と言っていいでしょう。ヘモグロビンA1cなども正常化し、まわりにケトン体が血中に出現してきます。

口から入った脂肪やからだの脂肪組織に存在する脂肪は、リパーゼによって分解され脂肪酸とグリセロールになります。そして、脂肪酸が肝臓のミトコンドリアに運ばれてケトン体になります。アセト酢酸、ヒドロキシ酪酸とアセトンです。前二者は筋肉などのミトコンドリアに運ばれてエネルギー源として使用されます。アセトンは呼吸によって肺から気体となって排泄されます。

肝臓でケトン体がたくさんつくられる状態が脂肪肝です。飢餓状態が脂肪肝の極限です。アルコールばかり飲んでいても脂肪肝になります。ストレスが長く続いて、ミトコンドリアの活性化が巻き添えを受けた時も脂肪肝になります。油の取り過ぎだけが脂肪肝の原因ではないのです。

 

加齢変化

生理的にエネルギー生成系は、加齢によってシフトしてゆきます。子供時代は解糖系優位、大人時代は両者の調和(11)、そして老人になるとミトコンドリア系の方が優位になります。この現象によって、老人になるとブドウ糖(糖質)に対する依存が少なくなります。糖質をインスリンを使って細胞内に取り込む必要性が減少するわけです。

働き盛りの時、糖尿病傾向があっても、その後退職してストレスの少ない緩やかな生き方に入ると糖尿病は治り出すという考えが大切です。いつまでも、ビクビクして暮らす必要はないのです。ゆっくりと糖質に依存した食事法から脱却することもできます。急に糖質を減らすと飢餓感が出てつらいのでゆっくり進めましょう。

このように、私達人間は糖質をほとんど使わずともエネルギー生成系を動かせることを知っておきましょう。子供時代は解糖系が優位なので糖質の十分な摂取は大切です。若い時は膵臓の働きに余裕があるのでインスリン欠乏ということもないので安心です。むしろ、子供時代は甘い物の摂り過ぎでインスリンの分泌を誘発し過ぎて低血糖になるのが心配です。しっかりと穀物で糖質を摂るような食生活が必要です。

 

最近の知見

今年(09年)岡山大学院保健学研究科の上者郁夫教授が重大な発見をしました。上者教授は糖尿病患者に週解ペースで岩盤浴によるからだを温める研究をしました。1年後、6人の患者の血糖値もヘモグロビンA1cも著明な改善が見られたのです。

ここで驚くのは、6人とも始める前の血中インスリン値がむしろ高めで、病気が改善した1年後はインスリン値が下降(正常化)したことです。このことは、糖尿病患者の多く(特に日本人)はインスリン低下で糖尿病になっているのではなく、低体温によるミトコンドリアの機能低下が原因しているということなのです。

ミトコンドリアも解糖系でつくられるピルビン酸や乳酸を使ってエネルギーを得ています。低体温ではミトコンドリアが働けないので耐糖能が低下したわけです。糖尿病の概念が変わるでしょう。低体温からの脱却が糖尿病を治す力になるのです。

 

管理者からの一言

病院では、昔、医師がよく使っていた言葉があります。しかし。今ではほとんど聞かれなくなりました。それは「大丈夫ですよ」という言葉です。反対に脅かす言葉が多くなりました。天気予報のように、パーセンテージで説明します。だから、確率は何パーセントの世界です。数パーセントの確率でも、人間は悪いほうに目が行く性なのですから、治る病気も治らないと思います。

娘がリウマチの診断を受けた時に、娘も一緒に神社で、祈祷をしてもらいました。祈祷が終わって、神主さんから、「これで病気は治りますよ」と言われた時に、あっ、治るんだ、と腑に落ちた瞬間でした。不思議な気持ちになりました。神主さんのこの言葉が、私の心の奥深くに入っていき、その言葉がその後の励みになりました。真の言魂ですね。今のお医者さんには臨めませんね、無理ですね。

色々な方が、こうすれば病気が治ると叫んでいます。でも、それはまだ、研究段階であり、病院の治療まで、反映されてこないのです。病院での治療は学会という組織で作成されたマニュアルで治療しなければいけないのが現状です。それに反対の医師は自由診療として開業していますが、保険が適応されないので、患者が支払う金額が高額になります。

自立できていない、依存するタイプの人は、結婚でも、仕事でも、長続きしないようです。病気も色々な方の治療方法に振り回されてしまうことも多いと思います。しかし他人に依存する気持ちでは、いつまでも治らないでしまいます。自分の病気を前向きに受け止めて、自分に合った方法を見つけていくことが大事であるとおもいます。

早期発見・早期治療の問題点

26>未来型の医学と新しい可能性

早期発見・早期治療の問題点

安保 徹

はじめに

病気を軽いうちに見つけて早目に治療することが、時には危険であるということを知らない人が多いように思います。健康診断やガン検診にも問題がありますし、人間ドックも受けると危険な場合もあるのです。今年9月頃(2009年)に日本経済新聞に「人間ドックも受けた人の9割に異常値が見つかった」という記事が掲載されました。

人間ドックを受ける人は会社勤めの働き盛りの人に多くみられます。ドックを受けるくらいですから、健康に関心の高い人が多いのです。こういう対象の人の9割に異常値が出るということは、正常値の設定に問題があるわけです。例えば血圧のことを考えてみましょう。

血圧の正常値がどんどん低く設定されるようになりました。働き盛りの人の血圧(収縮期の血圧)が140Hg台や150Hg台あるのは正常でしょう。むしろ、血圧が120Hg台や130Hg台では、きびきびした働きができないし、気迫も生まれません。退職してのんびり過ごす人と働き盛りの人が同じ血圧だったら大変です。こういう理解の無い人が、病院に行って血圧降下剤でも飲み始めたら、からだを壊してしまいます。

メタボ検診なども危険です。ストレスを食べることで解消してバランスを取っている人は多いのです。ストレスを除かなで食事制限を熱心にすると、心身のバランスが崩れるので、かえって病気になってしまいます。早期発見と早期治療の問題点を理解して身をまもるようにしましょう

 

l  慢性関節リウマチ(RA)の場合

米国リウマチ学会診断基準を見てください

①→朝のこわばり

②→三つ以上の関節の痛み、腫れ

③→手指の関節の腫れ

④→対称性の腫れ

⑤→皮下結節

⑥→X腺検査での変化

⑦→リウマトイド因子陽性

①~④が6週間続く、または、4項目以上に該当する場合にRAと診断

なぜ、このように診断を慎重にしているかというと似たような症状はつらいストレスが加わると病気とは関係なく出現するからです。農作業やスポーツで多く手を使う動作が日常的に長く続くと、手の関節の朝のこわばりは出現するでしょう。

もし、リウマチの早期発見を揚げて診断基準に満たない患者をリウマチと診断したら大変です。本来、無理な生き方を変えれば治るレベルの病気を慢性関節リウマチと診断して病気に巻き込んでしまいます。実際、最近の日本ではリウマチの患者数が増加していますが早期発見を揚げることで起きている現象と言ってもいいでしょう。

RAの早期治療にも問題があります。自己抗体が大量に出現して組織破壊が急激に進む急性期なら強い薬を使っても多少やむを得ない場合もあるのですが、本当のRAの患者でない人や軽症のRA患者にも早期治療を始めたら危険なのです。

消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、免疫抑制剤などは代謝阻害作用が、その本体だからです。消炎鎮痛剤は湿布薬にも使われているように血流を抑制し冷えをつくります。そもそもリウマチ自体がストレス発症しているので、薬の使用は病気を悪化させたり、疑似RA本当のRAにしてしまいます。

このような作用はステロイドホルモンでも免疫抑制剤でも同様です。ステロイドホルモン(糖質コルチコイド)は、ミトコンドリア内のレセプターに結合してエネルギー生成を抑制します。それで冷えに苦しむのです。糖質コルチコイドの消炎作用は病気を治しているのではなく、エネルギー系の抑制によることを知らなければなりません。RAは免疫抑制状態にするので免疫抑制剤は病気が治るためにプラスには働かないのです。

l  ガンの場合

老衰で亡くなった老人の解剖では、あちらこちらにガン組織が存在していることが知られています。老化現象自体でガンが発症し無症状で経過しているからです。同様に、健康な大人でも多少無理が続いた時は、小さいガン細胞の集団ができたり、反対に休むことで免疫力が回復し消えたりしていると考えられています。

代表的な小児がんの一つである神経芽腫(neuroblastoma)も自然に消えることが多いガンとして知られています。一時、子供で神経芽腫の早期診断を導入したことがありましたが、現在は止めています。早期診断でガン患者が増加したためです。自然退縮するのも見つけて治療したら患者が増えてしまいます。

このように、ガンの場合の早期発見は患者を増やすだけでメリットはないのです。 早期発見のためのガン検診を行ったグループは、行わないグループよりもガン患者が増加してしまうという傾向がでてしまいます。現在行われているガン治療は、抗がん剤治療でも免疫力を低下させてしまい、早期発見に加えて早期治療も患者にとってはマイナスになってしまうわけです。

長い間、発ガンのプロセスの引き金になっているのは発ガン因子だと考えられてきました。確かにガンの発症原因の12割くらいは発ガン因子の刺激によって起こっているでしょう。しかし、これらはあくまでも特殊な例と考えた方がいいのです。

勤勉でまじめな日本人が発ガンしている大きな理由は、日常生活の中にあるストレスと考えなくてはいけません。働き過ぎや心の悩みなどです。もし、発ガンのプロセスがまったくの偶然だったなら、早期発見も少しは意味のあることかもしれません。しかし、生き方の問題だったら熱心にガンを見つけることよりも大切なことがあると思います。それは日常生活の見直しです。

ガンの早期発見のさらなるマイナスは、これまで述べたような発ガンの理由が自分自身の中にあるということを多くの人は理解していないので、ガンが見つかった時に怯えてしまいます。すると、ますますストレスが拡大し免疫力が低下します。見つけたことでガンの自然退縮が遠のいてしまうでしょう。ガンがあることを知らずに、日頃から、身体に良いことをやって病気を治す方がメリットが大きいでしょう。

 

l  C型肝炎

過去に外科手術の際、輸血を受けた人達のC型肝炎ウイルスの感染が今問題になっています。輸血を受けてから10年あるいは20年と経過しているということは、なかなか症状が表れないということを意味しています。中には、もっと長い経過の人もいて、感染を知らずにこの世を去っている人もいるでしょう。

この事実が意味することは、この感染症の潜伏期間が極めて長いということです。つまり、感染者の免疫力が高い時は発病しないと言い換えることもできます。多くのウイルス感染症にはこのような傾向があります。

からだが弱って免疫力が低下した時、口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)や帯状疱疹(帯状疱疹ウイルス)が出現するのは、よく知られた現象です。最近話題になっているパピローマウイルスも同様の傾向があります。普段はおとなしく潜伏していて、免疫力低下の際にポリープや子宮頸ガンを発症させます。

このような潜伏ウイルスと免疫力の関係がわかると、C型肝炎ウイルス感染者の予防法もみえてきます。生き方に無理があったりして免疫力低下になるような生活を避けることです。積極的に身体を温めたり食事を工夫するのもいいでしょう。

熱心に検査をして感染を確認するかどうかにも問題があります。早期発見は人を不安に導くからです。不安感が強いと免疫力が低下してしまいます。自分がC型肝炎ウイルスの保菌者だとわかっただけでも病気が悪化する可能性があるのです。過去に輸血の経験がある人は、感染の有無を知らずに生き方に気をつけて過ごすというのも一つの選択肢でしょう。

C型肝炎の早期治療にも問題があります。無症状の人にまでインターフェロンの治療をおこなうと、免疫力低下によって、逆にC型肝炎が発症すう可能性もあるからです。からだの中で生理的に分泌される量のインターフェロンは免疫力を上昇させますが、外から与える薬理学的量のインターフェロンは免疫抑制作用や骨髄機能抑制作用を発揮するからです。

 

メタボリック症候群

日本人(黄色人種)は、白人に比較して心臓疾患が約5分の1と少ないことが知られています。それにもかかわらす、さらに何とか心臓疾患を減らそうと、太った人や血圧の高い人を減らす計画がつくられてしまいました。それは、“メタボ検診です”心臓病や糖尿病の予備軍が、太った人・血圧の高い人という考え方ですから、メタボリック症候群の考えは早期発見の王様でしょう。

太ることが悪い、血圧の高いことが悪い、と言う考えが広まってしまうと病気ではない病人が増加してしまい医療費の増加が心配です。痩せることが身体に良いとか、血圧が低いことがからだに良いと考えるのは間違いでしょう。そのメカニズムを知る必要があるのです。

食べることはリラックスの副交感神経支配下にあります。たくさん食べることや、お酒を飲むことは、副交感神経刺激を介してリラックス体調をつくり出すので大切なストレス解消法なのです。働き盛りのサラリーマンが、外で飲んで帰宅して、家でさらに食事を取ることでからだを癒やしているのです。ストレスを解消しないまま、お酒を飲む量を減らしたり、食べる量を減らすと、さらにストレスがかかり、本当の病気になってしまうでしょう。

ある程度の年齢の人なら、長い人生のつらい時期を太って乗り越えたという体験を持っている人は多いはずです。60代や70代に入ると、たくさん食べる解糖系のエネルギー生成から、たくさん食べなくて済むミトコンドリア系のエネルギー生成に自然に移るわけですから、働き盛りでたくさん食べられる年齢の時に無理に痩せる必要もないのです。

メタボ検診で問題にされる血圧も正しく理解されていないように思います。活動量の一番多い人生の時期に血圧が高いのは、困難な仕事を続けるためには大切な条件です。低い血圧では気迫が生まれません。忙しくない人と忙しい人の血圧が同じだったら生物学的に問題でしょう。

最近、歯科の領域でもおかしなことが起こっています。血圧(収縮期血圧)が、160Hg以上だと抜歯できないから降圧剤を飲んでから来院してください、というものです。交感神経優位の体調は、血小板数増加して止血能力も増加します。止血能力を血圧だけで判断することは愚かなことです。

では実際、抜歯のために降圧剤を飲んで、160Hg以上の血圧を140Hg程度まで下げた人の体験談を紹介しましょう。血圧降下によって起こったことは、気持ちが沈んで悲しい時期が増加した、やる気が低下して仕事をするのが面倒になった、生きる情熱が消えてしまった、などなどです。お年寄りの場合は、フラフラして転んで骨折をしてしまう危険すら生じてしまうでしょう。

このように理解の無い健康診断・各種検診・人間ドックの受診や数値だけの判断による血圧降下剤の服用は、私達にとってプラスになるどころか、マイナスに働くことが少ないのです。正しい情報を理解することが大切です。

管理者からの一言

健康診断の時期ですね。ガン検診のお知らせが届いていませんか?

私は、行きません。でも、この検診に行かないと、保健センターから連絡入って来るんですよね。担当されている方は真面目なのです。

子宮頸がんワクチンが推進されています。これも愚かなことだと思います。

検診等で、一番に潤う方は、どなたでしょうか?

本来は、薬や病院は、病気になった人が必要なのです。しかし、どなたかが、それ以上に儲かるシステムを巧妙に作成しています。国民全員が病気になってほしいのでしょうね。いろんな方法で、国民を脅かして、小さな病気を大げさに取り扱って、病気にさせようと企んでいる、としか考えられません。安保先生のように、たくさんの御著書を書かれて、出版されているのに、公は無視し続けています。一般の国民はその様な本よりも、テレビやお役人を信じる傾向にあることがわかっているのです。国民一人一人が、自分の健康は自分で守る意識を持つことが、生き続けるためのサバイバルであると思います。

 

老化で起こる臓器質量の変化

27>未来型の医学と新しい可能性

老化で起こる臓器質量の変化

安保 徹

 

はじめに

老化現象を、何でも衰えることと漠然と考えていると興味深い現象を見逃してしまいます。例えば、年を取っても心臓は小さくならないのに、免疫を司る胸腺は周りが脂肪化して本体が縮小してしまいます。この違いに目を向けて、からだの仕組みを明らかにするのが今回の試みです。ここでもエネルギー生成系の理解が必要になってきます。

細胞分裂と瞬発力のエネルギーは解糖系でつくられ補給されています。持続力はミトコンドリア系でつくられ補給されています。ミトコンドリア系のもう1つの特徴は細胞分裂を積極的に抑制する性質をもっていることです。20億年前に「解糖系生命体」と「ミトコンドリア生命体」が合体した時に両者の違いはそれぞれ謙気的であることと好気的であることだったのですが、もう一つの特徴がありました。 それは「解糖系生命体」は酸素なしで分裂する性質だったのに、「ミトコンドリア生命体」は寄生相手の分裂を止める能力を使って寄生に成功したということだと思います。解糖系でできるピルビン酸や乳酸をミトコンドリアが利用するためには、分裂を少し遠慮してもらい安定して自分の数や存在を確保する必要があったのでしょう。つまり、ミトコンドリア生命体は分裂抑制遺伝子(ガン抑制遺伝子)を使うのが特徴だったわけです。

 

胸腺と骨髄の委縮

圧倒的に加齢によって臓器重量が縮小するのが胸腺です。他の臓器と比較するとその極端さがわかります。事実を知っている人はたくさんいると思いますが、そのメカニズムを明確にした人はいないと思います。ここで、解糖系の性質が導入されると問題の謎が明らかとなります。

胸腺細胞の特徴はミトコンドリアが少なく分裂が盛んなことです。リンパ球は体外に取り出しても死滅しないで生き続ける性質があり、酸素欠乏に強いのです。これはミトコンドリアの有酸素運動の比重が少ないためでしょう。ミトコンドリアは分裂抑制作用を持っていますから、これが少ないのでリンパ球や胸腺細胞は分裂してクローンを拡大できるのです。

すでに述べてきたように、私達のからだは加齢によって解糖系からミトコンドリア系に次第にシフトしてゆきます。子供が3食で足らずおやつを食べる生き方がエネルギー効率の悪い解糖系優位の特徴です。この流れが次第にミトコンドリア系側に片寄ってゆくのが老化の世界です。分裂反応は縮小し、たくさん食べる必要がなくなるのです。

分裂の抑制は分裂の速い胸腺細胞に強く現れることになります。これが胸腺委縮の本体なのです。胸腺以外にも分裂の速い性質を持つ臓器は、加齢とともに縮小してゆきます。胸腺も骨髄も加齢で縮小し、脂肪組織に置き換わってゆきます。老人になると、外来抗原から身を守るリンパ球も酸素を運ぶ赤血球たくさん必要なくなるわけですから、からだ全体にとっても合目的なわけです。

