3.ストレスから病気に至るまで

未来型の医学と新しい可能性〈3〉 ストレスから病気に至るまで

未来型の医学と新しい可能性〈3〉

ストレスから病気に至るまで

安保徹

遺伝子異常を病気の原因に考えるのは行き過ぎです。一部の代謝異常症などの病気の原因にはなるにしても、日常的に見られる、腰痛、高血圧症、糖尿病、ガンなどの原因は、環境や生き方などから生じるストレスによって発症すると考えるのが自然なのです。熱心に分析研究を続けるうちに、病気に至る自然の摂理などを忘れてしまったのが医学の現状なのです。

50年前の日本なら環境の苛酷さからくるストレスを病気の第一原因と考えるのが妥当です。厳しい寒さによって脳卒中や心筋梗塞を起こして50歳前後で命を落とす人が多かったのです。戦後の昭和20年代は食糧不足なども健康を害する原因の一つでした。機械化が進んでいなかったので肉体的重労働によってからだを壊す人も多くいました。今の日本はこのような原因はほとんど無くなり、生き方の無理から病気になっている人が多くなりました。

いすれにしても、環境の厳しさや生き方の無理が病気の最大原因になっていると考えなくてはなりません。そこで、ここではストレスから病気に至るまでのメカニズムを明らかにしたいと思います。医学の歴史を踏まえて、これを解明してyきます。

1 ホメオスターシスの概念

私達人間のような多種細胞生物は、血液循環や体液によって内部環境を維持し、個々の細胞に酸素や栄養を送っています。このため、からだを取り巻く環境が急に変化してもからだの内部は安定した状態で生きているわけです。このような内部環境を一定に保つ働きや状態をホメオスターシス(恒常性)と言います。ホメオスターシスの考えが生まれたのは、19世紀から20世紀初頭のことでフランスの生理学者クロード・ベルナール(1865年生まれ)やアメリカの生理学者ウオルター・キャノン(1898年生まれ)の研究によるものです。動物や人間が環境の変化にも関わらず一定の体温などを維持していて、健康で生きていくための基本です。この状態からはみ出したのが低体温などで、病気の成り立ちとつながってゆくわけです。

しかし多少の環境変化であれば恒常性は維持されていますが、激しいストレスがあると内部環境にお変化が起こります。キャノンは猫を使って「緊急反応」と呼ばれるストレス反応を明らかにしています。ストレスという言葉を医学に導入したのもキャノンと言われています。犬に吠えられた猫は呼吸や脈拍が増加し、血圧は上昇します。逆に、消化管の活動は抑制され、多くの分泌現象も停止します。この時キャノンは、副腎から出るアドレナリンの作用によって一連の反応が起こることを見出しました。

このような反応は、急性の交感神経緊張反応であり、「緊急反応」と呼ぶのにふさわしいと思います。今でも通用する科学的ストレス反応が100年前にすでに明らかになっていたと言えるでしょう。この事に続いて、ストレスと内分泌の関係を明らかにしたのが、カナダの生理学者のハンス・セリエ(,907年生まれ)です。ベルナールやキャノンよりも有名です。次に示すのは、セリエの「ストレス学説」として広く知られている理論です。

2 セリエの「ストレス学説」

セリエは、急性の緊急反応に続いて、ストレスがあまりにも強いときは、「警告反応期」や「疲弊期」が続き、ここに下垂体副腎皮質系が関与することを明らかにしました。まとめてみると、交感神経系そして、下垂体副腎皮質系が働く三つの反応、つまり「警告反応期(抵抗力が一時的に低下)」、「抵抗期」、そして「疲弊期」がくるわけです。疲弊期の時は免疫系の抑圧がくることもセリエは明らかにしています。胸腺の委縮をとらえています。

下垂体副腎皮質系とは、下垂体からのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の分泌に続いて副腎皮質からステロイドホルモンが分泌される反応系です。ステロイドホルモンは抗炎症作用を発揮してストレスに打ち勝つ抵抗力をからだに与えています。警告の反応期から抵抗期はステロイドホルモンを中心にした働きによって支えられていると言うことができます。しかし、ステロイドホルモンは免疫抑制作用もあるのでストレスが長期間に渡ると免疫抑制状態が前面に出てくる疲弊期がやってくるわけです。

セリエの「ストレス学説」の大事な点は、ストレスがどのような内容であるかに関係なく、現れることを明らかにした点です。いま、私達はいろいろなストレスにさらされていますが、その個別の内容に関係なく、抵抗期や疲弊期が出現するというわけです。セリエの「一般適応症候群」とか「汎適応症候群」と呼ばれている理由です。

セリエのストレス学説が有名になって、ストレスとステロイドホルモンの関係が今は注目されていますが、ストレスを受け続けた時の種々の疾患を考えると、キャノンがはじめに指摘した自律神経系の働き、特に、交感神経の働きをもう一度見直す必要があるでしょう。高血圧症、糖尿病、狭心症、不整脈、心筋梗塞、くも膜下出血、などの心血管系に負担がかかって起こる病気は交感神経緊張とつながっているからです。

