子育て応援講座の資料①

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このページの目次です

  アトピー等の原因がよく理解できる記事を御紹介します。西原克成先生 

  おっぱいライフの食生活

  赤ちゃんの病気対応

  あせらず、のんびり離乳食

  赤ちゃんの発熱

  赤ちゃんの腹痛・嘔吐・下痢

  下痢と嘔吐・細菌性?

  ウイルスにも細菌にも関係のない嘔吐・下痢について

  自家中毒の誤診!?

  せき

 けいれんが起きた

  こどもの頭痛

  赤ちゃんが泣きやまないとき

  おむつかぶれ。界面活性剤の害

   

 

 

アトピー等の原因がよく理解できる記事を御紹介します。

すくすく通信VOL122122 

平成181111日発行

日本学校図書館株式会社より

一生健康で過ごすための子育て法 

 

西原克成先生 

東京大学大学院医学部博士課程修了、同大病院で35年近く医師として勤務現在「家庭保育園」の特別顧問医師 生命進化の法則から臨床応用、全く新しいタイプの育児法を提言しています。

 

誤った早期離乳食

昭和55年に我が国の育児法が正しい伝承を捨てて、誤った早期離乳食のいわゆる一律の標準値に合わせた規格育児に入り、いっせいに口呼吸、緑便、不機嫌、低体温、睡眠障害時を育成させて今日に至っています。

 

誤った子育てで日本を滅ぼさないために出産と育児は正しい伝承と本能で行いましょう

 

哺乳動物の赤ちゃん

赤ちゃんを産む「出産・お産」と赤ちゃんを育てる「子育て・育児」は、もともと医術や医学に属するものではありません。哺乳動物のそれぞれの種の集団生活の決まりに従った伝承、つまり見よう見真似と、赤ちゃんと母親の両者の本能という哺乳動物の掟によって共にうまく行われるものなのです。今の日本の小児科医学と産科医学がこの哺乳動物の掟を破る誤った医学を推し進めているため、我が国の子供が全滅しかかっています。

脊椎動物(背骨を持ち、えらや肺で呼吸する動物)の多くは、卵を産めば孵るまであたためます。卵が孵っても、哺乳動物のように子を産んでも殆どの動物は子が成長して、一人立ちするまで親が子の面倒をみます。哺乳動物のヒトも、類人猿と同様にお産し、授乳期間中に母乳だけを与えれば、間違いなく病気になることもなく育ちます。戦前の我が国の育児法はこのサルの育児法に極めて近く、2歳から2歳半まで、古くは江戸時代には5歳頃まで母乳を飲ませていたので、日本の子は賢いことで定評がありました。

哺乳動物とは「長ずると咀嚼を行うことになる吸綴(お乳をすする)のシステムを持って生まれ、種によって授乳期間が一定している。この間は母親が赤血球の抜けた血液(母乳)を乳房から排出し、生まれた子はこれを啜って育つ」脊椎動物の中で最も進化した種属です。

一般の哺乳動物では、授乳期間中には母乳以外の食物は口から入ってくることはあり得ないので、腸が母乳の全てをそのまま殆ど消化することなく吸収してしまうようにできています。赤ちゃんを育てているお母さんは、これから記述することをよく心に留めておいてください。

生まれ落ちた赤ちゃんは産道を通る時、母体の腸内細菌を受け継いでいます。母乳をのむと直ぐに赤ちゃんの腸内は99%ビフィズス菌で、1%が大腸菌になります。乳児用ミルクでは90%ビフィズス菌で10%が大腸菌となります。

生後45か月して、果物ジュースでも離乳食でもスターチでも与えると赤ちゃんの腸内細菌槽がすぐに90%大腸菌、10%ビフィズス菌槽に変化し、緑便となります。赤ちゃんの腸は5歳までは腸内細菌をしばしば吸収して、自家中毒を起こします。従ってヒトの浅知恵で「良かれ」と思ってお乳以外のものを与えれば、大人の腸では吸収されるはずのない蛋白質から腸にいつも住みついている腸内の黴菌(ばいきん)まで血液中に吸収されてしまいます。血中に吸収された黴菌でアトピー、鼻炎、風邪、中耳炎、肺炎、喘息、膀胱炎、腸炎、糖尿病を発症します。これが離乳食病で、実は昔の自家中毒の慢性化したものです。

 

ヒトの子の授乳期間

それでは哺乳動物としてヒトの子は、何歳までが授乳期間なのでしょうか?

ヒトの子は最も早くて2歳半、最も遅くて5歳までが授乳期間です。動物学的にはヒトの授乳期間は5歳までです。これが明らかとなったのが、今から30年近く前にアメリカで起った乳児ボツリヌス症事件です。調査の結果、赤ちゃんの腸は腸内細菌からウイルス、ボツリヌスの芽胞まで、常習的に吸収してしまうことが明らかとなりました。それでアメリカでは生の蜂蜜を5歳まで与えてはいけないということになり、5歳までは代わりにメープルシロップを与えています。日本では1才未満の子に生の蜂蜜を与えないように指導がなされていますが、これは日本の小児科医の無知によるものです。日本でも国立感染症研究所の平成188月の報告により、エンテロウイルス71型の感染で5歳までの子が手足口病になり、中枢神経合併症(脳炎のこと)で死亡すると注意を喚起しています。エンテロウイルスとは、大人の腸の常在性のウイルスですから、仮に離乳食を3歳まで与えなければ、決して手足口病(赤ちゃんのアトピー皮膚)にはならなくて、脳炎で死ぬこともありえないのです。離乳食アトピーも大人型の腸内細菌が白血球に吸収されて皮膚に捨てられ、消化されて炎症を起こしているのです。

大人が悪いものを食べると5分か10分で皮膚に蕁麻疹ができるのも、腸のパイエル板のM細胞から白血球内に取り込まれた黴菌が、白血球に運ばれて皮下組織で消化されるから痒疹ができるのです。喉も腸も体温より1℃低くなると扁桃組織(白血球を作るリンパ器官)から白血球内に自動的に黴菌が取り込まれる装置がヒトには備わっています。それで口呼吸をしたり、冷たい水(常温でも駄目)を飲めば、腸の黴菌(バイキン)がリンパ管から静脈に入るのです。大人も子供も同じですが、赤ちゃんだけは授乳期間中の5歳まで、かなり自在に腸内黴菌が白血球に抱えられて血液を廻ります。そしてその白血球は自由に脳内の脳脊髄液(リンパ液)に入り、脳炎を起こします。赤ちゃんや5歳未満の子にアイスクリームを与えると、かなり簡単に脳炎を発症しますから注意しましょう。

 

母乳で病気になる赤ちゃんについて

生後すっと母乳を与えているのに、1,2カ月して風邪を引いたり湿疹になったり、アトピー症状や中耳炎、膀胱炎を発症するのは母乳中の白血球に母親の腸の黴菌が取りこまれて、菌が多数増殖して生きているためです。どうして母乳中に黴菌を抱えた白血球が混入するのかといえば、次の三つが考えられます。

● 母親がアトピー、緑内障、糖尿病、腸炎などの免疫病の場合。

● 母親が常温(体温以下)の水を飲んだり、キムチ、タバスコ、カラシ、ワサビ、干物、牛乳や肉、刺身などをよく食べる。また玄米、蕎麦(そば)、麺、パン、パスタ、スパゲティなど、麦をよく食べた場合。

● 母親が口呼吸をしていて低体温で、そのうえ、妊娠中に冷たいもの、辛いものをたくさん食べた場合。

 

大人の免疫病はすべて自分の腸内の細菌が白血球に取り込まれ、これが血中を廻り、眼や膵や腸の細胞内に黴菌をばら撒き、細胞内感染症を起こした時に発症する病気です。白血球内の黴菌が母乳と共に赤ちゃんの腸に入ると、この黴菌が入りの白血球までも赤ちゃんは吸収してしまいます。この黴菌で赤ちゃんは大変なアトピーや中耳炎になるのです。また母親が口呼吸、常温の水、冷たい果物、刺身やキムチを食べれば、常時血液が黴菌に侵され、母乳によって白血球に抱えられた黴菌が赤ちゃんの腸から吸収されて、赤ちゃんの免疫病が発症します。

肉や小麦の食品を食べれば、母親の腸内細菌は悪玉菌のウエルシュ菌や腐敗菌が満ち満ちて、これがしばしば白血球に吸収されて、お乳から赤ちゃんにうつるのです。こうして赤ちゃんが母乳で中耳炎になったりします。妊娠中に冷たいものを食べると、白血球に抱えられた腸内の黴菌は、母親の母体を通過して血行性に赤ちゃんの体を汚染してしまいます。日本の医者は決して冷やしていけないつわりの時に、冷たいものをどんどん勧めて赤ちゃんを母親の腸の汚い黴菌で汚染して平然としています。病気で発熱していても39℃以下の時や妊娠中は決して冷たい飲みもので身体を冷やしてはいけないのです。欧米の医者はゆめこのような愚かな誤りは犯しません。

ヨーロッパ各地から赤ちゃん相談室に電話やメールで来る相談に、母乳なのにまっ赤っ赤の子は、母親の顔を見れば必ず日本人です。母親が冷たいもの中毒と激辛中毒で赤ちゃんが犠牲になっているのです。ヨーロッパの医者は、こんなひどい子を見たことがないと匙を投げてステロイドに走るそうです。もとよりステロイドも無効ですが、アレルギー用のミルクを42℃で与えれば、三日で玉の肌になります。ミルクには黴菌が入っていないからです。ただしミルクでも温度が低いと腸のビフィズシ菌が吸収されてまっ赤っ赤になります。これをミルクアレルギーと思っているお母さんがいますが、ミルクを温めて身体を温めれば10分後には赤みが消えます。

ここで妊娠中の重大な問題への注意事項を加えておきます。ある医科大学の先天異常モニタリングセンターのデーターによると、約10万例を対象とした奇形児出産頻度が2000年以前の1.4%から20012004年に急に1.7%~1.8%に上昇しています。そして原因をウイルス感染と勘違いしています。赤ちゃん相談室で受けた10症例以上の内臓奇形を持つ子の母親の全例に、妊娠32日から38日の6日間に34時間睡眠や大ジョッキーのビールの飲酒等、妊婦が決してしてはならない事をしていました。

32日から1週間は進化の上陸劇の再現の時で、サメが上陸して生き残るか死ぬかの瀬戸際を再現しています。母体のでたらめな生活で母胎内の胎児は簡単に内臓奇形が生じます。この時に哺乳動物型の内臓が完成するのです。妊娠中は昔の日本人のように身を大切にし、ゆめでたらめをしないでください。

赤ちゃんの口呼吸と離乳食病

早い離乳食と口呼吸とは切っても切れない関係にあります。45ヶ月目から離乳食を始めると赤ちゃんはすごく嫌がります。嫌がっても与えなさいと言うのが今の小児科医ですが、そうするとどうなるかといえば、赤ちゃんはある時突然丸呑みの仕方に気づきます。哺乳動物の赤ちゃんは、吸綴する時の口唇と舌と喉の連動した動きしか知らないのです。

この吸綴反射運動神経は哺乳動物誕生以来鍛えぬいてきた太い太い神経で出来ています。これを鍛えることによって始めて脳の発達が促されるのです。脳の運動神経の地図には、ヒトだけに吸綴の舌運動と指の動き(指差し)の二つが大きく発達しています。類人猿にはこの二つがなくて、代わりに犬歯の脳の感覚野が発達しているのです。この吸綴の舌運動を発達させる最も優れた装置が母乳房の乳首で、猿のように四六時中乳房を口にくわえてお乳を啜っていれば、ヒトは決して口呼吸にはならず、江戸時代の日本人の子のように賢くなるのです。

これをヒトの浅知恵で勝手に無茶苦茶にしているから、問題が生ずるのです。しかし今では5歳まで母乳は無理だし、四六時中赤ちゃんを抱えて生活することは出来ないから、生まれた直後から母乳とおしゃぶりを同時に与えて、おしゃぶりで吸綴運動を養えば、立派な鼻呼吸の凛々しく(りりしく)賢い少年少女に育ちます。おしゃぶりで嚙む力が始めてつくのです。

おしゃぶりを2歳半で取り上げると、開咬(上下の前歯がかみ合わない)のまま、この隙間に舌を入れ込むため口呼吸と開咬が固定してしまいます。2歳半の歯は生えそろっていますが、まだ噛む歯ではなくてお乳を啜るための歯なのです。5歳までが授乳期だから乳首の厚さだけ開咬にならなければ子はうまく育ちません。

今、日本中の小児歯科医と小児科医が主張しているおしゃぶりの使い方は、61年前のアメリカの小児科の医者の主張している迷信をそっくり受け継いだものです。おしゃぶりと歯型の関係については今から約60年近くも前に、ドイツのミュンヘン大学において、1965年第10号「ドイツ歯科医学報」Aミュラー博士の「顎の異常の予防と予防治療的諸器具」で研究されています。この研究に基づいてヌーク社で哺乳びん用の機能的な人口乳首と機能的なおしゃぶりが開発されました。この人口乳首とおしゃぶりの開発の目的は口呼吸の防止による鼻呼吸への促進と悪い姿勢を正すこと、口の咀嚼蠕動運動の発達、歯並びの矯正です。これは今次大戦でナチスドイツが敗退して10年後に荒敗したドイツの子供たちが、今の日本人の子供のように出っ歯、乱抗菌と猫背、脊柱側弯で、見る影もなくなった様を見て、敗戦前のドイツ国民顔との余りにも大きな違いにドイツの医学者が気づきました。アメリカの人たちを参考にして、哺乳動物としてのヒトの授乳期間を究明し、このおしゃぶりを45歳まで使うようにすれば、これらの障害が克服されることを示したものです。

これを戦勝国の米国がそっくり導入しました。導入しなかった国は日本とフランスだけです。それで今、日本は子供が口呼吸で全滅なのです。口呼吸ではひどい免疫病が発生します。最もポピュラーな病気に透析が必要となるネフローゼ(IGA腎症)がありますが、世界で一番この病気が多いのが日本で、次いで多いのがフランスです。おしゃぶりと口呼吸と免疫病の因果関係が歴然と示されている実例です。日本は一度決めたことは、それがどんなに国民を苦しめることでも、改めることができません。改めるシステムを明治開国の時に輸入することを忘れていたのです。それでアメリカが改めた迷信をいまだに日本で守っているのです。5ヶ月離乳食も、乳児ボツリヌス症事件で誤りであることが明らかとなって、アメリカでは母乳中心の昔の日本式に改めました。その時、わが日本の厚生省は100%スポックの育児法の早期離乳食育児法を導入したため、早い離乳食などで、脳炎が起きて子供も大人も今や日本は大混乱です。

一歳半からは、哺乳瓶で白米のおもゆからならしていきましょう。1歳半でカレー、生えび、刺身、肉、うどん、パスタ、スパゲティ、蕎麦(ソバ)、パン、麦、胡麻、ナッツ、果物、玄米、雑穀を与えると腸内の悪玉菌が白血球に抱えられて血中に吸収されて脳に運ばれて脳炎を起こし、凶暴、多動、自閉症、発達障害、脳筋症やうつ病を発症します。早い離乳食や手足を冷やして冷たく育てる、靴下や服のゴムがきつい、というのは明らかに幼児虐待です。こうして虐待されて育った子は、緑便で怒ってばかりいて、不機嫌で低体温ですから、睡眠が阻害されています。こうして育った子が中学、高校生になると親や友人に対して逆襲して大事件を起こします。

 

口呼吸病

早い離乳食とおしゃぶりなしの育児で、完璧な口呼吸で育つと大変な病気になります。その実例を3例ほど示します。「家庭保育園」の会員のお子さまがこのような悲惨なことに陥らないよう充分に注意して下さい。

①急性腎炎(8歳の少女)

急性腎炎の診断のもとに、部下のある医科大学病院に入院しました。入院中は毎日シャワーを浴びて身体を冷やすので、尿は真っ黒になっていたそうです。1ヶ月近く入院して、尿が益々黒くなった段階で、いよいよステロイドパルス療法を行うことになり、この段階で私の診療所に逃げてきました。顔は軽い口呼吸で、アイスクリームをよく食べたための腎炎でした。尿はコカコーラ色で、入院中はもっと黒かったそうでした。尿は潜血反応(++++)タンパク質(++)で尿の沈渣を顕微鏡で見ると、無数の血球がおびただしい黴菌が生きて動いていました。

お湯をたくさん飲ませて、早速身体を温めて、光健燈(コウケントー、光線療法)を当てて2時間経過すると、尿は薄い褐色に変わり、更に3時間すると黄色の変化しました。沈渣も著明に白血球が減り、生きた白血球内に黴菌がうようよと生きて動いていました。腎臓病も完璧に口呼吸で腎臓に黴菌が巣を作っているのです。黴菌ですから当然抗生物質が有効です。ミノマイシンという昔からある安全な抗生物質で、この子は完治しました。腎臓を温めることが大切で、筋肉運動と冷やすことが禁忌です。IGA腎症やネフローゼは難病に指定されているので、ステロイドパルス治療にすれば、短期間で高額医療費が公費に入るのです。それで医科大学は体の温まるお風呂を一切廃止して、毎日重病人にシャワーを浴びせて腎炎を究極まで悪化させて難病にしたててから、ステロイドパルス療法に持ちこむのです。

別の一例は、他県の医大付属病院でステロイドパルス療法を終えて5回位腎炎を再発して今は免疫抑制剤を服用しているという7歳の男児が受診しましたが、やはりお風呂ではなくてシャワーで、医者が体を冷やすことを勧め、禁忌のスポーツもステロイドを投与しながら推奨していたのには驚きました。体の冷える服装で、冷たいものを常飲していたので、こんなにしばしば再発していたのです。そして私の勧める呼吸体操も、身体を温めることも一切拒否しました。聞けばステロイド医者の言うことはよく聞いて、おとなしく注射もしたそうです。ステロイド剤は皮膚に塗布しただけでも、注射しても自前の副腎や性腺が直ちに委縮(縮小)して、900種類あるホルモンが滅茶苦茶になって、再度働くようになるには長期を要します。アトピーへのステロイドは塗布しても、大人が3年位だらだらと皮膚からリンパ液が漏れるのを耐えても、アトピーは治らないうえに褐色の皮膚でリンパ漏れがなくなるだけです。ステロイド治療を勧める医者は、ステロイド依存症と禁断症状に対して医者としてどう責任を取るのか疑問です。世間一般のお母さんの中には、平然とアトピーにステロイドを塗布している方がいますが、赤ちゃんの副腎が駄目になるのを知らないようです。今のステロイド医者は麻薬の売人のような感があります。子供の患者さんの中には、スポーツもアイスクリームもなんでもOKの医者が大好きで、喜んで生命を医者に捧げます。まさに良薬は口に苦いので、私の治療は受けたがらないのです。今の日本では、自分の身や家族の身を医者と学校の先生から守らなければならないとは、何とも情けない国になり下がってしまいました。

先の腎炎の少女の父親はこの子の治療をしてまもなく35歳前後で大腸癌で亡くなりました。家中が「冷中毒」だったのです。

②脊髄小脳変性症(7歳の少女)

幼稚園の時、字を書いたり、走り回っていた子が突然字が書けない、歩けない、立てない、ということで近くの医大小児科を受診して、この診断名で抗痙攣剤を服用していました。アイスクリームが大好物で、医者の許可のもとに今は一日一個食べているということで、ひどい口呼吸の顔をしていました。手も足も動かすと震えるのは小脳炎を起こしてるためで、痙攣ではありません。こんなことも小児科医は解らないで抗痙攣剤のでたらめ治療をしているので、直ちに薬を中止し、おしゃぶりをして鼻呼吸にしてアイスクリームを厳禁。当然低体温で35℃なので、すべての飲食物を42℃にしたところ、手足の震えは直ぐに止まりました。これは冷えと口呼吸で喉と腸の黴菌が小脳と脊髄の神経細胞(ニューロン)内に細胞内感染を症起こしていたのです。この症例も鼻呼吸を徹底させてビフィドウス因子を飲ませて体温を高めれば治すことができます。この子の父親も40歳前に受診中に大腸癌で死亡しました。母親も冷たいもの中毒で赤黒い皮膚をしてたいへん太っていました。家中が「冷中毒」の悲劇がここにもみられました。「口呼吸」と「冷中毒」恐るべし。