 

老化と皮膚

若い時は解糖系優位ですから、分裂の臓器は拡大します。先に述べた胸腺や骨髄以外では皮膚細胞の分裂です。子供や若者の皮膚は分裂が盛んでいつもみずみずしい外観を呈しています。しかし、ここでも加齢現象が出現します。解糖系の縮小にしたがって皮膚細胞の分裂が抑制され始めるわけです。

6070代に入ると皮膚細胞の分裂はしだいにゆっくりになって、皮膚もみずみずしさを失って薄くなってきます。このような誰でも経験するありふれた現象も、解糖系からミトコンドリア系へのシフトによるものだったのです。

私達のめには触れませんが、皮膚と同様のことが消化管の粘膜でも起こっています。消化管の粘膜も解糖系依存の強い分裂構造から成るからです。そもそも、加齢が進むとエネルギー効率の良いミトコンドリア系優位のエネルギー生成系にシフトしますから、消化管が縮小するのも、からだにとってはそんなにマイナスなことではないのです。

 

心臓と脳の重量

老人になるとからだが少し小さくなったりするので、心臓や脳も縮小するのではないかと考えている人が多いと思いますが、特に、心臓では臓器重量の変化が少なくむしろ増加傾向にあることがわかります。ここにも理由があります。

心筋細胞は1細胞当たりのミトコンドリア数が極めて多く、約5000個くらいです。ミトコンドリアの多い細胞は細胞分裂が抑制されているのが特徴です。心筋細胞の増殖は子供時代に終わり、あとは使い続けるだけです。からだを鍛えるのと同時に心筋は肥大する形で丈夫になってゆくわけです。

加齢変化で起こるのは分裂能を支える解糖系の縮小なので、心筋の重量が加齢と共に減少しない仕組みなのです。これは、エネルギー生成系を導入して初めてたどり着ける理解です。

脳も加齢による重量減少が少ない臓器です。脳細胞もミトコンドリアが多く、分裂の少ない臓器です。「三つ子の魂百まで」と諺にあるように、脳細胞の分裂は3歳くらいまでに終わり、後はそのまま使い続けることになります。脳の機能の上昇は、神経細胞の樹状突起を発達させ周りの神経細胞と連絡を密にすることで成り立っています。

ミトコンドリアの多い脳神経のもう一つの特徴は、ガンになりにくいということです。心臓のガンはありません。脳腫瘍はありますが、脳神経細胞がガン化しているのではなく、周りの支持組織であるグリア細胞がガン化しているのです。グリオ―マとか神経膠腫と呼ばれています。赤筋もガン化は、ほとんどないでしょう。まれに、筋肉の肉腫がありますが、これは白金の方が腫瘍化したものしょう。

逆に、ミトコンドリアが少なく分裂の速いリンパ球は最もガン化しやすい細胞です。白血球、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫がその病気群です。生き方に無理が続き低体温と低酸素化が続くと、最初にガン化し易いのがリンパ球なのです。そして、これらのミトコンドリアが少ない細胞からなる臓器は加齢による縮小が著しいのです。

 

中間を示す臓器

この図でわかるように中間の場所に位置しているのが肝臓です。外分泌腺や内分泌腺の臓器も中間の性状を持っています。ここでは、この理由を考えてゆきましょう。肝臓、膵臓、耳下腺、顎下腺、甲状腺などの臓器がこの中間に属する臓器です。

この中間に位置する臓器は、ゆっくりと細胞分裂も起こり、加えて蛋白合成も盛んであるという特徴を持っています。ミトコンドリアの数も中間的なのです。肝臓はゆっくり分裂している臓器ですが、アルブミンやグリコーゲンなどの蛋白や糖の合成も行っています。分裂のエネルギーはミトコンドリア系のものを用いています。こういう背景から中間の性質を表しているのです。

分裂と蛋白合成の両方を行う臓器が内分泌や外分泌を司る臓器です。分泌腺細胞はガン化の母体となることでもわかるように分裂細胞です。腺細胞はホルモンや消化管などをつくるので蛋白合成も盛んです。このため、ミトコンドリアの数や働きも中間的になっているのです。それが反映されて、加齢による臓器重量の変化も中間的であるのです。

肝臓は部分切除すると、残った部分が元の大きさまでに回復する性質があります。この時、肝再生のための細胞分裂が急激に起こるのです。このような時は、ミトコンドリアの働きを抑制して分裂しています。しかし、再生が終わるとまたミトコンドリア数を調節して、分裂を抑制したり促進させたりしています。二つの性質を併せ持つ臓器は中間のところに位置しているのです。

このように加齢とともに、臓器の重量が激増するもの、減少するもの、変化があまりないものがあることを理解しておきましょう。

 

管理者からの一言

ということは、つまり、若い体は、分裂の盛んな解糖系生命体であるから、食事をたくさん食べて、エネルギーを摂る必要がある、時には寒冷の刺激と低い酸素の刺激も必要である。老人になったら、ミトコンドリア生命体の身体にシフトされて、消化管が縮小し、たくさん食べる必要が無くなる、しかし酸素を多く。身体も温かくして、寒冷刺激はさける。老人になったからと言って、脳や心臓が衰えるわけではない。むしろ鍛えれば機能が上昇する。

しかし、老人になってからも、たくさん食べて、仕事もして、無理をすれば、解糖系の分裂細胞の癌が発生しやすくなる。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、肝臓癌、膵臓癌、耳下腺癌、顎下腺癌、甲状腺癌、それから胃ガン等の消化器の癌、皮膚も解糖系であるから皮膚癌もそうですね。

病気の原因が理解できますね。身体は正直で間違いを起こさないのです。私達の脳が間違いを起こすのです。身体の声に耳を傾けて、老人になったら、小食にして、身体に無理をしない、脳は鍛える。難しいですね。

新型インフルエンザ

28>未来型の医学と新しい可能性

新型インフルエンザ

安保 徹

 

はじめに

20095月頃から、日本では新型インフルエンザで大騒ぎしています。ちょうどその前に、強毒性の鳥インフルエンザ(H5NI型)感染が世界で散発的に起こっていたので、恐怖が拡大したように思います。

しかし、今流行している新型インフルエンザは弱毒の豚インフルエンザ(HINI型)なので大騒ぎするほどのこともありません。多くの人はそれに気づいていますが、大騒ぎ続けている人もいます。

今回は、新型インフルエンザの実体を正しく理解して、どのように対処したらいいかを考えることにします。特に、子供に死亡者が出ていますが、なぜ死亡したのかの考察がまったくなされていません。原因がわからないので、恐怖が拡大しているように思われます。子供の免疫能の特徴も知る必要があります。

 

新型インフルエンザの毒性について

日本に新型インフルエンザの感染者が出てから約半年過ぎ、だいたいの重症化率が明らかになってきました。800万人の感染者で約80人の死亡者が出ていますから、致死率は約10万人に1人と計算できます。季節性インフルエンザの場合は、毎年平均で1000万人が感染して1万人が死亡していますから、致死率は10万人当たり100人(1000人に1人)です。したがって、今流行の新型インフルエンザの毒性は季節性の100分の1に相当しています。

そして、もう1つの特徴があります。季節性インフルエンザの場合は死亡者の多くは老人なのに対して、新型インフルエンザでは老人の死亡者がほとんど出ていないということです。HINI型のインフルエンザは過去に流行した季節性インフルエンザと抗原性が交叉しているので、免疫をもっている人が多いということでしょう。大人や老人が熱心に手洗いやマスク等4する必要はないでしょう。

新型インフルエンザに異常なほど注目が集まるのは、死亡例をすべてマスコミが報道していることも理由の1つです。弱毒性で人々の関心は薄れるはずなのに、こういう流れに入って行かないのは一例も逃さず報告する方針になっているからでしょう。そして、死亡者の死亡原因を不明としていることもあります。理由もなく死亡するなら恐怖の世界です。ここでは死亡原因を明らかにすることが大切です。

 

死亡原因を考える

本来、子供はリンパ球が多く新しい免疫を獲得するのには最も有利な時期です。子供のうちに多くの感染症に罹って強い免疫を得て大人になるわけです。これは新型インフルエンザでも同様でしょう。必要以上に手洗いやうがいをしたり、インフルエンザのワクチン接種をやたらに熱心になるのは行き過ぎです。

一部の子供が高熱を出してインフルエンザ脳症を起こす原因は二つあります。免疫系の過剰反応と体温を下げる能力の低下を考えなくてはなりません。今の日本では、子供にアトピー性皮膚炎や気管支喘息のアレルギー疾患が拡大しています。この傾向は30年位前から始まっていますが、日本が豊かになり、子供が外で遊ぶ時間が少なくなったり、甘い物を多く摂るようになったことと、つながっています

免疫系は副交感神経支配下に入っていて、リンパ球の数や機能は副交感神経優位の生き方で上昇します。からだを動かさないことも甘い物を摂ることも、リンパ球を増やしてアレルギー体質をつくる原因になっています。リンパ球過剰はアレルギー体質を作るだけではなく、インフルエンザ感染でも過剰反応を引き起こします。のどが腫れて呼吸困難になったり、高熱を出して脳症を引き起こす危険性が増すのです。

このように、普段から風邪に対して過剰反応する子供は生活パターンを見直す必要があるのです。副交感神経優位の子供は、通常は低体温気味の傾向があります。それは、からだを使わないからです。さらに、低体温の子供や、夏にクーラーをよく使用する子供は発汗する力が低下しています。そして、インフルエンザなどで突然、高熱にはいります。

汗をかくことで私たちは、高熱から逃れるようにできています。39℃以上の発熱があると発汗して(汗びっしょりになって)体温を下降させます。しかし、発汗力の低下している子供は、自分で体温を下降させることができずに高熱が出てインフルエンザ脳症になる危険を抱えているのです。脳症にも原因があることを知りましょう。

いたずらにインフルエンザ脳症に恐怖を感じる必要もないのです。ガンや自殺などと比較すると新型インフルエンザの重症化率が低いことに気づくと思います。このレベルでは恐怖を感じるほどの数値ではないでしょう。むしろ不安な場合は、生き方の偏りに注目して免疫反応を正常化すればいいのです。

ワクチンなどの対策について

インフルエンザ予防のワクチン接種にも必ず副作用が伴います。新型インフルエンザの重症化率が極端に高いなら、多少の危険を冒してもワクチンを受ける意味があると思います。しかし、今回の新型インフルエンザは弱毒性なのでワクチンを受ける意味は薄らぎます。重症化率が10万人に1人でワクチン禍が10万人に1人なら受ける意味はないと見るのが普通です。

ワクチン免疫のもう1つの弱点は、免疫力が弱く抗体が長く続かないというところです。一度インフルエンザに罹った人は終生免疫が成立しますが、ワクチン免疫は半年くらいで消失してしまいます。つまり、ワクチンで切り抜けた子供はいつまで経っても、大人の免疫力にたどり着けないということになっています。

次にタミフルの問題について述べてみます。タミフルはインフルエンザウイルスがヒトに感染する時に吸着分子となるノイラミニダーゼの産生を阻害する力を持っています。感染後、早期にタミフルを使用するとウイルスの増殖とヒトへの吸着が抑えされるので、治癒をIH短縮することがしられています。

しかし、ノイラミニダーゼはヒトのからだでも産生されて働いている蛋白分子です。特に、赤血球の膜には大量のノイラミン酸(シアル酸)が存在し、赤血球の膜の電荷をマイナスにしてくれています。ノイラミン酸を分解する酵素がノイラミニターゼです。このため、タミフルを使用すると赤血球の流れに影響がでてきます。

タミフルの投与は赤血球のノイラミン酸の量の増減に影響をあたえるので、突然血流が増加したり、うつ血が起こることが予想されます。赤血球膜上のノイラミン酸の量で膜電位が決まり、血流が調整されているからです。マイナスの電荷が強くなると赤血球同士が反発し合い血流量が増加し、その後、うっ血となるでしょう。これがタミフル投与に伴う、異常行動や突然死になって現れるわけです。

 

免疫力を高める

新型インフルエンザに感染した時、多くの人たちは自分の免疫力で立ち向かうことができます。一部の人は感染に対して重症化しますが、この場合は2通りのパターンがあります。1つは副交感神経優位の子供が過剰反応を起こして重症化する場合です。これは、高熱と脳症が問題になります。この対策は既に述べました。

もう1つは、交感神経優位の大人が免疫低下によって重症化する場合です。これは肺炎を起こして重症化する傾向があります。

 

管理者からの一言

最近、また、鳥インフルエンザが話題になっています。マスコミが大げさに騒ぎまくるのでしょうか。そして、人々にマスクや手洗い消毒、ワクチンを進めて、業者が儲かるように、応援するのでしょうね。

頸がんワクチン然り、すべてのワクチンに言えることですが、自然に感染した抗体であれば強い、終生免疫が獲得できますが、ワクチンは免疫力が弱いので、長続きしないのです。一度注射すれば、一生、抗体ができるわけではないのです。インフルエンザだって、毎年注射するでしょう。頸がんワクチンは3回を5年間隔で注射するんですよ。そんなので健康になると思われますか?本当の健康は自分で免疫力を強くすることだとは思いませんか。そして自分の抗体で戦い、自分の免疫を獲得して、自分で健康管理できる。それが自立した生活だと思います。

妊娠時の免疫

29>未来型の医学と新しい可能性

妊娠時の免疫

安保 徹

 

はじめに

新型インフルエンザの流行によって、注目を集めたことの一つが妊娠した女性の免疫力です。医療関係者も一般の人も妊婦は免疫力が低下するという意識を植え付けられていたように思います。妊婦はインフルエンザの感染時にタミフルを投与する必要があるとか、優先的にインフルエンザワクチンを受けてもらおう、という話がありました。しかし、このような考え方は正しいものではありません

妊娠が免疫力を落とすという考え方がもし正しいならば、多くの女性はある時期に感染症や他の病気に罹ってしまい、女性全体の平均寿命を低下させることになるでしょう。しかし、現実は反対です。妊娠、出産などを経験する女性の方が男性よりも寿命が長くなっています。

さらに、このような現実的矛盾に加えて妊娠時の免疫には他には無い特徴もあります。それは、妊娠時の代謝亢進により白血球全体の防御力が増殖するということです。妊娠の進行と共にその女性は代謝が亢進します。これは大きくなりつつある胎児を養うための生体反応です。脈拍が上昇し、生きる力が高まるのです。そして、白血球を含めたからだ全体の働きが活性化してゆくわけです。ここでは、妊娠時の免疫や不妊のメカニズムなどを明らかにします。間違った知識を得て、不安を抱え込まないようにしなければなりません。

 

妊娠経過中の白血球パターン

妊娠期間が進むと妊婦は胎児を育てるため代謝が亢進します。白血球の総数は代謝量に比例して増加するという法則があります。妊娠以外でも、忙しく働いて代謝量が多い人は白血球総数が多いし、逆に、ゆっくりして代謝量が少ない人は白血球総数が減少します。この法則は、代謝量が多い人は体を守る白血球も多く必要とすることに合わせた生体反応でしょう。その時、交感神経は緊張します。これを反映して妊娠期間が進むと、白血球総数が増加しているのがわかります。

また、白血球総数の変化は、どのような白血球分画を増加させているのでしょうか。顆粒球の割合の増加リンパ球の割合の低下が妊娠後期に認められます。そして、このような妊娠期間中の反応は出産と共に終わるようになっています。

白血球総数の変化は顆粒球数の増加によるものが主体であることがわかります。リンパ球数は変化がないか、少し減少というところです。これは代謝亢進による交感神経刺激反応によって引き起こされています。つまり、交感神経刺激支配下の顆粒球が妊娠の経過に伴って活性化されているわけです。副交感神経支配下にあるリンパ球は刺激されず、多少抑制傾向になっています。

白血球にはこの他マクロファージも存在しますが、マクロファージの働きも代謝量と比例して増大します。多くの感染症の防御は初期反応がマクロファージによってなされているため、この力によって妊婦は防御力も増大するのです。多くの妊婦が顔色がよく、はつらつとして見えるのは代謝量の亢進とマクロファージの活性化によるものです。

 

妊娠免疫の本体

他人の臓器が移植されれば、私達の免疫系がこれを拒絶してしまいます。これは腫瘍組織適合抗原(MHC)という蛋白が個人間でアミノ酸配列が多少異なっているためです。私達の体を構成するほとんどすべての蛋白質は構造が同じです。しかし、MHCだけが異なっているのです。このため、他人の臓器がからだに入ってきた時には異物と認識して、リンパ球が攻撃してしまいます。この働きが移植の拒絶反応です。

では母体と胎児の関係ではどうなるのでしょうか。多くの医療関係者はこのメカニズムを学んでいないように思います詳しいメカニズムはここ20年で明らかになったことなので、知らない人がいるのも仕方ないことかもしれません。ですから、ここでしっかりと理解しましょう。MHCは進化の過程で個人間で違いがなかった時代を経て、個人間で多様化するという時代に入っています。

個人間で多様化していないMHCmonomorphic(単一性)MHCです。ヒトではHLA-EFGがしられています。一方、進化レベルの高いMHCpolymorphic(多様性)MHCです。ヒトではHLA-ABCDがあります。つまり、系統発生学的に古いMHCは単一性なので移植の拒絶抗原とならず、発生学的に新しいMHCが多様性なので移植の拒絶反応となっているのです。

妊娠進行中の胎児は、胎盤をつくって母体の子宮内膜に吸着しています。そして、この胎盤にはHLA-ABCD.発現していないのが最大の特徴です。つまり個人間でアミノ酸配列の異なるMHCがマイナスなのです。このため母親の免疫システムは胎児を拒絶できないのです。これが妊娠免疫の本体なのです。

MHCは共優性(co-dominance)と言って、父親と母親から来た遺伝子で支配され両方からの遺伝子でMHC蛋白をつくっています。ですから、もし胎盤に多様性のMHCがプラスならその半分は父親由来なので母親の免疫システム(リンパ球)によって拒絶(流産)されてしまうのです。しかし、マイナスですからその心配はありません。

胎盤組織(胎児の組織)や母体の子宮内膜の絨毛組織にはHLA-Gが代わりに発現しています。これは個人間で多様性のない系統発生学的に古いMHCはヒトで共通の構造なので拒絶蛋白とはならないのです。この古いHLA-Gは古いリンパ球と共同で働いています。胸腺外分化T細胞や自己抗体産生B細胞です。

