けいれんが起きた

けいれんが起きた

MamaPapaの子供診断学

山田真著小児科BOOKから

PART.14 けいれんが起きた

こどもが全身的なけいれんを起こすのはどんなときでしょう。

乳児期には熱性けいれん墳怒けいれんが多く、そのほかに脳炎髄膜炎先天性代謝異常脳の先天奇形などによって起こるものがあり、さらにてんかんもあります。幼児期には熱性けいれんが多く、てんかんも乳児期より増えてきます学童期では圧倒的にてんかんの占める率が高くなります。

熱性けいれんは二パターン

熱性けいれんは「乳幼児が、脳に病気がないのに発熱のせいで起こすけいれん」といってよいでしょう。

赤ちゃんが突然けいれんを起こした。びっくりしてからだにさわったらすごく熱く、それで熱があるのがわかった」というようなことが、熱性けいれんの典型的な場面です。救急車を呼び病院へ向かったけれど、救急車の中でけいれんがおさまってしまったというようなのも、典型的です。

つまり、高熱の出はじめに短い時間全身的けいれんが起き、自然におさまってしまうというのが、熱性けいれんの普通の経過なのです。

しかし、かなり長い時間続くものや、からだの一部分だけがけいれんするものなどいろいろな形があります。熱性けいれんは単純性熱性けいれん複雑性熱性けいれんの二つがあります。熱性けいれんの一部分は、のちにてんかんに移行することがあります。

熱性けいれんとてんかんとはまったく別の病気ですが(熱性けいれんは病気というより、発熱に対しての特別な反応のしかたといったほうがよいでしょうが)、けいれんを見て、それが熱性けいれんなのか、あるいは熱が出た時にてんかんの発作が起きたのかを見分けることは難しいのです。そこで、熱性けいれんのなかでてんかんに移行する確率の高いものを選び出そうということになり、単純性、複雑性の分類がされるようになりました。この分類をもとに、少し解説を加えましょう。

まず、熱性けいれんがはじめて起こる時期は、生後6カ月から4歳までというのがほとんどです。そこで、この範囲で起こるものを単純性、生後6カ月以前あるいは5歳以降に起こるものを複雑性ということにします。熱性けいれんの場合、多くは全身的なけいれんで、右半身だけとか左半身とかいうふうにはなりません。アメリカでの単純性の定義は、「全身的なけいれんで15分以下で終了し、24時間以内に繰り返し起こさないもの」となっていて、簡単ですね。こういう熱性けいれんならまったく心配がないということになっています。一度熱性けいれんを起こしたこどものうち3分の1は、ふたたび熱性けいれんを起こします。熱性けいれんは繰り返しやすいのです。

熱性けいれんの頻度は、日本では100人の子供のうち8人位が熱性けいれんを経験するようです。男の子のほうが女の子にくらべて少し数が多いようです。一度熱性けいれんを起こしたこどもがその後再発する率は30ぐらいといわれ、再発する率は女の子のほうが男の子より多いといわれています。

初めて、熱性けいれんを起こした年齢が低いほど、再発する率が高いともいわれます。また、家族に熱性けいれんを起こした人をもつ子供の方が、再発しやすいという傾向も知られています。熱性けいれんを起こした子供のうち、その後2回以上、つまり、一生のうちに3回以上繰り返す子供は、9%ぐらいといわれています。つまり、熱性けいれんのこども100人のうち30人くらいがもう1度起こし、9人くらいが2度以上起こすということです。

そこで次の問題は、この再発は予防した方がよいかどうかといいうことです。このことについてはずっと議論がされてきました。熱性けいれんはこわいものではないのだから、とくに予防する必要がないという人もいますが、実際には予防法がいろいろ考えられてきたというのが実情です。いまは「2日目の熱性けいれんを起こしたこどもには、次にはもう起こさないように37.5度になったらけいれん予防の座薬を入れる」という方法が主流です。

 

●熱性けいれんの予防と薬の使い方

熱性けいれん自体は心配のないものであり、そういう心配のないものは、何度起こってもやはり心配のないものであるわけですから、再発予防をする必要もないはずなのです。

『小児内科』雑誌の「外来小児科」に載っている草刈章氏の論文を解説すると「熱性けいれんを起こした子供の3分の1は、その後、何度か熱性けいれんの発作を起こす。これは家族の不安を大きくし、予防接種の機会を逃すこともある。また、熱性けいれんが発達に悪影響をおよぼしたり、てんかんに移行したり、てんかんに移行したりする可能性もあるので、再発予防をしたほうがよいとする意見もあるが、この理由で予防をしなければならないということには根拠が乏しい。

熱性けいれんからてんかんに移行する24%のこどもについて、熱性けいれんを予防すればてんかんに移行しないのではないかと期待する意見もあるが、これは無理だとする研究者もいる。

こうしてみると、医学的に見て、熱性けいれんを予防しなければならないというたしかな根拠はなく、熱性けいれんを予防することの主な目的は、親の不安を減らすということになるだろう」