③赤ちゃんのヘルニア手術の症例と便秘治療の症例

鼠頸部ヘルニアの7カ月の子は小ぶりで健康であったが、小児外科で手術をするためには体重を増やす必要があるということで入院。わが国の病院は夏でも冬でも寒いうえに、赤ちゃんのおしゃぶりは絶対に禁止のため直ちに風邪を引き、抗生剤を投与しても咳が止まらず、すぐにステロイドを投与したが更に悪化して、いよいよ免疫抑制剤を投与することになり、両親が泣きながら西原研究所に救いを求めて赤ちゃんの写真を持参して受診した。ヘルニアの手術は大人になってからでも、時には生涯にわたり手術をしなくても良いケースが多いが、今は小児外科が独立したために、その実績を上げるために危険を冒して手術をする。この子を助けるのは両親しかいない事を伝えて、まずステロイド注射を経口に代えさせてから退院させた。ステロイド剤を私の指示で少しずつ減らして、おしゃぶりを赤ちゃんに与え咳を止め、両親をよく説得し、ビフィドウス因子をミルクに混ぜて飲まして治し、ついに生還することが出来ました。

1歳1ヶ月の女児の便秘の症例は、5ヶ月から離乳食を始め、母乳も10ヶ月まで続けていた。

離乳食だけにしてからは、ひどい便秘になり、J大学病院の小児科にかかったが、大量の薬以外は離乳食を続けるようにいわれ「こちらではもはや何もできない」と言われ小児外科に回された。そこで毎日浣腸するように言われ、1ヶ月浣腸し、その後腸の造影検査をし4種類の薬を処方された。離乳食を完了し、何でも食べるようになっていた。小児外科では肛門を拡大する手術を勧められ、母親が唖然としてわが「赤ちゃん相談室」に逃げてきた。母乳の時にちゃんと便が出ていたので、肛門の大きさの問題ではなくて食べ物に違いないというのが母親の意見でした。ミルクとミルク粥に代えればすぐに問題は解決しました。

お母さん方は、ゆめ今の小児科医の勧める育児法を容認しないように心を引き締めないと、子供を虐待することになります。その子が中学・高校生になって一人で行動するようになると、虐待された分を逆襲するようになるから、注意して下さい。誤った医学による子育てを、正しい伝承と本能に根ざした昭和40年代以前の育児法に戻さなければ日本の将来はありません。みなさん気を許すことなく、誤った厚生労働省にも小児医学会にもめげずに正しい子育てに邁進しましょう。子育ては片手間ではできません。一世一代の大仕事です。片手間でチョコチョコやろうというのが厚生労働省と小児医学会です。変わり身の早いアメリカに倣って早くわが国の正しい伝承の育児法を復活させましよう。

医学博士 西原 克成

 

管理者からの一言
「白血球が黴菌を運んでいる」と聞いた時に私はびっくりしました。白血球は黴菌と戦ってくれるものとばかり思っていましたが、西原先生の御著書を読ませていただいて、ソッカ―、その場で戦う白血球もいれば、リンパ節に黴菌を運んで、リンパ節で戦う白血球もあり、だから風邪を引いたときなど、耳のリンパが痛かったりするんだなと納得しました。「白血球が黴菌を運んでいる」は、リンパ節で戦うため、全身に広げないためです。戦場であるリンパ節を手術でとってしまったら、そうなったら、黴菌は白血球に運ばれてどこへ行くのでしょうか?最悪は脳や肺や心臓ですよね。人間のリンパ系は600700個のリンパ節を持ち、ほとんどは消化器系内膜下に多く、頭部と頸部にも数多くあり、我々の生命を守るために日夜、黴菌と戦ってくれています。コーケントー(光線療法)は娘が喘息発作を起こした時に我が家で活躍しています。最近、久しぶりに発作が起きて、仕事が休めない状態だったので、 コーケント―を3~4時間かけました。一時間くらいで一時良くなったかなと中止したら、また出てきたので、結局4時間もかけっぱなしでいました。朝はかなり良くなって、仕事に行けました。更に、常連のお客さまが急に50肩なのか、肩が痛くて腕が上がらないと言われて、コーケントーを1時間かけてから、ひまし油湿布をしました。すっかり良くなったと喜ばれました。常連のお客様だけ、やっていますが機械がありますので、もし希望される方は御相談して下さい。

山田豊文先生や飯山一郎さんは発酵食品を多く摂った方が腸内細菌槽に善玉菌が増えて、免疫力が高まると言われています。西原先生はキムチとかの発酵食品を勧めていませんので、その御見解が異なっています。私もそこのところはよくわかりませんが、そのような見解もあるのだな、と参考にして頂きたくて、この記事を御紹介しました。長文になりましたが、読んで下さりありがとうございました。

内臓から心までの深い御著書多数執筆されています。
前から子・親・祖父母の画像(家族愛の水の結晶から)

②おっぱいライフの食生活

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まどろみ助産院

 

 

 

<先ず、「赤ちゃん」の特徴を理解しましょう>

 

l  赤ちゃんの身体は一年早く、未熟で産れてくる
他の動物は生まれてすぐに外敵から身を守らなければいけないので、体が優先されますが、人間は脳が優先されるので体よりも頭の方が大きく産れ、更に1歳までは、体よりも脳の方を優先して発育します。

l  一歳までは「体質」をつくり、1歳からは「体格」をつくる
母親が抱っこして移動するため、赤ちゃんの体重を増やさないという特徴が母乳にあります。母乳をのむことで赤ちゃんは体重を増やさずに内部分化をすすめます。1歳を過ぎてからが、ぐんぐん大きくなることが多いです。ミルクは牛のタンパク質なので体格の成長が母乳の子よりも大きいです。

l  赤ちゃんは油脂分のおっぱいを拒否します

母乳の質はお母さんが食べた物です。油脂分の多いおっぱいは赤ちゃんにとってのみやすいものではありません。そんなとき、赤ちゃんがおっぱいをかんだり、身をくねらせたりすることがあります。0歳の赤ちゃんは触覚と臭覚がするどいので、のむと下痢をするような母乳を拒否することがあります。現代人の食生活は動物性たんぱく、特に油脂分が多く、また甘いものや油っこいものをやめられないお母さんがとても多いです。赤ちゃんの世話に追われてしまって、手軽に食べられるコンビニ食や調理パンを過食してしまう人も多いです。

l  「不規則授乳」が本来の母乳育児の姿
30分のときも2時間くらい間があくこともあります。母乳は消化がよく、すぐにおなかがすきますから、あかちゃんはしょっちゅう泣きます。年中赤ちゃんを抱いていることを大変に感じるお母さんも、そのことを心配するご家族も多いでしょう。しかし、これが本来の哺乳類の姿なのです。夜間授乳は卒乳(2歳半位)まで続きます。たくさん眠ってくれるのが良いことだと思い込みをしないでください。何時間も眠ったままというのは、ミルクは母乳よりも消化に時間がかかっているからです。苦しがってうなり泣きをするようなミルクの足し方はしないようにしましょう。ミルク缶の表示にある量をうのみにせずに、赤ちゃんの様子をみてください。赤ちゃんの胃にやさしい一回量はせいぜい60mlくらいという説もあります。「母乳不足感」でミルクを補うお母さんが多い。ミルクを補えば、さらに母乳の出が悪くなり、おっぱいの質も悪くなり、赤ちゃんがのまなくなります。また、おっぱいにしこりができるなどの乳房トラブルが発生しやすくなります。本当に母乳が出ないお母さんは3万人に一人しかいないそうです。「母乳不足感」が元で、ミルク栄養になってしまう赤ちゃんがとても多いのが残念です

l  授乳中のお母さんの体は、眠りが浅くても睡眠が足りる
これはホルモンの働きによるものです。消化に時間のかかる油っこい食事を避けて、夕食を軽めにして、あっさりしたものを食べて下さい。そうすると、起きるのが楽になります。

l  赤ちゃんがほしがっているのは、お母さん自身です
0歳の赤ちゃんは触覚と臭覚でできたまったく別の生き物」、赤ちゃんの要求は感覚的なもの、お母さんの匂い、心臓の鼓動、肌触り、口に流れてくるおっぱいで満たされていく感覚等、赤ちゃんがほしがっているのは、乳汁の量だけではなく、お母さんに抱いてもらい、おっぱいがいつでも飲める状態にあることです。一日中抱いていてもかまいません。たくさん赤ちゃんと接してください。

 

 

<おっぱい食は健康食です>

 

母乳で育てていると、たくさん食べてもどんどんおっぱいに出て行ってしまい、授乳中はとにかくお腹が空くので、パンや麺類よりも、腹持ちのいいご飯を食べないと持たないでしょう。おっぱいは血液そのものです。貧血は妊娠中よりも出産後にすすみます。いい血液をつくる食事(根菜類や豆)も取り入れて、しっかりよく噛んでたべるのが、おいしいおっぱいには大事です。食だけでなく、身体を冷やしたり、疲れをため過ぎないことも大事です。適度に身体を動かし、規則正しい生活リズムを心がけ、ゆったりした気持ちで過ごしましょう。

 

l  授乳は大変な重労働です

昔は乳母という、それ専門の職業があったくらいです。お母さん自身の体と心もいたわることが必要です。赤ちゃんの心配ばかりで、母体のケアがすっかりお留守になっている人が多いです。24時間休みなしではどんな人でも疲れてしまいます。しかも、ママ業は長丁場です。
家族に赤ちゃんを見てもらって、熟睡したり、美容院にいったり、育児仲間を持ち、励ましあったり、行政支援の地域型育児サークルに参加するなど、「休息と仲間づくり」で元気を取り戻し、母親業を続けましょう。しかし、休憩も許されないでストレスでいっぱいになりながら頑張っているお母さんが多くいます。周囲の人や家族に協力を求めて、母乳育児を楽しんでください。本来は、母乳育児の期間は赤ちゃんとお母さんがのんびり過ごすことができる人生の楽しい時期なのですから。

l  食事は和食中心

ご飯をしっかりいただく方が「おかず食べ」より摂取カロリーが低く、塩分や油脂分が少なくて健康的です。まずは、おいしいご飯を炊いて、たっぷりいただきましょう。食事の量の半分は主食からとるのが、バランスのいい食の基本です。
①「一汁二菜」「一汁三菜」
ご飯とみそ汁に、メインのおかずが一つ、おひたしや煮物などの副菜が12品それだけで栄養のバランスがとれます。副菜の一つが漬けものでもいいから、気軽に和のご飯を食べて下さい。

②混ぜて楽しむご飯「五穀豊穣」

五穀とは人が常食する穀物で、米、豆、麦、アワ、キビ(ヒエ)のこと。ミネラルや食物繊維の豊富な雑穀は、近年、健康食材やアレルギー食として見直されています。ご飯に合うものは丸麦・はと麦・アワ・ヒエ・炒り大豆・小豆・緑豆・クコがあります

③鉄分を多く含む食べ物と食べ方

ほうれん草などの青菜、ひじきや煮干し、カキ、あさりなどの海産物がよくあげられます。植物性の鉄分は吸収があまり良くないので、良質のタンパク質やビタミンCと一緒にとるといいです。ニラや生姜、にんにく等の薬味・香味野菜は血行を良くします。

④乾物は忙しい人の味方

軽いので買い物が楽、いいだしも出る、ビタミンやミネラルなどの栄養価が生のものよりも高いです。

⑤野菜はどうして大切?

野菜にはまだまだ知られていない有効成分がいっぱい(1割程度しか知られていない)。かつて、食物繊維は不要のものと言われていました。近年、ポリフェノール、フラボノイド、カロテノイドなどの機能性成分が免疫力を高め、ガン予防や炎症を抑える働きもある。野菜を食べると体がすーっと楽になる感じってありませんか?お通じも良くなりますよ。お母さんが野菜を多く食べると赤ちゃんの便秘が治り、お肌もきれいになりますよ。

⑥食物アレルギーは「過剰」と「不足」が一体となったもの

過剰なのは、タンパク質、とくに動物性タンパク質です。タンパク質というのは、どんな食品にも入っていて、とても重要な栄養素。穀類にもキノコ類にも含まれています。だからお肉や卵などを食べなくても、量としては十分撮ることができます。今の私たちの食生活は動物性タンパク質に偏りがちなので、気をつけましょう。

反対に不足しているのは、野菜や穀物です。

⑦たくさん食べたものがアレルゲンとなりやすい

アレルギーを完全に予防することは難しい。ただ、アレルギー予防を一言でいうとすれば「いろいろなものを少しずつ食べる」。いくら身体にいいものでも、「ばっかり食べ」は危険です。とくにアレルゲンとなり易い食品(卵や乳、ナッツなどの種実類、豆類など)は取り過ぎに気をつけること。免疫力を低下させる砂糖と脂肪、食品添加物も多食しない方がいいでしょう。

三大アレルゲンといえば、「卵・牛乳・大豆」ですが、最近増えているのが小麦。アメリカでは大豆でなくピーナッツ。たくさん身体に入ってくるものがアレルゲンになりやすいのです。生活が洋風化してパン食が増えたことが、小麦アレルギーの増加の原因のひとつです。小麦は、パンや麺、お菓子、練り製品などたくさんの食品に使われています。ですから和食はアレルギー予防におすすめですよ。

⑧ねばねば食品は身体にいい

ねばねば、とろとろはどうして身体にいいのでしょう?モロヘイヤやなめこ、里芋のねばりは、ムチンという多糖とたんぱくが結合したもの。山芋のねばりはタンパク質とマンナンが結合したもの。いずれも粘着性があり、胃壁を保護し、消化不良を防ぎます。海藻類のぬめりはフコイダン、水溶性の食物繊維で抗癌、坑酸化作用があります。

⑨できるだけ黒っぽいものを食べましょう

黒っぽいものってなにかというと、精製などの工程を経ていない、できるだけ自然なものということです。たとえば、砂糖なら黒砂糖や三温糖、米なら玄米、小麦だったら全粒粉。反対に、白砂糖や精白米、真っ白な小麦粉など白いものは、原材料からいろいろな成分を取り除いた、きれいにお化粧した食べ物です。自然のままでその食べ物のエネルギーを全部丸ごといただくのが、黒っぽいたべものですね。精製していない物には、鉄、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが豊富です。ほかにも、黒ゴマや黒きくらげ、ひじきやこんぶなども、鉄分が多いので積極的に取りましょう。

更に「色の濃いもの」と考えて、ほうれん草やモロヘイヤ、にんじん、トマトなどの色の濃い緑黄色野菜もビタミンやミネラルが豊富。それだけでなく、強い抗酸化力をもっている。 
⑩「食べるということは命をいただくこと」

単純に、いいか悪いか分けられるものでもないし、その人の生き方や環境にも左右されます。「無添加で安全なもの」という態度はもしかして謙虚さに欠けるのではないか、安心な野菜なら皮ごと使うとか丸ごと食べるなど、素材に手をかけすぎず、感謝の気持ちをもって、楽しくいただく。そんな食べ方が何よりの栄養だと思います。

 

 

 

 

引用図書:「おっぱいとごはん」竹中恭子 春秋社

「自然なお産献立ブック」岡本雅子 自然食通信社

③赤ちゃんの病気対応

赤ちゃんの病気対応 003.jpg 

乳幼児期から、病気に強い子育て法に向けて

まどろみ助産院

<はじめに>

私たちの周囲には目に見えない細菌やウイルスなどの微生物が無数に存在しています。外敵だらけの世界に住んでいます。いつも呼吸と一緒に吸い込んだり、食べ物に付着して取り入れています。そのため、私たちの体の免疫システムが、常にパトロールし、外敵の侵入を防ぎ、進入した外敵を排除しています。ウイルスのようにつねに姿形を変えて、攻撃してくるものに対しては、獲得免疫(抗原抗体反応)があります。花粉、動物の毛なども免疫システムにあります。

赤ちゃんは、誕生後にさまざまな場面を経験する中で免疫力を身につけていきます。

<免疫システムとは>

l  赤ちゃんを病気から守って、健康な体を維持するには、免疫系が正常に働く必要があります。免疫系の主役は白血球です(顆粒球約60%・リンパ球約35%・マクロファージ約5%が良いバランス)細菌が侵入すると顆粒球が増え、食べて処理します。ウイルスなどが侵入するとリンパ球が増え、抗体を作って対処します。花粉や動物の毛、ダニが吸気から大量に入ってくると咳やくしゃみ、鼻水などで排泄できますが、リンパ球過剰体質の人はアトピー性皮膚炎や気管支喘息を起こすことになります。最近の子供は外で遊ぶことが少なく、転んで傷を作り化膿することが少ないため、顆粒球の活躍が少なく、リンパ球過剰体質の子供が増加しているといわれています。

l  免疫系は、内分泌系(ホルモン系)や神経系(痛み、熱などの外部からの刺激)とも密接に連携をとって、体内のバランスを保っています。どのシステムに障害が生じても、全体としてのバランスが崩れて健康を損ないます。(自律神経が関与))

l  人体の最大の免疫器官は腸管です。(腸管には全体の約60%にあたるリンパ球が集結)腸内の細菌叢(腸内フローラー)が一定のバランス(善玉菌と悪玉菌)を維持することで、有害な細菌や病原菌の進入を防ぎます。

l  生まれて間もない乳児は善玉菌のビフィズス菌が95%以上を占めています。成人期には1520%、老年期になると数%まで減少します。(善玉菌が多いほど腸年齢は若い)

l  プロバイオティクスともいう善玉菌(乳酸菌や乳酸桿菌、腸球菌など約40種類)は代謝の過程でビタミンB群、食物の消化を助ける酵素、短鎖脂肪酸など体に有用な物質を生成します。また、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などを改善します。

l  悪玉菌(ウエルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌の毒性株、バクテロイデスの毒性株など約30種類)は硫化水素などの腐敗物質をつくります。肉等のたんぱく質の分解が不十分になると腸内の腐敗が進み、アンモニアや硫化水素、インドールなどの有害物質を生産し、血液が汚れ、有害物質が血流にのって体中に運ばれ、肝臓、心臓、腎臓などに負担を与え、老化を促進させ、ガンをはじめとするさまざまな疾病の原因になります。アレルギー疾患やウイルス性の疾病は腸内の悪玉菌が増え、免疫力が低下したことが原因です。

l  乳酸菌は善玉菌の一種で、乳糖やブドウ糖を分解して大量の乳酸や酢酸を作り、その力で、悪玉菌の増殖を強力に抑制、更に、リンパ球であるマクロファージ、好中球、ヘルパーT細胞、NK細胞などの免疫細胞を活性化し、体の中の腐敗菌や病原菌などの悪玉菌の増殖を抑制する有効な物質です。

<乳酸菌は多種多様>

l  乳酸菌という名前からヨーグルトやチーズなどの乳製品を想像しがちですが、むしろ植物性の発酵食品に多く存在しています。

l  植物性の乳酸菌は過酷な環境でも生存できる強い菌で、腸の奥まで生きたまま届きます。酵母などさまざまな微生物と共存できます。

l  動物性乳酸菌は乳糖のみを分解します(牛乳で作るヨーグルト)
植物性乳酸菌はブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽等などさまざまな糖を分解します。