正常妊娠ではこれらのリンパ球は自己応答性を使って、胎児組織が母体に迷入して来ないように防御しています。大切な仕組みです。もしこの免疫反応が弱ければ胎児組織の一部が母体に侵入して、胞状奇胎絨毛上皮腫などの病気が発生してしまうでしょう。一方、このシステムの過剰活性化も問題になります。それが流産です。

子宮の内膜に豊富に存在する白血球は、リンパ球ではNK細胞と胸腺外分化T細胞です。ストレスが多いと顆粒球も増加してきます。この3つの白血球がストレスで過剰に活性化された時妊娠中毒症流産となるわけです。発展途上国では飢餓や重労働や持病などでストレスを受けて、この流れに入る人が多いのです。

 

不妊症について

健康な女性、不妊症を訴える女性、子宮内膜症の女性で、白血球総数と好中球(顆粒球の9割を占める)やリンパ球の比率を調べたデーターです。不妊症の女性の白血球総数と好中球が増加しているのがわかります。これは交感神経刺激の白血球パターンです。

白血球総数はエネルギー代謝と正比例していますし、好中球は交感神経優位の状態で増加します。不妊症の女性は仕事や家庭でのストレスを受けていることが示唆されます。ストレスが強いと血管収縮作用によって血流が低下します。つまり冷えの世界です。不妊治療で大切なことは、ストレスを除き体温を上げることです。すると、白血球増多や好中球増多から逃れることができ、よい結果がうまれます。 不妊症の人のデーターと子宮内膜症の人のデーターはよく似た傾向をもっています。いずれも、顆粒球の比率が上昇しリンパ球の比率が下降しているというところです。これは、交感神経緊張パターンです。顆粒球増多は粘膜障害や化膿性炎症とつながっているので、このパターンでは子宮内膜症の他、卵管炎卵巣のう腫という病気を合併することが多いのです。その結果が不妊症です。

また、このパターンはリンパ球減少による免疫抑制状態なので、ウイルス感染やそれと関連した病気も合併してきます。口唇ヘルペス、帯状疱疹、子宮筋腫、子宮頸ガンなどです。子宮頸ガンにワクチンの話が上がっていますが、上記したような免疫抑制が病気の発症原因になっています。つまり、免疫力が高いとヒトパピローマウイルスにも自然に免疫ができて子宮頸がんにはならないのです。

 

妊娠時の注意点

したがって、妊娠期に免疫抑制状態になって感染に弱くなると理解するのは間違っています代謝亢進によって白血球全体の働きは上昇するからです。無用な不安を抱く必要はないでしょう。代謝が亢進するので、からだに負担が多いと交感神経緊張状態になるので問題が出てきます。その理解が必要です。

ほどよい体操などで血流を良くして、疲れは睡眠で十分に取るという生活を続けるといいわけです。また、「妊娠中は免疫抑制状態だから胎児を拒絶しない」という考えも本当の理解ではありません。古い免疫システムによる防御が妊娠免疫の仕組みの本体になっています。

管理者からの一言

西原克成先生の「生物は重力が進化させた」の御著書に臓器移植の免疫システムの拒絶反応について興味深いことが書かれています。つまり、進化の過程で、海の中で生活していた頃の古い免疫には拒絶反応が起こらないが、陸上に上陸して重力の圧でできた骨髄からの新しい免疫から、拒絶反応が起こるようになったと言われ、犬や猫の臓器移植をサメで実験して成功しています。また、腸管から肝臓や膵臓ができるし、進化を考えれば腎臓も脳も筋肉もできるはずであると断言しています。更に、クローンで作るよりも早いと言われています。

現代の医者は、考えもせずに、厚生省の言うなりに、妊婦や若い女性に無意味な予防接種をしています。自分で考えようとしない、自分で責任を取ろうとしない、ただの労働者かロボットに成り下がっていますね。

 

甲状腺疾患

30>未来型医学と新しい可能性

甲状腺疾患

安保 徹

 

甲状腺の病気は、生き方の偏りと関連して発症することが多いように思われます。医学教育の現場では、あまりこのような考えを教えられることはないのですが、実際の患者の発症前の生活を聞き出してみると深い関連があると感じられます。

私達の代謝レベルは自律神経ステロイドホルモンによって大きく揺れ動くのですが、甲状腺ホルモンの作用も大きく関与しています。活発な生き方と甲状腺ホルモンの働きが連動しています。つまり、元気な生き方甲状腺ホルモンの分泌を促しますし、甲状腺ホルモンの働きによって代謝が亢進するというように、プラスのサイクルができています。甲状腺ホルモンはアドレナリン群と同じアミノ酸誘導体ホルモンとして分解されています。トリヨードチロニン(T3)とチロキシン(T1)が代表的なものです。いずれもホルモン分子中にヨードが含まれているのが特徴です。ヨードは海藻中に大量に含まれているので、日本人のように海藻をよく食べる民族はヨード欠乏による甲状腺腫はあまり見られないのです。

甲状腺ホルモンは上位のホルモンによって調節を受けています。下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH,チロトロピンとも呼ばれる)によって分泌量が調節されています。さらに甲状腺刺激ホルモン視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRHによって分泌量が調節されています。

視床下部は自律神経系の中枢でもありますから、大きくとらえると甲状腺ホルモンの分泌量は私達の生き方や活動量や感情とつながってくるわけです。甲状腺の働きは医学教育では生理学で学ぶのですが、このような視点で考えるとより甲状腺疾患の成り立ちが明確になってくると思います。

甲状腺機能亢進症

いつも忙しく暮らして頻脈があり、汗っかきや体温が高い人は甲状腺機能が亢進した状態で生活している人です。生き方を変えると、すぐに甲状腺の働きが元に戻る人は病気ではありませんが、その流れをなかなか止められなくなった時は甲状腺機能亢進症と診断されます。甲状腺機能亢進症だから忙しくしているという意味合いもありますが、そういう生き方を年余に亘って続けたから発症したという方向性もあると思います。なるべく軽症のうちに生き方を変えて治すという考え方が必要です。病院では抗甲状腺薬を使ってホルモンの合成阻害をめざしますが、生き方を変えるという工夫も取り入れると薬から離れるのも早くなるでしょう。甲状腺クリ-ゼと言って、甲状腺が極端な機能亢進を起こした場合は命にかかわる緊急事態です。

甲状腺機能亢進症は膠原病ともつながっています。忙しさなどのストレスが続くと自己抗体産生系が刺激されて膠原病としての病態をとるからです。抗チログロブリン抗体が血中に出現します。この場合はバセドウ氏病と言われることになります。先に述べた甲状腺機能症の症状の他に甲状腺腫(ゴイタ―)や眼球突出なども加わってきます。皮膚が黒ずんできたり、やせてきたりします。つまり交感神経緊張症状なのです。便秘がちにもなるでしょう。気持ちも追い立てられた心境です。

甲状腺機能亢進の本体は、甲状腺ホルモンによるミトコンドリアの過剰活性化にあります。ミトコンドリアが活性化され大量のアデノシン三リン酸(ATP)が生成されます。これに伴ってO2の消費量も増大します。同時に、放出されるのが活性酸素と熱です。活性酸素は皮膚が黒ずんでくる現象とつながっています。熱が体温上昇を起こしています。老化の促進につながるでしょう。重症の場合は放射状ヨードを使って組織を破壊することもあります。しかし、このような重症例でも忙しい生き方と発症がつながっていることを理解して、こちらにも工夫を加えましょう。

バセドウ氏病は他の膠原病と合併して発症することもあります。自己抗体の中には、TSH受容体に対する自己抗体もあり代謝亢進のプラスのサイクルが刺激されます。身も心も焦ってくる傾向があります。バセドー氏病も女性優位現象があり、30代前後の若い女性に多く発症します。発症の始まりは、まじめな性格やがんばる性格などとつながっています。からだを休めながら生きることの大切さがわかります。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺機能が低下するとミトコンドリアでのエネルギー生成が抑制されるので冷えがきます。そして元気が無くなっていき、活動するのが大変になってきます。ミトコンドリアでは糖のほか、脂肪がエネルギー源として使われているので、脂肪が使われなくなり肥満した体型になってくることもあります。除脈、呼吸数の低下、低ナトリウム血症など、亢進症と反対の多くの症状が出現します。

甲状腺の機能低下症も生き方とつながっていることが多いと思います。甲状腺ホルモンの産生は低体温では起こりにくいので、女性が冷えに苦しんで発症することが多いのです。夜更かしや強い冷房などが、からだを冷やす原因になります。冷えの体調が続くと組織の繊維化が起こるので慢性甲状腺炎という流れから甲状腺機能低下症が起こることもあります。

低体温が続いて慢性甲状腺炎が進むと組織破壊が起こるので自己免疫疾患の病態に入ることがあります。それが橋本氏病です。つまり、甲状腺の自己免疫疾患には機能が亢進するバセドー氏病と、機能が低下する橋本氏病があるわけです。いずれも生き方の偏りからはじまっています。しかし、それぞれ体温上昇と体温下降が介在して病態が分かれてゆきます。

 

甲状腺腫、甲状腺ガン

良性の甲状腺でも悪性の甲状腺ガンでも、発症する前にストレスのある生活が患者から聞き出せます。ほどほどのストレスなら代謝が亢進して免疫力は上昇するのですが、ストレスが強かったり長く続いた時は免疫抑制状態になってきます。そして、いずれ過剰増殖に入るのです。上皮細胞の他に、これらに付随した腺組織が分裂細胞を抱えているのでこれらが腺腫を形成したりするのです。良性の腺腫は結節を形成したりするのです。良性の腺腫は結節を形成して外から触れることもできるので結節性甲状腺腫と呼ばれています。結節の形成は産生された甲状腺ホルモンの分泌が停滞して起こると思われます。ストレスは分泌現象を抑制するので、こういう病態ができるのです。そして、ストレスが長く続いて免疫力が低下するとこれらの反応組織の中からガン化が起こるわけです。

全甲状腺ガンの約7割を占めるのが乳頭ガンです。結節をつくらずにガン細胞が増殖し、リンパ節転移なども起こします。いずれにせよ、発症前に強い長いストレスが聞き出せます。病気の予防や再発の予防には生き方や考え方などを見直し、免疫力を上昇させる流れをつくることが大切でしょう。


管理者からの一言

眼球が飛び出て来そうな、ギョロギョロした眼をしている人にバセドウ氏病が多いなという実感があります。性格は神経が細い人に多いようです。心が図太い人はどんなに忙しく、疲れていても、絶対に病気にはなりません。甲状腺ホルモンは感情とつながっている、と聞いて納得しました。病院で働いていた頃の上司の仕事をみていて、あんなに毎日、トラブルだらけの中で、忙しく働いて、精魂疲れているはずなのに、どうして絶対に病気にならないのだろうか。少し、病気になってくれないかな、と思っても、絶対に病気にはならないで、毎朝、きれいにお化粧をして、元気な姿を現します。少し休んでもらった方が、部下のストレスが少なくなり、いいのに、と思うことがあります。部下の方がバタバタと倒れているのです。これはどうしてなのだろうかと不思議に感じていました。感情の問題ですね。活発に忙しく働くだけが病気の原因ではなくて、感情の弱い人が忙し過ぎて、精魂疲れると、自律神経の病気になりやすいと思います。幼小時期から心を鍛錬しておくこ

 

パーキンソン病とは

31>未来型の医学と新しい可能性

パーキンソン病とは

安保 徹

 

はじめに

パーキンソン病は筋固縮(筋のこわばり)や振戦(ふるえ)が起こり、姿勢維持や歩行が困難になってくる進行性の病気です。私達の筋肉活動は意識して行われる部分もありますが、その活動は無意識に調節されていることがほとんどです。この無意識の調節に関与している神経系が錐体外路系で、その中枢は脳の黒質・線条体に存在しています。

私たちの興奮を司る神経伝達物質の中心を成すのがカテコールアミンです。神経伝達物質には、副腎髄質から分泌されるアドレナリンと交感神経末端から分泌されるノルアドレナリンがあります。ノルアドレナリンのさらなる前駆物質はドーパミンです。ド―パミンはその後、単なる前駆物資ではなく脳で使われている興奮のための神経伝達物質であることが明らかになりました。

パーキソン病では、脳の黒質のドーパミン産生細胞が減少し、ドーパミンの産生量が低下していることが明らかになっています。スウエーデンの科学者アルヒド・カールソン(1923~)はドーパミンの働きや脳内での量の測定、さらにはパーキソン病でのドーパミン量の低下などを明らかにし、2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

ドーパミンの前駆体はL・ドーパです。これの投与によってパーキンソン病の初期の症状のうち、いくらかを軽減できるのです。しかし、医療の現場ではL・ドーパに対する過剰な期待が生まれてしまいました。そもそもドーパミンはノルアドレナリンやアドレナリンの前駆体でもあり、それ自体が交感神経緊張作用を持っていますから、パーキソンの病態にプラスに働くだけではないからです。

また、パーキンソン病の成り立ちや黒質でドーパミン産生細胞の減少が、なぜ起こっているのかの考察もなされていません。これらを明らかにするのが今回の目的です。

 

パーキンソン病の成り立ち

「脳の黒質でのドーパミン産生細胞の減少」というと、いかにもパーキンソン病の原因が明らかになったという印象を受けますが、これは結果であって原因ではないのです。では、どうしてこのような結果になったかを考察すると、病気の発症はその人の生き方や考え方に起因していると思います。

いつも、生真面目であったり、いつも抑圧された生き方が続くと、脳やからだの緊張が強いられます。脳では黒質のドーパミン産生細胞が常に刺激されている状態です。その刺激は錐体外路系を介して、からだの筋緊張が持続することにつながります。一般的にいう身構えて、からだが硬くなっている状態です。よく「肩に力の入った生き方だ」というのが、この状態を言い表しています。

職業では学校の教師や警察官でしょう。「間違った生き方はゆるされない」というような気の張り詰めた生き方が、脳の黒質の持続的刺激につながります。また、女性では頑固な亭主に、かしずいて生きている人でしょう。いつも緊張がほぐれない生き方と言えるからです。最近、若い男性でもパーキンソン病を発症しているケースがありますが、職場での真面目な上司にひたすら同調するような生き方も、この流れに入ります。

こうしてみるとパーキンソン病の成り立ちも原因不明の難病という見方をするのではなく、生き方の偏りから発症してくる病気と理解できるでしょう。すると、予防の仕方も悪化を防ぐ方法も見えてくるのです。今の世の中はストレスが多く緊張して生きざるを得ない環境が多いので、このような考え方を知らないと病人は増加し続けるでしょう。

 

パーキンソン病の特徴ある病態

多くの病気は低体温が伴なうのに、パーキンソン病の患者は低体温になっていないのが特徴です36.5℃前後の体温がキープされています。しかし、その割には筋固縮や便秘などの交感神経緊張症状が認められます。これは筋固縮によって、いつも筋肉が無意識に緊張しているため発熱が起こり、低体温にならないことによると考えられます。

健康な人では、運動によって筋肉が大量に使われると体温が上昇し、その次に発汗が起こります。発汗によって体温が下げて健康状態が維持できるわけです。しかし、パーキンソン病の人は、汗をかけないのが特徴的です。筋肉を自由に十分に使用できないために、体温が上がる動作が妨げられ発汗も起こらないからだになっています。

入浴や軽い体操で筋肉が自由に動かせる状態に戻ると、発汗ができるようになります。これが病気からの脱却反応です。便秘も解消されるでしょう。つまり、発汗ができるかどうかがパーキンソン病と健康な人との違いです。

パーキンソン病のもう一つの特徴は、リンパ球レベルが正常なことです。交感神経緊張で病気になる流れは多く、糖尿病も高血圧症も他の病気もそれを反映して顆粒球増多とリンパ球減少が起きてきます。しかし、これが見られないことがパーキンソン病の不思議なところです。体温が正常範囲にあることと、交感神経緊張でもリンパ球の比率が下がらないことがこの病気の特徴です。

便秘もパーキンソン病の特徴です。体温が正常でも交感神経緊張なので、消化管活動は抑制されていることがわかります。水分を摂ったり、たっぷりの野菜を摂る習慣がなく、生真面目な人がパーキンソン病になりやすいことと、つながっています。私たちは忙しくても、ゆっくりお茶を飲んだり、野菜たっぷりの食事をしていると、パーキンソン病を予防できるのです。

L.ド―パについて

黒質でのドーパミン産生細胞の減少ならば、外からドーパミンを補給すると良いとするのがパーキンソン病の治療の中心になっています。ドーパミンの前駆体であるL.ドーパ.は、からだの中でドーパミンに変換されます。これがアドレナリンやノルアドレナリンと同様に、交感神経刺激物質として働くことになります。

一時的には、この交感神経刺激がプラスの働きをします。つまり脈拍の上昇や血圧の上昇で循環量が増加し、緊張して血流不足になっている筋肉に血液が行き渡るわけです。パタパタ歩いていた患者が、すたすた歩き出すような劇的な改善が見られることがあります。話をするのが困難だった人が、滑らかに話しだすことがあります。

このような薬物による初期反応が、かえって間違った薬の使用を拡大するきっかけになったとおもわれます。薬を長期に服用していると、本来の交感神経緊張刺激が前面に出てくるからです。さらに筋肉が緊張したり便秘が強くなってゆきます。薬を増やしても病状は改善せず、さらなる交感神経緊張が助長される流れにはいります。このようなメカニズムを知っておくことは大切なことです。薬に頼り過ぎる危険を学びましょう。

 

パーキンソン病の治し方

多くの病気は生き方の偏りから生まれますが、パーキンソン病の場合は、真面目さや抑圧などが原因となる交感神経緊張状態から発症してくると思われます。パーキンソン病以外に交感神経緊張から発症する病気がバセドウ病です。普通はストレスがあると脱却反落として副交感神経反射がきます。それが、過敏性腸症候群などの自律神経系の流れの病気です。

しかし、パーキンソン病やバセドウ病は休みなく交感神経緊張になっているわけです。こういう病態把握ができると、どのように病気に向き合ってゆくかがわかります。生き方と同時に自分の性格も見直す必要があります。特に、環境が真面目さや抑圧を強いる状態だと、さらに交感神経の緊張が高まります。

真面目な性格は遺伝する傾向が強いので、生まれながらの問題もかかわってきます。しかし、軽症のうちに努力してその性格を乗り越えてゆく必要があるのでしょう。環境を変える努力も必要になることがあります。

多くの症例では、このような自覚や病気の成り立ちの理解のないまま、病院に行って薬物療法に入る流れができています。しかし、これは患者も医療関係者も考えを改めなければなりません。

