6.体温と循環系

未来型の医学と新しい可能性〈6〉 体温と循環系

未来型の医学と新しい可能性〈6

体温と循環系

安保徹

 

多細胞生物の中でも、変温動物としてまわりの環境が適温の時のみ活動するものと、恒温動物として安定した体温をつくり常時活動が可能になったものがあります。私達人間は恒温動物ですから、その恩恵を得て活動し、からだの中では安定した代謝が常時行われています。しかし、それゆえに体温低下にさらされた時には代謝が抑制されます。

多くの病気を根源までつき詰めてゆくと、「病気の原因は、低体温による代謝障害が中心になっている」ということになると思います。エネルギー産生(産み出すこと、作りだすこと)のミトコンドリア代謝系が低体温で抑制されるとエネルギーが十分つくられなくなりますから、活力を失い疲れ易くなるわけです。これは多くの病気に共通しています。

エネルギーが低下すると一つひとつの細胞が、NaポンプでNaイオンを細胞外に出すことでができなくなり膜電位を保てなくなります。その結果、色々な刺激に反応して細胞が興奮することができなくなります。これが全身に拡がると、活力が失われると同時に、不定愁訴を生み出し生きづらくなるわけです。赤血球などは膜電位を失うと相互の反発力の失い、連鎖を形成してくっつき合い、血流低下をさらに進めます。

核のDNAからRNAを介して起こる蛋白合成もエネルギー低下で抑制されますから、低体温が続くと、細胞や組織が固有の蛋白質をつくれなくなります。

このことを知ると、やつれの病態の謎が明らかになってくるでしょう。このように、多くの病気の背景に低体温があることを理解しないと、新しい医学は成立し得ないのです。

恒温動物と体温

鳥類と哺乳類の体温が恒温化していますが、それぞれの動物腫によって体温に違いが認められます。スズメは43℃、ニワトリは41℃の体温を維持しています。しかし、ネズミでは38℃、ヒトでは37℃イルカでは35℃となっています。同じ恒温動物でもこのように体温に違いがあるのは、代謝のレベルを反映していると思われます。

高温の動物は代謝が高く、その最大の理由は重力に逆らって活動することで、このためエネルギーの必要量が多くなるわけです。スズメとニワトリの体温差がそれを示しています。同じ哺乳類なのに、イルカの体温が低いのが興味深く感じますが、これも重力の問題から謎が解けるでしょう。水中活動では、水の浮力によって体重を支えることができるので、その分エネルギー必要量が低下して低体温になっているのです。

ここで、人間の病気と症状の関連も見えてきます。多くの病人は体が冷えています。顔色が悪い、手足が冷たいなどの症状があります。これでは必要なエネルギー量が確保できていないわけです。代謝エネルギーの低下の影響は、まず重力に逆らう力に現れてきます。つまり、疲れ易くなって横になる、ベッドに寝てしまうという体調です。これを考えても重力対応のエネルギーがおおきいことがわかります。言葉を換えると、立ち仕事や夜更かしが、重力対応の時間をふやすことにつながり、からだの負担になり易いということも理解できるのです。

入浴や湯たんぽの使用、あるいは温熱器でからだを温めることは体温をあげる工夫をして意味のあることです。からだを動かさずに健康を維持することは困難なことがわかるでしょう。体温の日内リズムもここから形成されています。日中、交感神経優位で活動が行われている時は体温上昇し、夜間、副交感神経優位で休息や睡眠がおこなわれている時は体温は下降することになります。

変温動物と恒温動物では、代謝や生体反応を維持する時の酵素の至適温度(条件に適する温度)にも差があります。多くの反応がヒトでは3739℃で高値を示しますが、コイでは1416℃にピークがあります。私達ヒトが低体温になった時、33℃が死の危険を呼び込む境目になっています。高温の方では41℃です。高温の場合はミトコンドリア中で行われる好気性呼吸から大量の活性酸素が発生して死にいたります。熱中症、日射病、放射線被爆などがこの例です。死に至らない場合でも激しいストレス反応の一つです。内部体温が40℃を超す温熱療法は、むしろストレスとして作用し病気の治療にはマイナスになってしまいます。

体温と循環系

体温と循環系は連動しています。血液循環が良ければ体温が安定して維持されますし血液循環がよければ体温が下降しています。血液循環がよければ体温が安定しているのが自律神経とホルモン系です。恐怖や疲労で交感神経緊張が長く続くと、血管収縮によって血流障害と低体温になります。短い間だけ交感神経緊張になった場合は、脈拍上昇と心臓での血液拍出量が上昇しますから循環量は増加するのですが、行き過ぎた時には逆に循環量が減少するということです。