<悪玉菌増加の原因>

l  穀物の摂取不足

l  発酵食品(みそ。納豆、漬物など)の摂取不足

l  動物性食品の多食(高脂肪高タンパク質食)食生活の欧米化(悪玉菌のエサはたんぱく質や脂肪)

l  砂糖の多食

l  殺虫剤や農薬を大量に使用した野菜…農薬は土壌のバクテリア(細菌)のバランスを破壊する

l  食品添加物の摂取

l  喫煙・アルコール・炭酸飲料の摂取習慣

l  塩素処理された水道水

l  ストレス増大…現代人には悪玉菌が増える環境のほうが整っている

<うつる病気とどうつきあう?>

人が生きていくのに必要な免疫は、病原体に感染することで獲得されます。

ウイルスや細菌に感染しても、発病しないことはよくあります。3歳以前の乳幼児がおたふ

くかぜにかかると、三分の一くらいの子供は発病しないといわれています。日本脳炎にし

ろ結核にしろ、感染しても発病しない人がほとんどなのです。100人の子供の喉を調べると、

5人から20人位の人の喉に溶連菌がいるといわれていますが、この人たちのほとんどは発

病しないまま、いつのまにか溶連菌もいなくなります。ほんの少数の人が扁桃炎になった

り、しょう紅熱になったりするのです。感染していて発病しない人でも、他人にうつして

いることはあります。「突発性発疹は大人が赤ちゃんにうつしているらしい」とわかったの

は最近ですが、大人と子供と別々に過ごすことはできません。こんなふうに考えると、世

の中みんなで病気のうつしあいをしているのであって、「うつさないように」「うつらない

ように」といろいろ対策を立ててみても、たいして効果がありません。重大な感染症に対

しては、拡がらないための対策は必要ですが、たいしたことのない感染症は神経質になら

ず「拡がったら拡がったでいいや」という気持ちでいたほうが平和です。

ワクチンの効果

ワクチンで制御することができたのは→天然痘とポリオです。

はしかも流行は抑えられていますが、新たな問題も浮上しています。

近年、インフルエンザワクチン等、幾種類ものワクチンの予防システムが推し進められていますが、その効果をきちんと検証できているか、はなはだ疑問です。

感染症の特徴 

◎何回もかかり、症状が重くなる→マイコプラズマ、ノロ・ロタウイルス

◎仕事を休まなければいけない→インフルエンザ

脳炎や髄膜炎などは、病原体がどうやって入り込むのか、メカニズムはまだよくわかっていませんが、そのような症例はめずらしいケースです。

◎かかって免疫をつけておきたい→おたふくかぜ、はしか、水ぼうそう

◎他の保護者の目が気になる→水いぼ、とびひ、りんご病など

水いぼやとびひはプールの使用を禁止されますが、塩素消毒されているプールの水を介してうつる可能性は低く、感染経路としては接触感染が多いと思われます。

◎大人から子供へ循環する感染症→突発性発疹

突発性発疹の主な原因ウイルスはサイトメガロウイルスで、大人の唾液からうつります。合併症としては熱性けいれんがよく知られています。最近、脳症も注目されていますが、ほとんどは大きな合併症もなく治まります。

◎体の中に潜伏するウイルス→水痘

水痘は子供同士で感染し、ずっと体の中に潜伏しています。免疫が低下すると帯状疱疹という形で回帰発症します。

◎ 日本で今も、感染者数の最も多い感染症は→結核(10万人中20人・2007年)

◎ 発症率が低いのは→日本脳炎(数万人に一人)

◎ 発症率が高いのは→天然痘ですがワクチンによって撲滅できました

→はしかも比較的発症率が高いがここ数十年子供の死者数はいません。

はしかの免疫は一生持続するといわれていますが、ワクチン世代の母親の子供が母親から強い免疫をもらえず、昨年(2008年)は0~1歳の子供が120人も感染しました。しかし死者は誰もでていません。

<抗生物質の使い方>

はじめに、「細菌性のかぜ」と「ウイルス性のかぜ」のちがいを知っておきましょう。

◎ かぜにかぎった話ではないのですが、細菌というものは一般に体のどこかにとりつい

その部分の症状だけをおこします。たとえば中耳炎の場合、細菌は耳の中の中耳と

いう部分に取り付いて、そこで増殖します。症状としては耳の痛みが主で、耳の局部

的症状といえます。膀胱炎の場合は細菌が膀胱にとりついていてそこで増えるので、

頻尿・残尿感、排尿時の痛みなど、膀胱の局部の症状が出ます。

細菌性扁桃炎は全身症状がないため、こどもが「高熱なのに元気」という状態が多い。

幼い子供の場合は、痛みの感じ方が大人よりにぶいので、「痛い」と訴えずに、食べて

いる途中で止めてしまったりします。お母さんが注意して看てあげましょう。

◎ 一方、ウイルスの場合はのどや胃腸にとりつくほか、血液の中に簡単に入り込んで全身にまわりますから、全身的な症状が起こることが多いです。頭痛、節々の痛み、だるい、食欲不振といった症状です。

ウイルスによる、のどかぜ(ふつうのかぜです)の場合、頭痛、節々の痛み、だるさ、食欲低下といろいろ症状があって、ぐったりしていることがあります。しかしウイルス性のかぜなら、「ぐったり=重症」というわけではないことも知っておいてください。

<抗生物質を使うか、様子見るか>

細菌性の扁桃炎であれば抗生物質を使います。しかし見た目で細菌性の扁桃炎に見えても、100%ではなくウイルス性のかぜもあるので、迅速検査をして細菌性であれば完璧です。ウイルス性の、のどかぜの場合は抗生物質を使わずに様子をみる方が免疫力である白血球が活動し易く(腸内フローラ)早く治ります。「かぜには薬は一切薬を使わない」という方法もあります。人間側に、免疫力や抵抗力の強い身体を持てば、感染しても発病しないで済みます。もし発病しても軽く済みます。「細菌やウイルスなどの病原体が病気の元」という考えに立たず、人々の生活水準を高めるように生活しましょう。

 

 

引用資料:安保徹(免疫学・医動物分野) 山田豊文(分子栄養学)

引用雑誌:「ちいさい・おおきい よわい・つよい」ジャパンマシ二スト社NO71

④あせらず、のんびり離乳食

あせらず、のんびりの離乳食 003.jpg

まどろみ助産院

 

<離乳食はいつ頃から始めれば良いか>

l  ミルクっ子の場合には、異種タンパクである牛の乳を過剰にとりすぎることになるので、早めにほかのたんぱく質を補う必要があります。

l  一般の育児指導に書かれている離乳食マニュアルはミルク栄養児を中心につくられています。

l  大人並の消化液が出るようになるのは3歳くらい、昔の人は3歳くらいまでは母乳を中心にしていました。

l  早期離乳はむしろマイナス。アレルギーや消化不良、授乳回数が減るので、乳質が悪くなり、しこりなど、乳房トラブルも多くなります。

<早すぎる離乳食は>

「4~6か月の赤ちゃんに離乳食を与えると、必然的に食物の丸呑みと口呼吸のきっかけをつくる」この月齢はまだ母乳てつ行動が基本で、この時期に離乳食を与えると丸のみをしてしまい、あわせて空気も一緒に口から吸い込むようになり、その結果、下痢や便秘、緑便(消化不良の便)をするようになり、お腹の調子が悪いことで、夜泣きをしたり、機嫌が悪くなることがあります。また、気持ちの上でもまだお母さんとたくさん触れ合いたい時期なのに、「おっぱいとだっこ」の機会が減ることで夜泣きも多くなります。

具体的な離乳食開始時期の目安

1.      食への欲求がある
大人が食べる様子をじっと見て、欲しそうにする。よだれをたらす、など、食べたい意欲が感じられる。

2.      おすわりして、手に口をもっていける
背骨でしっかりと頭や腰を支えてすわることができる。手で食べ物をつかんだり、食べ物を口にもっていくなどの動作ができる。

3.      口の中が発達している
第一臼歯が生え、口の中が発達して、「あーんとくわえる」「かむ」「引きちぎる」
「くわえる」「飲みこむ」などの一連の動きができる消化力がある

4.      未消化のうんちではなく、ちゃんとしたうんちが出る。つまり内臓が、飲み込んだ食物を消化できるまでに発達している。

5.      運動機能が発達しはじめている
大人に小走りでついてゆけるなど、自分の足で歩いてえさがとりに行ける程度にまで成長してきている。

母乳っ子の場合

1.      腸管が整う12か月くらいまでは、なるべく母乳のみの食生活を心がけます。

2.      離乳食と並行して母乳を続けます。(24か月になっても年中おっぱいをほしがり、ほとんど食べない子も多いようです。3歳をすぎて授乳していたとしても、問題ありません。)

3.      母乳には水分が多く含まれているので、白湯やお茶、果汁などの水分も飲ませる必要はありません。

ミルクっ子の場合

1.      目安として生後6カ月過ぎ(上記の離乳食開始時期参考)

2.      消化の良いものからはじめる。(葛湯・コーンスターチから始めるのが良い)
いまのミルクは昔のミルクとは違い、母乳と同じくらいビタミンも含まれているので、果汁や乳児用イオン飲料を与える必要はありません。もちろん水分も多く含まれているので、白湯、お茶、なども必要ありません。

3.      母乳っ子より多くの食材の摂取するよう心がけます。ただし、動物性たんぱくの摂取は慎重に、未消化の"になっていないかどうか、よく観察しながら進めます。

 

<卒乳の時期は>

それぞれの母子で異なります。あなたとお子様が決めることです。

平均的にはおよそ2歳半(実際には120%程度、1歳半50%、2歳で80%、しかし3歳、4歳、5歳という子もいます)

 

アレルギーが心配

l  冷たいものはあげない。腸管が冷えて、腸の吸収が悪くなります。

l  動物性のたんぱく質の摂取をあせらない。特に注意は「脂」です。

l  毎日同じものを続けてとらない。とくに乳製品や卵、大豆油に気をつける。

l  火を通さないものはできるだけとらないこと(生卵、サラダ、冷たい牛乳、アイスや生クリーム、お刺身など)

l  古くなったものをできるだけとらないこと
アレルギーにとっては、酸化した油が一番よくないといわれています。要注意は市販の揚げ物のお惣菜、揚げ菓子などです。

l  化学物質に注意すること
残留農薬の多い輸入果物、添加物たっぷりの市販の加工品、健康ドリンクなど、安易にあげて口がはれたり、蕁麻疹が出る赤ちゃんがたくさんいます。

 

<離乳食料理法の基本>

l  ()と砂糖は控えめに

l  お肉よりもお魚を選択するクセをつける

l  ゆでたり煮たりして野菜を多くする

l  パンよりご飯を

l  おやつはお菓子や甘いものではなく、軽食に近いメニューを
(
ケーキよりものり巻、スナックポテトよりもゆでたじゃがいもやアスパラ、ピザよりもお好み焼き。もっともいいのはおにぎり。)

l  ジュースよりもスープや野菜ジュース、お茶、水を選びます。

 

 

 

参考図書:おっぱいとごはん「横浜母乳110番」 相談員 竹中恭子 春秋社

⑤赤ちゃんの発熱

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART8 発熱

体温を計ることということ

子供の高熱はこわくない」というのがぼくが一貫していいつづけてきたことで、そう発現するのが自分のライフワークなのかもしれぬなどとまで考えている今日このごろです。なにしろ「こどもの高熱はこわい。頭をやられるかもしれない」と恐れている人は、世の中にいくらでもいるのですから。

しかし、熱がこわいものではないということは、小児科医が昔からいいつづけてきたことなのです。

この本は、あの有名な羽仁もと子さんの編著で、実際には「医学博士・果糖照麿さん」が書いたものです。この本の「小児と体温」という症ではまず、「幼児の体温は35.8度から37.3度くらいまでで、一般に大人より高めである」と書かれ、そのあと、次のような文章がでてきます。「子供の体温は以上のようで、平成でも大人より高いのであるが、特別に発熱した場合においても、大人より高いのであるが、特別に発熱した場合においても、大人より熱に耐える力が強い。

か弱い子供のことであるから、高度の熱を出したなら、すぐによわってしましそうであるが、組織の新しい回復力の強いものであるから、なかなかそうでない。母親の中には子供の熱の高くなるのを恐れるあまりに、医者から解熱剤などをもらっておいて、少し熱が出ると用いるようにする人もあるけれども、解熱剤は熱をいくらか下げるかわりに多くの障りを持つものであるからむしろ好ましくない。熱を少しでも下げたいという方にのみ熱心になって解熱剤をたびたび用いすぎるよりも、いっそ子供はわりあいに熱に耐えやすいものだと考えている方がよいと思う」

どうですか。これはいまから80年以上も前に書かれたものなのですよ。非のうちどころがない、説得力ある文章ではありませんか。こどもは「組織の新しい」ものだから高熱ぐらいで弱ってしまうことはないと断言されていますが、組織の古いぼくなどは、「子供がうらやましい」とあらためて思ってしまいます。「解熱剤がむしろ害になるという記述も感心させられますね。

 

  「高熱」「微熱」の範囲

「高熱」はだいたい39℃以上ぐらいと考えるのが常識的だと思います。37.5までの熱は、とりわけ子供の場合、正常な範囲と考え、37.5度から38度を微熱と考えるのがよいとと思うのです。

  37度から37.5度の熱が続くとき

まず、年齢を考慮に入れなければいけません。赤ちゃんの場合は「平熱」といえるものがないといってよいでしょう。一歳未満の赤ちゃんなどは、周囲の気温が上がったり下がったりすると、それにつられて体温が上がったり下がったりします

たとえば、こんなことがあります。夏、炎天下をお母さんがおぶって自転車できて、待合室で体温を測ってもらうと、37.6度とか37.8度とかいう体温になっていることがあります。そこで、冷房のきいた待合室で15分ほど休んでもらい、もう一度測ってみると、36.8度に下がっていたなどということはよくあるのです。

ですから、一歳未満の赤ちゃん、体温調節のうまくできない障害をもっている子などでは、外界の気温の影響を受けないところで体温を測定してみる必要があります。

そういう特別なケースを除いていて、3737.5度の熱が続くときを考えてみましょう。たとえば、夏のヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)、冬のインフルエンザなど、五日以上も高熱が続くような病気にかかったとしますね。そうすると、病気がなおってからもしばらくの間、平熱がいつもより高いという状態が続くことがあるのです。この場合、心配はまったく不要です。

次に、慢性的な耳鼻科の病気(副鼻腔炎)が原因で、微熱になっていると思われることがしばしばあります。気になったら、一度耳鼻科へいってみるのもいいと思っています。

「薬剤熱」と呼ばれ、薬に対する一種のアレルギー反応として高熱がでるようなのです。咽頭炎(のどかぜ)にかかって、抗生物質をもうしばらく飲んでおいたほうがよいだろうということで飲み続けていたら、また、高熱がでてきて、原因がわかりません。抗生物質の服用を中止したところ、熱はスーッとさがってしまいました。ダラダラ薬を飲み続けている場合はキッパリと薬をやめてみること。

  何も薬を飲んでいない場合は、体温をはかるという行為自体をキッパリとやめてしまうこと。体温というのは微妙なものです。保護者が不安になって子供の体温をしょっちゅう測っていると、それだけで子供の体温が上がってしまうのではないでしょうか「不安ストレス」といって、不安感がストレスとなって体調を崩すということは、日常診療しながら、しょっちゅう目にします。

  電子体温計の問題

研究によれば、予測式の電子体温計は水銀より0.5度くらい高めに出る、あくまで予測であるから測定に誤差が出やすい、ということで、正確な体温を知りたければ、旧来の水銀体温計で10分間測ることだそうです。微熱、微熱などと騒いでいるのも、体温計がうみだす誤差を騒いでいるにすぎないという例もけっこうありそうですね。

  減らない「熱恐怖症」

子どもが高熱になると「このままどんどん上がって死んでしまうのではないか」「高熱で脳が侵される」「死ぬのではないか」と思っているお母さん、お父さんがたくさんいます。

そこで、まず、「高熱で死ぬことはないし、後遺症が残ることもない」といっておきます。ただし、高熱を起こす病気はありますから、中には生命にかかわったり後遺症を残したりする病気もないわけではありません。たとえば、脳炎、脳症といった病気の場合です。しかし、こういう病気は極めて稀です。子供が熱を出すたびにそんなにめったにみられない病気の可能性を心配するのは、ちょっと頭痛がするからといって脳腫瘍ではないかと考えてしまうようなものです。

ですから、まず高熱を恐れないこと、そして、こどもの場合は熱の高さと病気のあいだになんの関連性もないということを、しっかり肝に銘じてください。

実際、生後4カ月から1歳ぐらいの赤ちゃんが39度以上の熱を出している場合、可能性として考えるのは、突発性発疹、かぜ、中耳炎の三つです。そして、ほとんどの赤ちゃんがこの三つのうちのどれかにかかっているのです。

  熱の原因の見分け方

突発性発疹、かぜ、中耳炎の三つをどう見分けるかをお話ししましょう。「発熱以外にほとんどなんの症状もなかったら突発性発疹のはじまり、せき、鼻水、眼やになどの症状があったら風邪、やたらにぐずって機嫌が悪いときは中耳炎と、だいたいそんなふうに考えていいでしょう」突発性発疹は、ほんとうに発熱以外なにもない病気です。生後7か月の赤ちゃんを抱いたらなんだか体が熱い、そこで熱を測ったら39℃もあった。だけど。赤ちゃんはケロッとしてどこも悪そうに見えない。ニコニコ笑うし、遊びたそうにもしている」これはもう、突発性発疹の疑い濃厚といえます。3日間程高熱が続き、そして急にストンと熱がさがり、それから半日か1日ぐらい後に、体、顔に発疹が出てきます。発疹がでたあとはかなりぐずります。赤ちゃんにとってただの高熱はつらくないのでしょうが、発疹のほうは、かなりかゆいのだろうとおもわれます。

  突発性発疹のいろいろなかたち

「突発性発疹とは三日間高熱がでたあと下がって半日から一日して発疹が出る病気」は典型的なケースであって、ほかに色々な形があります。熱が一日で下がって発疹が出てくるケースもあるし、五日ぐらい続いてから下がって発疹がでてくるケースもあります。さらに、熱だけ出て発疹が出ない場合や、微熱程度のあと、発疹が出る場合もあるようです。いわゆる不顕性感染、感染しても発病しないというばあいもあります。ただ、発熱時にけいれんを起こしやすいということはあります。生まれてはじめて熱性けいれん(ひきつけ)が起きたのは、突発性発疹のときだったという子供もはおおいのです。

  “やたらにぐずる”中耳炎

赤ちゃんが中耳炎を起こすことはかなり多いといわれています。熱が高くて機嫌の悪い赤ちゃんは、中耳炎の所見が見られることが少なくありません。“耳に手をやる”というのも中耳炎のサインとして有名です。それから、熱が出ているときに首を振るということがあったら、この場合は中耳炎を疑ってみるべきでしょう。

  “いわゆるかぜ”のとき

かぜのなかには、鼻のかぜ、のどのかぜ、気管支のかぜ、おなかのかぜ、などといろいろありますが、どれも高熱を出す可能性はあります。かぜのとき、高熱が出たら、ふつう三日間は続くのがあたりまえと思っておいてください。ウイルスや細菌は39℃から40℃くらいの高熱に一番弱いといわれていますが、といって、ウイルスや細菌が直ぐに死んでしまうわけではありません。戦いは三日~五日は続くのです。だから、熱は三日~五日続くのがふつうだと思って下さい。一週間も続いたらほかの病気も考えねばなりませんが、その場合どんな病気が考えられるかについては、次にお話しします。

 

管理者からの一言

最近、我が初孫が6ヶ月になりました。最近、離乳食を始めたようです。

離乳食を食べ始めると、腸内細菌槽が急激に変化します。西原克成先生は赤ちゃんの腸は、母乳以外のものを口にすると10分後には大人の悪玉菌だらけになり。赤ちゃんの腸粘膜は、5歳までこの悪玉菌を血液中に吸収してしまい、そして中耳炎や喘息、アトピーや腸炎を起こしますから早期に離乳食を与えてはいけません。といわれています。