パーキンソン病は、交感神経緊張で起こっている病気です。交感神経緊張が引き起こす病気に、L.ド―パのような薬は依存性が強いので、一度、飲み始めたら急に止めるのは危険です。からだがL.ド―パが入ってくるのを前提としていきているからです。薬を急に止めた時に出る反応を、悪性症候群と呼んでいます。薬を減らす時は、ゆっくりと時間をかけて、からだと相談しながら減らす必要があります。からだを温めて発汗できるようになると、筋肉の動きもよくなってきます。薬も減量しやすくなります。気長に行いましょう。

 

管理者からの一言

パーキンソン病は、良妻賢母の主婦の方が、年老いてから発症するように思います。長年連れ添った、頑固な御主人の世話が、最後に訪れる、最大のストレスだと思います。私は女性なので、男に対する愚痴になってしまいましたが…。認知症と同じように、パーキンソン病も大きな社会問題になっています。これは、医療従事者の薬の使い方を反省しなくてはいけませんが、原因はやはり、現在の社会の在り方にあると思います。学校でも、仕事でも、家庭でも、何故、こんなに緊張して、毎日を過ごさないと生きられないのでしょうか?悲鳴が聞こえてきませんか?このような社会では、もう、人間は生きて行けません。男も、女も、性格を変えない限り、無理でしょうね。

 

肝臓の働きと病気

32>未来型医学と新しい可能性

肝臓の働きと病気

安保 徹

 

肝臓の成り立ちや働き

肝臓の病気を考える前に、肝臓の成り立ちや働きを理解してみたいと思います。肝臓はずい分と特殊化した臓器ですが、成り立ちを考えるとその特徴が明らかになってきます。この作業が必要だと思います。第一に知るべきことは、肝臓は腸から派生したということです。線形動物のレベルで、腸から膨らみが生まれ肝臓へと進化が始まったのです。

このため肝臓は腸と似た性質が残っています。その最大のものは、分裂するということです。腸の上皮細胞は生じてから数日で寿命を終えて腸内に脱落して排除されていきますが、肝細胞も分裂能を残しています。特に、肝細胞は障害を受けた時、積極的に分裂を開始します。肝移植ができるのもこのような性質を利用しています。

また、肝移植のドナーの肝臓は、その一部が切り取られても一気に分裂が開始されて元と同じ大きさに戻ります。このような急激な分裂の他に、正常な肝臓でもゆっくりと分裂して、すべての肝細胞は置き換わっています。12カ月のゆっくりしたペースで、すべての肝細胞は新しいものに置き換えられているのです。分裂の盛んな細胞はミトコンドリアが少ないのが特徴です。腸の上皮細胞や分裂が刺激された時の肝細胞は、ミトコンドリアが減少するでしょう。

逆に、糖や脂質の代謝を行う時は肝細胞のミトコンドリアが増加するでしょう。ミトコンドリアのつくるATPをエネルギー源として肝細胞の代謝が引き起こされるからです。胆汁の生成も脂質代謝の1つです。からだで使用したコレステロールは胆汁酸(コール酸など)に変換されます。この胆汁酸とピルビンが結び付いて胆汁となります。ピルビンはヘモグロビンやシトクロームCなどのヘム蛋白から生じています。

肝臓が進化した最大の理由は、その生物の活動が活発化したためにコレステロールやヘム蛋白が大量につくられて、その積極的排泄が必要になったからでしょう。また、胆汁をつくることによって口から入ってきた脂肪をミセル化できるので脂肪を効率よく吸収できます。この吸収した脂肪をエネルギー源として、さらに活発な活動が得られるようになったのでしょう。これが進化です。

 

脂肪肝とミトコンドリア

腸から分かれた肝臓はミトコンドリアを増やし分裂をゆるやかにしてゆきます。このため、もう1つの特徴がうまれています。当(グルコースとグリコーゲン)の出し入れに加えて、脂肪も利用するようになったことです。謙気的解糖系は糖だけを利用していますが、好気的ミトコンドリア系は脂肪もエネルギー源として使うことができます。このため脂肪を肝臓で貯える流れが起こったわけです。

現代医学では高脂血症や脂肪肝を悪者扱いしていますが、肝細胞がミトコンドリアを増やす進化の中で脂肪を利用するようになったわけですから、考え方を変えなければなりません。

変温動物のほとんどは脂肪肝が基本になっています。魚類や節足動物の甲殻類を思いだしてください。あんこうの肝やカニの肝です。カニミソです。

ただ、恒温動物に進化してからは脂肪の多くは皮下や内臓に移しています。つまり、皮下臓脂肪、内臓脂肪と呼ばれています。むしろ基本の肝の脂肪は異所性脂肪と呼ばれるようになってしまいました。筋肉もミトコンドリアが多いので必要な時に脂肪を使います。これらも異所性脂肪と呼ばれています。

ストレスや飢餓急に脂肪を使わなければならない時は、皮下や内臓の脂肪を溶かし肝臓や筋肉に集めて利用しています。これを私達が、高脂血症や脂肪肝と呼んでいるわけです。悪いことと勘違いされていますが、からだの大切な反応です。非アルコール性脂肪肝は、このようにストレスから逃れるための反応なのです。具体的には、肝細胞のミトコンドリアが集中的に働くための反応です。

飢餓でも脂肪肝になります。これは糖が口から入ってこないわけですから脂肪を利用してエネルギー源とする反応です。脂肪肝を栄養の摂り過ぎと勘違いしているのが現代医学です。拒食症でガリガリにやせた子供も脂肪肝になるのです。ミトコンドリアが脂肪を使って働かせて生き延びるための戦略です。

では日常的に言われてきたアルコール性脂肪肝肥満による脂肪肝の発症メカニズムを考えてきます。アルコールはほどほどに飲んでいると気持ちをゆったりさせたり、血管を拡張させる副交感神経刺激作用が起こります。しかし、たくさん飲むと本来の交感神経刺激作用に移ります。気持ちが大きくなったり、未来の夢を語ったりするようになります。しかし、さらに大量に飲むと交感神経緊張状態になり翌日二日酔いの苦しみになります。これを続けたストレス反応がアルコール性脂肪肝をつくるのです。

肥満があっても息切れなどのストレスがまだ起こっていないレベルでは脂肪肝にも高脂血症にもなりません。自分の重いからだを移動することに負担を感じ出した時にストレス反応が起こり脂肪肝になるわけです。アルコール脂肪肝も肥満による脂肪肝も身を守る反応に変わりはありません。高脂血症の原因はストレスで起った脂肪肝の脂肪作用をサポートするため、皮下や内臓の脂肪を肝臓に運ぶために起こった現象ですすぐ薬物治療に走るのではなく、原因(ストレス)を解消することが大切です。

ここで治療のことも述べておきましょう。身を守るために起こっている高脂血症や脂肪肝薬で治そうとするのは危険なことです。中性脂肪やコレステロールの代謝は主に肝臓や筋肉のミトコンドリアで起こっているので、薬物はミトコンドリアの多い組織に影響を与えることになります。特にスタンチン系の薬物よる脂質代謝の抑制はミトコンドリアの働きの低下と結び付いてしまいます。以下に述べる障害が起こります。

ミトコンドリアの多い組織は骨格筋のうち赤筋です。薬物治療による黄紋筋融解症が起こってくるわけです。特にスポーツマンや筋肉の発達した人で強く起こる傾向があります。その他、ミオパチ―(筋肉の疾患の総称)などを起こしてくるのです。次にミトコンドリアの多いのは脳神経系の細

胞です。ここのミトコンドリアの機能が抑制されると、神経障害認知症がおこってきます。肝細胞もミトコンドリアの多い組織です。これが高脂血症の治療で肝障害が誘発されるメカニズムになっています。

低体温と胆石症と胆嚢炎

ストレスによる交感神経緊張は、エネルギー系の出力を拡大するために脂肪肝をつくることを学びした。ミトコンドリアが脂肪を利用し始めストレスに打ち勝つための反応です。中性脂肪はリパーゼによってグリセオールと脂肪酸に分解され、さらに脂肪酸はケトン体になってミトコンドリアのクエン酸回路に入ってエネルギー源として利用されます。

この流れでミトコンドリアが良く働き体温が上昇した時は、ストレスを乗り越えてゆくことになります。しかし、無理をしたり悩みが続き血管収縮、血流障害まで進むとミトコンドリアの働きも、ついに低下してしまいます。これがストレスの多い生活で破綻に入るパターンです。エネルギー不足で疲れ易くなり、蛋白合成の低下で、やつれてきます

低体温代謝産物の不溶化を招きます。これが肝臓で起これば胆汁の成分が不溶化し結石がつくられます。これが胆管結石胆嚢結石です。胆汁の成分のうちピルビン酸が多いのがピルビン結石です。胆汁の成分のうちコレステロールが多いのがコレステロール結石です。最近の傾向としてコレステロール結石が多くなっています。食事の内容とも関係しているのでしょう。

冷えは交感神経緊張症状なので、交感神経支配下にある顆粒球が増加し慢性炎症を誘発してきます。これが胆管炎胆嚢炎なのです。これらの疾患を単なる細菌感染と考えていると慢性化の原因にたどり着けないのです。ストレスでいつも顆粒球を増やし粘膜で炎症が止まないわけです。抗生物質をいくら投与しても病気は改善しません。生き方を変える必要があるのです。

現在、原発性胆汁性肝硬変は原因が不明とされて治せないでいますが、原因はストレスです。ストレスが長く続くと、低体温や血流障害によって分泌現象が副交感神経支配下にあるからです。胆管内で濃縮された胆汁が停滞し繊維化がおこります。これがこの病気の発症メカニズムです。実際、患者に発症前の強いストレスを聞き出すことができます。無理な生き方を止め、からだを温めると繊維化は停止し次第に良くなってきます。

肝臓に存在する防御系細胞

特殊化した臓器である肝臓には固有の防御系細胞が存在します。特に、クッパー細胞(他に、細胞外分化T細胞、NK細胞)が特徴的です。肝臓には色々な炎症を伴う疾患が起こりますが、それはこれらの防御系細胞の生体反応なのです。このような理解がないと、肝臓の炎症性疾患を原因不明として対症療法を繰り返す流れから脱却できないでしょう。

肝臓は酸素と栄養を受け取って老廃物を出す通常の動脈と静脈の他に門脈を持っています。門脈は腸管で吸収した栄養物を肝臓に運ぶ血管系です。小腸で起こる栄養物の吸収は粗い状態で行われ多くの微生物も同時に侵入してきます。このような微生物の処理が肝臓のクッパー細胞で行われているのです。クッパー細胞は名前が変わっていますが、肝臓に住みついているマクロファージと言ってよいでしょう。このクッパー細胞の働きによって微生物や粗い栄養物は分解処理を受けて、門脈血以外の静脈血や動脈血はほとんど無菌状態になっています。クッパー細胞の働きの重要性がわかります。クッパー細胞の働きは体温に依存していますから、極端な低体温が続くとクッパー細胞の働きが低下し、肝臓や他の臓器で感染症が起こってきます。

感染症の治療は抗生物質の投与だけを頭で考えるのではなく、防御系の細胞の働きが低体温のため低下していないかに目を向ける必要があります。低体温をつくるストレスを除き、積極的にからだを温めることが大切です。

肝臓に存在するリンパ球は主にT細胞とB細胞ですが、肝臓に存在するものは胸腺外分化T細胞とNK細胞です。いずれも系統発生学的に古いリンパ球で自己応答性があります。この自己応答性は増殖する肝細胞の調節やガン細胞の排除に当たっています。

しかし、私達がストレスを強く受けた時、肝障害を誘導する力も持っています。この流れで起こる肝疾患が劇症肝炎自己免疫性肝炎です。今の医学の世界ではこれらの疾患を原因不明と言っていますが、原因は明確なのです。つまり、ストレスから発症しているのです。

原因不明の場合はステロイドや免疫抑制剤が使われてしまいますが、これは間違いですストレスの上乗せになるからです。ストレスを除き、からだを温めるのが治療法です。古いリンパ球の中には自己抗体産生Bリンパ球も含まれます。ここでも新しい理解が必要です。

胸腺外分化T細胞、NK細胞、自己抗体産生B細胞は、いずれもストレスによる免疫抑制状態で活性化するリンパ球です。従って、劇症肝炎自己免疫性肝炎も、免疫を高めて治る疾患だということをこれからの医師は学ぶことが必要です。これを確かめるのは、学術論文を読む他に、実際の患者において病気の発症前に強いストレスを聞き出せることを経験してゆけばいいでしょう。

マクロファージの近縁細胞が血管内皮細胞です。このためマクロファージの炎症が起こると、血管内皮細胞も炎症に加わります。それが血管炎です。代謝を亢進させて病気から脱却する反応の意味合いがあるので、血管炎も止めることだけを考えると危険です。からだの起こす治癒反応一つです。 からだが起こす疾患の症状を薬で抑えるのではなく、原因を探るようにしましょう。

 

管理者からの一言

現代医療はメチャクチャですね。医者はマニュアルに沿った治療にあぐらを掻き過ぎています。その方が守られるからなのでしょう。患者の声に耳を傾ける、時間のかかる医療はきっとやらないと思います。ここは、やはり、患者が眼を覚ますしかないです。スタンチ系の薬剤は高脂血症の治療薬です。心筋梗塞、脳梗塞の予防ができますが、認知症になる可能性も否定できません。どちらが恐いですか?私だったら、短命でも、家族に迷惑のかからない人生の方を選びますね。

病院での仕事中の経験です。夜勤帯に妊娠後半期の妊婦さんが、痛い、痛い、の連発で、来院しました。陣痛ではないのです。座ることも、横になることもできずに、とにかくじっとしていられないらしくて、痛い、痛いと言いながら、廊下を歩き回るのです。一瞬、頭がおかしいのかな、と思ったくらいです。X線を撮ったら、なんと見事な動脈管亀裂で、胸の心臓近くから腹部までの太い動脈管に明らかにひびが入っているのが見えました。直ぐにICUに入りましたが、1ヶ月くらいで治ったのも驚きでした。血管はストレスで壊れやすいですが、治りも早いんだなと実感した経験でした。とにかく、ストレスは恐いものです。真面目に生きないで、人生を楽しみましょう。

 

耳鼻咽喉科疾患

33>未来型の医学と新しい可能性

耳鼻咽喉科疾患

安保 徹

 

みみ、はな、のどの特徴

みみ、はな、のどの組織は口の粘膜とそれを取り巻く神経組織から進化しています。口からは、いろいろなものが入ってくるので免疫組織も発達しています。危険な異物の侵入を防がなければなりません。扁桃アデノイド(咽頭扁桃)がその免疫組織です。これらの免疫組織は系統発生学的に古いもので、自己抗体産生B細胞を大量に抱えています。この過剰刺激でいろいろな病気が起こってくることになります。

みみ、はな、のどの粘膜の特徴は分泌腺が発達していて、粘膜保護に働いています。分泌現象が抑制されると粘膜が十分保護されなくなって、潰瘍アフタ(口内炎の一つ)が形成されてきます。多くの分泌現象は交感神経支配下にあるので、ストレスが続き交感神経緊張が続くと粘膜の病気になることが理解できます。耳鼻咽喉科疾患も、ストレスで発症してくることを知らなくてはなりません。

口の周りには大きな外分泌腺が存在しています。顎下腺耳下腺涙線です。これらの分泌腺の周りにも古いタイプのリンパ球が存在しています。胸腺外分化T細胞と自己抗体産生B細胞です。いずれも自己応答性を持っていて、これを使って腺細胞の分裂の調節や異常細胞(ガン細胞など)の排除などをおこなっています。

ストレスが続くと、進化したT細胞やB細胞は分裂が抑制され免疫抑制状態になります。しかし、逆に胸腺外分化T細胞や自己抗体産生B細胞は活性化されます。ストレスで生じた異常自己細胞を排除するための合目的反応と思われます。しかし、この状態が長引くと膠原病になります。眼、口、皮膚、外陰部にみられる膠原病類縁疾患のベーチェット病や、涙腺や唾液腺に障害を起こすシェーグレン症候群などは、自己免疫疾患の1つです。みみ、はな、のどの特徴を知ると、この部位の病気が理解できるようになるでしょう。

 

青ばなとアレルギーの関係

リンパ組織は血管が豊富で、細菌の侵入があれば血流から顆粒球を遊走させて処理に当たる体制が敷かれています。つまり、抗原の侵入には局在のリンパ球が反応し免疫反応やアレルギー反応を誘発します。逆に、細菌侵入には顆粒球が反応した化膿性の炎症を起こして治癒に道ビックわけです。これらの反応が、扁桃アデノイド中耳副鼻腔のリンパ組織で起こります。

もう1つの知っておくべきことは、顆粒球の反応は交感神経優位の状態で刺激されやすくリンパ球の反応は副交感神経優位で活性化されやすくなっていることです(白血球の自律神経支配の法則)。空腹状態は交感神経優位で、食べ物が豊富で満ち足りた状態は副交感神経優位です昭和20年代の日本は多くの人々が貧しく、子供はいつも空腹状態でした。このような時、子供は化膿性炎症をおこしやすくなります。

私達が子供の時は、まわりには青ばなを垂らす子供であふれていました。また、耳だれが出て苦しむ子供も多かったのです。青ばなは化膿性の副鼻腔炎の結果で、耳だれは化膿性中耳炎の結果でしょう。この他、化膿性の虫垂炎(盲腸炎)を起こして虫垂を摘出される人も多かったのです。

一方、今の子供達はこのような化膿性の炎症を起こすことがほとんど皆無になってしまいました。逆にカタール性の炎症(粘膜の滲出性炎症、粘液の分泌が亢進する)を起こしやすくなっています。カタール性の炎症が強くなるとアレルギー性の炎症となり、これは副交感神経支配下にあるリンパ球が反応しているのです。

飽食と共に、子供達が外で遊ぶ時間が少なくなっているのも、副交感神経を刺激しリンパ球の過剰反応を起こす原因1つになっています。特に、甘い物を食べて屋内で遊ぶ流れは副交感神経優位の体調をつくり、リンパ球の過剰反応を起こしやすいのです。したがって、カタール性の中耳炎やカタール性の扁桃炎で苦しんでいる子供が多いのです。扁桃やアデノイドのカタール性の炎症はIgAの産生を刺激するのでIgA腎症と結びついてきます。これが子供が腎炎に苦しむ理由です。

 