多くの場合の病気発症のメカニズムは、この交感神経緊張の持続であると言っても過言ではないでしょう。逆に、安定した体温を維持する体温を要因を述べてみましょう。

体温はミトコンドリアの行う好気的エネルギー産生系によって維持されています。筋肉(骨格筋)、心臓、肝臓、脾臓、脳などのような代謝を活発にやっている臓器から熱が放出されています。炭水化物や脂肪を肺呼吸で得た酸素で燃焼して熱が発生しているわけです。スポーツや肉体労働をしているわけです。スポーツや肉体労働をして筋肉をよく使う人、その結果筋肉が発達した状態にある人は体温が高くなります。非活動時でも36.537.2℃(腋下温)くらいの体温があるのがふつうです。やせ型で筋肉量の少ない人は低体温になり易いわけです。

体温はからだからの放熱によっても影響をうけますから、活動した時に体温は上昇します。太った人はやせた人よりも体温上昇が起こり易くなります。体重当たりの表面積が少なくなるためです。発汗した後は急に体温が下降します。これは体温調節に重要な役割をはたしています。これは体温調節に重要な役割を果たしています。いつも冷房を使って自分の発汗や血管収縮を利用することなしに生きている人は体温調節力が低下します。外に出たときに発汗がついていけなくなると熱中症になってしまうわけです。また、少し運動しただけでもからだに熱がこもってバテてしまいます。最近の子供の特徴とも言ってよいでしょう。

交感神経緊張による血管収縮が低体温の第一の原因ですが、逆に、副交感神経優位に偏っても低体温になります。これが第二の原因です。いつもじっとして体をうごかさないでいると代謝量が低下し、低体温になるわけです。筋肉から放熱が少ないというのも並行して起こる現象です(図)。このように、自律神経のどちらの側への偏りでも低体温になり、病気になるということを理解しましょう。

ホルモン系も体温の上昇や下降に強い影響を与えています。体温上昇の作用が強いのが甲状腺ホルモン(サイロキシン)です。いつも忙しく生きている人は交感神経刺激と共に甲状腺機能亢進症では脈拍の増加、血圧の上昇、血糖の上昇、発汗の促進、便秘、せっかちなどの症状が出てきます。

逆に、体温を下降させる作用のあるのが副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)です。ステロイドホルモンは体温下降によって炎症を抑制する効果が現れます。同時に、血糖上昇作用、蛋白同化作用(蛋白合成)を持っています。筋肉増強効果が現れる反面、糖尿病を誘発したり、低体温による不定愁訴を誘発します。低体温によりミトコンドリアの機能障害が出るので、細胞浮腫(クッシング症候群、ムーンフェイス)や寿命短縮作用が出現します。ステロイドはこのような多彩な作用があるので薬剤として長期投与するのは大変危険なのです。

低体温は直接からだを冷やすことでも出現します。この時交感神経刺激作用が同時に発生するので血管収縮も伴い、体温形成に拍車が掛かるわけです。冷房や冷たい飲み物の取り過ぎの危険がわかるでしょう。「冷えは万病をつくる」という言葉を噛みしめましょう。

体温を上げるための生体内物質

湿布薬に使われている消炎鎮痛剤は血管収縮を介したり、ミトコンドリアの呼吸系に働いて体温下降を起こしますが、サイクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase,COX)の働きを抑制して、アラキドン酸から酸素添加によってプロスタグランジンを産生する反応系をブロックします。このプロスタグランジンが強い体温上昇作用を保有しています。炎症時の体温上昇にプロスタグランジンが強く関わっていることは、風邪薬として消炎鎮痛剤(アスピリン、エンドメサシン、アミノサリチル酸など)を服用した時に急に解熱することでも実感できると思います。

プロスタグラジン(特に、プロスタグランジンE)は色々な作用を持ちますが、その一つが血管拡張作用です。血流を増加させることによって腫れや炎症をつくる手助けをしています。同時に、プロスタグランジンは痛み作用を持つので、腫れて熱を持ち、痛みが出るという反応が同時に起こることが多いわけです。体温上昇と共に炎症反応を進めるのが、炎症性サイトカインです。インターフェロン、TNF,インターロイキン6などです。C型肝炎の患者にインターフェロンを使って治療した時、発熱が起こるのもこういう理由からです。これらの炎症性サイトカインは血管透過性を高めたり、血管内皮細胞を活性化するので、体液や白血球が炎症部位に集まる反応を支えています。