そこで、これから、このブログから、赤ちゃんの病気も発信してみようと思います。先ず、今回は発熱を書いてみました。まどろみ助産院から、子育て応援、娘の子育て応援をしていきたいと思います。今後もよろしくお願い致します。

⑥赤ちゃんの腹痛・嘔吐・下痢

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART1 腹痛

 

  ふだん起こる腹痛

実際、ふだん起こる腹痛は、たいていがおなかにガスがたまったためであり、さすったり、温めたりしていれば、ガスが散ってしまって痛みがなくなってしまうことがほとんどなのです。

  あわてないために

お母さんがこどもの突然の腹痛であわててしまうのは、いつかどこかで「こどもの腹痛は手遅れになると怖い。虫垂炎や腸重責はちょっとした時間の遅れが命取りになることがある」といった情報がすりこまれているからでないでしょうか。しかし、その情報は少し修正する必要があるのです。「手遅れになってはいけない」というのは、たとえば「発病してから24時間そのままにされておくと危険だ」という意味で、一分一秒を争うといった意味ではありません。

  急に「お腹が痛い」といいだしたとき

こどもが急に「おなかが痛い、おなかが痛い」と騒ぎだしてもオロオロする必要はありませんほんとうに重大な病気でおなかが痛いときは、騒いだり転げまわったりしないで、じっとしていることが多いものです。動くと痛みが強くなるし、大声を出しても痛みが強くなるから、なるべくじっとしているのです。

急に「お腹かが痛い」といいだした場合、病気として考えられるのは圧倒的にウイルス性胃腸炎です。これは「おなかのかぜ」といわれたり「かぜがおなかに入った」と表現されたりもします。この場合、吐きながら腹痛を訴えるという場合もあります。しかし、ウイルス性胃腸炎と簡単に考えてしまっていいのか、重大な病気を見逃すことはないか、という心配をされる方もあるでしょう。それは当然で、正しい考えでもあります。「十中八九、おなかのかぜだろうけど、虫垂炎のこともあるから注意しなくては」と考えながら診察するのです。虫垂炎はたいへん危険な病気なので十分注意しておく必要があります。そこで、虫垂炎とウイルス性胃腸炎はどこがちがうかを知っておくと役に立ちそうです。

  「ヤバイ腹痛」のとき

ウイルス性胃腸炎の場合は、おなかのうちどの部分がとくに痛いということはなく、おなか全体が痛いというのがふつうです。

虫垂炎の場合は、最初のうち、みぞおちあたりが強くなるけれど、時間がたつにつれて痛みは右下腹部のほうにだんだんと移っていくという特徴があります。

しかし、小さい子供の場合は、どこが痛いかと聞いてもはっきりと答えてくれません。おなかを押しながら「痛い?」と聞くと、どこでも痛いと返事したりして、あてにならないのがふつうです。なにも聞かないで、世間話などしながら(子ども向けの世間話というのもむつかしいけれど)さりげなくおなかを押していきます。平気でおしゃべりしたり、くすぐったがったりしていればまず大丈夫。痛そうに顔をしかめたらその場所に痛みがあるのはたしかですし、おなかをさわられることをひどくいやがるようなら危険信号です。

  虫垂炎、腸重責

もうひとつ、虫垂炎の場合は、腹痛が始まると何時間も痛みが続くのです。ウイルス性胃腸炎では、痛がっていたと思うと痛みが止まり、またしばらく痛くなるというふうで、痛みは間欠的です。痛みが始まってそのままずっと続き、2時間もたったら病院へ行くようにしましょう。

2時間、3時間と続きジワジワト痛みが強くなっていくような腹痛が「ヤバイ腹痛」と考えて下さい(腸重責は4ヶ月~10ヶ月の赤ちゃんに多く、突然苦しそうに泣き始め、しばらくしてケロッとしてなんでもなさそうにしていたあとまた泣き、こんなことをくり返しているうちどんどん苦しそうな感じが増し顔色も悪くなってきます。こういう“間欠的に苦しそうに泣く”という症状があったら、すぐ病院へ行ってください。足を曲げておなかのほうへひきよせる姿勢をとることが多いので腹痛が起こっていると思いますが、なにしろ赤ちゃんですから、痛いといってはくれません。

とまあ、このあたりが「素人でもできる子供の腹痛診断」です。

 

PART2 下痢と嘔吐・ウイルス性?

こどもの場合、下痢と嘔吐はつきものといっていいので、両方を一度にあつかうことにします。

さて最初に、下痢の原因探索を始めてみましょう。まず、急性の下痢と慢性の下痢とがあります。慢性の下痢というのは、一か月も二カ月も下痢が続くというようなものですが、こどもの場合、こういう下痢は少なく、ほとんどが一週間程度で終わる急性の下痢です。そして、急性の下痢のほとんどが、ウイルスあるいは細菌によるものなので、ここではまず、それらの下痢についてお話していくことにします。

  夏の下痢、冬の下痢

急性の下痢のほとんどがウイルスや細菌によるものといいましたが、ウイルス性の下痢、細菌性の下痢、それぞれのはやる時期はことなっています。具体的にいいますと、「真夏は細菌性の下痢がはやり、真冬はウイルス性の下痢がはやり、それ以外の時期はウイルス性、細菌性の両方がみられる」といってよいでしょう。とくに、とくに、七月から九月は細菌性の下痢が多く、十二月から二月はウイルス性の下痢が圧倒的に多いのです。そして、夏と冬ではどちらが下痢がおおいかといえば、冬のほうがずっと多いので、現状では「こどもの下痢は冬に多く、そのほとんどはウイルス性のもの」といってよいと思います。そこでまず、冬に起こるウイルス性の下痢の中で最も多い「ロタウイルスによる下痢症」について、少しくわしくお話します。

ロタウイルスによる下痢症は、冬に多く起こります。これにかかるのは乳幼児が多く、とくに生後六カ月から二歳のあいだのこどもに多いのです。年齢が大きくなると、ロタウイルスに感染しても発病しないで終わることはよくありますが、六か月から二歳ぐらいですと、感染したらほとんど発病します。女の子よりも男の子のほうがかかりやすいともいわれています。

 

ロタウイルス胃腸炎の場合

●病気の始まり

まず、病気の始まりは嘔吐からということが多く、嘔吐に引き続き下痢もおこってくるという経路がもっともふつうの経路といってよいでしょう。しかし、嘔吐と下痢が一度に始まることもあり、嘔吐がなく下痢だけということもあります。しかし、下痢だけというケースは、全体の十分の一程度にすぎません。

発病の最初から熱が出るのは半数で、熱が無い場合もかなり多いことを覚えておいてください。三割ぐらいのケースでは、せきも出ます。

ここでまとめてみると、「ロタウイルス胃腸炎は、嘔吐、下痢、発熱、せきなどの症状で始まるが、多くの場合は嘔吐から始まる」ということです。この嘔吐の始まりに特徴があるので、これもおぼえておいてください。それまで元気にしていたこどもが突然吐きはじめるのです。元気だった子供が突然吐きだすので、親は不安になり、オロオロしてしまいがちですが、このようにいきなり吐く場合は、ほとんどがウイルス性の胃腸炎なのであまり心配しなくていいのです。(ロタウイルスよりもノロウイルスによる胃腸炎のほうが多いのですが、ノロウイルスについてはあとでお話します)

一方、一時間も二時間もおなかを痛がっていて、そのあとで吐いた場合は、虫垂炎など重大な病気の可能性もあるので要注意、急いで病院へ行くべきです。

  嘔吐はいつまで続く?

さて、嘔吐がどのくらい続くかというと、どんどん吐く場合は半日から一日くらいで終わるのがふつうです。しかし、このとき、脱水でぐったりして、しかも、かなり強い腹痛を訴えることもあり、こんなときは、病院での点滴による治療が必要となります。どんどん吐かない場合、一日に数回といった嘔吐が三、四日も続くことがあります。食欲がなくてまったく食べず、お茶やスポーツドリンクさえも吐いてしまって受け付けないということがあり、そんなときは入院が必要なこともあります。

いずれにしても嘔吐は二、三日でとまります。嘔吐と前後して下痢がはじまりますが、下痢が続く期間は長く、短い場合でも五日間、長い場合は三週間も続くといわれています。しかし、たいていは一週間ぐらいでよくなるものです。「いちばんありふれたロタウイルス胃腸炎の場合、下痢は一週間ぐらい続くことが多い」ということを記憶にとどめておけば、安心して治る日を待てるだろうと思います。

  便の内容はどんなもの?

まず、ほとんどの場合、水のような便になります。粘液のようなものがまじることもよくあります。ロタウイルスで起こる下痢だと、色はかならず白くなると思っている人もいますが、そんなことはなく、三分の一ぐらいの子供が白色便を出すにすぎません。でも、「白色便性下痢症=ロタウイルスによる下痢」と考えている人はたくさんいるはずで、そういう人はたいてい「白色便はおそろしい」と思ってもいるはずなのです。昔の「白色便性下痢症」はそれはすごいもので、米のとぎ汁のような便がパシャパシャ出るのです。こういう便がでるので、数時間で脱水状態になることもあり、その激しさがコレラに似ているということから「仮性コレラ」とも呼ばれました。しかし、最近はどういうわけかロタウイルス胃腸炎が軽くなって、重症のものは、ほとんどみなくなってしまいました。ですから、いまは白い便になっても怖がる必要はなく、白色便でもこわがらないこと!

  胃腸炎を起こすその他のウイルス

ロタウイルス以外にも胃腸炎を起こすウイルスがあります。まず、アデノウイルスです。アデノウイルスは夏にのどのかぜや結膜炎を起こすことで有名なウイルスで、乳幼児で下痢を起こす事も結構ありますが、たいていの場合、軽く済みます。経過はロタウイルス胃腸炎によく似ています。

次はノーウオークウイルスです。ロタウイルスが乳幼児の胃腸炎の原因として知られるのに対し、このウイルスは学堂や成人で胃腸炎を起こします。症状はやはり嘔吐、下痢、腹痛、発熱などで、二、三日の経過でよくなります。これも軽い胃腸炎といってよいでしょう。

これら小型球形ウイルスと呼ばれているウイルスが、最近乳幼児や学堂での胃腸炎の原因として増えて来ていることを紹介しておきます。これはたいてい軽い下痢と嘔吐で終わります。

  冬に多いノロウイルス胃腸炎

ノロウイルスによる胃腸炎は、ロタウイルス胃腸炎と同様、冬に多くみられます。しかし、ふたつの胃腸炎の流行する時期は少しずれていて、11月~12月にはノロウイルス胃腸炎が流行し、1月頃は両方が流行、そして、2月~3月ごろは、ロタウイルス胃腸炎が流行します。ノロウイルス胃腸炎の特徴は二つあり、一つは「主な症状は吐き気、嘔吐で、下痢は軽い事が多い」ということで、もう一つは「こどもだけでなく成人にもよく見られる」ということです。では、先ず、症状のほうをお話しましょう。潜伏期は24時間から48時間、つまり、他人から感染してから12日で発病します。強い吐き気と嘔吐で始まることが多く、どんどん吐いて脱水になり、点滴による治療をしなければならないこともあります。下痢と嘔吐と同時に起こることもありますし、嘔吐がおさまってから下痢がはじまることもあります。嘔吐だけで下痢がおこらないこともあります。吐き気やおう吐は23日でおさまることがおおく、下痢も45日位のうちに治るのが普通です。とくに薬を飲む必要もなく、自然になおります。

  大人にもうつりやすい

ロタウイルス胃腸炎は乳幼児だけがかかるといってもいいほど生後六カ月から二歳くらいのまでのこどもに多く見られますが、ノロウイルス胃腸炎は子供も大人もかかります。一家総倒れといった感じになってしまうこともあります。

予防は手洗いをよくすることです。大人がこどもの吐物や糞便を始末しようとするときにふれて、手にウイルスがくっつき、そこから自分や他の人にうつしてしまうことが多いからです。

  アデノウイルス胃腸炎

アデノウイルスは、のどのかぜを起こすウイルスとして有名ですが、色々な種類があって、40型と41型という二種類のウイルスは、のどかぜは起こさず胃腸炎を起こします。この胃腸炎は、冬に限らず一年中みられます。二歳以下の乳幼児がかかるのが普通で、嘔吐はなく、“長期にわたる下痢”が特徴です。下痢は、10日~2週間ぐらい続くことも少なくないといわれています。

 

管理者からの一言

新米ママは、子育てだけでも不安だと思います。更に赤ちゃんが病気になれば、慌ててしまいます。不安や恐れを無くす方法は、知ることです。

昔のお母さんは直ぐに、病院には行けない状態だったので、家庭医学書で勉強していました。今のお母さんは直ぐに病院にいって、赤ちゃんに薬をのませます。アレルギーは食べ物だけが原因ではありません。薬にもあることを知って下さい。お母さんがしっかり勉強して、必要のない薬は、できるだけ赤ちゃんに飲ませないようにしたいものです。

⑦下痢と嘔吐・細菌性?

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART3 下痢と嘔吐・細菌性?

 

細菌によって起こる下痢についてお話する事にしましょう。

下痢の子供を診察につれてきたお母さん、お父さんが「なにか悪いものを食べて当たったんでしょうか」と不安そうな顔で尋ねることはよくあります。とくに夏ですと「下痢=食中毒」というふうにすぐ連想されてしまうようです。しかし、実際には食中毒は少なく、ほとんどがウイルス性の下痢だというのが実情です。けれども、ときどき新聞をにぎわせるような“大”食中毒事件が起こったるするので、「下痢=食中毒」のイメージがなかなかくずれないのでしょう。

日常的に食中毒がおこったというのは古い昔の話になりました。そしてコレラとか赤痢とかいう病名が恐ろしい病気をイメージさせたのも、やはり昔の話となりました。しかし、今でも、コレラ、赤痢と聞くと、震え上がってしまう人もいます。

そこで、少し昔語りをしてみましょう。もっぱら、父は戦時中に軍医として中国に行っていましたが、そこで兵士たちがコレラに罹って死ぬのを見たというのです「いきなり下痢が始まって嘔吐も起こる。下痢はものすごくて、数分おきに米のとぎ汁のような便をジャージャーと出す。みるみるうちにぐったりして、ひどい場合は死んでしまう」父の語るコレラはこのようなものでした。今、医学書を調べてみると、一日で10リットルもの下痢をすると書かれていますから、たしかにおそるべきもので、みるみるうちに脱水状態になってしまうというのもわかります。

赤痢については、自分の身体で体験しています。ともかくすごい熱がでて嵐のような下痢になり、トイレへ行ったかと思うとすぐにまた便意をもよおすという状態で、非常につらかったのを覚えています。出てくる便はトマトジュースみたいで、まるで血液だけがお尻から流れ出るというかんじでした。というわけで、コレラも赤痢も大変な病気でしたが、最近はすっかり軽くなりコレラについては「軽症者・無症状保菌者が多いため患者発見が困難であり、防疫も容易でない」と書かれていますし、赤痢については「細菌の赤痢の軽症化にともない、臨床症状からは他の細菌性の下痢との区別が困難となった」と書かれています。コレラも赤痢もいまでは普通の病気になったということです。だから、食中毒、コレラ、赤痢といった言葉に、過剰に反応しないでくださいね。

 

下痢を起こす細菌とは

しかし、赤痢やコレラが軽症化した一方で、O157のような、新型の強力な細菌による腸炎も起こっているので、細菌性の下痢も、あまりなめてかかってはいけないのでしょう。

下痢をしているこどもを診察して「これは細菌性である可能性が強いな」と考えるのはどんなときか、ということから話を始めます。

「下痢をしているほかに高熱が出ていて腹痛も強く、便の中には血液、粘液、うみ等がまじっている」ようなとき、こらは細菌性の下痢らしいというふうに考えます。つまり、ウイルス性の下痢にくらべて細菌性の下痢らしいというふうに考えます。細菌性の下痢は、一般に症状が激しいといっていいでしょう。

●カンピロバクタ―による腸炎の場合

さて、細菌性の下痢かもしれないと考えたら、医者は便の検査をして、原因になっている細菌の種類を決める事が多いのです。

原因になる細菌として多いのは、サリモネラ、ブドウ球菌、カンピロバクタ―、病原性大腸炎などです。

この中ではカンピロバクタ―という名前が、みなさんには一番なじみのないものではないかと思うのですが、実は子供で急に起こった下痢の原因になる細菌としては、これがいちばん多いともいわれているのです。

そんなに多いのになぜ有名でないかというと、カンピロバクタ―が腸炎を起こすということは、まだ最近わかったにすぎないからです。

カンピロバクタ―は、家畜に流産を起こさせる菌としては昔から知られていましたが、人間に腸炎を起こすということがわかったのは1997年ごろのことなのです。いったん事実がわかってみると、じつはカンピロバクタ―による腸炎はほぼ全世界に存在し、日本などでは非常によくみられるものであることもわかってきました。

症状は発熱、下痢、腹痛と、あたりまえのもので、カンピロバクタ―腸炎に特徴的といえるものはありません。最初、おなかが気持ち悪いという感じが起こり、ついで熱がでます。熱は高熱になることが多いのですが、一、二日ぐらいで下がるのが普通です。部の不快感はやがて腹痛に変わり、下痢が始まります。下痢は水様になることが多く、血がまじったり、粘液がまじったりすることもあります。

そこで「どうしてカンピロバクタ―に感染したのか」を知りたくなりますが、これもはっきりしないことが多いのです。カンピロバクタ―で汚染された食品を食べた結果起こるのがふつううで、食品としては鶏肉が最も多いといわれ、鶏肉には高率に存在していると報告されていますし、鶏卵が汚染されている可能性があるともいわれます。

といって「鶏肉を食べるのはやめよう。卵もやめよう」なんて過剰に神経質にならないでくださいね。鶏肉は火が通りにくいという欠点があるので、十分、火を通すことだけ気をつければいいんじゃないでしょうか。

●サルモネラ菌は1800種類

さて、細菌性の下痢の原因になるものとして、カンピロバクタ―に肩をならべるのがサルモネラという菌です。サルモネラという菌には、なんと1800もの種類があります。その中にはチフスとかパラチフスとかいう病気を引き起こすものもいて、ぼくが子供だったころは、こういう種類が花形でした。腸チフスやパラチフスがはやっているというので、ワクチンを接種されていましたが、このワクチンはまったく効果がなかったようです

ともあれ、チフスはめっきり少なくなり、ぼくはもうずっと長い間チフスの患者さんを診たことがありません。そして、いまはもっぱら、非チフス・サルモネラ菌といわれる種類のものによって起こるサルモネラ腸炎がみられるようになっています。

サルモネラ腸炎の症状も、発熱、下痢、腹痛がおもなものです。嘔吐がみられるのは二人に一人、血便は三人に一人ぐらいの割合で起こります。サルモネラ腸炎とカンピロバクタ―を見分けるよい方法はなく、便の細菌検査をして始めてわかるということになります。

サルモネラ腸炎も保育園などで流行したりすることは少なく、たいていはサルモネラ菌で汚染された食物を食べることで起こります

サルモネラの場合も、鶏肉、鶏卵が原因になることが多いといわれています。また、サルモネラのもう一つの感染源としてペットがあり、とりわけペット用ミドリガメは、サルモネラに汚染されていることがとても多いと言われています。

●病原性大腸炎、ブドウ球炎、エルシニアの場合

大腸菌はもともと腸の中にいて、なにも症状を起こさないのですが、こういう大腸菌のほかに外から侵入してくる大腸菌もあって、これは腸炎をおこします。腸炎を起こすような大腸菌を病原性大腸炎といいますが、これにはたくさんの種類があり、発熱、下痢、嘔吐、腹痛といった、他の細菌による腸炎と同じような症状を起こすものもあります。しかし、中にはみなさんの記憶に新しいO157のような激しい症状を起こす病原性大腸炎もいます。この種類の大腸菌は、ブェロ毒素といわれる強力な毒素を出すために、出血性尿毒症症候群といわれるおそるべき状態を引き起こすことがあるのです。O157のような菌による腸炎は、血便をともなう激しい下痢を起こすのが特徴です。