突発性難聴とメニエール病

ストレスがあると交感神経緊張から顆粒球増多が起こってきます。特に、

ふだんは副交感神経優位で穏やかに生きている人は神経が過敏になるのでストレスによって副交感神経優位から一気に交感神経緊張に揺れます。このように、ストレスによって自律神経の揺れの振幅が大きい時は、ふだんあまり常在菌のないような場所でも顆粒球反応が起こり病気が起こってくるのです。

顆粒球が内耳の組織を攻撃した時に突発性難聴が起こり、顆粒球が三半規管の組織を攻撃した時にメニエール病が起こります。発症前に強いストレスが自覚できるでしょう。これらの病気を原因不明とすると、なかなか治療が困難になりますが、ストレスを受けて発症する病気だと理解できると方針が明らかになります。

ストレスを自覚して同じストレスを受けないように注意することです。組織障害はある程度まで修復が可能ですから、ストレスを除き、からだを温めて血流を良くすると修復が進みます。聴力がかなり回復する人や吐き気やめまいがしだいに治まってくる人が多いのはこのためです。ストレスが発症の原因だと認識できないと、不安がつのり病気の進行を促してしまいます。

口内炎アフタ顆粒球が口腔粘膜を破壊して起こる病気です。また、ストレスや続いて起こる交感神経緊張は分泌現象を抑制するので唾液腺が減少し、口が乾燥し粘膜保護の力が低下します。このように、口内炎やアフタがストレスから発症することを知りましょう。いずれ、歯周病も合併してくる可能性もあります。口の中の病気は、ストレスが抑圧されたままになって起こることが多いようです。まじめで、耐える女性などに見られます。

 

ベーチェット病、シェーグレン症候群

ベーチェット病皮膚、粘膜、眼の組織に多数の顆粒球(好中球)が押しかけ、肉芽腫性炎症や閉塞性血管炎を引き起こすのが特徴です。出だしはストレスによる交感神経刺激から始まり、顆粒球増多組織破壊から口内炎アフタなどを形成します。皮膚(陰部など)にも潰瘍が形成されます。眼ではぶどう膜炎です。

ストレスで顆粒球が増加するような体調の時は、血流障害による免疫抑制も同時に引き起こされています。その結果、患者は細菌処理やウイルス処理ができなくなってしまいます。このため連鎖球菌や単純ヘルペスウイルスなど常在微生物群が増殖し、突発的に急性炎症が引き起こされます。これが、ベーチェット病が憎悪と寛解を繰り返す理由です。

顆粒球(好中球)が増加するような時は激しい免疫抑制状態になっていて、リンパ球のうちT細胞やB細胞は減少しています。そして、代わりに古いタイプのリンパ球が増加してきます。自己抗体産生B細胞や胸腺外分化T細胞(γδ型T細胞)などです。このような理解が大切です。ベーチェット病は免疫抑制の病気ということです。からだを温めて免疫力を上昇させて炎症が起こらないようにしなければなりません。免疫抑制剤などは、かえって病気が治らない状態をつくってしまいます。

シェーグレン症候群は涙腺や唾液腺に炎症が起こり、これらの外分泌腺の機能低下により乾燥性角結膜炎や口腔乾燥症状が出てくる病気です。生理的に外分泌腺の周りに古い自己応答性リンパ球が存在しています。ストレスによって免疫抑制状態になった時、これらの古いリンパ球が活性化され病気が発症するのです。

自己抗体産生B細胞や胸腺外分化T細胞が活性化され組織障害が進みます。生理的には老人でこのような活性化がゆっくりと起こるのですが、ストレスが強いと加齢が進まなくてもこれらのリンパ球が活性化され病気が発症します。シェーグレン症候群は他の組織の障害も合併してくることもあります。自己免疫性肝炎やレイノー現象の出現や慢性甲状腺炎などです。ストレスで発症する病気であり免疫抑制状態が自己抗体産生を招くことを知って対処しましょう。

 

リンパ球過剰と低体温の病態

現代社会は、子供達にとって、あるレベルまでは暮らしやすいのですが、生き過ぎた時、問題が生じてきます。昭和20年代や30年代の日本の子供が体験した寒さやひもじさは無いので、ストレスによる化膿性の炎症は減少してしまいました。そして、穏やかな生き方から生じるリンパ球増多の体調に入ってゆきます。しかし、この流れが拡大した時は問題です。

極端な副交感神経優位の穏やかな生き方は、リンパ球過剰と共に低体温に突入します。リンパ球はあれど働けないという状況になるのです。いつも、気だるくて、気迫がなくて、風邪をひきやすい体調です。そして、いざ風邪をひいた時、今度は過剰反応を起こしてきます。それが、高熱や扁桃炎や上咽頭炎です。これが慢性化したのが、カタール性中耳炎やアデノイドでの病巣感染です。

扁桃やアデノイドは粘膜免疫なので分泌型IgAを産生する免疫組織です。このようにして大量のIgAがつくられるとIgA腎症が発症します。また、免疫複合体は補体系を活性化するので、活性化された補体が腎系球体に沈着して起こるのが慢性糸球体腎炎です。現代医学ではIgA腎症も慢性糸球体腎炎も原因不明にされていますが、耳鼻咽喉科疾患が引き金となっています。

一部の専門家は扁桃摘出やステロイドのパルス療法でかなりのIgA腎症が良くなると言っていますが、扁桃炎や上咽頭炎が過剰反応を起こす原因にはたどり着いていません。子供達の生き方や食生活の問題に原因があって病気が起こることを知り、根本的に対処できるようになってほしいと思います。甘い物を控えることや、外でよく遊び、からだを鍛えることが大切です。

 

管理者からの一言

子供を過保護に育てると、碌なことにならないですね。でも、良いこともあるようですよ。副交感神経優位のリンパ球人間は、ガンに罹らないし、長生きをするようですよ。どちらがいいのかわかりませんが、副交感神経優位の穏やかな人間が増えてくれれば、争いの少ない、平和な世の中になりそうですね。

眼科疾患

34>未来型の医学と新しい可能性

眼科疾患

安保 徹

 

生き方の無理から引き起こされる血流障害と眼科疾患

眼は人の臓器の中でも、特殊化が進んだ部位です。可視光線を感知するための網膜細胞が神経細胞からの進化で生まれています。さらに光を集めるための角膜と水晶体と硝子体が間葉系の細胞から進化で生まれています。特殊化の進んだ組織の特徴は、ミトコンドリアのつくりだすエネルギーの要求度が高いということです。

私達の特殊化した臓器の特別な組織細胞を維持するためには、血液が十分補給されてミトコンドリアが特殊蛋白質の合成に必要なエネルギーがいつも維持される必要があります。私達の生き方の中に無理があり、交感神経が緊張した体調が続くと血流障害が起こり特殊蛋白の合成ができなくなってしまいます。

今の日本では白内障緑内障のような眼科疾患に罹る人が増加する傾向がありますが、これはストレス社会の反映という面があることを知らなければなりません。長時間労働のような全身的ストレスと共に、パソコンの画面を長時間見るような眼精疲労のストレスも、病気の原因として考慮する必要があります。

老人の場合は服用する薬の害考えなければなりません。血圧降下剤は循環に必要なポンプ作用を低下させ、血流障害によって眼の病気をつくり出す副作用が出ます。また、高脂血症の治療薬は、ミトコンドリアに直接働いてミトコンドリアのコレステロール合成を低下させると同時に、ミトコンドリアのエネルギー生成を抑制する力を持っています。

このように特殊化した眼の構造自体が、日常生活のストレスの影響を受けやすいことや薬の副作用が出やすい臓器であることを知っておく必要があるのです。眼科疾患は専門性が高いので、専門家の固定した考えに止まる形で診療が行われることが多いのです。ここで提示する新しい考え方も導入しないと、病気の原因を不明としたままで対症療法が続けられ、病気がなかなか治らないという弊害も出ることを知る必要があります。

 

白内障、緑内障

老人の20%くらいに白内障が見られるように、加齢による水晶体の白濁が主たる原因となっています。しかし、50代や60代で白内障が発症している場合は、生き方の無理による血流障害が関係していると思われます。組織を循環し酸素を補給した後の静脈血でもある程度の酸素を含み(~20%飽和度)pH7.357.40くらいを維持しているのがふつうですが、生き方に無理があると血液は酸性に傾きます。

このように血液が酸性に傾こうとする代謝性アシドーシスが続くと蛋白質の変性が起こり角膜や水晶体の白濁が起こり始めます。まわりの組織から放出される活性酸素も蛋白変性を起こす力になります。老人でも顔色が良く全身の血流が十分に維持されている場合は白内障になることはありません。

ステロイドの服用や外用でも白内障が発症しますアトピー性皮膚炎でのステロイドの外用は、病気を治らなくするだけでなく白内障を誘発する力もあります。ステロイドはミトコンドリアに直接働いてエネルギー生成を抑制するので炎症の抑制も起こしますが、蛋白合成のためのエネルギーも抑制するので、蛋白変性へと進むわけです。

眼科では緑内障を原因不明としていますが、緑内障の発症原因は血流障害にあることを知ってほしいと思います。緑内障は血流障害による体液の貯留によって起こっています。眼球を満たす眼房水も体液ですから、血流が悪くむくみを起こす流れで眼圧が上昇します。

緑内障の患者の約半数は眼圧が上昇しない例もありますが、血流障害があるのにむくみを伴わない症例と考えればいいのです。緑内障の患者に入浴や軽い体操を毎日行うように指導すると、ほとんどの例で23カ月で眼圧が正常化し緑内障を治癒に導くことができます血圧降下剤などで血流を悪くしている人は、薬を止める必要があります。血流を良くする努力をしながら徐々に減量するといいでしょう。

 

糖尿病性網膜症、黄斑変性症

「糖尿病はインスリンの欠乏によって起こる」というと、一面の真理ですがすべてには当てはまりません。ここから多くの問題が生じてしまいます。私達の日常的にしっているⅡ型糖尿病(血中にインスリンは存在するが、肥満などを原因としてインスリンの働きが低下)の多くはインスリンの欠乏は無く、むしろ血中のインスリン値は高値を示しています。それでも血糖値は高く、糖尿病と密接な関係を有するヘモグロビンAcも高値を示します。

これは、Ⅱ型糖尿病の発症原因は生き方の無理や心の悩みから始まるストレスと、それに続く交感神経緊張状態にあるからです。私達はストレスが強いと血管収縮によって低体温とアドレナリン分泌などで高血糖になります。この状態はさらにミトコンドリアでの糖利用(ピルビン酸となってクエン酸回路に入る)の低下を引き起こし高血糖が続くのです。

このように一般的な糖尿病はミトコンドリアの糖利用の低下によって起こるので、インスリンは糖利用を高めようと高値になっているのです。このことに思いが至らないと、「インスリン抵抗性の糖尿病」などという考えに陥ってしまうのです。これは間違いです。しかし、ここでインスリンをもっと出させようと経口糖尿病を処方してしまうので、病気は治まらずこれが10年、20年と続くと膵臓の働きが低下して本当のインスリン低下の糖尿病になってしまうのです。

このような流れで糖尿病も糖尿病網膜症も起こっているので、ストレス続きの生き方を改善し、からだを温めるとミトコンドリアでの糖利用が始まるため、病気は治るのです。糖尿病網膜症の人は、実際に低体温から脱却すると糖尿病網膜症も治ることを知りましょう。多くの原因疾患は、ストレス生活や血流障害によって引き起こされているのです。

お年寄りで黄斑変性症に罹る人が増加しています。そもそも老化とつながった病気ではありますが、対策もあると思います。それは「動脈硬化は高血圧症とつながっている」という考え方を改めることです。近年、動脈硬化は高血圧症によって引き起こされると言って、血圧の正常値を低く設定して降圧剤を処方する傾向が拡大しています。

しかし、動脈硬化の原因は血流障害によって起こっているのです。血流が悪く組織の代謝や物質交換が維持できないと組織が変性したり柔軟性が低下し、その流れで動脈硬化も進行します。血圧が低くても顔色が悪い人は動脈硬化が進みます。血圧が多少高くても、体温が高く血色のいい人は動脈硬化にならず若さを保っています。むしろ、元気で血圧が高い人に血圧降下剤を処方すると、かえって血流障害が起きます。これが黄斑変性症が増加している理由の1です。

抗高脂血症剤も血流障害から低体温を招きます。これはミトコンドリアの働きを直接抑制するからです。ストレスから身を守るためにはエネルギーが必要です。このエネルギーを得るために、ミトコンドリアが働きTNFα分泌などの作用によって高脂血症をつくっています。脂肪はミトコンドリアの最上のエネルギー源です。これでストレスを乗り切るのです。このような仕組みを知らないと薬が処方されます。そして、エネルギー不足による低体温が来ます。そして、エネルギー不足による低体温が来ます。そして、血流障害、動脈硬化黄斑変性症と進むことになります。

眼科と膠原病

眼科疾患で原因不明とされている病気に、サルコイドーシス膠原病があります。しかし、発症前に激しいストレスがあったことを聞き出すことができます。いずれもストレスによる免疫抑制状態で発症し、古いタイプのリンパ球の活性化で起こる病気です。胸腺や骨髄でつくられるT細胞とB細胞は、ストレスに対する感受性が高く容易に分化が抑制されます。

このような免疫反応は、進化した外来抗原向けの免疫系は必要がないというからだの合目的反応です。自己応答性の古いリンパ球の活性化につながり、ストレスで生じた異常自己を排除するための反応と考えられます。しかし、ストレスが長引いた時が問題になります。サルコイドーシスではγδ型のT細胞が過剰反応を起こしリンパ組織の腫れ(肥大)を招きます。

膠原病の場合は、古いタイプのαβ型T細胞(胸腺外分化T細胞)の活性化が起こって、原田氏病ベーチェット病を引き起こします。自己抗体産生B1細胞の活性化が伴うと血清中に自己抗体が検出されます。これも、強いストレスが持続するために起こっている反応です。原因不明としないで、ストレスを除く工夫が大切です。ストレスは低体温と血流障害をつくるので、休息と共にからだを温めることが必要です

原田氏病やベーチェット病の発症の引き金はストレスですが、ストレスの後に他の原因が加わる例もあります。原田氏病はストレスと共に具体的な感染があることもあります。そして、メラノサイトの破壊によってこれに対する自己抗体ができて、眼の他、皮膚や内耳や髄膜に炎症が拡大することもあります。白髪なども症状の1つとなります。

ベーチェット病の場合は、ストレスにより皮膚や粘膜の基底膜細胞抗原に対する自己抗体がつくられ口内アフタや皮膚潰瘍ができます。共通抗原を持つ眼のブドウ膜や光彩毛様体も障害の対象となるわけです。ストレスが引き金なので、薬物治療に頼り過ぎず、この方面に心を配ることが大切です。

管理者からの一言

血液は心臓や毛細血管という器官があり、血流を維持できますが、リンパ管にはその様な器官は全く存在してないのです。リンパの流れは、周囲の筋肉運動や血管の拍動を利用することで、ゆっくり、ゆっくり(1分間に23㎝)流れています。リンパ管は老廃物、疲労物質、有害金属、人工合成化合物、細菌、ウイルス、免疫物質、(白血球)、養分、ホルモン、を運んでいます。更に、リンパ節ではリンパ液を濾過したり、貯蔵したり、毎日細菌やウイルスと戦って、生命体を守っているのです。

何を言いたいかというと、安保先生を尊敬しますが、水道(血流)だけを重視して、下水管(トイレ)を重視していないことなのです。私は、リンパの流れも大切ではないかと思っています。

日常的に見られるウイルス感染疾患

35>未来型の医学と新しい可能性

日常的に見られるウイルス感染疾患

安保 徹

 

免疫抑制とウイルス感染

子供の頃は、よく風邪をひきます。なぜなら免疫系が新しい抗原刺激にあって、はじめて抗体産生のためのクローン拡大がおこるからです。1つの抗原には1つのクローンのリンパ球が対応していますから、子供の免疫から大人の免疫に成長するためにはいろいろなウイルスに出合って風邪を引き続けるのです。

免疫系の特殊性はクローン構成によって生じています。いろいろなものに免疫が成立するためには、11つ抗原にさらさられてゆく必要があります。「清潔すぎると良くない」と言われるのは、こういう理由があるからです。子供のうちは、さまざまな抗原に接触することで大人の免疫にたどり着けることを知りましょう。

このようにして無事に大人の免疫が成立しても、大人には大人のウイルス感染症の特徴があります。つまり、免疫力が低下した時、一度感染した昔のウイルスが息を吹き返す現象があるのです。子供の時、あるウイルスに感染して免疫が成立しても、多くのウイルスは、からだの外に排除されてしまったわけではなく、細胞内の遺伝子の中や神経節や外分泌腺組織に潜伏しているのがほとんどです。

このため、からだの無理や心の悩みで免疫力が低下した時、潜伏したウイルスが再び増殖を開始し、ウイルス感染症を引き起こします。日常的に見られる大人の多くのウイルス感染症は、新しいウイルスに感染したというよりも、潜伏ウイルスが暴れ出すという流れでおこっていることが多いのです。

 

イボ、魚の目

イボ魚の目もありふれた病気ですが、最近はあまり見かけられなくなりました。5060年位前の日本では、子供も大人もイボや魚の目ができるのは日常的なことでした。この理由は、昔の日本人が寒さや栄養不足で免疫力が低下していたためです。イボや魚の目は、ヒトパピローマウイルスの感染によって起こりますが、その人の免疫力低下と関係しています。

現代の日本では手がイボだらけの子供は珍しいのですが、昔はほとんどの子供がこの経験を持っていました。今は冬の寒さやひもじさで免疫力が低下することはなくなったので患者も激減しましたが、稀に発症することがあります。現代の子供の免疫力低下の原因は“冷え”です。甘い物の摂り過ぎや運動不足で、代謝が抑制されていると思います。

大人でもイボや魚の目が出ている人がいます。やはり冷えのある人です。リンパ球のあるなしにかかわらず、冷えがあるとリンパ球は働けないのです。ヒトパピローマウイルスはからだのに潜伏するので、一度、免疫の力で治っても免疫力が低下した時、再びからだの中で増殖します。多くの医師は免疫力が低下した場合の対応を知りません。対処法は生活の乱れを正し、身体を温めることです。そして、軽い体操をして血行を良くすることも大切です。この対処法を知っておきましょう。

イボや魚の目を取るさまざまな方法が医療の世界では行われていますが、根本的な解決には至っていません。患者の免疫力低下で発症するという理解がないからでしょう。ある意味では、いろいろな病気の前ぶれとして、イボや魚の目は発症するため、正しい知識が必要です。

 