3 斎藤章の生物学的の二進法

ストレスによる交感神経緊張は血管収縮を招くので、血流障害や低体温を伴います。この低体温がホメオスターシスのレベルを壊す代謝障害や組織障害へと進展します。多くの組織障害の病気の発症機序を考える上で、交感神経緊張、循環障害、代謝の低下の三つのキーワードが大切です。胃炎、胃潰瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎、膵炎、などの組織障害の病気の発症メカニズムに関与する要素であり、この三つのキーワードの連鎖で起こっていると言ってもいいでしょう。

しかし、ここに斎藤章の「生物学的二進法」という概念を持ってくるとさらに組織障害の病気の謎が明確になるのですぅ。そして、それに加えてアレルギー疾患の発症メカニズムも明らかになるのです。

私は斎藤章の二進法の理解なしには、あらゆる病気の真のメカニズムにいつまでたっても届くことができないと思っています。それほど重要な理論なのです。斎藤章先生は東北大学医学部の元講師でした。斎藤先生は感染症内科の医師として多くの感染症患者を観察しましたが、若き斎藤先生が活躍した時代は戦前、戦中の時代で、まだ抗生物質の無い時代でした。アレクサンダー・フレミング(1881年生まれ、スコットランド)がペニシリンを発見したのが1929年、そして、イギリスの臨床医が8年後にペニシリンの臨床応用に成功したのです。抗生物質が使えない時代は感染症患者の経過を薬の影響なしに観察できた時代とも言えます。

この研究の流れの中で斎藤先生が見出したのは化膿性の細菌感染では、血中の顆粒球が上昇する、胃液の酸度が低下する、患者の脈拍が上昇するという関連の現象です。逆に、ウイルス感染症(特に、初期)では血中のリンパ球が上昇する、胃液の酸度が上昇する、脈拍が減少するということに気付きました。これは、白血球と自律神経の動きに関連があることを世界で初めて見出すという出来事だったのです。

分泌現象は副交感神経支配なので、胃酸が出にくくなって脈拍が上昇したということは、患者が交感神経刺激状態にあることを意味しています。胃酸が分泌されてその酸度が上昇し、そして脈拍が減少したということは、患者は副交感神経優位の体調になったというわけなのです。斎藤先生はさらに、生き方の無理があると顆粒球が上昇し、楽に生きている人はリンパ球が多いという、感染症に関係なくても白血球と自律神経の関係が存在することも明らかにしました。

この斎藤先生の発見で明らかになったことは、顆粒球過剰による組織破壊の病気やリンパ球過剰によるアレルギーの病気の関係でした。今の時代でも、潰瘍性大腸炎やクローン病は原因不明の難病と言われていますが、斎藤章の「生物学的二進法」の考えを導入すると簡単に原因にたどり着くことができます。つまり、受験期のストレスから始まった交感神経緊張が顆粒球増多をつくり、ここから大腸や小腸の粘膜障害が起こったと考えればいいからです。

今日の子供達の間を中心に拡大しているアレルギー疾患の原因も、国の経済が豊かになり、子供達が甘い物を好きなだけ摂る、キョウダイが少ないので両親に大事にされる、外で遊ぶ機会が少なくなっているなど、副交感神経優位(リラックス過剰)の生き方を考えると、リンパ球過剰によるアレルギー疾患の原因は容易に見えてくるわけです。

しかし、このように偉大な斎藤章先生の発見もその後、人々に注目されることはありませんでした。ちょうど斎藤理論が発見された戦後まもなくの時代に抗生物質が日本にも入ってきて使用されるようになったからです。斎藤理論が無くても、使い始めの抗生物質は感染症に良く効き、人々の目はそちらに向けられてしまったからです。斎藤先生は東北大学の学生の講義で細々とその重要性を訴え続けていたわけです。

私が東北大学で学生として斎藤先生の講義を受けたのは昭和45年(1970年)頃です。この時の感動は今でも残っています。しかし、斎藤理論に注目する人はその後も現れませんでした。私が免疫学の研究を専攻し、新潟大学医学部の教授になってから、再び、斎藤理論に目を向ける機会がおとずれました。外科医の福田稔先生が「天気の良い日に虫垂炎が重症化してゴルフに行けなくなる。なぜか」というテーマを持ち込んだからです。
 いずれにせよ、「白血球の自律神経支配」の法則の出現によって多くの病気の発症、メカニズムが解明される流れに入っていくことになります。
管理者からの一言 
病気の原因を安保先生は生き方やストレスが原因と言われています。子育ての西先生は腸の環境が悪いと病気になると言われています。まだこのホームページで紹介していませんが、仙骨治療の内海先生は仙骨のズレと心の持ち方が病気を引き起こすといわれています。 どの先生方の言葉も真実であるとは思いますが、要は自分が病気を治すのであって、他人が病気を治してくれるのではないということに、早く目を覚ます必要があると思います。自分の健康は自分で守ることが大事だと思います。

 

安保先生は木、西原先生は根、内海先生はその中間の根と木の間の幹(種)なのかな?私の友達が描いた絵です。
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リンパマッサージはNPO法人日本メディカルリンパ協会の指導課を卒業しました。(現在は理事長が亡くなり廃校しましたが、現在はリンパ専門サロンとスクール名を変更して、継続しております。http://www.lymph-alice.com/)。
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ひまし油は日本薬局方を合格の油を使用しています。

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詳しくは、このホームページに書いてありますので、御参照下さい。
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