これは10年以上も前に書かれた論文ですが、今もこのときから事情は変わっていません。

 

●抗けいれん座薬の使い方

ここでぼくが子供に対してどのように対処しているかをお話ししてみます。

まず、熱性けいれんを一度起こした子供に対してはなにもしません。保護者には「30%ぐらいの確率でもう一度熱性けいれんを起こす可能性があるが、そのときは、なにもせずに静かに見ていれば、けいれんは自然におさまる。熱性けいれんは、脳に何も影響をおよばさないから心配しなくていい」と話します。熱性けいれんを2度起こした子供については、保護者にこんなふうに話します。「今後も何度か熱性けいれんを起こす可能性はある。しかし、何度も熱性けいれんを起こしても、後遺症のようなものは

なにも残らないから心配はいらない。でも、熱性けいれんを見たくない、とても不安になるからなるべく予防したいと思われるのだったら、予防法はある。ジアゼバムという抗けいれん薬の座薬をお尻から入れるという方法だ」そして、このジアゼバム座薬を使った予防法を具体的に説明します。熱性けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こるといわれています。熱が上がりきってから起こるのではなく、上昇の際に起こると考えられるのです。そうすると、熱が少し出た時点で抗けいれん薬を使っておかねばなりません。子供が37.5度以上の熱を出していることに気付いたら、すぐに抗けいれん薬の座薬をお尻にいれます。そして、8時間後に38度以上の発熱が続いたら、もう一度、座薬を入れます。これでおしまいです。何故2回で終わりにするか、それは熱性けいれんが、熱が最初に出た時から24時間以内に起こることがほとんどだからです最初の24時間をけいれんなしで乗り切れば、その後何日高熱が続こうとも、熱性けいれんを起こす可能性はほとんどないことが実証されています。

 

眠気やふらつきといった副作用

抗けいれん座薬であるジアザバムという薬は、一般には「鎮静薬」として使われています。ですから、多少の眠気、ふらつきが起こることがあるのは当然といってもいいのですが、鎮静薬なのに逆に興奮させてしまうこともあるというのが薬のおもしろいところです。いずれにせよ、これらの副作用は一時的なもので、ほかに重大な副作用はないといってよいのですが、こどもによっては座薬を使いたくないというお母さん、お父さんもいます。熱性けいれんを起こしたことのある子供をもつみなさんは、ここまで書いたことを参考にして、発熱時に座薬を使うか使わないかを決めてください。

●高熱時の興奮やうわごと

さて、熱性けいれんに似たものに「熱せんもう」と呼ばれるものがあります。具体的にいうと、「高熱の時にうわごとをいった、1点をじっと見て目がうごかなくなった、理由もなく泣き叫んだ、なにもないのに物をつかむような動作をした、じっとしていられないように手足をバタバタしたなど。これより頻度は少ないが、笑った、歩きまわった、歌を歌ったなどという動作の場合もある」ということになりましょうか。これは『こどものけいれん』大塚親哉著から引用させていただきましたが、自分の体験からも確認できます。

高熱を出したこどもが壁を見つめて指をさし、「こわいこわい」といったり、宙をにらんで突然笑い出したら、周りの人はゾッとしてしまうでしょうね。「これは脳に障害が起こったに違いない」と早合点したりするのも当然かと思います。しかし、これは何の心配もなく、まったく一時的に「熱にうかされた」という状態と考えてよいのです。著者の大塚さんの調査では、熱せんもうが起こるのは大部分が1歳から4歳のころで、これは熱性けいれんを起こしやすい年代と同じです。

 

●けいれんの見分け方

乳児けいれんは“良性乳児けいれん”とも呼ばれ、「熱性けいれんに似ていて、発熱がないのに起こるもの」といってよいと思います。生後6ヶ月から2歳半ごろのあいだにけいれんが起こり、1日のあいだに何度もけいれんを繰り返すということが少なくありません。けいれんの持続時間は、熱性けいれんと同様、数分と短いのですが、「無熱性のけいれん」であることから、脳波などの検査が行われるのがふつうです。しかし、検査は正常でその後、経過を見ていても発達などの点で何も問題はおこりません。まったく心配のないけいれんですが、このようなものがかなりの頻度でみられることを知っておいてください。この良性乳児けいれんの中にふくまれると考えて良いものに「下痢に伴うけいれん」があります。熱性けいれんの多くはウイルス性の「かぜ」(種類はいろいろありますが)によって起こるものですが、けいれんを起こす場合は熱が出るのが普通ですね。ところがロタウイルスによる下痢症などの場合、熱もないのにけいれんが起こり、しかも何回も繰り返すこともめずらしくありません。下痢症の場合に起こるけいれんは、良性であることが多いので、心配しなくてよいと記憶しておきましょう。

 