口唇ヘルペス、帯状疱疹

ストレスがあるたびに口唇ヘルペスが出る人がいます。これはストレスで起こる免疫抑制のため三叉神経に潜伏していた単純ヘルペスウイルスが再活性化したためです。口唇ヘルペスが出たら、自分の生活を見直し、免疫力を高めなければなりません。からだを積極的に温めることも大切です。

ヘルぺス性角膜炎も強いストレスと関連して発症します。やはり生活を見直すことが大切です。この他、性器ヘルペスもあります。これは単純ヘルペス(HSV)の2型の感染で起こります。口唇ヘルペスなどはHSVのⅠ型の感染ですが、時に顔面神経麻痺を伴うこともあります。過労の他、寒冷や紫外線の刺激で起こります。大きくとらえると、いずれもウイルスを再活性化するストレスが原因です。

帯状疱疹は、水痘、帯状疱疹ウイルスhelpes zoster virus)の再活性化によって出現します。子供の時に感染して水痘が治っても、ウイルスは肋間神経やその他の神経に潜伏します。そして、大人になってストレスを受け、免疫抑制状態になった時に再活性化します。始めは透明な水泡ですが、後に化膿性になってきます。そして、神経痛を起こしてくるのです。これもストレスを除き、からだを温めることで治癒します。24週間くらいかかります。

免疫力の低下した老人の場合は治癒が遅くなり、神経痛が長く続くことがあります。稀に脊髄炎を起こすこともあります。免疫力低下の原因を除き、からだを温めることが大切です。

C型肝炎

C型肝炎は、C型ウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間が長いのが特徴です。10年ないし15くらいもあります。またかなりの比率で生涯発生せず、天寿をまっとうする人もいます。どのような時に発症するかというと、そのウイルスを持つ人がストレスを受けて免疫抑制状態になった時です。忙しすぎる人や、心理的ストレスを受けて発症している人もいるでしょう。

このような免疫力低下でC型肝炎が発症するという考え方は、今の医療にはないようです。免疫力低下という考え方があると、C型肝炎の治療は、もう一度生活を見直して積極的に免疫力アップを図るといいのです。十分な休養を取る、睡眠時間を増やす、からだを温める、食事を工夫する、などです。免疫力が上昇すると、C型肝炎ウイルスの増殖は止まり、再び治癒に至ります。

現在行われているインターフェロン治療には問題があります。あまり熱心にインターフェロンを使うと、免疫抑制や骨髄抑制がくるからです。生理的濃度のインターフェロンは免疫力を高めますが、治療レベルのインターフェロンの濃度では免疫力は低下します。治療によって、マイナスの結果が出ることが多いのはこのためです。特にインターフェロンの感受性が高い人は、治療は中止し、からだを温める方法に切りかえるといいでしょう。

 

子宮筋腫、子宮頸ガン

ヒトパピローマウイルスはイボ、魚の目の原因になるだけでなく、消化管の粘膜にポリープを形成させる働きもあります。皮膚の上皮や粘膜の上皮を刺激して、過形成を起こしているわけです。この他、平滑筋を刺激して過形成を起こすこともあります。この流れで起こるのが子宮筋腫でしょう。

子宮筋腫は、忙し過ぎたり、夜更かしなどの生活を続けている女性に発症しています。子宮内膜症卵巣のう腫と合併することもあります。すべてストレスによる顆粒球増多と免疫抑制状態が関係しています。生活を改善し、からだを温めて免疫力を高めれば、良い流れにはいるでしょう。筋腫は縮小することも多いのです。

今、子宮頸ガンが注目されています。ヒトパピローマウイルスのワクチンを勧めている人がいますが、本当の原因を考えなくてはなりません。若い人に子宮頸がんがゆっくりと増加しているのは、冷えなどで免疫力が低下している人が多いためでしょう。ヒトパピローマウイルスの感染に勝てなくなります。そして、一部の人が発ガンします。根本的な原因を無視して、ワクチンを勧めるのは問題があります。免疫力を高める生活をして予防するという根本的な解決が必要です。

そもそもヒトパピローマウイルスは、誰でも感染するウイルスなので免疫力を高めて身を守るという考え方必要です。ワクチンの場合は、弱い免疫力しか得られないので、むしろ感染して自分の免疫力で高い抵抗性を獲得することの方が大事です。

 

管理者からの一言

私は子宮頸ガンワクチンの反対を唱えます。もちろんインフルエンザワクチンも同じです。一時的に弱い免疫で助かっても、一時しのぎだけにすぎません。生活保護のお金を一時的に頂くのは、ご勝手ですが、それで一生涯、守られると思ったら大間違いです。甘えは自立を阻害するだけです。

ある方が言っていました。細胞の中のウイルスは、ある役割があって潜伏しているのであって、下手にウイルスを退治する薬を使うものではない、と。必要があって、神経や細胞の中のDNAに存在しているようです。非常に大切な役割があるように感じられます。

運動と健康

36>未来型の医学と新しい可能性

運動と健康

安保 徹

 

白筋と赤筋

私達の筋肉は白筋赤筋の混じり合いで調和がとれていて、瞬発力も持続力も両方バランス良く発揮できるようになっています。白筋は瞬発力を出す時に主に使用され、速筋とも呼ばれています。一方、赤筋は持続力を必要とする時に使用され、遅筋とも呼ばれています。人間の場合は、この2つの筋肉の調和が良いために、いろいろな動作ができるのです。

赤筋の赤い色はミオグロビンの出す色調です。また、赤筋はミトコンドリアが多くその中に存在するチトクロームCもヘム蛋白でポルフィリン分子の中心部に鉄分子(Fe)を抱えています。酸素と結合したヘム鉄が出す色調が赤い色です。ヘム蛋白はチトクロームCが基本で、ここからヘモグロビンやミオグロビンが進化で生まれています。

白筋はミトコンドリアが少なく、解糖系でエネルギーを得ています。解糖系は無酸素の条件でブドウ糖をピルビン酸に分解してATP(アデノシン三リン酸を作ります。反応系が単純なので、素早くエネルギーを得るには適しています。一方の赤筋は、ミトコンドリアの中で有酸素下でエネルギーを得ています。ミトコンドリアのATP産生は、クエン酸回路と電子伝達系という2つの方法が存在し行われています。エネルギー効率は良いのですが、ATPを作り出すのに時間がかかるので持続力に使われているのです。

ヒトの場合は、赤筋と白筋は11の調和で存在していますが、動物によっては偏って存在している場合もあります。魚類でその偏りが顕著です。マグロブリサンマなどの回遊魚は主に赤筋で構成れています。赤身の魚です。休みなく遊泳しているので赤筋の働きによって支えられているのです。一方、タイやカレイなどの近海魚は主に白筋で構成されています。白身の魚です。ふだん波間に漂ったり砂の中にいて休んでいますが、エサを捕る時には瞬発力を発揮しています。両生類や鳥類は、白筋が多いように思います。多少の例外もあります。

哺乳類は赤筋と白筋が混じっています。混じり合っている場合は、素早い動作もできるし、持久力もあるということを意味しています。ヒトの場合は子供では少し解糖系が優位で、大人になってから調和の時代に入ります。子供が元気に遊び、すぐに疲れる傾向があるのはそのためです。マラソンなどの長距離走は、小さい子供には不向きです。学生になりたての子供が、クラブ活動に熱心になり過ぎて病気になってしまうのはこのためです。ある運動部に入った女子中学生が、毎日休まずクラブ活動で運動し過ぎると、破綻することがあります。重力の負荷が強く若年性のリウマチを発症したり、骨肉腫になったりします。

まだ、からだの発育途中にある子供のうちは、長時間スポーツをしないようにしましょう。あまり無理をしないことです。高校生や大学生になると赤筋の働きがある持続力が増してきます。「身長の伸びが止まってから」が目安です。

 

白筋と体型と性格

白筋は、子供時代と、強い力で筋肉に負担をかけてからだを鍛えた人も優位になります。子供が元気に遊んですぐ疲れるのと同じように、短距離走格闘技も白筋の働く動作のために、すぐ疲れます。100m走や200m走は、一度に走ると疲れて、かなり休まないと再び全力で走ることはできません。柔道などの格闘技も試合時間は35分と短いのです。すぐに疲れてしまうからです。相撲12分で勝負がついてしまいます。

白筋を鍛えると疲れやすいのですが強い瞬発力は備わってきます。解糖系で素早くエネルギーが作られるからです。このような鍛え方をしている人は、仕事でも瞬発力があり決断力も出てきます。きびきびした日常生活を送ることができるでしょう。ただ行き過ぎると、カッとしやすい弱点が出てきたりします。怒って暴力でもふるったら大変です。

白筋を鍛えるとミトコンドリアの少ない分裂の世界ですから、筋肉がモリモリしてきます。短距離走の選手は、格闘技の選手と似た体格です。これに近いのが、水泳選手、ボート漕ぎの選手、相撲の力士達です。職業では漁師です。白筋の発達した漁師の人は決断力もはやく気風(きっぷ)もよくなります。それゆえ、お金もパーっと使ってしまい、お金は溜まりにくくなるでしょう。

筋肉を鍛えることが体型を変え、ついには性格も変わることを知っておきましょう。ひ弱だった三島由紀夫がボディビルで筋肉を鍛えたら、書く小説も力強くなったように思います。ついには、日本の行く末を憂いて自決してしまいました。うじうじした気弱な性格の子供がイジメにあい、一大決心して空手を習いました。そして、たくましい性格の持ち主に変われた、ということも起こり得るのです。

 

赤筋と体型と性格

子供時代が多少、解糖系が優位で、大人になると解糖系とミトコンドリア系は調和の時代に入ります。子供時代に長距離は不向きで無理して走ると、からだを壊してしまう、ということは先に述べました。しかし、成長が止まる高校生から大学生になる頃から長距離が走れるようになってきます。5000m走をやってきた選手がマラソンに転向して、いきなり良い成績を出す理由は、解糖系だけの白筋の時代からミトコンドリア系の赤筋の時代にシフトしたからでしょう。

大人になって長距離走が大好きで、いつも5㎞、10㎞走ることを趣味にしている人がいます。赤筋はいくら使っても分裂はしないので、筋肉が隆々なってくることはありません。ミトコンドリア系の持続力は、糖よりも脂肪を使う方が効率いいため、からだの脂肪が使われ始めることになります。このようにして、よく長距離を走る人は痩せてくるのです。2000年のシドニー女子マラソン競技で日本人女子陸上競技選手初となる金メダルを獲得した高橋尚子さんは、今でもマラソンが大好きで、素人の大会に参加しているようですが、やはり痩せています。

赤筋を良く使う人は体型が痩せてくるだけではなく、性格も変化してきます。仙人のようになってくると言えるでしょう。そもそも生理的に私達は、高齢になると解糖系が縮小し、ミトコンドリア系にシフトして、一生を終えることになっています。慌てたり怒ったりする白筋側の瞬発力は加齢で低下します。それを先取りするのが長距離を趣味にする人達です。金銭欲も少なく走っていると幸せを感じるようです。

よく2時間も3時間も歩くことを楽しんでいる人がいますが、全体的には赤筋側にシフトしている趣味です。やはり仙人に近づくと言えます。マラソン選手ほどではないでしょうが、さまざまな欲が少なくなってきます。ただ、若いうちから赤筋ばかり使う趣味を選択すると、若さが失われてしまう危険性もあるでしょう。

 

筋肉と長寿の関係

解糖系で瞬発力を得る白筋とミトコンドリア系で持続力を得る赤筋は、私達のいろいろな性格と関係しています。このため、長寿の問題と関係してくるように思います。若さを保つ、あるいは長寿命を得ることと、運動がつながっているように思いますのでこのテーマを考えてみます。

最近、インターバル進歩加圧トレーニングがしだいに盛んになっているようです。普通に散歩するだけでなく途中で速歩を加えるのがインターバル速歩でしょう。一般的な散歩は赤筋の働きなので、速歩を交えて白筋を鍛えるメリットがあると思います。本来、私達は加齢に従って解糖系がしだいに縮小してミトコンドリア系の世界にシフトすてゆくのですから、速歩を加えて解糖系を刺激することは、若さを保つのに有効であるかもしれません

同様に、加圧トレーニングはバンドで血流を止めながら数秒間ないし十数分間、腕などの筋肉をきたえるので白筋のトレーニング法だと思われます。瞬発力が衰えると機敏な動作ができなくなりますから、その意味でも白筋を鍛えるこの方法は有効であるかもしれません。血流を止めるために腕を縛ったりする行為が自然な感じがしないので、この善し悪しは、しばらく様子を見てから結論を出す必要がありそうです。

昔から、さまざまな食事法や運動法などの健康法を提唱する人は数多く存在しました。しかし、不思議なことにこのような健康法を実践した創始者は早死にする傾向があるように思います。逆に、あまり特別なことをしない人が長寿で、100歳になっても元気のままいるような気もしています。

運動と言えば、最近はヨーガ、太極拳、気功、フラダンスなど外国から入ってきたものの人気が高いように感じられます。いずれも、持続的にからだを動かしながら呼吸法も大切にしており、ミトコンドリア系の赤筋をよく使う運動になっています。ミトコンドリア系の働きは、脂肪を消費するので女性のダイエットに有効でしょう。特に、ヨーガを熱心にやっていると痩せてくる人が多いように思います。

ヨーガと共に真向法は、ストレッチの運動が多いことが特徴だと感じています。ストレッチは熱心にやり過ぎるとストレスになり、やつれたり病気になることもあります。ヨーガや真向法の指導者の中に、病気で以外に若くして亡くなる人が多いことも、その理由の1つでしょう。ストレッチはやり過ぎに注意が必要です。

日本人特有の運動というものは、あまりありません。強いて挙げれば、武道と舞踊があるでしょう。武道は白筋を鍛える運動で舞踊は赤筋を鍛える運動に分類できます。

今の日本人にとって運動不足が心配です。昔は、水汲みや薪割りなど、からだを動かさないと生きてゆくことができませんでした。従って、運動不足のことを考える必要はありませんでしたが、現代は違います。今回述べたように、白筋と赤筋の働きとエネルギー生成系のつながりを理解すると、バランスの良い自分に合った運動を組み立てることができるでしょう。

 

管理者からの一言

我が娘が喘息で入院していた頃、同室の入院患児に小学6年生位の女の子が骨肉腫で入院していました。近所で山登りを趣味にしている家庭があり、小さい子供を連れて山登りをしていて、ある日、息子さんが、股関節の軟骨に変形が生じるぺルテス病で、びっこをひいて歩いていました。どうしてそのような病気になるのか、不思議でしたが、安保先生の筋肉の説明を読んで、なるほど、と納得ができました。小学生の頃から、やれ、サッカーだ、野球だ、剣道だと、親は一生懸命に子供を通わせています。これは危険ですね。高校生になってから、成長が止まってから、激しい運動をさせた方がよさそうです。スポーツ塾の指導者や学校の先生が知っておかなければいけないことですね。もちろん病院の医師がこれを知らないのは罪ですが…。

私も、健康のためと思って、テニス、ヨガと通っていました。テニスはハードで、疲れるし、上達しないとわかったので12年で止めました。ヨガは6年間続きましたが、同じことの繰り返しに飽きてやめました。今は、健康で長生きをすることは諦めて、家庭生活が温かく、明るい方が良いに考えが変わって、夫と一緒にラジオ体操と腕振りの体操を毎朝やることに決めて、とりあえず、今はやっています。

食と健康

37未来型医学と新しい可能性

食と健康

安保徹

 

子供時代に必要な食べ方

子供は成長するのが最大の特徴で、これは解糖系が優位に働いていることを表しています。解糖系優位でミトコンドリア系を上回ることで成長しています。ミトコンドリアの持ちこんだ分裂抑制遺伝子を抑制するので分裂が盛んになり、身長などが伸びるのです。

解糖系はブドウ糖を乳糖に分解する反応でエネルギーを得ていますが、エネルギー効率が悪いため食べる量を増やして対応しなければなりません。子供や伸び盛りの高校生などが、三食で足りずにおやつを食べたり夜食を摂るのはこのような理由からきています。

解糖系は糖しか使えないので、子供はご飯やパンやイモ(ポテトチップやフライドポテト)を食べてエネルギー源としています。しかし、成長によって増加する細胞の構成成分も補給する必要があります。それが蛋白質と脂肪です。からだの代謝を支える分子や酵素群は主に蛋白質でできています。また、細胞膜や細胞内小気質の膜成分やホルモンは脂質(脂肪酸やコレステロール)から構成されています。

このような理解があると、子供は主食の御飯に加えて蛋白質や脂肪が必要なことがわかります。日本食で考えると、米の御飯が糖質で、豆類や魚や肉が蛋白質と脂質の供給源となっています。この他、食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源として野菜があります。つまり、御飯と魚と野菜中心の献立が日本人が長年なじんできた食べ方です。

糖質の貯蔵は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられています。しかし、これは二日分くらいしか貯蔵ができないので、解糖系中心で生きている子供は空腹や飢餓に弱いのです。低血糖になってフラフラしたり、イライラしてしまうのが子供の特徴です。

子供はミトコンドリア系がまだ成熟していないので、持続力が少なく、食いだめができにくいのも特徴です。また、ミトコンドリアは芳香族化合物(ポリフェノールなど)の処理も行っています。くせの強い野菜類を子供が嫌うのはこのためです。無理にセロリやパセリなどを食べさせるのはよくないでしょう。

逆に、芳香族化合物の摂取は大人にとってはミトコンドリアを刺激して持久力を得るためにプラスになります。くせのある野菜、ウコン、葡萄酒などが健康食品として珍重される理由です。しかし、これらは子供にはマイナスでしょう。

解系糖とミトコンドリア系のシフト現象を知ると子供と大人の食べ方の違いが明確になってきます。ミトコンドリア系が拡大してくる大人では食べる量が少なくなると同時に、飢餓にも強くなります。また、ミトコンドリアで処理される芳香族化合物類が子供とは逆に、からだの健康に役立ち始めることを知っておきましょう。

 

糖質、脂肪、蛋白質の相互移行

糖質、脂肪、蛋白質はからだの中で相互移行があるので、糖、油、蛋白質をそれぞれどれだけ摂れば良いという厳密な比率はないと思われます。つまり、食事の三大栄養素の割合は適当でいいということです。あまり熱心に比率を考えると実際の食生活では困ってしまうでしょう。

蛋白質を構成するアミノ酸もすべて糖からつくることができます。かなり蛋白質の少ない食事でも、からだがつくられてゆく理由です。特に、グルコースはピルビン酸に分解され、これにアミノ基がつくとアラニン(アミノ酸)になります。逆に、アラニンからアミノ基が取れるとピルビン酸です。このピルビン酸が2分子つながるとグルコースになります(糖新生)。