次にブドウ球菌による腸炎があります。この場合は最初、激しい嘔吐、吐き気ではじまり、ついで腹痛、下痢が起こってきます。

ブドウ球菌以外の細菌性腸炎は症状が何日か続くのが普通ですが、ブドウ球菌の場合は、数時間で症状がおさまってしまいます

もうひとつ、エルシアという細菌による腸炎は、子供でもよく見られます。血便が出ることは少なく、発熱、嘔吐、水溶性の下痢といった症状で、秋から冬にみられることが多く、ウイルス性の下痢症と診断されていることが多いようです。

 

抗生物質をつかうかどうか

ウイルスには不要、細菌には賛否両論

一般にウイルスによる病気には抗生物質は不要で、細菌による病気には抗生物質が必要ということになっています。しかし、細菌性の下痢の場合は、抗生物質を使うべきかどうかについては賛否両論あります。たとえば、カンピロバクタ―はなにもしなくても腸から排除されるので抗生物質はいらないという意見もあり、サルモネラについても、抗生物質を使うとかえって長引くという意見があります。細菌性の下痢の場合も水分を補充して安静にしていれば自然に治ることが多いのです。

 

管理者からの一言

我が子が急に、熱が出たり、下痢をしたり、おう吐があれば、直ぐに病院にかけこみます。そして病院の医師はお決まりの対症療法である解熱剤、下痢止め、吐き気止め、更に抗生物質を処方します。

もし、自分がそのような状態になった場合でも、市販薬の薬を飲みがちです。しかし、山田先生や安保先生、西式健康法の西先生も「症状即療法」といって、症状は病気の治る過程であり、むやみに症状は抑えてはいけない、と言われます。わたしは、ひまし油をリンパマッサージに使っていますが、ひまし油の効能を調べてみたら、ひまし油は何千年もの間、下痢などの治療薬で利用されていたということにびっくりしました。なぜかというと、ひまし油は病院では、腸の検査をするときに、腸の中を空っぽにする目的で、飲ませる場合があるからです。下痢を止めるどころか、下痢を起こす薬だからです。でも、よく考えれば、細菌やウイルスが腸の中で悪さをしているのですから、悪さをする細菌やウイルスを殺すことよりも先に、腸の中から、速やかに追い出すことが一番であることに気づきます。そうであれば、下痢を起こせば済むことです。逆の視点から治療する方が身体の侵襲が少なくて済みますね。

⑧ウイルスにも細菌にも関係のない嘔吐・下痢について

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART.4 赤ちゃんが吐いた

 

ウイルスにも細菌にも関係のない嘔吐・下痢について

赤ちゃんの嘔吐

新生児の時期にはいろいろな先天性の原因による嘔吐があり、それらを素人が見分けようとするのは無理でもあり無茶でもあるので、ここでは生まれて三週間目ぐらいからあとの嘔吐をとりあげます。

●幽門狭窄?

生後3週間目からみられる「吐く病気」で知っておいてほしいのは「幽門狭窄」ですが、この病気はけっして多い病気ではなく、ぼくの四十年にわたる小児科医の歴史のなかで出会ったのは、10人以下です。ですから、「赤ちゃんが吐いた!幽門狭窄では?」と大騒ぎすることのないように、冷静に判断してくださいね。

最初に「赤ちゃんはよく吐くものだ」ということを知っておいてください。イギリスの有名な小児科医・イリングワースハ、著書の中でつぎのようにいいます。「すべてのこどもがときには吐くものであるが、ほかのこどもにくらべてとくに吐きやすいこどももいる。ほとんどすべての正常乳児も食後いくらかミルクをもどしてしまう。口の中へわき出るようなものか、胃内のガスのげっぷとともに食物を噴き出すように吐いてしまうのである」〝吐きやすい“こどもはいます。ほんとうに“いやになるほど吐く子ども”もいるのです。こういう“ただ吐きやすいこども”なのか、なにか病気があって、そのために吐いているのかということを見分けるのが大切になります。

●赤ちゃんがよく吐くわけ

赤ちゃんが病気でもないのに吐くのはどんなときかということを話しておいて、それから幽門狭窄を解説しましょう。

赤ちゃんが病気でもないのに吐く第一の原因は、胃の中にガスがたまってしまうことです。

どうしてガスがたまるかというと空気を飲みこんでしまうからなのですが、それはたとえば、哺乳瓶の乳首の穴が小さ過ぎるということで起こります。乳首が小さくてミルクがでてこないので赤ちゃんは一生懸命吸いますが、それでも飲むのに時間がかかります。そうすると、どうしても空気を吸い込んでしまうのです。哺乳に30分以上もかかるときは、乳首の穴の大きなものととりかえてみてください。母乳の場合、お母さんのおっぱいがはっていて母乳がいきおいよく出る時、赤ちゃんはそれをがんばって飲もうとして空気を吸い込んでしまいます。こんなときにも吐くことがあります。

それ以外には、なぜ吐くのか、その原因が見つからないことが多いのですが、牛乳アレルギーによる場合がまれにあります。

牛乳アレルギーというと、湿疹ができるとか下痢になるとかそんな症状を思い浮かべるでしょうが、便秘や夜泣き、そして、よく吐くなどといったことが牛乳アレルギーのせいであることもあるのです。「牛乳を原料としたミルクを止めて大豆を原料にしたミルク(ボンラクト・アイクレオなどの製品があります)に替えてみたら?」とすすめたら、吐かなくなった赤ちゃんを何人もみたことがあります。

 

噴水のようにビューッ

幽門狭窄や重い病気を見分けるには

ではいよいよ幽門狭窄のお話です。幽門狭窄は正確にいうと「肥厚性幽門狭窄症」なのですが、まず、幽門というのは胃の出口の部分のことです(入口のほうは噴門と呼ばれます)。幽門の部分には筋肉があって、それが伸び縮みして食物を小腸のほうへ送り出すのですが、その筋肉がふくれあがって食物の通り道を狭くしている状態を(肥厚性)幽門狭窄(症)と呼びます。

どんな症状かといいますと、生後、3週間から6週間の間に吐きはじめます。お乳を飲んでいるあいだ、あるいは飲み終わってすぐに噴水のようにビューッと吐きます。最初の日は1度だけ吐いて、翌日には23度吐くということもあれば、1度吐いたらその後、お乳を飲むたびに吐くようになることもあります。いずれにしろ、23日のうちに赤ちゃんはお乳を飲むたびに吐くようになることが多いのです。吐いたあとは、おなかがすくようですぐ飲みたがります。

幽門狭窄となんでもない嘔吐を見分けるには、体重が増えているなら心配なく、体重がへっていくようだったら病院へ連れていってみましょう。

このほか、赤ちゃんが急に吐くとき、腸重積鼠径ヘルニアのかんとん(出っぱなしになった状態)、中耳炎などの場合もありますが、これらの場合、赤ちゃんはとっても不機嫌で苦しそうに泣いたりしますから、「ただごとでない」ことがわかるものです。ただごとでないと思ったら、すぐ病院へ行きましょう。

 

幼い子が吐いた。

●頭を打って心配なとき

次は幼児の嘔吐についてお話しします。

幼児が急に吐きはじめたとき、圧倒的に多いのはウイルス性の胃腸炎ですが、それ以外にも考えておかなければならないものがあります。

まず、絶対に忘れてはならないのは、24時間以内に頭を強く打っていないかということです。「頭をぶつけたあと、吐いたら重大」と思っている人は多いでしょうが、実際には「吐いた」という事実ではなく、「いつ吐いたか」ということが問題なのです。頭をぶつけた直後に吐くのはたいてい「ぶつけたショック」によるものですから心配いりません。ぶつけてからい1時間以内に吐いたというのもまず大丈夫です。23時間たってから吐き、その後続けて吐いたという場合、脳内に出血していて、その血のかたまりがかなり大きくなり、脳を圧迫して吐いたのだと考えるべきです。すぐ脳外科のある病院に行きましょう。

●虫垂炎や腸重積の場合

さて、冬に多いのですが、診療室に吐きつづけているこどもが次々とやってくる日があります。これはたいていウイルス性の胃腸炎の流行によって起こった事態ですから、ついどの子もウイルス性の胃腸炎と簡単に診断してしまいがちです。しかし、なかには急性虫垂炎や腸重積の子どもがまじっていることもあります。そこら辺を見分ける、参考になるかもしれないことを言っておけば、ウイルス性の胃腸炎の場合は、それまで元気だった子どもが晴天のへきれきのごとく突然に吐きだすことが多いのに対し、虫垂炎や腸重積の場合は、おなかが痛いなどといってぐずぐずしていたり、食欲が落ちていたりといった症状がしばらく続いた後で吐くことが多いのです。2時間以上にわたってかなりつらそうに腹痛を訴えていた子どもがはきはじめたら、いそいで病院へ行くべきだと思います。

 

子どもが食べたがらないとき

子どもの食欲が落ちると心配になるというお母さんお父さんはおおいでしょう。食欲のあるなしが、病気の重さと深い関係があると思っている人が多いのですね。また、かぜをひいたときなどに食べる量が減ると、栄養状態に影響して病気の回復が遅くなると思っている人も少なくないようです。でも、「食欲が落ちているからといっても、直ぐに心配しなくてよい」ということを、これから少々丁寧にお話してみます。

子どもが食べたがらない、あるいは、おっぱいやミルクを飲みたがらないというとき、それにはいろいろな理由がありますが、大きく二つに分けられます。

一つは「食べたり飲んだりしたいのだけれど、食べたり飲んだりすると痛いので飲食を避ける」という場合。もう1つは「食べたり飲んだりする気がしない」という場合です。どちらも「あまり飲んだり食べたりしない」という点では同じですが、対応のしかたはそれぞれ違いますから、どちらなのかを見きわめることは大事です。

●口の中やのどが痛いとき

まず最初の「飲んだり食べたりすると痛い」という場合は、口のなかあるいは、のどなどになんらかの変化が起こっていることが考えられます。

例えば、口内炎ができているようなときは、そこに食べ物が当たるとヒリヒリ痛むので、食べ始めたと思ったらすぐ止めて、あとは食べ物のほうに見向きもしないといったことが起こります。幼児ですと、食べた時に口やのどが痛かったという経験をすると、それを覚えて、次からは食べないようにするといったことも見受けられます。子どもなりに学習するものですね。こんな場合は、食べ物を見ただけでいやいやと首を横に振ったりします。

口やのどが痛いという場合、どんな病気が考えられるのでようか。まず口内炎がありますよね。口内炎にはいろいろな種類がありますが、その多くは原因が不明です。口の中にたくさん口内炎ができる場合は、ウイルスによる病気が多いのですが、12ヵ所できる場合、とくにそれが何度もくり返す場合は、再発性アフタ性口内炎と呼ばれ、原因が不明なことが普通です。

ではまず、口内炎がたくさんできる病気をあげて。みましょう。

まず、単純ヘルパスウイルスに初めて感染した時に起こる歯肉口内炎疱疹性歯肉口内炎とも呼ばれます)があります。単純ヘルペスウイルスにはⅠ型とⅡ型がありますが、乳幼児期にこのウイルスに初めて感染したこどものうち、少数の子どもがこの病気になります(大半のこどもは、感染しても発病せずに、そのまま免疫ができます)。この病気の場合、口内炎は口唇や歯肉、口の中の比較的前方(入口に近い部分)にたくさんできます。歯肉は赤くはれ上がり、歯磨きをしたりすると簡単に出血します。「歯肉から血が出るときは白血病のような血液の病気のことがある」という知識をもっている人はびっくり仰天しますが、これは単純ヘルペスウイルスが原因ですから心配することはありません。高熱が出て34日続くことが多く、口のまわりはグチャグチャ、ゴワゴワという感じになって、口を開けるのも大変になります。そうとう悲惨な状態ですが、一週間ほどで自然によくなります。

次に、手足口病があります。手足口病はその名の通り、手の平や足の裏、そして口の中にブツブツができます。軽い病気ですが、たくさんの口内炎ができると食べるのをいやがることもあります。水痘(水ぼうそう)でも口の中に水泡ができ、そのためにあまり食べなくなることがあります。

水痘や手足口病のときに口内炎ができる場所は、ほっぺたの裏側とか舌の先のほうですが、口の奥のほう、丁度のどちんこの上のあたりに口内炎がならんでできるのはヘルプアンギ―ナです。ヘルパンギ―ナは夏の代表的なかぜといってよいもので、高熱がでるのがふつうです。

ここにあげた、歯肉口内炎、手足口病、水痘、ヘルパンギ―ナ―は、すべてウイルスによる鷲口瘡という病気がみられることがあります

最初、ほっぺたの内側に、白あるいは乳白色の点のようなものがみられます。ミルクのかすがくっついたような感じです。この程度で自然に治ってしまうことが多いのですが、ときにはほっぺたの内側の広い範囲が真っ白な苔におおわれたようになり、舌も白い苔がべったりくっついた感じになることもあります。こうなると、おっぱいの飲みが悪くなることもあり、そんな場合はカンジダをやっつける薬を赤ちゃんに飲ませることもあります。

次に、口内炎が12個できる場合ですが、その原因としては、次のようなものが考えられると、小児科の教科書に書かれています。「外傷、精神的ストレス、食物や薬に対するアレルギー、鉄分の欠乏、ビタミンの欠乏」こんなふうに、いろいろあると考えられているのです。外傷というのは、うっかりほっぺたの裏側を噛んでしまったというようなことで、こういうことはときどきありますね。しかし、それ以外の原因については「これが原因で口内炎ができた」とはっきり言えるような場合は少なく、たいていは原因がわかりません。口内炎をしょっちゅうくり返している人についても、どこかに“欠陥”があって口内炎ができるのかどうかはわかっていないのです。

●胃腸炎や感染症にかかったとき

大人の場合、極端に食欲が落ちて「食べるのがめんどう」さらに「食べるのは苦行」というふうになってしまうのは、うつ状態のような精神状態になったときがほとんどで、そのほかには急性胃腸炎や急性肝炎で短期間にみられるくらいです。かぜでも一時的に食欲が落ちることはあります。

子どもの場合、うつ状態は少なく、食欲が落ちることはめったにありません。食欲が落ちるのはノロウイルスによる胃腸炎のときや、高熱のでる感染症にかかったときなどがほとんどです。食欲が落ちるのは、脳が「いまはなるべくからだにラクをさせるときだから、胃腸も休ませてほしい」と命令しているためで、食欲はおさえられているのだと考えましょう。こんなときは無理に食べさせないことで、小食にしておいたほうが病気の治りは早いはずです。

 

管理者からの一言

我が子が具合が悪くなれば、とても心配です。冷静に自己判断ができないでしょう。お医者さんに診てもらえばお母さんは安心するでしょう。しかし、大病院にいけば、採血、レントゲン、CTMRIとかの検査をし、点滴や注射を始めます。個人病院へ行けば、のどや腹を診て薬を出すだけです。お母さんは安心するでしょうが、お子様にとってはハタ迷惑です。病院へ行くよりも、お母さんがしっかりと知識を持ち、お子様に必要の無い検査や薬はできるだけ避けて欲しいと思います。

 

⑨自家中毒の誤診!?

MamaPapaの子供診断学 

山田真著小児科BOOKから

PART.4 赤ちゃんが吐いた番外編

 

自家中毒

突然吐きはじめる病気としてわりによく知られているものに「自家中毒」があります。自家中毒は俗称で、専門家の間では「アセトン血性嘔吐症」なんていう難解な病名で呼ばれることがありますが、欧米の教科書には「サイクリック・ボーミティンング」という病名で載っています。これを邦訳すると「周期性嘔吐症」となりますが、これがいちばんよい病名だと思います。しかし、ここでは自家中毒と呼ぶことにします。

この「自家中毒」は、昔なつかしい病気といえます。どうして昔なつかしいのかは『今日の治療指針』(医学書院)という本には「自家中毒」ではなく、「周期性嘔吐症」という病名ででていますが、その項の最初に、「1歳半から10歳位までの小児に数回の嘔吐、全身倦怠、顔面蒼白、時に腹痛、頭痛を伴う症候群で、神経質な子供に多く、便秘、易刺激性を呈することがある。肉体的ならびに精神的なストレス、感冒、過食(下痢はしない)などが誘因となる。重症例ではコーヒー残渣様の吐血があるが、近年症例も少なく軽症化している」

この文章をかいているのは金沢医科大学小児科の四家正一郎教授ですが、「近年症例も少なく軽症化している」というのは多くの小児科医の実感であろうと思います。どうして減ったのでしょうか。

感染症なら栄枯盛衰があります。40年程昔はポリオや日本脳炎がはやっていました。赤痢、はしか、百日咳などもよくみました。しかしいま、これらの病気はほとんどなくなってしまったり、軽くなってとるに足らぬ病気と化してしまったりしています。

しかし一方で、40年ほど前には手足口病という新しい病気が登場し、最近ではエイズとかO157感染症とかが現れてきました。

そんなふうに感染症の世界では移り変わりがあるのですが、自家中毒のような病気が減ってくるのは不思議です。また、自家中毒には「かかりやすいこどものタイプ」というものがあって、そういうタイプのこどもは昔にくらべていまずっと増えているにもかかわらず、病気が減っているのですから、ますます不思議といわざるをえません。

 

●繰り返すことが特徴

自家中毒の特徴(中尾弘さんから参考)

1.      25歳の特定の小児に不規則な間隔で反復性に起こる

2.      頑固な嘔吐、ひどいときはコーヒー残渣様吐物

3.      ぐったり、元気なく、顔色が蒼い。しばしば腹痛を訴える。嗜眠状。

4.      急性循環不全(脈は弱く頻脈)

5.      呼気にアセトン臭(リンゴの腐ったようなにおい)

6.      発熱や下痢は一般に認められない。

嘔吐が著しい時は脱水症をきたす。

ここで、四家さんは「1歳半から10歳ぐらいのこども」といっていますが、中尾さんは「25歳」というふうに絞り込んでいます。ぼくの体験からいうと「28歳」くらいが多いかなと思っています。

誤診が増えている!?