インターロイキン1も内因性発熱因子として知られていますが、これは白血球の基本細胞であるマクロファージが、産生元になっています。外因性の発熱因子として知られているのが最近成分であるLPS(リポポリサッカライド)です。感染症の時の高熱やエンドトキシンショックの原因因子になっています。私達のからだの多くの細胞は「Toll,1ikeレセプター」を発現していて、これらのLPSを認識しています。「Toll,1ikeレセプター」は、細菌侵入をいち早く知るためのレセプターですが、過剰に反応した時は高熱が出たり、ショックを起こすことになるわけです。

このようにして内因性や外因性の発熱物質が働いて体温が上昇した時は、二つのステップでからだにとって有益な反応と不利益な反応を引き起こします。つまり高温という生体反応には二つの作用があるのです。現代医学が消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、免疫抑制剤、anti.TNF抗体をやたらに使いすぎて解熱し病気をなおせなくしているのは、高熱の持つ二つのステップに対する無理解があるのです。ここが大切な所です。

まず、すべての病気は代謝障害ですから、代謝を取り戻したり、壊れた組織を修復するためには体温を高めて代謝を亢進させなければならないということです。火傷でも外傷でも感染症でもすべて同じことです。これは癌、膠原病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、皮膚科疾患、婦人科疾患でもすべて同じことであると考えないといけないわけです。

もし、患者さんが病気になって微熱や高熱が出たら、治癒反応が始まったと理解しないといけないわけです。風邪が治らず微熱が続く時には、治療のための代謝亢進が十分でないため、さらなる代謝亢進を期待して苦しんでいる状態なのだという考え方を持つ必要があるわけです。発熱、代謝、循環は一体のものですから、こういう時は、解熱鎮痛剤で熱を下げるのではなく、十分な入浴や湯タンポの使用などで発熱を促してやるといいわけです。すると血液循環の促進から始まって代謝亢進が誘発され病気は完治に至ります。

色々な皮膚の難病や、婦人科疾患そして不妊症などは、循環を上昇させ、代謝を亢進させることで修復反応が進み、病気から逃れることができるわけです。尋常性感染や尋常性ゆうぜい(イボ)などのような難治性の病気も、からだ全体や局部を温めるという考えに至る必要があります。色々な炎症症状は私達にとって不快ですが、体温を上昇させて修復を進めることが大切なわけです。

しかし、次のステップとしての高熱の弱点もあります。高熱が続くと好気性のミトコンドリア呼吸が無限まで刺激されてフリーラジカルの大量発生という問題が出てきます。例えば、高熱で熱性けいれんが起こる、高熱で意識障害がでる、熱中症で死に至る、長湯で湯あたりをする、マラソン中の高体温で意識障害で倒れる、などが高温によって危険領域に入った現象です。

現代医学はこのような高熱による害に目が行き過ぎ、微熱や適度の高体温でも解熱しようという治療が拡大してしまったように思います。再び、体温上昇の二つのステップの意味を理解して、病気の治癒反応としての高熱を止め過ぎない考えが復活しなければならないわけです。未来の医学の重要なポイントです。

管理者からの一言

現在の病院は、間違っている治療を多くしていると思います。自分の生き方の間違いで作った病気は、自分で責任を取ることが道理であると思います。一時的に治してもらっても、病気の棚上げをするだけです。一生、病院通いをして、病気を悪化させて、最終的に、医者では治せない状態になるのが落ちです。自分の体は自分がしっかりと守ってあげてください。他人にゆだねず、色々な情報に惑わされずに、自分が納得しない治療は受けないでください。安保先生の御著書は書店に多く並んでいます。

お問い合わせ
リンパマッサージはNPO法人日本メディカルリンパ協会の指導課を卒業しました。(現在は理事長が亡くなり廃校しましたが、現在はリンパ専門サロンとスクール名を変更して、継続しております。http://www.lymph-alice.com/)。
リンパマッサージのオイルは、ひまし油にグリセリンを半々に薄めて使用しています。ひまし油は安定、酸化しにくい油です。ひまし油はエジプト時代では薬にも使われていたようです。リシノレイン酸という脂肪酸が90%含まれていて、プロスタグランジン受容体に結合、皮膚の賦活作用、鎮痛作用、抗感染症などの様々な効能がしられています。酸化しやすいといわれるリノール酸の含有率は5%です、これは、乳幼児によく使用されているホホバオイルと同等の量です。(科学ニュースの森)。更にラベンダーアングスティフォリアとリトセアの精油で化粧水を作成して使用しています。(日本メディカルアロマ協会のアロマ療法http://www.jmaa-aroma.com/)乳幼児にはラベンダーアングスティフォリアとナチュラルモイストジェルを使用します。
ひまし油は日本薬局方を合格の油を使用しています。

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詳しくは、このホームページに書いてありますので、御参照下さい。
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