アラニンの他、セリン、トリプトファン、イソロイシンなどとその仲間のアミノ酸(ロイシン、バリン、システィン、チロシン、グリシンなど)が解糖系で得られる糖からつくられるアミノ酸群です。一方、ミトコンドリア系のクエン酸回路でも残りの半分のアミノ酸が作られます。アスパラギン酸やグルタミン酸を経由しています。この2つから、さらにいろいろなアミノ酸がつくられます。スレオニン、メチオニンアルギニン、プロリン、ヒスチジンなどです。

糖と脂肪の相互移行もあります。ピルビン酸(または乳酸)が肝臓に行って脂肪酸が蓄えられます。ピルビン酸はアセチル-CoAに変換され、これが材料になってカルボキシル化が起こると脂肪酸です。その逆も起こっています。これらの反応は細胞質(解糖系)とミトコンドリア内の両方で完結するので、ミトコンドリア系の優位になる大人では容易に起こるわけです。子供は不利になっています。言い換えると、大人の場合はかなり偏った食事をしていても健康に害はないということです。

ヒトの一生とエネルギー生成系

私達は経験的に、子供は良く食べ、大人になるとふつうの食べ方になることを知っていますが、からだでのエネルギー生成系の移り変わりを学ぶと、もっと科学的に食べ方の変化を知ることができます。新生児期から死ぬまでのエネルギー生成のシフトをしめしました(図)。1個の受精卵は、出だしは成熟卵と精子DNAの合体なので1細胞当たり10万個ものミトコンドリアが存在しています。

胎児分裂によってひたすらミトコンドリアが希釈されてゆくのが胎生期です。ミトコンドリアの持ちこんだ分裂抑制遺伝子の働きは低酸素(胎盤を介して起こる)によってミトコンドリアの数も減少するので分裂はしだいに速くなるのです。

出生によって肺呼吸が開始され、血中の酸素濃度が上昇するので一気にミトコンドリア系が拡大します。図のb点です。しかし、総じて子供時代は解糖系が優位で分裂(成長)と瞬発力の時代です。既に述べたように、解糖系はエネルギー効率が悪いのでこの時代はたくさん食べる必然性があるのです。(図のc点で成長がとまり大人の時代にはいります。分裂は、皮膚の細胞、腸の上皮細胞、骨髄に残ります。

大人と老人の食べ方

大人は解糖系とミトコンドリア系がの調和の時代で、成長期の子供のようにたくさん食べる必要がなくなります。大人でも30代、40代、50代と進むとゆっくりと解凍系が縮小し、ミトコンドリア解糖系が縮小しミトコンドリア系が拡大してゆきます。20代と50代を比較すると食べ方の違いははっきりするでしょう。ご飯を何杯もおかわりしたり、肉類などをたくさん食べる習慣がしだいに減少します。

大人の調和の時代には、瞬発力も持久力も発揮できる時代なので仕事もはかどります。長時間忙しく働く時は解糖系とミトコンドリア系が同時に作動しています。解糖系には糖質が使われ、ミトコンドリア系には糖質と共に脂肪が使われます。食べたばかりの脂肪というよりも、からだに貯めておいた脂肪です。経営者など、やり手の人がたくさん食べて糖を脂肪にして蓄えているのはこのためです。メタボ検診でひっかかる人は、こういう流れに入ったひとです。身を守るという意味合いがあります。

老人になるとミトコンドリア系が優位になるのでたくさん食べなくてもよくなってきます。小食が老人の養生になるわけです。老人の血中のアルブミン値が低いのを「肉食が足りない栄養失調」というのは間違いです。

アルブミンは肝臓細胞の中でミトコンドリアのエネルギーを使ってつくられています。ミトコンドリアの働けない低体温があれば血中のアルブミン値は低下します。菜食中心の人でも体温が十分で健康な人はアルブミン値が正常です。アルブミンはミトコンドリアのエネルギー系がしっかりしていると、糖や脂肪からアミノ酸に変換され、これを原料にしてアルブミンを作るからです。草食動物が、まったく蛋白質を摂らなくても立派な筋肉を持つのはこのためです。

食事の内容について

多くの野生動物は現代人のようにゆとりが無いので、食生活は偏っています。コアラはユーカリの葉のみ、パンダは笹のみで生きています。偏った食事内容でも栄養の不足が起こらないのは、長い週間で完成した適応力でしょう。適応力の最大なものは、長い週間で完成した適応力の最大なものは栄養分子相互移行と合成です。ヒトでも糖、脂肪、蛋白質は相互移行が可能なので慣れてくると偏った食事でも生きていけるようになります。

もう一つの仕組みは発酵現象です。私達の腸内でも腸内細菌群による発酵と増殖が常時おこっているので、食物繊維が豊富で腸内細菌の増殖が起こればその代謝産物や細菌そのものを栄養にできます。細菌は一つの生命体なので過不足の無い栄養となるでしょう。

食物が私達の口に入る前に発酵を起こし、その発酵食品を摂ることも栄養バランスを良くすることに役だっています。野菜や魚、牛乳を発酵させることによって食品の高度はさらに上昇するものと考えられます。日本人の場合は味噌や醤油も発酵食品になっています。

食事の偏りを中和して支えるさらなる仕組みもあります。それがマクロファージ(動物体のすべての組織に存在するアメーバ―状の大形細胞、細菌や異物を摂りこんで消化するとともに、その抗原としての情報をT細胞などに伝える。大食細胞。)による自食作用です。組織の構成成分でも必要があればマクロファージが自食し栄養に利用することができます。飢餓状態でも生き延びるのは、この仕組みの極限作用です。

このような仕組みがわかると、かなり偏った食事でも健康に生きていける謎がわかると思います。からだの中には大きな生命力があり、それによって守られているのを感じます。

 

管理者からの一言

子供時代の食事の食べ方、大人の食事の食べ方、老人の食事の食べ方、その時代に応じて、変化をさせていかないといけないようですね。中年になって、太って来た人は食事の量を減らせということですね。老人になったら、もっと減らさないとダメですね。発酵食品を多く食べれば、腸内細菌が栄養になるという、ほとんど食事を摂らなくても良いということになりそうですね。世の中には青汁だけで生きている人、食べなくても生きて行ける人がいると聞きますが、できるかもしれないですね。そこまで、極端に行かなくても、いつまでも餓鬼ではいけないようですね。

遺伝する体質と性格

38>未来型の医学と新しい可能性

遺伝する体質と性格

安保 徹

 

体型と体質

骨格ががっしりして小柄な人や、ひょろひょろして背の高い人がいます。このような体型は遺伝によって決定されています。両親が違った体型だと兄弟や姉妹でもどちらかの体型に決まります。日本人の場合は縄文時代に小柄でがっちりした人々が日本列島に入ってきたと思われます。南の方から来て日本に住みつき、その後、山の方に移った人々が中心です。

暖かい地域で適応すると、ミトコンドリアが活性化されるので分裂が抑制され背が低くなる傾向があります。がっしりして持久力が強い人々です。逆に、寒い地域で適応すると、ミトコンドリアの持ち込んだ分裂抑制遺伝子が働きにくくなるので背が高くなります。瞬発力が高い人々です。ドイツでも中国でも南の人と北の人はこのような特徴が出ています。日本人は移住して来た民族なので南から来たか北から来たかで決まります。

弥生時代や縄文時代の後期に北から移住して来た日本人は、色が白く身長が高いでしょう。日本海側の海岸近くにはこのような人々が多くいます。もっと寒冷地で適応した人々はオランダや北欧の人達です。見上げるくらい身長が高くなっています。

体型は体質とつながるので自分がどちらに属しているかを知ることは大切です。意外と、小柄でがっしりした人はミトコンドリア系なので気は優しいことが多いでしょう。人情家です。背の高い人は決断力があって考え方もスマートでしょう。二つの体質が混じっている人もいます。両親の特徴を書きだすとその半分ずつが私達に受け継がれています。片親から多く偏って遺伝することもあるかもしれません。年齢が増えてくると、自分の力で生きてきたと思っていたことも、遺伝に従って生きていると思うようになります。

 

血圧とコレステロール値

仕事が速い人、自己を主張する人、怒りやすい人、早く寝る人、これらの性格の人達には共通した特徴があります。交感神経が優位の遺伝傾向にあるということです。だれでも、このような性格の多くは親から直接遺伝していて、なかなか自分の意思で変えることは難しいことを知っています。交感神経優位の人は血圧も高めになる傾向があります。

のんびりした性格の人、他人の意見を聞ける人、他人にやさしくする人、朝起きが苦手でエンジンがかかるのが遅い人、これらの人達にも共通した特徴があります。副交感神経が優位の遺伝傾向にあることです。やはり、このような性格は生まれつきのことが多くて、自分の意思で変えるのが難しいのは経験していることでしょう。副交感神経は安らぎの神経ですから、副交感神経優位の人は血圧は低めになる傾向があります。

感性の高い人、感動する人、不安がちな人、パニック状態に時々なる人は、ふだん副交感神経が優位なのに物事に敏感に反応して一気に交感神経が緊張する人達です。偉大な芸術家になったり、逆にパニック障害になることもあるかもしれません。このような人は血圧が揺れ動く人達です。全身で物事に反応しているわけです。こういう性格も遺伝によって決定されています。

こうして考えてみると、血圧の正常値を人間がかってに決めることは危険なことがわかります。血圧の上限値(収縮期血圧)が110Hgの人が良いとか、160Hgの人が悪いとか言えない可能性があります。すべて生まれながらに決まっているからです。良い性格、悪い性格と他人がかってに決めるのは危険であるのと同様に、血圧も同じことなのです。

これからの医学は、このような深い洞察を必要とすると思われます。

血中のコレステロール値にも同様のことが当てはまります。コレステロールの代謝は主に肝細胞のミトコンドリアで行われていますが、忙しく生きている人はコレステロールの値が高くなる傾向があります。コレステロールは細胞膜の材料となる他、副腎皮質ホルモン、性ホルモン、アルドステロン、ビタミンDなどの材料となっています。活発に生きる人はこれらの要求性が高くなります。ミトコンドリアをフル回転させて生きているのです。

血中のコレステロール値の上限を220/dlにするのは低く設定し過ぎています220280/dlあたりが普通に仕事をしている人の値でしょう。実際、これくらいの値の人の方が健康で長生きするというデーターも多いのです。血圧と同じように、コレステロールの正常値を決めるのは問題があります。180/dlだといいとか280/dlだと悪い、というレベルではないわけです。

はっきりと生き方に無理があって血圧が高いひとやコレステロールが高い人は、薬を服用するのではなく生き方を見直すことが大切です。生き方に問題なく健康でなおかつ顔色もいいなら、高い血圧、高いコレステロール値で生きるような遺伝傾向を背負って生きているのでしょう。

血圧やコレステロール値が高い人が健康で長生きするためには、睡眠時間を十分にとることが大切です。これでバランスがとれます。逆に、血圧やコレステロール値の低目の人は短い睡眠時間でもやっていけそうです。

 

環境と適応現象

エネルギー生成と自律神経を構成する対立系はお互いに対応している訳ではありません。例えば、解糖系と交感神経が対応しているのではないのです。交感神経系が優位の時はエネルギーを消費している体調なので、解糖系とミトコンドリア系が共に働いている状態です。逆に、副交感神経系が優位の時はエネルギーを蓄積するために休息する体調なので、解糖系もミトコンドリア系も抑制されている状態です。

11人の生活の中では、システムは揺れながら共に働いているのですが、人類の長い歴史で見ると適応現象が起こり遺伝子の中にその適応力が蓄積してゆくと考えられます。体型や体質がこのようにして民族によって変化を受けるのですが、性格や思い込みも同様の変化を受けるものと思われます。

日本のような四季のはっきりした地域に住むと、秋の収穫を得て冬に備える必要があるので勤勉になってくるのでしょう。

今の日本人にとって、このような冬支度はもはや必要ないのですが、現代社会に入ってもその思い込みは残り、仕事や介護などで必要以上に勤勉さを発揮しているように思います。そして、からだを壊して病気になっているのです。このように、思い込みが病気をつくっている例はおおいでしょう。

熱帯の地域では物成(田畑からの収穫)がいいので勤勉に働くことはほとんど必要のないことです。踊りや瞑想などが盛んになります。インドでは大人がよく踊ります。やり過ぎたら瞑想も必要になるでしょう。日本では踊りや瞑想はほどほどにして、水くみ、まき割り、漬物作りなどにはげむことになるでしょう。

また、狩りなどが盛んな地域では決断力が必要になりますから、家でも靴をぬがない習慣になったり、言語の順序が英語のように、主語の次に述語がくるようになります。中国語もそうです。日本語は主語もなかったりしますし、結論を示す術後も最後まで口に出ないわけです。うやむやで十分やって行ける環境に長く暮らしていたからでしょう。このようにして、さらなる思い込みが出来上がり、行き過ぎた時に病気とつながってきたりします。

 

学習と感性

人間は文字を発明してから、一度学習したことを次の世代に文献や書物として伝えることが多くなってきました。何を食べられるか、どのように生きるかなどのような基本的な学習を口伝で子供に伝えている時代(縄文時代や弥生時代)は、学ぶべき事はそんなに多くなかったと思われます。しかし、文献や書物の学習が加わると次第に学ぶべき事が増加してきます。

現代の社会は、このようにして学ぶ事がどんどん増加してしまったわけです。中学生でも高校生でも学習すべき量が多くなって大変です。医学生でも同様です。6年間学び続けて、試験をくり返し、学習が続きます。たまに休息が必要な時でも、休む暇は無いのです。たくさん学んでいるように見えてもまだ足りない所も多いのです。

このようにして、人類が一度獲得した知恵を学ぶのが学習ですが、生きる力の半分は学習では得られない「動物的感性」です。そして、この動物的感性は学習によって減弱するという特徴があります。頭の良い医師などから、生きる基本がぽっかりと抜け落ちて行くのは、こうした流れで起こっていることです。

 

「思い込み」と「受け入れ」の過剰も病気をつくる

アマゾン流域で生活しているインディオの原住民は500人くらいの単位で集団をつくっているそうです。この中には指導的な人とそれに従って生きる人がいます。現代社会でも少し似たような所が残っています。都会では仕事をする集団に社長と社員がいます。地方にゆくと人口の単位までよく似ています。昔ながらの自然村ですと500人位の集落に村長がいます。

6つくらいの集落がさらに集まって3000人位になるとになるでしょう。

ヒトもサルも集団で生きる動物なので、ボスと構成員が出来るような必然性があります。集団をまとめるには相手に対して主張します。これが思い込みの始まりです。その思い込みの中には相手にとって受け入れ難いものもあるでしょう。「思い込み」過剰の発生です。構成員にとっては受け入れ問題があります。相手の主張を受け入れないと社会の中で生きていけなくなります。ここからは「受け入れ」過剰が発生します。

からだの無理も多くの病気をつくる原因になりますが、思い込み過剰や受け入れ過剰が病気をつくるのも人間の特徴になっています。協調性が良過ぎても問題になり、思い込みが強すぎても問題になります。そして、その人と相手側の両方に軋轢が発生します。

人類にとして進化したことによって困難が発生し、それが病気の原因になっていることを知りましょう。そして、人類進化の過程でいくつかの多様性が生まれて体質や性格の違いが生じ、それぞれの民族特有の問題も発生していることがわかります。

 

管理者からの一言

私が38年間もの長い間、組織の中で働きつづけられたのは、適応力ではなかったかな、と振り返ってみて、思います。最後の一年間は、若い医師と適応が出来ずに、受け入れ難く、軋轢が増大し、医師の権力に負けて、退職してしまいました!?。だから、いまでも、ブログで戦っていますが。今の医療は、間違っています。早く、医師達に目覚めてほしいですね。せっかくの優秀な頭脳がもったいないです。

 

 

医療の中の改善点

39>未来型の医学と新しい可能性

医療の中の改善点

安保 徹

 

消炎鎮痛剤の弊害

プロスタグランジン(人間のさまざまな組織や器官で認められる痛み・腫れ・炎症などを引き起こす物質)の産生阻害剤である消炎鎮痛剤は、医療の現場で最も良く使われている薬です。歯科医療でもこれは同様でしょう。消炎鎮痛剤は別名を「消炎剤・解熱剤・痛み止め」とも呼ばれています。また、風邪薬にも使われています。人類は色々な障害を受けた時に出る、腫れ、熱、痛みに悩まされてきたために、この消炎鎮痛剤を重宝するようになったと思われます。

しかし、腫れ、熱、痛みを伴う炎症は、病気を治す体の反応として出ている面もあります。医学教育では、このような「炎症の生理的意味」や「消炎鎮痛剤のマイナス面」を学ぶ機会があまりないので、この薬が使われ過ぎているように思われます。そこで「炎症の意味」を、まず知る必要があります。

炎症は①ストレスによる血流障害からの脱却 ②破壊組織の修復 ③リンパ球機能の引きだし、の大きく3つの意味を持っています。

腰痛や頭痛は疲労やストレスからの脱却反応として、血液が回復したときに痛みが出ているわけですから、薬で止めると良くないことがわかるでしょう。

潰瘍性大腸炎の粘膜破壊は炎症を伴って修復されますが、ペンタサ(腸溶性のアミノサリチル酸で痛み止めに変わりはない)などでその治癒過程が止められるのです。

風邪の発熱はリンパ球に働いてもらうための大切な生体反応です。風邪薬を飲む危険を知りましょう。

こうした消炎鎮痛剤は「血液をサラサラにする」などといって血小板(傷口を防ぎ出血を止める作用を持つ)凝集作用薬として盛んに使われていて、「バッファリン(小児用バッファリン)」や「バイアスピリン」という名で処方されています。

しかし、これは危険な治療です。プロスタグランジンカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)拮抗関係にあって消炎鎮痛剤を投与してプロスタグランジンの産生を抑制すると、カテコールアミンの産生が刺激されてしまいます。このような作用を理解した人はいません。

バッファリンバイアスピリンの投与で、狭心症心筋梗塞虚血性脳血管障害の人達の病気がかえって悪化してゆくのは、消炎鎮痛時の持つ交感神経刺激作用によるものです。

狭心症心筋梗塞の人が、これらの薬の投与によって、さらに交感神経を興奮させられるのですから大変です。この薬には多くの副作用が知られていますが、交感神経に対する作用を考えるとすべてが理解できます。また、顆粒球(白血球の約60%)の増多を招くことによって消化管の潰瘍も出現します