わが子を「自家中毒」と診断されたお母さんはショックを受けることが多いようです。診断をしたお医者さんが「またこういうことを繰り返す可能性が大きいから、疲れさせないように気をつけてください」などと念を押すこともあって、そんなふうにいわれたらいよいよ不安になります。しかし、このお医者さんの言葉も不合理です。

そもそも、こどもを疲れさせないようにするなどということが、どうやったらできるのでしょう。こどもというものは「こんなことをすると疲れるからほどほどにしておこう」などと考えたりはしません。先のことなど考えず、楽しいときはめいっぱい楽しみ、からだを動かしたいときはめいっぱい動かしてしまうものです。疲れさせないように大人がしょっちゅう気をつけていることなど、不可能といっていいでしょう。

どうも医者という人達は、患者さんに対して無理な注文をすることが多いようです。医者自身が実行不可能なことを患者さんに求めたりするのです。

小児科医の場合は親に対して無理な注文をします。「風邪をひかせないように」と指示をする小児科医は多いようですが、子供を無菌室にでも閉じ込ないかぎり、かぜをひかせないなんて無理です。かぜをひいているこどもを長時間、外に出さないようにと指示している小児科医もいるようです。それもちょっと鼻水が出ているとか、咳をが出ているとかいう程度で外出禁止にしていたりして、これは実行不可能ではないかもしれないけれど、もし実行されたら子供は気の毒としかいいようがありません。なんだか話がそれたうえに、怒りだしてしまったり、話を正しい軌道にのせます

なにがいいたいかというと、最近は「自家中毒」と誤診されている例が少なくないようだということです。本物の自家中毒は少なくなり、若いお医者さんのなかには一度も見たことのない人が増えているのでしょう。そういうお医者さんが「突然吐きはじめてどんどん吐き、ぐったりしてしまうのは自家中毒」と教科書的に記憶し、自家中毒の診断をつけてしまうこともあろうと思います。

ついでに「尿を調べるとケトン体が陽性である」ということも覚えていて尿検査を実行し、ケトン体がでていることを確かめた場合は、自信をもって自家中毒と診断するでしょう。しかし、このケトン体というものは、自家中毒でなくても尿の中に出てくるので、これが出たからといって自家中毒と診断すると誤診の上塗りになってしまいます。

ここでケトン体について、あっさり説明しておきます。食事中の脂肪は身体の中で脂肪酸とグリセリンに分解され、その脂肪酸がいざというときのために備蓄されています。脱水状態になったときなど、この脂肪酸が分解され、エネルギーとして利用されるわけです。分解途中の産物を総称してケトン体とかアセトン体というのですが、脱水状態のとき、このケトン体が血液の中に増えて尿にもあふれ出てくるというわけです。血中のケトン体が増えると、吐く息が甘ったるい臭いがします。これをケトン臭とかアセトン臭とかいいます。あまりよくわからない話かもしれませんが、わからなくても日常生活をしていくうえでは支障がありません

ケトン体は、自家中毒でなくほかの原因で吐きつづけているときでも尿の中へ出てくるわけですから、尿の中のケトン体が陽性でも、自家中毒と診断する決め手にはならないのです。

そういうわけで、最近、自家中毒と診断されている例の中には誤診と思われるものが多いということを、あらためて指摘しておきます。

 

管理者からの一言

子供が下痢や嘔吐で病院に連れて行ったら、自家中毒と言われました、と、私もよく耳にします。でも、その子供は数日で元気になっています。きっと、これも誤診なのですね。

わが娘が喘息の時も若い医者に無理なことを言われました。喘息ノートというものを毎日書かせるし、きちんと薬を飲ませないと怒るし、小さい子供に薬を飲ませるのが、どんなに苦労なことか分からないでしょう。私があまりにもいい加減な母親だと思われたのか、その若い医者は、我が家まで押し掛けてきました。そして、シーツが汚れているとか、畳の部屋ではなく、フローリングの姉の部屋と交換した方が良い、とか、ソファーのカバーを替えて、押し入れの中にホコリガあるとか、さんざんでした。もう、絶対に入院させるもんか、と思って、毎日布団を干して、朝と晩には掃除機をかけて、気チガイになったような気持ちでした。本当に医者の言動には困ったものがあります。

⑩せき

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART.7せき

 

せき

「なぜ、せきは治りにくいのか」「治さなくてもいいせきもある」

せきが起こる原因は?

せきという症状はどんなときに起こるのか、その原因をあげてみます。

1.    ウイルス感染症

2.    細菌感染症およびその他の感染症

3.    気道を刺激する物質

4.    アレルギー性鼻炎および気管支喘息

5.    慢性閉塞性肺疾患および慢性気管支炎

6.    がん

7.    異物誤嚥

8.    心因性のせき

閉塞性気管支炎や肺がんは子供にはあまり起こらないので、ここでは省略します。最初に「こどもの場合、せきが長く続いても、重大な病気の可能性は少ない」ということを記憶しておいてよいでしょう。

大人の場合は「原因不明のせきが二週間続いたらレントゲンを撮っておく」というのが国際ルールのように、なっていますが、それは、そういう場合、肺がんとか肺結核とかの有無を確かめておかねばならないからです。

しかし、こどもの場合はほとんどが「アレルギー性気管支炎」とか「せきぜんそく」とか呼ぶのが適当な状態であって、長く続くし、薬も効きにくいけれど、結果的に重大な事態は引き起こさないというふうにいえるのです。

ウイルスによるかぜと呼ばれるものの多くは、せきという症状を起こします。しかし、この場合はせいぜい45日、長くても1週間くらいでおさまりますから、とくに問題にはなりません。

 

知っておきたい百日咳の症状

咳が長く出る病気のうちでもっとも特徴的なものは百日咳です。百日咳は予防接種の普及もあってずいぶん少なくなってはきましたが、それでもときどき出会うことがあります。百日咳は一歳未満の赤ちゃん、とくに六カ月未満の赤ちゃんがかかると、とても重くなることがあり、まれには生命にかかわることもあるので、どんな病気かを知っておいたほうがよいと思います。百日咳は、名前のとおり100日間ぐらいせきが続くこともないわけではありませんが、多くの場合は3週間から6週間ぐらいせきが続いて回復する病気です。最初に、カタル期という時期があります。「軽いせき、鼻水、目が赤くなる」といった程度です。こういう症状が12週間続きます。そして、次の痙咳期に入ります。痙咳というのは「痙攣性のせき」ということですが、はげしく咳き込むかたちのせきを、こう呼びます。

百日咳のせきこみはそうとうに激しいもので、スタッカ―型の咳とよばれることもあります。つまり、コンコンコンとずっと息を吐き出す呼気の状態で連続的にせきをするわけです。連続的に息を吐き出しますから、せきの発作の最後に一気に息を吸い込んで、そのときピューっと言う音が出ます。こういう発作が日中も夜間もくり返し起こるようになる、とくに夜多くなります。「そういうせきなら、うちの子なんか何度もしてるわ」という方もあるかもしれませんが、百日咳の場合の咳発作は、そんじょそこらにあるものとはちがうのです。たとえば、ある小児科の教科書には「患者は前屈の姿勢で、顔はチアノーゼ状となり、眼球突出、舌を口から出し、唾液や涙を流し、時にはおう吐なども伴う」こんなすごいせきは、ほとんどの方が見たことがないでしょう。しかし、こんなにひどいことにならない軽症の場合もあって、そんな時は百日咳という診断がつけにくいこともあります。こういう痙咳期は2週から4週でおさまり、次の回復期に入ります。すると、せきはおだやかなものが12週間続くこともあり、文字通り100日におよぶこともないわけではありません。

肺炎らしくないマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、肺炎という名はついているものの、比較的経過も穏やかで、なにもしなくても自然に治ってしまう例さえある“おそるるに足りない肺炎”といえます。

でも、肺炎の診断が下されると地獄の底に突き落とされた気分になる人もいますし、近所でマイコプラズマ肺炎がはやっているという噂を聞いてパニックに陥る人もいるので、ここでまず「肺炎と言っても最近は軽いものが多いので、病名だけで恐怖心をもたないで」とお願いしておきます。

さて、マイコプラズマ肺炎ですが、この病気は「しつこく長続きするせき」がほとんど唯一の症状というケースもあるのでここでとりあげたわけです。マイコプラズマ肺炎は、かつて「4年ごとに流行する。そして、その流行年はオリンピックの開かれる年に一致する」などといわれていましたが、最近はそういう周期性もなく、あちこちでときどき小さな流行がみられているようです。マイコプラズマというのは、原因になる微生物の名前で、このマイコプラズマは細菌とウイルスの中間といった性質をもっています。この微生物は人間の身体の中へ入り込んで、気管支炎、中耳炎、肺炎などさまざまな感染症を引き起こすことがありますが、実際には肺炎以外のかたちをとることが少ないので、もっぱら肺炎が問題になっています。

マイコプラズマ肺炎は、以前、原発性異型肺炎などと呼ばれたこともあります。これはまたおそろしげな名前ですが、じつは「肺炎らしくない肺炎」という意味でつけられた病名なのです。昔、ぼくが子どもだったころ、肺炎と言えば「悪寒と共に高熱が出て、激しい咳も出て、ぐったりしてしまう」という重病感の漂う病気でした。そして、抗生物質もない時代には、生死にかかわる病気でもありました。

この「こわい肺炎」は細菌によって起こるものであり、昔は肺炎と言えば細菌性肺炎がほとんどだったのです。

しかし、近年はこうした“肺炎らしい肺炎”は少なくなり、肺炎らしくない肺炎が増えてきました。どこが肺炎らしくないかというと、症状が軽いことが多いのです。

そういう肺炎を異型性肺炎とか無熱性肺炎とか呼ぶのですが、その中にはウイルス性肺炎マイコプラズマ肺炎だというわけです。

マイコプラズマ肺炎になりやすい年齢は5歳から30歳、とくに5歳から9歳ぐらいが多いのですが、最近は乳幼児にも増えてきているといわれます。症状としては、まずせきが100%の割合で起こります。発熱は95%くらいですから、これもほとんどの場合起こる訳ですが、38℃以下であることが多く、少なくとも半数はそのくらいの熱です。

 

しつこいせき

いよいよ「しつこいせき」についてお話しますが、とにかく、せきというものは難物なのです。『外来での子どもの診療』という最新版では、「しつこいせきに悩まされている子供の大半は見たところ元気そうである。もし、熱や呼吸回数の増加がなくて活動気で体重もちゃんと増えているようなときはたいしたことではないと考えてよい。しかし、しつこい咳はたいしたことではないと言っても親は納得してくれない。そこで“せきというものはからだの防御作用の1つで、気道に異物が入り込まないように外へ吐きだす働きをしているわけだから出るのはしかたのないことだ”と親に説明すればそれで理解してくれることが多い」と書かれていますが、本当でしょうか?この程度の説明であっさり安心してくれるようには思えません。お母さんやお父さんの心配は「これはぜんそくなのではないか」、「こんなに長いことせきをしていて、肺をいためることはないか」そのほかにもいろいろあるはずです。

●ぜんそくと「しつこいせき」の区別

ぜんそくというのは、せきが出る病気のことではなく「発作的に呼吸困難が起こる病気のこと」です。重症になるとずうーっと呼吸困難が続いてしまいますが、それほどでないうちは発作的に呼吸困難が起こる訳です。“発作的”というのはぜんぜんなんでもない状態だったのに、なにかきっかけにして、あるいは、とくにきっかけが見つからぬまま突然なんらかの症状が起こることを“発作”というわけです。

ぜんそくの場合は、気管支が狭くなり、たんも多くなるので、ゼーゼ―ヒューヒューと音がすることが多いのです。(この音は聴診器を当てないと聞こえないこともあります)。ほこりとか花粉とか特定の食べ物とか、あるいは走ったときなど、なんらかの誘因で突然ゼーゼ―いいはじめるわけです。

ぜんそくの場合のゼーゼ―ヒューヒューに似ているものに、赤ちゃんのゼロゼロゴロゴロがあります。赤ちゃんの場合、たんが多くなってのどにひかかっているとゼロゼロいうわけですが、これはからだにとってなんの影響もなく、本人は平気ですし、もちろん呼吸困難なんか起こってはいません。

このゼロゼロは薬をいろいろ使ってみてもとれないので、あちこちの病院に転々と連れて行かれている赤ちゃんもいますが、これはまったく無駄なことです。なにもしないでいいのです。もし、機嫌がわるくなって食欲が落ちたりしたら病院へ行く方がいいでしょうが、それほどのことはなく御機嫌で元気なら、ゼロゼロ言わせておいてよいということです。

●こどもの呼吸困難

さて、ぜんそくのほうにもどりましょう。まず、呼吸困難になると、からだを動かすのがつらいので動きが少なくなるわけです。呼吸の数が多く、肩で息をしている感じにもなります。少し重くなると、横になっているのがつらくて起き上がってしまったり、唇が紫色になったりします。苦しくてまったく動けないとか口もきけないとかいうのは、重症の呼吸困難ということになります。

こういう呼吸困難がたびたび起こり、気管支拡張の吸入などの処置をすれば劇的に回復するというような場合は喘息と診断していいでしょう。ただ、喘息の発作をおこしやすいかぜというものもあり、そういう場合はそのかぜに罹った時一回限りの喘息発作で、その後の人生で二度と発作を経験しないというようなこともあります。

また、最近は治療法がどんどん進歩して、喘息はけっして治りにくい病気ではなくなりましたから、ぜんそくと診断されただけで、おちこんでしまわないことです。

 

薬の使い方

「しつこいせき」のなかにも二種類あって、「夜間、とくに就寝前と早朝にせきこむけれど、昼間はほとんど出ない」という形がずっと続いている場合と、「一日中ひっきりなしに咳をしていて、そんな状態がもうかなり長いこと続いている」という場合です。

咳と言うものは、本来、夜から朝にかけて多く出るもので、とくに寝がけ、起きがけの短い時間といっても、こどもがかなりつらそうに咳き込んでいる場合、いちおうお薬を飲んでみてもいいでしょうが、三日ほど飲んで効かなかったら、それ以上長期に飲んでも、たいてい効きません。ですから、やはりほっておいたほうがよいように思われます。

気管支が非常に敏感になって、ちょっとしゃべりだそうとしても、少し深呼吸をした程度でもせきが誘発されてどんどん出てきてしまいます。ある種の風邪はこういう症状を引き起こすことがあり、また、風邪が治ってからもかなり長い間こんな状態が続くことがあります。

喘息の場合は気管支を広げるお薬がいろいろありますが、のどや気管支が敏感になり過ぎているという場合、よい薬がないのです。

副腎皮質ホルモンを使うときには

一日中咳き込んでいるというような咳喘息の場合、抗ヒスタミン剤を使ったり、副腎皮質ホルモンをほんの短い期間使ったりします。これはかなり効くことがありますが、副腎皮質ホルモンという名前を聞いただけで眉をひそめている方もあるでしょうね。たしかに副作用はいろいろあります。しかし、これは魔法の薬、奇跡の薬であって、ある種の病気はこれなしでは治療できません。副腎皮質ホルモンは本当に必要なときにできるだけ少なくつかうということが原則になります。よくなったらパッと止めることが肝心です。

 

管理者からの一言

我が娘は幼小児期の頃に喘息だったので、咳には非常に悩まされました。夜に布団を敷きはじめたら、急に発作がでて、病院にかけこんだり、田舎にお葬式に行ったら、お線香で急に発作が出て、入院したり、電車の中で、発作が起こった時には、一緒に連れて歩いていた2歳の子を無理に歩かせて、6歳の娘をおぶって帰って来たりしました。しかし、親よりも子供が一番辛かったようです。私が風邪を引いてコンコンした時に、子供が「お母さんかわいそう」と言うんです。なぜかなと思っていたら、咳をする人はみんな呼吸が苦しいのだと、自分の経験から思っていたからのようでした。空気を吸えないことは非常に辛いことです。咳の原因は本人の体質かもしれませんが、空気の汚れが一番悪いように思います。

⑪けいれんが起きた

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART.14 けいれんが起きた

こどもが全身的なけいれんを起こすのはどんなときでしょう。

乳児期には熱性けいれん墳怒けいれんが多く、そのほかに脳炎髄膜炎先天性代謝異常脳の先天奇形などによって起こるものがあり、さらにてんかんもあります。幼児期には熱性けいれんが多く、てんかんも乳児期より増えてきます学童期では圧倒的にてんかんの占める率が高くなります。

熱性けいれんは二パターン

熱性けいれんは「乳幼児が、脳に病気がないのに発熱のせいで起こすけいれん」といってよいでしょう。

赤ちゃんが突然けいれんを起こした。びっくりしてからだにさわったらすごく熱く、それで熱があるのがわかった」というようなことが、熱性けいれんの典型的な場面です。救急車を呼び病院へ向かったけれど、救急車の中でけいれんがおさまってしまったというようなのも、典型的です。

つまり、高熱の出はじめに短い時間全身的けいれんが起き、自然におさまってしまうというのが、熱性けいれんの普通の経過なのです。

しかし、かなり長い時間続くものや、からだの一部分だけがけいれんするものなどいろいろな形があります。熱性けいれんは単純性熱性けいれん複雑性熱性けいれんの二つがあります。熱性けいれんの一部分は、のちにてんかんに移行することがあります。

熱性けいれんとてんかんとはまったく別の病気ですが(熱性けいれんは病気というより、発熱に対しての特別な反応のしかたといったほうがよいでしょうが)、けいれんを見て、それが熱性けいれんなのか、あるいは熱が出た時にてんかんの発作が起きたのかを見分けることは難しいのです。そこで、熱性けいれんのなかでてんかんに移行する確率の高いものを選び出そうということになり、単純性、複雑性の分類がされるようになりました。この分類をもとに、少し解説を加えましょう。

まず、熱性けいれんがはじめて起こる時期は、生後6カ月から4歳までというのがほとんどです。そこで、この範囲で起こるものを単純性、生後6カ月以前あるいは5歳以降に起こるものを複雑性ということにします。熱性けいれんの場合、多くは全身的なけいれんで、右半身だけとか左半身とかいうふうにはなりません。アメリカでの単純性の定義は、「全身的なけいれんで15分以下で終了し、24時間以内に繰り返し起こさないもの」となっていて、簡単ですね。こういう熱性けいれんならまったく心配がないということになっています。一度熱性けいれんを起こしたこどものうち3分の1は、ふたたび熱性けいれんを起こします。熱性けいれんは繰り返しやすいのです。

熱性けいれんの頻度は、日本では100人の子供のうち8人位が熱性けいれんを経験するようです。男の子のほうが女の子にくらべて少し数が多いようです。一度熱性けいれんを起こしたこどもがその後再発する率は30ぐらいといわれ、再発する率は女の子のほうが男の子より多いといわれています。

初めて、熱性けいれんを起こした年齢が低いほど、再発する率が高いともいわれます。また、家族に熱性けいれんを起こした人をもつ子供の方が、再発しやすいという傾向も知られています。熱性けいれんを起こした子供のうち、その後2回以上、つまり、一生のうちに3回以上繰り返す子供は、9%ぐらいといわれています。つまり、熱性けいれんのこども100人のうち30人くらいがもう1度起こし、9人くらいが2度以上起こすということです。

そこで次の問題は、この再発は予防した方がよいかどうかといいうことです。このことについてはずっと議論がされてきました。熱性けいれんはこわいものではないのだから、とくに予防する必要がないという人もいますが、実際には予防法がいろいろ考えられてきたというのが実情です。いまは「2日目の熱性けいれんを起こしたこどもには、次にはもう起こさないように37.5度になったらけいれん予防の座薬を入れる」という方法が主流です。

 

●熱性けいれんの予防と薬の使い方

熱性けいれん自体は心配のないものであり、そういう心配のないものは、何度起こってもやはり心配のないものであるわけですから、再発予防をする必要もないはずなのです。

『小児内科』雑誌の「外来小児科」に載っている草刈章氏の論文を解説すると「熱性けいれんを起こした子供の3分の1は、その後、何度か熱性けいれんの発作を起こす。これは家族の不安を大きくし、予防接種の機会を逃すこともある。また、熱性けいれんが発達に悪影響をおよぼしたり、てんかんに移行したり、てんかんに移行したりする可能性もあるので、再発予防をしたほうがよいとする意見もあるが、この理由で予防をしなければならないということには根拠が乏しい。

熱性けいれんからてんかんに移行する24%のこどもについて、熱性けいれんを予防すればてんかんに移行しないのではないかと期待する意見もあるが、これは無理だとする研究者もいる。

こうしてみると、医学的に見て、熱性けいれんを予防しなければならないというたしかな根拠はなく、熱性けいれんを予防することの主な目的は、親の不安を減らすということになるだろう」

これは10年以上も前に書かれた論文ですが、今もこのときから事情は変わっていません。

 

●抗けいれん座薬の使い方

ここでぼくが子供に対してどのように対処しているかをお話ししてみます。

まず、熱性けいれんを一度起こした子供に対してはなにもしません。保護者には「30%ぐらいの確率でもう一度熱性けいれんを起こす可能性があるが、そのときは、なにもせずに静かに見ていれば、けいれんは自然におさまる。熱性けいれんは、脳に何も影響をおよばさないから心配しなくていい」と話します。熱性けいれんを2度起こした子供については、保護者にこんなふうに話します。「今後も何度か熱性けいれんを起こす可能性はある。しかし、何度も熱性けいれんを起こしても、後遺症のようなものは

なにも残らないから心配はいらない。でも、熱性けいれんを見たくない、とても不安になるからなるべく予防したいと思われるのだったら、予防法はある。ジアゼバムという抗けいれん薬の座薬をお尻から入れるという方法だ」そして、このジアゼバム座薬を使った予防法を具体的に説明します。熱性けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こるといわれています。熱が上がりきってから起こるのではなく、上昇の際に起こると考えられるのです。そうすると、熱が少し出た時点で抗けいれん薬を使っておかねばなりません。子供が37.5度以上の熱を出していることに気付いたら、すぐに抗けいれん薬の座薬をお尻にいれます。そして、8時間後に38度以上の発熱が続いたら、もう一度、座薬を入れます。これでおしまいです。何故2回で終わりにするか、それは熱性けいれんが、熱が最初に出た時から24時間以内に起こることがほとんどだからです最初の24時間をけいれんなしで乗り切れば、その後何日高熱が続こうとも、熱性けいれんを起こす可能性はほとんどないことが実証されています。

 

眠気やふらつきといった副作用

抗けいれん座薬であるジアザバムという薬は、一般には「鎮静薬」として使われています。ですから、多少の眠気、ふらつきが起こることがあるのは当然といってもいいのですが、鎮静薬なのに逆に興奮させてしまうこともあるというのが薬のおもしろいところです。いずれにせよ、これらの副作用は一時的なもので、ほかに重大な副作用はないといってよいのですが、こどもによっては座薬を使いたくないというお母さん、お父さんもいます。熱性けいれんを起こしたことのある子供をもつみなさんは、ここまで書いたことを参考にして、発熱時に座薬を使うか使わないかを決めてください。

●高熱時の興奮やうわごと

さて、熱性けいれんに似たものに「熱せんもう」と呼ばれるものがあります。具体的にいうと、「高熱の時にうわごとをいった、1点をじっと見て目がうごかなくなった、理由もなく泣き叫んだ、なにもないのに物をつかむような動作をした、じっとしていられないように手足をバタバタしたなど。これより頻度は少ないが、笑った、歩きまわった、歌を歌ったなどという動作の場合もある」ということになりましょうか。これは『こどものけいれん』大塚親哉著から引用させていただきましたが、自分の体験からも確認できます。

高熱を出したこどもが壁を見つめて指をさし、「こわいこわい」といったり、宙をにらんで突然笑い出したら、周りの人はゾッとしてしまうでしょうね。「これは脳に障害が起こったに違いない」と早合点したりするのも当然かと思います。しかし、これは何の心配もなく、まったく一時的に「熱にうかされた」という状態と考えてよいのです。著者の大塚さんの調査では、熱せんもうが起こるのは大部分が1歳から4歳のころで、これは熱性けいれんを起こしやすい年代と同じです。

 

●けいれんの見分け方

乳児けいれんは“良性乳児けいれん”とも呼ばれ、「熱性けいれんに似ていて、発熱がないのに起こるもの」といってよいと思います。生後6ヶ月から2歳半ごろのあいだにけいれんが起こり、1日のあいだに何度もけいれんを繰り返すということが少なくありません。けいれんの持続時間は、熱性けいれんと同様、数分と短いのですが、「無熱性のけいれん」であることから、脳波などの検査が行われるのがふつうです。しかし、検査は正常でその後、経過を見ていても発達などの点で何も問題はおこりません。まったく心配のないけいれんですが、このようなものがかなりの頻度でみられることを知っておいてください。この良性乳児けいれんの中にふくまれると考えて良いものに「下痢に伴うけいれん」があります。熱性けいれんの多くはウイルス性の「かぜ」(種類はいろいろありますが)によって起こるものですが、けいれんを起こす場合は熱が出るのが普通ですね。ところがロタウイルスによる下痢症などの場合、熱もないのにけいれんが起こり、しかも何回も繰り返すこともめずらしくありません。下痢症の場合に起こるけいれんは、良性であることが多いので、心配しなくてよいと記憶しておきましょう。

 

●泣き入りひきつけ

これはおもしろい病気・症状といってもよいかもしれませんが、周りの人をびっくりさせたり、不安にさせたりするものでもあります。突然、乳児に起こる呼吸停止、意識消失、そして、ときにけいれんなどの発作であり、激しく泣いたあとに生ずることが多い」ヒポクラテスの記述に「この発作は、なにか不可思議な恐怖に駆られたり、だれかが大声で叫ぶのに驚いたりこどもが泣いている最中に良く起こることであるが、息をすることができなくなって起こる。この状態になると、すぐに体がふるえ、しゃべることができず、息が吸えず、呼吸が止まり、脳は硬直し、血流は止まる」ヒポクラテスの時代から泣き入りひきつけがあったということですね。

さて、イリングワースは次のように書いています。

発作は、痛み、怒り、やりたいことをじゃまされたり、罰を受けたりするのが原因となって起こる。こどもがほかのこどもにおもちゃを取り上げられたり、それを奪い返すことができないときも起こる。両親が無理におもちゃを片付けるようにいいはったり、こどもがやりたいことをやらせなかったりするのも原因になる。こどもによっては、転倒したり、叩かれたりするような、痛みを感じる場合にだけ、発作を起こすこともある。」泣き寝入りひきつけの発作には二つの型があって、チアノーゼ型蒼白型と呼ばれています。チアノーゼ型は蒼白型にくらべずっと多く見られ、「泣き入りひきつけのポピュラーな形はチアノーゼ型」といってよいでしょう。

恐怖感を抱いた時やかんしゃくを起こした時、怒られた時、あるいは夜球不満のときや、痛み・刺激があたえられたときなどに起こります

まず、比較的長く大声で泣いたあと、大きく息を吐いたかと思うと呼吸を止めてしまいます。軽い場合は5秒から10秒呼吸を停止し、唇が紫色になってチアノーゼの状態を示し、しだいに泣き声が強くなり、元へもどります。呼吸停止が30秒以上も続いた場合は、体をつっぱらせてけいれんを起こします。こういう発作を、一生のうち一回だけ起こすこともあれば、繰り返すこともあり、1日のうち何回も起こすこともあります。しかし、治療はなにもしなくても次第に回数は少なくなり、4歳の誕生日ころには消えてしまうとイリングワースはいっています。

白型の場合は、予期せぬ痛みを感じた時、おどろき、恐怖感、欲求不満などが原因となって起こります。泣かないでいきなり顔が蒼白になり、ぐったりして意識をなくし、倒れてしまうことが多いのですが、泣いたあと倒れることもあります。さらにその後、けいれんを起こすこともあるのです。

 

●てんかん発作の見分け方

泣き入りひきつけは、こどもの感情とか痛みの刺激とか、発作を誘発する原因があるのですが、てんかんの場合は、とくに原因になるものが見当たりません。さらに、泣き入りひきつけの場合は、ぐったりしてからけいれんが起こりますが、てんかんの場合はいきなりけいれんが起こるという点も、区別のための手がかりになります。イリングワースは「薬は効果がない。発作が起こったらけがをしないように十分注意を払う。発作のときにはなるべく騒がないで静かにしているのがいい」といっています。さらに「わたしの同僚の1人は、自分の子供が発作を起こしたとき頭を下に逆さにしたら発作がすぐに止まったといっている。発作を止めるために顔に息を強く吹きかけたり、冷たい水を顔にかけたりする親もいる」と書いていますが、こんなことをまねしないでくださいね。なにもしないで見ているのが最良です。年齢が上がるにつれて起こす頻度が減り、そして、6歳頃になればなにも起こらなくなるのです。

 

●入眠時ミオクローヌス

ミオクロニーともいわれますが、「ある部分の筋肉がすばやく収縮することによって身体のある部分がピクッと動いた時、それをミオクロニーと呼ぶ」ということになっています。ほっぺたがピクッと動いたり、指がピクッと動いたりするのは顔や手にある小さな筋肉が収縮したためですし、腕がピクッと動いたり脚がビクンと動いたりするのは、腕や脚にある大きな筋肉が収縮したためです。からだの一部が勝手にピクッと動くのを経験したことがあるという方は多いのではないでしょうか。

入眠時ミオクローヌスというのは寝入りばなのこどもの指や手がピクピクと動くことをさしていて、これは病気ではありませんから心配しなくていいのです。

 

●重大な病気を疑うとき

急性脳炎、頭蓋内出血、急性脳症、化膿性髄膜炎などの重大な病気があげられています。詳しく説明するのはあまりに専門的になるので省略しますが、けいれん以外に意識が低下しているとか、強い頭痛を訴えるとか、吐き続けているとか首筋がつっぱっているとか、あるいは光をまぶしがるとか、そういった症状があれば、重大な病気を疑って髄液の検査などをすることになります。

ここで別格として考えておかねばならないのは、6か月以下の乳児けいれんを起こした場合で、この場合は髄膜炎を疑わせるような症状がなくても髄膜炎になっている場合がかなりあるといわれています。そこで、6カ月以下の乳児がけいれんを起こした時、全員、髄液検査をしたほうがよいともいわれます。また、熱性けいれんが終わったあと、こどもはボーっとしていることがよくありますが、その状態が長く続くときなどもくわしい検査をするほうがよいでしょう。

さて、これで終わりですが、てんかんについては解説しませんでした。くわしくお知りになりたい方は、ぼくが書いた『はじめてであう小児科の本』(福音館書店)や『障害を持つ子のいる暮らし』(築摩書房)を読んでくださいね。

 

管理者からの一言

私は助産師なので、病院では、妊婦さんの子癇発作、糖尿病の低血糖発作、ヒステリー患者の発作などで、けいれんの経験をしてきましたが、どうも慌ててしまいますね。だまって見ていることなどはできませよね、大声でさけんだり、するとドタバタとみんなが集まってきて、あれ持ってこい、これ持ってこい、と騒ぎたてます。苦しそうにして、口から泡をだしていれば、管で吸引をしたり、そうしたら、いっぱい吐かれて、余計な刺激だったり、もちろん酸素マスクもしますが、Drが気管内挿管したり、と、あとで考えると、全く無駄で、むしろ、音も立てずに静かにした方が早く発作が治まるんですよね。現場では難しいと思いますが、知っていると知らないでは大きな違いなので、知っておいた方がよいと思います。

髄膜炎はHibワクチンがあり、小児科で勧められます。しかし、肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が5例報告されています(H23.3)。

⑫こどもの頭痛

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART.6 頭痛

 

子供が「頭、痛い」といいだすとドキッとしてたいへんな病気ではないかと思うようです。でも、実際には、子供はかなり頻繁に頭が痛いというものだし、そして大半はとくにたいした病気ではないのです。

まず、大人の頭痛についてちょっと、日本の現在の医療に対して、とてもおもしろい、キツーイ苦言を脳外科医の植村研一さんが書いた『頭痛・めまい・しびれの臨床』の本から、「頭が痛くて肩がこるという50歳の女性」のお話です。この女性が内科に行くとどうなるか、まず血圧を測られ、少し高いので「頭痛は血圧のせいだ」といわれて、治療が始められます。しかし、よくならない。次に整形外科にいきます。整形外科の先生は肩こりと聞いただけでまず間違いなく首のX線写真を撮ります。50歳の方なら、当然、変形性頸椎症は発生頻度から見て十分に考えられるわけです。すると、「あなたは変形性頸椎症です」とおっしゃいます。この女性が婦人科を受診した場合は、更年期障害と診断されるに決まっているし、精神科に行けばうつ病といわれること請け合いです。つまり、行った科によってそれぞれ“我田引水”的な病名がつけられてしまうというわけです

しかし、この女性の場合、肩こりがひどいために頭痛が起きているだけのことであって、肩こりを治せば頭痛もとれる、それになにか病名をつけようとしていろいろな検査をしたりするのはまったくのむだというわけなのです。

頭痛で生命に危険な病気かどうかを考えることが先決です。頭痛で死ぬ病気というのは、クモ膜下出血脳腫瘍で、この二つはけっして見逃してはいけない。クモ膜下出血の場合ってどんな頭痛かというと、「突然ピーク型の頭痛」と呼んでいます。「ガーンと突然頭が痛くなり、瞬時にしてピークに達する頭痛」なのです。

 

●緊急を要するとき

さて、前置きが長くなりましたが、子供の頭痛の場合も良性の頭痛と悪性の頭痛というふうに分けて考えることにしましょう。

緊急なことと判断しなければいけないのは、「頭部をぶつけたあとに起こる頭痛」と「髄膜炎」のふたつ、そして緊急ではないけれど悪性と考えるべきものは「脳腫瘍」とあわせてこの三つについて知っておけばよいと思います。

そこで、子供が急に頭が痛いといいだしたらどうするか、具体的に話していくことにしましょう。

まず、頭痛以外にどんな症状があるか確かめてみましょう。とりあえず首を曲げさせてみて、あごの先が胸にくっつくかどうか調べてみます。もしくっつかなかったら髄膜炎の疑いがあるので、すぐに病院へ行かなければなりません。髄膜炎の場合、かなり強い頭痛があるはずですが、「痛い、痛い」と大騒ぎするよりも、つらそうに顔をしかめてからだを動かさないようにしていることが多いので注意してください。

このほかに「ひどく機嫌が悪い」「うとうとばかりしている」「目が見えにくい」「たびたび吐く」といった症状があったら、すぐ病院へ行ってください。これらのいずれもが髄膜炎を示唆する症状です。

髄膜炎なら熱がでているはずですが、必ずしも高熱になるとはかぎらないので、たいして熱が出てなくても、症状があれば病院へ行ってください。

さて、そのよう症状がなくて、高熱があったら、まずたいていはかぜでしょう。かぜといってもいろいろあって、定義もはっきりせず、「インフルエンザはかぜなのか、それとも別のものなのか」なんてことを論じ始めるとめんどうなことになるので、とりあえず「かぜやインフルエンザが原因と考えられる」としておきましょう。

 

●頭をぶつけた場合

すぐに病院にとんでいって頭のレントゲン写真を撮って、なんでもないと言われて安心しないでください。頭をぶつけて恐いのは、脳の中で出血することですが、出血はじわじわと起きるので、すぐには症状がでてきません。血のかたまりがある程度の大きさになり、脳を圧迫するようになるとはじめて頭痛、めまい、嘔吐などが起こってくるのです。

頭をぶつけて2時間以内に頭痛がしたり、一、二度吐いたという場合はたいてい心配ないものです。むしろぶつけた直後なんともなかったのに、二時間以上たってから頭が痛いといいだしたり吐いたりしたら、これは重大なサインと考えてすぐ脳外科へ行く方がいいのです。

出血はもっとゆっくり起こって、24時間から48時間ぐらいのあいだに頭痛、めまい、嘔吐がおこってくる場合もありますから、こどもが頭が痛いと言い出したら、まずは24時間以内に頭をぶつけたことがなかったかどうかよく思い出してみましょう。

 

脳腫瘍を疑うときの頭痛

脳腫瘍を疑わせる症状としては、次のようなものがあります。もちろん、これらの症状が全部起こるというわけではなく、そのいくつかが起こります。「頭痛の性質が時を追って変化していく。頭痛の強さや起こる頻度が時を追って増加していく。早朝、目がさめたときに頭痛があり、起きるとよくなっていく。何度も頭痛のために目がさめる。嘔吐をともなう。性格やしぐさが変化してきた。学力が低下してきた

片頭痛のようなくり返し起こる頭痛の場合、いつも頭痛の経過は同じよう、つまり痛み方が同じなのです。それが変化していくときは注意しなさいということです。

次に、「目がさめたときの頭痛」ですが、植村研一さんはこんなふうに書いています。「脳腫瘍はいろいろな種類がありますが、大事なことは脳圧が亢進していることがありうるということです。脳圧が亢進した患者の特徴については、難しいことは覚えないでも結構です。要するに、人間というのは眠ると脳圧が高くなり、目が覚めると下がりというリズムがあります。

普通の人はグーグー寝て多少脳圧があがっても、頭痛を感ずるレベルには達しないので頭は痛くない。ところが、脳圧全体が上がってくると眠ってさらに脳圧があがるので頭痛を感ずるようになる。そして、目が覚めると楽になる」

植村さんは「目が覚めて、まだ起き上がらない、寝床の中にいる時に一番頭が痛かったという証言が得られたら即刻、脳外科へ紹介する必要がある」といいます。このことはよく覚えておいてください。

さて、これ以外の頭痛は慢性の良性頭痛といってよいものです。片頭痛など、話し始めればきりがないほどいろいろな側面がありますが、オリバー・サックスの『片頭痛百貨』というたいへんおもしろい本を一冊紹介しておきましょう。興味のある方は読んでみてください。

 

管理者からの一言

私が産婦人科外来で働いていた時に、待合室で待っていた女性が、急に頭が痛い、と言われ、その内に意識がなくなり、倒れかけたので、急いで中に入れて、酸素マスクをつけて、血圧を測っても測れず、脈をとっても弱くて取れずに、側にいた医師が直ぐに脳外科医を呼んでくれました。その内にその女性が意識を一旦、取り戻したのですが、それも一瞬で、また、意識がなくなったのです。その内に脳外科医が見えて、そのことを話したら、直ぐに脳外科病棟に連絡をいれ、脳外科の看護師長さんが駆け付けてくれて、外来から手術室に運ばれました。一命が救われました。さらに、救急外来に、救急車で運ばれて来た婦人で、一緒に付いて来た娘さんが「お母さんはがまん強い方で、こんなに痛いのは絶対におかしいです」と私たちに大声で訴えて、お母さんは少し痛みが楽になったようでしたが、その時にも、脳外科医の判断は早かったです。直ぐに手術室に連れて行きました。急激な頭痛は恐いですね。でも、もやもや病という脳血管奇形の脳出血の方は、本人からあとで聞いたのですが、夕飯のときに、御飯のお茶碗とお箸をもって、口に近付けた瞬間に意識が亡くなったんですと、頭痛がなくても脳出血の方もいますので、意識が亡くなるのは非常に危険です。

頭部をぶつけての頭痛は病院でCTを撮っても、すぐに診断ができないので難しいです。小学生の子供がフェンスから落ちて、病院でCTを撮りましたが、異常がないので帰宅しました。翌朝、布団のなかで死亡したようです。母親は救急外来でかなり泣いていました。さぞかし、悔しい想いでしょうね。また、図書館で棚の本が頭に落ちたことが原因だったのですが、そのことは本人も忘れていたようで、頭痛で入院していても治らず、自分の人生を諦めかけたようです。しかし、硬膜外出血とわかったら、アッ、あの時にぶつかった本が原因だったと思いだしたそうです。

扁頭痛の方も、以外に多く、救急外来にいらっしゃいます。本人はたびたびなので、また、始まったという顔でいらっしゃいます。薬も何も効果がないということで、麻酔科の先生がブロック麻酔をして、良くなって帰宅しました。

脳腫瘍は子供であれば、親も、気付かず、いつものこと、と、見過ごしてしまうようです。でも、母親がおかしいと思って病院に連れて行っても、今度は病院の医者が診断に行き着かず、振り回されて、だいぶ経ってから大病院で診断されたとも聞きます。手術も難しいところで、大人になった今では、パートの仕事が少しできるだけ、母親に攻撃するような言動があって、困っていると聞きます。

母親は、取り返しのつかない病気に子供がなったら、と考えて、大げさになりがちですが、私はむしろその方が良いように思います。軽く考えて、油断して後悔している人の方がむしろ、多いように感じます。

災害でも、むしろ大げさに準備しておいたほうが、もし、災害が起きた場合でも慌てないで済むように思います。後悔は先に立たず、です。

⑬赤ちゃんが泣きやまないとき

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

番外編 赤ちゃんが泣きやまないとき

 