さらに消炎鎮痛剤は湿布薬としても日常的に使われているので、長く使用を続けていると交感神経刺激作用によって興奮してきます。湿布薬を使っている人が夜に眠れなくなったり、高血圧症が合併したり、糖尿病になったりして、色々な病気が加わってゆく原因になっていることも知っておく必要があります。こうした作用によって、体調不良が出てつらい人生に入ったり、薬漬けになったりする傾向が出てきます。

 

膠原病で知るべきこと

リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、多発性硬化症、甲状腺機能亢進症など多くの病気は現代医療では原因不明の難病として知られています。しかし、ここ20年くらいの筆者らの研究で、膠原病(自己免疫疾患)の病態は明確になったと考えています。自己免疫疾患の多くは女性に発症しやすいのですが、その理由も明らかになっています。

こうした疾病は、色白のリンパ球が多い体質の人がストレスを受けて発症しています。リウマチの場合は主に重力のストレスが引き金になっています。立ち仕事など(忙しい美容師や忙しい花屋さんなど)で重力の負担が増すと、膝などの関節の滑膜(関節を包む関節包の内側の膜)に障害が起きます。そして、破壊された滑膜成分に対して自己抗体が出現します。自己抗体は全身をめぐり、手などの関節にも影響が及び、朝のこわばりといった症状が出現して発症にいたります。

SLEの場合は紫外線、多発性硬化症の場合は目の疲れ甲状腺機能亢進症は忙しさや不安などが主たる原因となって、対応する組織が破壊されて自己抗体が出現しています。

自己免疫疾患(膠原病)の原因を知るためには、発症前の患者の生き方を質問によって聞きだす必要があります。これが現代医療に欠けていた点です。ですから、発症後の病態を詳しくとっても、原因にたどり着くことはできません。

これらの疾病では、障害された組織を修復する反応として炎症(腫れ、熱、痛み)が出現しています。そして、体質的に色白でリンパ球の多い人は、この炎症が強く激しく出る傾向があります。これが膠原病の炎症のメカニズムです。

つらい症状ではありますが「治る」ためのステップという意味で炎症が出ているので、あまり熱心に炎症を止め続けると肝心の「治る」機会を失います。

もう1つの大切な理解は、自己抗体や自己応答性の免疫反応はストレスによる免疫抑制で起こっているということです。

自己免疫疾患では進化レベルの高いT細胞やB細胞(リンパ球の一種)の活性は免疫抑制を受けて低下しています。そして、古い免疫系である自己抗体産生B-1細胞や自己応答性を持つ胸腺外分化T細胞が活性化しています。つまり、自己免疫疾患(膠原病)はストレスを除いて免疫を高めると治る病気なのです。

消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、免疫抑制剤などはなるべく使用しないで様子を見て急性期(病気のなり始め、症状の比較的激しい時期)を乗り越えるのがいいでしょう。あまり急性炎症が強い時は前記した薬剤を一時的に投与して、急性期が過ぎたら止めるようにしたいと思います。

今から30年位前まではむしろ、このような考え方で対処していたように思います。しかし、最近はいつまでも薬の投与を続けるため(維持療法)、完治する機会を失っているのが実際のところです。

 

抗がん剤と放射線療法の実態

正常な細胞でも癌細胞でも急激に死滅すると細胞の内容物が外に出て、私達にとって激しいストレスになります。これが「クラッシュ症候群」とか、「腫瘍崩壊症候群と呼ばれている生体反応です。

細胞内の物が急に外に出ると酸化ストレス反応が起こり「低体温・低酸素・高血糖」の状態が来ます。この体調は解糖系(glycolysis pthway炭水化物・糖質からエネルギーを産生する仕組み)を刺激し、細胞分裂のエネルギー源となります。

抗がん剤や放射線治療で癌細胞を攻撃すると、この治療が生き残った癌細胞に対しては分裂の刺激となるわけです。これが、抗がん剤や放射線治療の後に、患者がやつれて病気が悪化してゆく原因になります。

もうひとつ、抗がん剤はそれ自体が代謝阻害剤であり、私達のエネルギー供給を抑制することです。マウスに抗がん剤を投与すると激しい低体温が出現しています。この低体温も患者の生きる力と免疫力を奪うので治療がマイナスになってしまうことが多いのです。非致死量の抗がん剤を1回投与しただけで2週間くらいで低体温が起こっていることがわかります。このような抗がん剤や放射線治療の生体反応がわからないと、治療によって思わぬ結果が出てしまうわけです。

癌細胞の出現や増殖の維持には、ストレス生活の持続によって生じた「低体温・低酸素・高血糖」そして、それに伴う免疫抑制が必要です

多くの癌患者で見られるように、思ったほど腫瘍の増殖が発症後に起こらないケースが見られるのは、休息や養生などによって「低体温・低酸素・高血糖」という条件が十分でなくなっているからです。

もっと積極的に癌細胞の増殖を止める方法は、解糖系に有利な「低体温・低酸素・高血糖」からの脱却です。この努力によって内部環境が改善し、免疫力が上昇し、腫瘍の自然退縮が出てくるのです。

 

ステロイドホルモンで気をつけること

ステロイドホルモンは消炎剤や免疫抑制剤として多くの疾患に使われています。しかし、ステロイドホルモンの本当の作用は、細胞内の小器官・ミトコンドリアで起こるエネルギー生成の抑制にあります。このことを知らないと消炎作用の本質にも免疫抑制作用の本質にもたどり着けないのです。主に炎症を担っている細胞はマクロファージ(免疫システムの一部を担う白血球の1つでアメーバ―状の細胞)をはじめとした白血球と血管内皮細胞です。これに繊維芽細胞などの働きが加わっています。

ステロイドの投与によって炎症が抑制されるは、白血球のミトコンドリアでエネルギーがつくられなくなって、炎症の起こる力がストップしたためです。病気が治るということとは無関係に起こっている反応です。

例えば、アレルギーでも膠原病でも炎症がステロイドの投与で一時的に抑えられるのは病気の治療とは関係ないのです。ステロイド投与の効果がなくなれば、再び炎症は始まるでしょう。

ステロイドを長期に使用するということは、ミトコンドリアのエネルギー生成系を止め続けるということを意味しています。すると、長期的にからだ全体が冷えに悩まされ、ついに生きる力がストップします。ステロイドにはこのような寿命短縮作用があるのです。

では、なぜ体の中で生理的にステロイドホルモンが分泌されているのでしょうか。ここでもエネルギー生成系中にある二つのシステムの理解が必要になります。

つまり、ストレスで生じた危機から脱出するために、一過性(一時的に)エネルギー生成をミトコンドリアから解糖系にシフトさせる反応として生まれているのです。

体は持続力や蛋白合成のエネルギーをミトコンドリアから得ていますが、瞬発力は解糖系から得ています。ストレスで生理的に分泌されるステロイドホルモンは一時的にミトコンドリア系を止め、解糖系を働かせるという大事な目的のためだったのです。

このことを理解すれば外から人為的に合成ステロイドを投与することの危険が見えてくるでしょう。そもそも、炎症は病気から脱却するための治癒反応として起こっていますから、短期間ステロイドを投与することがあったとしても、長期間これを投与することはあり得ないと考えなければならないでしょう。これは内服のステロイド剤、ステロイド軟膏、ステロイド吸入薬、すべてに共通のことです。

 

降圧剤、コレステロール降下剤で体調不良になることも

多くの老人が血圧の薬やコレステロール降下剤を服用して健康を害しています。血圧は遺伝的要因で決定されていて、たいした努力をしていなくても血圧が低い人や、いつ測っても血圧が高めに出る人がいます。血圧の低い人は朝活発になるのに時間がかかる傾向があり、また少ない睡眠時間で過ごせるという特徴があります。

逆に、血圧が高い人は早寝早起きで活発に日常生活を過ごす傾向があります。血圧が170180mmHg(収縮期血圧)くらいでも100歳前後まで長生きのひとはたくさんいるので「高い血圧は悪い」というのは行き過ぎです。

血圧の高い人は健康を守るために必要なのは、薬を服用することではなく、89時間じゅうぶんに睡眠をとって血圧とのバランスをとることが大切です。

体質で血圧やコレステロール値が決定され、その人の生き方の特徴を生み出していることにそろそろ日本人もきづく必要があるでしょう。

その人の特徴を無視して薬で血圧を下げると循環障害が出て健康を害してしまいます。

コレステロール降下剤はミトコンドリアの機能を抑制するので、ミトコンドリアの多い細胞が障害を受けます。それが横紋筋融解症や寝たきり老人をつくることになります。そのほかにもコレステロール降下剤の副作用には、肝障害や顆粒球減少症などもあります。

大切な国の予算を健康になるために使う必要があるのに、今のレベルでは健康を害することに使われているように思われます。

また、病院の窓口で払うお年寄りは少ないので(1割負担や2割負担)、気楽に薬をもらうようになっています。1万円病院に払ったら残りの9万円は子や孫の世代である若者に出してもらっている。すまない、という気持ちをもつことが最低の心遣いでしょう・。

 

管理者からの一言

これが、真実であれば、今の医療はほとんど間違っていることになります。よくもまあ、こんなに、でたらめな医療が蔓延っているものですね。この後始末はどうするのでしょうか。きっと、だれも責任は取らないでしょうね。いつも弱い物が泣き寝入りするだけです。

「羊」の字に「大」を書けば「美」になります。しかし、狼や虎の字はどうみても美しくなれません。羊が成長して、大きくなれば、美しい世界が作れます。狼や虎では、美しい世界をつくることはできません。羊が大きくなるしか、美しい世は来ませんね。

希望があるのと希望がないのとでは、その予後(治療後の経過)が変わる

40>未来型の医学と新しい可能性 最終回

これからの医学・医療

安保 徹

 

「からだ全体を束ねるシステム」の理解

基礎医学の分野でも臨床医学の分野でも、研究には大きな流れがあります。それは分子遺伝学分子物理学的な手法を用いた分析的研究です。2010年の今まで20年間はこのような医学でしたし、これからも続くでしょう。

そこにはいろいろな興味深い知見が積み重なっているのですが、病気の理解や病気の治療にはあまり役立っているとはいえません。分析研究だけでは限界があるでしょお。

多くの日常的な病気は、生き方の偏りによって生じるからだへの負担、精神への負担が強くなって生じていると考えられます。

高血圧症や糖尿病だけでなく、炎症性腸疾患、膠原病、がんなども同様です。したがって、分析研究から生まれた、遺伝子や生体分子への人為的関与で病気を治すということは無理なのです。

今、各大学は「病態制御学」とか「代謝調節学」といった、人の力で病気や代謝異常を治すような講座名をつけています。その理由は研究を進めれば、いずれ人の力で病態や代謝を変えて病気を治す医療の時代がやってくる」といった期待があるからでしょう。

しかし、生き方の偏りからその病気が生じているのなら、生き方を変えて病気を治すのが根本的治療であるはずです。体の負担が強くなって生じるストレスは、代謝系に大きな影響をもたらしますが、それは「体全体を束ねるシステム」を介して起こっている現象です。

私がこのシリーズで提唱してきたシステムは、自律神経系、内分泌系、体温、白血球系、エネルギー生成系などです。それは言葉を変えると、ストレスと体全体を束ねるシステムの相互関係の理解が、病気の成り立ちの理解や治療法の確立につながるということです。

こうして考えると、分析研究は車の両輪のように同時に進められていく必要があるでしょう。これが、未来の医学です。医療も臓器別の専門家ばかりをつくって行われるだけでは、木を見て森を見ずということになってしまいます。現代医療の弱点を克服するためのキーワードが、からだ全体を束ねるシステムの理解です。

 

医師の倫理について

膠原病、ガン患者を目の前にしたとき、少ない言葉を吐く医師が増加しているように思います。このような問題を解決することも大切になります。

ひとつは医学教育における若い医師の倫理観の育成ですが、もっと大事なことがあります。どのような病気でも、ある時点から「希望があるのと希望がないのとでは、その予後(治療後の経過)が変わる」ということです。医師はこういう基本を知ることが大切です。

人は自信を失ったり、絶望的になったりすると生きる力が急激に低下します。これは健康な人でも病気の人でも同じことです。医師が倫理観を得るためには、このような「当たり前の感性」を維持していることが大切です。そして患者の側も、つらい言葉を投げかけられたときに、すぐがっかりするのではなく「医者も神様ではないから許してあげる」という対応がときには必要になるでしょう。社会生活にも病院の中にも、ある頻度で理不尽なことはある訳ですから。

私が本シリーズで述べてきた医学の特徴は「多くの病気の発症には身体的あるいは精神的ストレスが関与している」ということです。

もし、こういう理解ができると病歴(アナムネーゼ)の取り方も変わってくるでしょう。現在の病歴の取り方は病気の発症時点から聞き出しを始めます。「いつから具合が悪くなって、その後どういう経過ですか?」というような流れです。

「病気になる前に、何か無理がありませんでしたか、つらいことがありませんでしたか?」というような質問

の仕方が必要です。

病気の原因がわかれば患者に対する対応の仕方も当然変わります。

「大変でしたね。これからは無理のない生き方にして身体を労わりましょう」といった話し方になって自然になってゆきます。すると、倫理に逆らうような対応はなくなってくるのです。今までのような対症療法だけの治療では、必然的に医の倫理を保つのは困難なのです。

 

忙しすぎる医療

現代医療のもう一つの特徴は救急医療に力を入れていることです。救急医療を充実することはすばらしいことのように誰でも考えてしまいますが、ここにも少し問題があります。

救急医療を拡大してゆくと、二つの困難や矛盾に直面します。まず、第一に医療関係者自身がからだを壊してしまうという現実です。

本来、人間は夜通し働くようにできていません。無理して働いていたら、からだを壊してしまいます。昔は「当直」という形で夜の救急患者に医者が順番に全員で対応していました。これなら当直の回数は月に23回っくらいで済みますからやっていけるでしょう。

しかし、現在の救急医療のように一部の専門家に任せてしまうと、忙しすぎて良く続けるのが大変になってしまい、燃え尽きてしまうことになります。

「夜通し救急医療をやることが当たり前」という考えが一般に広まると、夜間に押しかける患者数もどんどん増加します。救急専門医の負担はさらに高まってゆきます。この点も救急医療従事者の健康破綻を早める原因になるでしょう。

そしてもうひとつ、もっと大切なことは「人間という生命体は機械ではない」ということです。(救急医療における)機械の修理のような医療は、医師の心をも疲弊させます。

次々と運び込まれる患者をさばくのは、短い期間ならいいとしてもそれを1年も2年も続けていると、医師の心の荒廃も拡大してゆくのです。

本来医学は病気の予防に力を注ぐべきで「好きなように生きて病気になって、病院にかけ込む」という医療は危険な流れであることを知ることが大切です。救急医療を専門家に任せる方向性は間違っているような気がします。

 

再生医療の問題点

救急医療と同様に、考え違いなのが再生医療(細胞や組織を移植して臓器や組織の機能を再建する医療技術)です。これは生命体を機械のように考え部品を取り替えて病気を治すという考え方です。

本当は病気になった原因を追及することが第一なのに、そこを飛ばして進んでいるように思います。原因が取り除かれていなかったら、取り替えた部品も同様の運命を辿ることでしょう。一部の病気に対してはある程度の効果が期待できても、研究者全員が目標にする医学ではないと考えます。

 

ガン検診について

ガンの成り立ちのほとんどがストレスからくる低体温、低酸素、高血糖であるならば、ガン検診の問題点も明らかになってきます。

つまり検診によって多くのガンでない人が精密検査に引きこまれるからです。1人のガン患者を見つけるためにスクリーニング(検診)で10倍~30倍の健康な人が精密検査に送られ、ストレスにさらされます。そのつらさは経験したものでないとわかりません。私も40歳のときにそれを経験しました。

スクリーニングから精密検査までの23週間、被験者は地獄の苦しみを味わいます。そして、その一部にはこの人為的ストレスによって実際に発ガンしていると思われます。

多くのデーターで「ガン検診を受けたグループではガン検診を受けないグループよりも発ガン率が高くなる」のはこういう理由があったのです。

また、ガンはストレスで発現し免疫力が高まると知らないうちに自然退縮を繰り返している可能性があります。それを無視して早期発見ばかりに熱心になると、ガン患者が増加してしまうわけです。

ここにもガン検診の問題点が出てきます。ガンはストレスで発症しているので、むしろ生き方に注意して予防を中心課題にしてゆくべきでしょう。

 

管理者からの一言

「人間は自分が思ったような人間になる」とか、「思わないことは現実にはならない」とか、「あの世で自分の人生を設計して生まれてくる」とか、「魂の進化は、物質世界でしか進化しない」とか、「この宇宙の魂はたった一つであり、動物も植物も鉱物も全て同じ魂である」とか、「この世は神様がゲームをして遊んでいる、失敗すれば、やりなおしで、また始めからやり直す、ゲームこそが最高の遊びである」とか、最高のゲームは、サッカーのように、最後の3分前に逆転でポイントが入るゲームの事?

だんだんと、人生が馬鹿らしくなってきます。でも、私は、何かが、早く、磨きなさい、そうしないと、全てを失う、と厳しい声で、いわれているように思われます。

今回で、安保先生のシリーズは終了です。これからも、色々な方の情報を、このブログで書いていきたいと思っています。読んでくれて、ありがとうございました。

お問い合わせ
リンパマッサージはNPO法人日本メディカルリンパ協会の指導課を卒業しました。(現在は理事長が亡くなり廃校しましたが、現在はリンパ専門サロンとスクール名を変更して、継続しております。http://www.lymph-alice.com/)。
リンパマッサージのオイルは、ひまし油にグリセリンを半々に薄めて使用しています。ひまし油は安定、酸化しにくい油です。ひまし油はエジプト時代では薬にも使われていたようです。リシノレイン酸という脂肪酸が90%含まれていて、プロスタグランジン受容体に結合、皮膚の賦活作用、鎮痛作用、抗感染症などの様々な効能がしられています。酸化しやすいといわれるリノール酸の含有率は5%です、これは、乳幼児によく使用されているホホバオイルと同等の量です。(科学ニュースの森)。更にラベンダーアングスティフォリアとリトセアの精油で化粧水を作成して使用しています。(日本メディカルアロマ協会のアロマ療法http://www.jmaa-aroma.com/)乳幼児にはラベンダーアングスティフォリアとナチュラルモイストジェルを使用します。
ひまし油は日本薬局方を合格の油を使用しています。

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