ずっと泣きつづけている赤ちゃんをどう診断するかという難題をとりあげましょう。

「ずっと泣きっぱなしで泣きやまないんですけれど」といって、生後三カ月から六カ月くらいの赤ちゃんを連れたお母さんが診察室にやって来ることはよくあります。赤ちゃんがどういうときに泣くのかを、お母さんはよく知っていますから、泣きやみそうな方法をいくつか試してみたけれど泣きやまないのです。こんなに長いこと泣きつづけるのはふだんないことなので、どこか具合が悪いのではないかと心配になって病院へやって来たわけです。

こういうときはまず、手順に従って診察を始めます。「泣いているこどもは穴を見よ」その手順をふみます。

●まずは“穴”を見る

人間のからだにはたくさんの穴があります。まず耳の穴、鼻の穴、そして口だって穴のひとつといえるでしょう。おへそは小さな穴ですし、下のほうへいくと、㞍の穴という立派な穴があります。「赤ちゃんが泣いているとき、からだの穴のどれかに原因がひそんでいるかもしれない。だから、穴を点検せよ」と昔、教えられたのです。それでまず、耳をのぞいてみます。鼓膜が真っ赤になっていて中耳炎だとわかることがあります。中耳炎

なら赤ちゃんが泣くのも当然です。ひどく痛いはずですから。

耳がなんともなければ目、鼻が原因で赤ちゃんが大泣きすることは稀なので省略して、口の中を見ます。のどが腫れあがっていたり、口内炎ができていたりすることがあれば、これが原因だろうと考えます。

耳にも口にもなにも異常が見つからなければ次はおへそですが、おへそも赤ちゃんのお泣きの原因にはなりません。そこでお尻の穴をのぞいてみます。お尻の穴は肛門ですが、肛門のまわりの一部分が赤くふくれていることがあります。さわってみるとブヨブヨしていて中にうみがたまっている様子です。こうなると肛門周囲膿瘍という病気と診断し、赤ちゃんを外科へ連れて行ってもらいます。たいていその部分を切開してくれるでしょう。 というふうに、ここまでの段階で赤ちゃんの泣いている原因が見つかってくれれば幸運です。しかし、実際にはここまで見つかることはまれなのです。見つからないと、医者としては途方にくれます。もう、見てあげる穴がないのです。

とりあえずの浣腸」という儀式めいた処置法がありました。高熱が出たりひきつけたりしている赤ちゃんには、とりあえず浣腸をしてみてみるのです。そうすると、ときには熱がストンと下がることもありました。しかし、しばらくすると体温はまた上がってくることが多く、結局、浣腸したことのメリットはありませんでした。いまでも高熱の赤ちゃんに、便秘もしていないのに浣腸を始めるお医者さんもいますが、これは時代遅れのやり方といってよいでしょう。便秘のために高熱が出るなどということはないのですから。

また、ひきつけている赤ちゃんに浣腸をするのも逆効果です。昔はひきつけている赤ちゃんの口に箸などをかませたり、浣腸をしたりしましたが、刺激するとひきつけが長びくことが多いので、いまはなるべく静かに様子を見るのがよいといわれています。

しかし、もし赤ちゃんが四日も五日も便が出ていないということだったら、浣腸して排便させると泣きやんで上機嫌になることもあります。しかし、こんな例はめずらしいのです。

さて、まだ赤ちゃんは大泣きしています。困りました。もう一度赤ちゃんの全身をよく見ます。

からだのどこかに、おできができているとか、とげが刺さっているとかいうことが見つかる場合もあります。また、赤ちゃんのもものつけ根の部分がふくれあがっているのが見つかることもあります。これは「鼠径ヘルニアのかんとん」といわれるもので、わかりやすくいうと「脱腸の出っぱなし」です。腸がはみ出てしめつけられた状態になっているので、時間がたつと、はみ出た部分の腸が腐ってしまい、生命にかかわることさえあります。これは緊急の処置が必要です

●原因がわからないとき

さて、ここまで赤ちゃんをていねいに調べてみても、なにも見つからない場合、医者としては「わかりませんねえ」と告げるしかありませんが、そうすると、お母さんやお父さんからきびしい目で見られることになります。しかし、圧倒的に多くの場合、赤ちゃんが泣いている原因はわかりません。赤ちゃんだって泣きたいことは多々あるんだけど、その理由をいってくれないからわからないということですね。「帰宅したらすぐに泣きやみました」と電話がかかってくるようなことがよくあるのです。赤ちゃんが泣き続けているとき、たいていはなにも心配なことは起こっていないということです。

ところで、世の中にはよく泣く赤ちゃんとあまり泣かない赤ちゃんとがいます。よく泣く赤ちゃんをもったお母さんは、あまり泣かない赤ちゃんをもったお母さんに比べると、育児に疲れてしまうことが多いようです。(“よく泣く赤ちゃんに悩むお父さん”というのは少ないようです。それほどまでに育児にかかわっているお父さんがまだ少ないからです)

 

管理者からの一言

私の子育ての経験から、まず、泣く理由は、暑いか寒いかです。上着を脱いで、裸にして、涼しくしたら、機嫌がよくなりました。次に寒いときです。足元に湯たんぽを入れたら、すやすやと眠ってくれました。赤ちゃんは暑がりでもあり、寒がりでもあります。

次にスキンシップが欲しいときです。あるお母さんが言っていました。泣いてばかりいるので、私はほとんど24時間だいていたわ、と。赤ちゃんによって、不安の強い子がいるようです。赤ちゃんという生き物は、特に不安が強いように思います。抱き癖が心配、などと考えないで、たくさん抱っこして、スキンシップをあげてください。普通の抱っこではありませんよ、赤ちゃんの胸、腹をしっかりとお母さんの胸、腹に密着して、しっかり抱きしめてくださいね。

次におなかが原因のことが多いです。お腹がはって苦しくて泣きます。げっぷが溜まっています。ミルク栄養の赤ちゃんに多いです。空気をたくさん飲んでしまう場合があります。げっぷをきちんと出してから寝かせましょう。でも、寝ながらでも空気が胃に入る場合もありますので、寝て起きてからでも、抱いてあげて、げっぷをだしてあげましょう。それから、ミルクの飲ませ過ぎです。ミルクを飲んだ後でも、まだ泣いているので、足りないのだろうと思って、さらにミルクを足して飲ませてしまいます。それでも泣きやみません。原因がわからないでいたら、急に、げぼっと、飲ませたミルクを全部吐かれました。その後、スヤスヤと眠ってくれました。ミルクの飲ませ過ぎだったようです。お腹が苦しかったので泣いていたのです。それでも私はミルク足してしまい、それを飲むのです。吐いた結果、楽になって、眠りに入ったのです。赤ちゃんは満腹中枢がまだ未熟なので、口の中にミルクが入ってくれば本能で飲んでしまうのです。

それから、便秘です。毎日便が出ているのに、機嫌が悪くて、更に吐くし、それも周期的に一時間間隔に吐くので、病院に連れて行って、レントゲンを撮ってもらいました。大腸にたくさんのガスと便が映っていました。浣腸してもらって、おちつきました。太り気味の赤ちゃんに腸重積が多いそうです。それで気づきました。私のミルクの与え方がちょっと多かったのではないか、と。事実、私の赤ちゃんは太り気味でした。それからは、多めに飲ませるのを止めて、定量以下にしました。しかし、この経験が二人目の赤ちゃんには通用しないで、むしろ失敗しました。この子は2000gで小さく生まれて、ミルクをたくさん飲まない子で、よく眠る子なのです。寝る子は育つということなので、あまり心配していませんでした。それが失敗でした。元気がないから、あまり泣かずに、眠ってばかりいたのです。普通のかぜでも高熱を出すし、なかなか治らないし、水ぼうそうでも重症になるし、その内に、喘息になって長期入院、中学校に塾に通い始めたら、帯状疱疹になり、更に19歳でリウマチにまでなる始末、結局、身体が小さかったからミルクを一度に、たくさん飲めなかったのです。きちんと34時間おきに、眠っていても、起こしてでも、必要量なミルク量は、飲ませなければいけなかったのです。

三人目の赤ちゃんで、やっと失敗しないで育てられた感じです。子どもは3人以上育てないとわかりませんね。

それから、幼児は穴の中に異物をよく入れてしまいます。昔はビービー弾という鉄砲の弾があって、耳の穴、鼻の穴、に入れて、とれなくなって、耳鼻科外来で取って、取れた異物を陳列していました。

魚の骨がのどに引っ掛かってしまった幼児の場合は悲惨です。救急外来にきて、騒いで取れなくて、仕方なく、全身麻酔でとるしか方法がない場合もあります。

私は、泣く原因はあると思います。機嫌がよくて泣くことはないからです。

⑭おむつかぶれ。界面活性剤の害

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

おむつかぶれ

 

おむつかぶれにも軽いものからそうとうひどいものまで、いろいろな種類、いろいろな階段があります。

●しわの奥が赤いとき

おむつかぶれの軽いものは、おむつの当たる部分の皮膚が全体的にうす赤くなっているような状態で、こういう場合は、亜鉛華軟膏商品名としてはサトウザルベというのがよく使われています。サトウというのは製薬会社の名前です。念のため)くらいのおだやかな塗り薬でなおってしまうのがふつうです。ほかにアンダームコンペックなどという商品名の非ステロイド性消炎剤の軟膏もよく使われており、ぼくも以前は「おむつかぶれには非ステロイド性消炎剤がいちばん」と思って使っていました。

しかし、このところ、非ステロイド性消炎剤の軟膏については、皮膚科のお医者さんの評判があまりよくないのです。非ステロイド性消炎剤を長く塗ると、そのために皮膚に炎症が起こったりすることも少なくないようです。「ステロイドでない薬なら大丈夫」と思ってずっと塗っていると、かえってひどくなったりすることもあるのです

というわけで、おむつかぶれにはサトウザルベのようなものがよいと思います。その程度の治療でふつうはよくなるのですが、ときに赤くなったままで、あえてひどくなっていくように見えるということもあります。こんなときは、単なる「おむつかぶれがひどくなった状態」なのか、それともカンジダというカビがついたのか、と考えてみることが必要なのです。

カビがついたなどというと、「え―っ、カビですか。そんなに不潔にした覚えはないのに」とおどろくお母さんも多いのですが、不潔にしなっくたってカビはつくのです。

カンジダというカビによって起こるおむつかぶれを、とくに寄生菌性紅斑と呼びます。おむつかぶれの原因がカンジダの場合は、皮膚のしわになった部分、もものつけ根あたりの皮膚のくびれのしわの奥が赤くなっていたら、カンジダが原因になっている可能性があります

しわの奥が赤くなっておらず、おむつに直接当たる皮膚の表面だけが赤くなっている場合は、カンジダと関係のない、ふつうのおむつかぶれと考えます。寄生菌性紅斑もいろいろな形がありますが、真っ赤になってテカテカしている場合や、赤いブツブツがたくさんできているような場合は、カンジダがくっついたのではないかと疑ってみます。そして、カビに効く塗り薬を使って目ざましくなれば、カンジダという診断が正しかったということになります。

●どうしてカビがくっつくか

山本一哉さんの書かれた『こどものおむつ部によくみる50症状』(南山堂)という本には「乳児寄生菌性紅斑の原因であるカンジダ菌は、産道通過時に母体の産道にいるものを嚥下してこどもの消化管に定着するといわれる」お母さんの産道にはカンジダがいるのですね。これは“ふつうでもいる”ということで、ぼくたちのからだのいろいろな場所に、もともとカンジダはくっていているのです。しかし、その数が異常に増えたりしないかぎり、病気にはならないのです。また、赤ちゃんの消化管にもカンジダはいるのです。それで赤ちゃんの便の中にもカンジダはいるわけで、お尻にもカンジダはくっついているのでしょうが、普通は皮膚炎を起こさず、特別な状況のときに皮膚炎を起こすということになります。

 

おむつかぶれ番外編①

布か紙か

●おむつの歴史

布おむつが庶民のあいだで使われるようになったのは、江戸時代以降のことと書かれていますが、おむつは繦褓(むつき)というんですね。(きょう)は帯ひものことで幅24センチ、長さ60センチの絹織物でつくるものだそうです。これはもともとは赤ちゃんを背負うときのおぶいひもだったようで、(ほ)のほうは小児の着るものを指す言葉です。おぶいひもとしての繦褓は10世紀に書かれた『倭名鈔』とか、11世紀に書かれた『紫式部日記』のなかにも出てくるそうです。18世紀初めに書かれた『和漢三才図会』には『児の腰㞍に当て、不浄の物を受ける小巾をさす』と書かれているので、このころには、繦褓がいまのおむつと同じ使い方がされていることがわかります。当時は、赤ちゃんが生まれると、母方のおばあちゃんが繦褓を12枚贈る風習があったとのことです。

布でつくられた繦褓は、紙おむつが出現するまでのあいだ、ずっと使われていました。布としては、吸水性に富んで洗いやすく、乾きの早いものがよいということで、晒とかバーズ・アイ織が使われるとのことですが…。

従来の和式おむつは、ふつう、晒一反から六つの布をとり、並幅3034センチ、丈70センチぐらいの長方形になるように輪に縫ったもの(日本百科事典)また、第二次世界大戦後広幅物が普及し、80センチ×80センチの正方形、60センチ×120センチの長方形のものがある、とも書かれています。

●国中で論争が!

さていま、布おむつは少なくなり、紙おむつ全盛の時代を迎えています。布おむつから紙おむつへの転換のころのことについて、山本さんは次のように書かれています。

「現在おむつを使用中の乳幼児に毎日接している方は、1975年頃に紙おむつが登場してから10年間くらいの間、布おむつか、紙おむつか、どちらが育児ではよいのかをめぐって日本中喧々囂々の大論争がありました。筆者は当時、国立小児病院皮膚科院長であり、常に渦中の人であった。とくに紙おむつを各社が開発する際に、その有用性、安全性を確認するテストには直接に長く携わっていた。その後の製品の改良、新製品の開発の結果、現在では日本の乳幼児用紙おむつの構造、機能は世界一といえるようになっている」

●紙おむつはなにが問題?

紙おむつの登場は1975年頃、その頃は、紙おむつだと、きちんとおむつをとりかえることをしないから、アンモニアや尿がお尻に長時間くっついたままになり、不潔なのではないかという意見がありました。使い捨てということにも抵抗があって、パルプ資源のむだづかいではないかという意見もあり、全員一致で布おむつの使用に決めたものでした。

しかし、大量のおむつを洗濯するのはたいへんな作業です。それで、大きな保育所などでは貸しおむつ屋さんの貸しおむつを使っているところもありました。

●ぼくが紙おむつをすすめる理由

そうしたら、そのころ川崎病の(1970年代初めに川崎富作さんが発見した子どもの熱性疾患)の原因が中性洗剤ではないかという説が流れ、貸おむつは危険ともいわれました。結局、川崎病の原因は今もわかっていませんが、おむつ談義はいろいろあったものです。

いまでは圧倒的に紙おむつの時代になっていて、その安全性も高いといわれます。また、育児中の親はなるべく楽に子育てしたほうがいいと思いますから、紙おむつでいいとぼくは思っています。使い捨てのため、ゴミになることと、資源の使い過ぎている問題はやはり気になりますね。
界面活性剤の害のユーチューブも御参考ください
 
http://www.youtube.com/watch?v=mIsr8gFOmiE&feature=player_embedded

 

紹介者からの一言

おむつかぶれは、尿の刺激が原因で起こるように思われますが、実際は、尿よりも、便の刺激のただれが多いと思います。母乳で育てていれば、ミルクの赤ちゃんよりも便の回数が多いため、便が出たら、直ぐにおむつをとり変えないと、肌がただれてしまいます。また、おしり拭きで何度も拭いていると、更に刺激も加わり、肌が弱ければ、よけいにひどくなります。

未熟児の場合は肌も弱いので、肛門の皮膚がただれることが多くて、非常にかわいそうになります。私の経験から、亜鉛華軟膏を塗っていれば、便や尿が出ても、亜鉛華軟膏が便や尿をはじきますので、肌に直接、尿や便が触れなくなるので、肌を痛めないで済みます。ただし、拭き過ぎるのが悪いので、ペットボトルにお湯を入れて、ストロー付きの蓋で、ウオッシュレットのように洗ったり(紙おむつを敷いたままですると便利)、拭く回数を少なくした方がいいです。尿はあまり皮膚を刺激しませんので、排尿の毎に拭かない方が良いと思います。拭くとしたら、柿の葉茶で拭く方がいいと思います。市販のおしり拭きはただれを起こしている時には、使用しない方がいいです。

おむつのない、かなり昔の時代には、わらや草の上に赤ちゃんを寝かせて、汚れたわらをそのまま捨てていたので、おむつかぶれなどはなかったとも聞いたことがあります。すっぽんぽんが一番いいのかもしれません。

「使い捨てということに抵抗」、病院であれば、針や注射器だけでなく、手術着や分娩衣、予防衣、清拭タオルまで紙に、どんどん目ざましく、使い捨てに変化していって、ゴミが増えて困っています。生活用品でさえ、ペットボトル、割り箸、コップなど、使い捨て、整理整頓でさえ、まず、捨てることを推奨する本が出ています。

使い捨ての変化に古い頭の私も、付いていかれず、捨てられませんでした。でも、その考えが、最近、少し変化してきました。

実は印刷機が壊れたのです。古い印刷機はインクを購入するのにカラーが3種類必要になり、一個が千円以上もするので、全部揃えるのに五千円以上かかります。どうしようもなく壊れてしまったので、新しい印刷機をアウトレットで購入してきました。スキャンが付いて、インクも付いて、5000円で購入できたのです。購入した印刷機はカラーインクが一個だけで済むし、前のインクよりも安く買えるし、今まで、もったいない精神で印刷がぼやけていても、壊れるまで使ってやろうと言う、意地が、反対に高くついていたことに気づいて、馬鹿らしくなりました。そうしたら、意地を張りながら、古い物に縛られている自分の心に気づきました。今は、どんどん優れた製品が作られています。寛容な目でその変化を楽しまないといけないなと、インターネットの世界も然り、問題もあるとは思いますが、子どもの成長を応援するような気持ちで、一緒に楽しめば、自分も成長することに気づきました。捨てることはゴミも増えるし、もったいないけれども、成長にとっては、古い考えの物を捨てることも大事であるなと、やっと気づきました。だから、紙おむつの方が楽です。

お問い合わせ
リンパマッサージはNPO法人日本メディカルリンパ協会の指導課を卒業しました。(現在は理事長が亡くなり廃校しましたが、現在はリンパ専門サロンとスクール名を変更して、継続しております。http://www.lymph-alice.com/)。
リンパマッサージのオイルは、ひまし油にグリセリンを半々に薄めて使用しています。ひまし油は安定、酸化しにくい油です。ひまし油はエジプト時代では薬にも使われていたようです。リシノレイン酸という脂肪酸が90%含まれていて、プロスタグランジン受容体に結合、皮膚の賦活作用、鎮痛作用、抗感染症などの様々な効能がしられています。酸化しやすいといわれるリノール酸の含有率は5%です、これは、乳幼児によく使用されているホホバオイルと同等の量です。(科学ニュースの森)。更にラベンダーアングスティフォリアとリトセアの精油で化粧水を作成して使用しています。(日本メディカルアロマ協会のアロマ療法http://www.jmaa-aroma.com/)乳幼児にはラベンダーアングスティフォリアとナチュラルモイストジェルを使用します。
ひまし油は日本薬局方を合格の油を使用しています。

《まこも枕》
お子様の頭痛に使用して見て下さい。
良く眠れるだけでなく、頭の病気にも効果があるようです。
詳しくは、このホームページに書いてありますので、御参照下さい。
ご購入方法は、「一休み庵 042-395-6856」に御連絡下さい。
マコモ茶も販売しています。30~40g500円。煎ると更に美味しいです。