●泣き入りひきつけ

これはおもしろい病気・症状といってもよいかもしれませんが、周りの人をびっくりさせたり、不安にさせたりするものでもあります。突然、乳児に起こる呼吸停止、意識消失、そして、ときにけいれんなどの発作であり、激しく泣いたあとに生ずることが多い」ヒポクラテスの記述に「この発作は、なにか不可思議な恐怖に駆られたり、だれかが大声で叫ぶのに驚いたりこどもが泣いている最中に良く起こることであるが、息をすることができなくなって起こる。この状態になると、すぐに体がふるえ、しゃべることができず、息が吸えず、呼吸が止まり、脳は硬直し、血流は止まる」ヒポクラテスの時代から泣き入りひきつけがあったということですね。

さて、イリングワースは次のように書いています。

発作は、痛み、怒り、やりたいことをじゃまされたり、罰を受けたりするのが原因となって起こる。こどもがほかのこどもにおもちゃを取り上げられたり、それを奪い返すことができないときも起こる。両親が無理におもちゃを片付けるようにいいはったり、こどもがやりたいことをやらせなかったりするのも原因になる。こどもによっては、転倒したり、叩かれたりするような、痛みを感じる場合にだけ、発作を起こすこともある。」泣き寝入りひきつけの発作には二つの型があって、チアノーゼ型蒼白型と呼ばれています。チアノーゼ型は蒼白型にくらべずっと多く見られ、「泣き入りひきつけのポピュラーな形はチアノーゼ型」といってよいでしょう。

恐怖感を抱いた時やかんしゃくを起こした時、怒られた時、あるいは夜球不満のときや、痛み・刺激があたえられたときなどに起こります

まず、比較的長く大声で泣いたあと、大きく息を吐いたかと思うと呼吸を止めてしまいます。軽い場合は5秒から10秒呼吸を停止し、唇が紫色になってチアノーゼの状態を示し、しだいに泣き声が強くなり、元へもどります。呼吸停止が30秒以上も続いた場合は、体をつっぱらせてけいれんを起こします。こういう発作を、一生のうち一回だけ起こすこともあれば、繰り返すこともあり、1日のうち何回も起こすこともあります。しかし、治療はなにもしなくても次第に回数は少なくなり、4歳の誕生日ころには消えてしまうとイリングワースはいっています。

白型の場合は、予期せぬ痛みを感じた時、おどろき、恐怖感、欲求不満などが原因となって起こります。泣かないでいきなり顔が蒼白になり、ぐったりして意識をなくし、倒れてしまうことが多いのですが、泣いたあと倒れることもあります。さらにその後、けいれんを起こすこともあるのです。

 

●てんかん発作の見分け方

泣き入りひきつけは、こどもの感情とか痛みの刺激とか、発作を誘発する原因があるのですが、てんかんの場合は、とくに原因になるものが見当たりません。さらに、泣き入りひきつけの場合は、ぐったりしてからけいれんが起こりますが、てんかんの場合はいきなりけいれんが起こるという点も、区別のための手がかりになります。イリングワースは「薬は効果がない。発作が起こったらけがをしないように十分注意を払う。発作のときにはなるべく騒がないで静かにしているのがいい」といっています。さらに「わたしの同僚の1人は、自分の子供が発作を起こしたとき頭を下に逆さにしたら発作がすぐに止まったといっている。発作を止めるために顔に息を強く吹きかけたり、冷たい水を顔にかけたりする親もいる」と書いていますが、こんなことをまねしないでくださいね。なにもしないで見ているのが最良です。年齢が上がるにつれて起こす頻度が減り、そして、6歳頃になればなにも起こらなくなるのです。

 

●入眠時ミオクローヌス

ミオクロニーともいわれますが、「ある部分の筋肉がすばやく収縮することによって身体のある部分がピクッと動いた時、それをミオクロニーと呼ぶ」ということになっています。ほっぺたがピクッと動いたり、指がピクッと動いたりするのは顔や手にある小さな筋肉が収縮したためですし、腕がピクッと動いたり脚がビクンと動いたりするのは、腕や脚にある大きな筋肉が収縮したためです。からだの一部が勝手にピクッと動くのを経験したことがあるという方は多いのではないでしょうか。

入眠時ミオクローヌスというのは寝入りばなのこどもの指や手がピクピクと動くことをさしていて、これは病気ではありませんから心配しなくていいのです。

 

●重大な病気を疑うとき

急性脳炎、頭蓋内出血、急性脳症、化膿性髄膜炎などの重大な病気があげられています。詳しく説明するのはあまりに専門的になるので省略しますが、けいれん以外に意識が低下しているとか、強い頭痛を訴えるとか、吐き続けているとか首筋がつっぱっているとか、あるいは光をまぶしがるとか、そういった症状があれば、重大な病気を疑って髄液の検査などをすることになります。

ここで別格として考えておかねばならないのは、6か月以下の乳児けいれんを起こした場合で、この場合は髄膜炎を疑わせるような症状がなくても髄膜炎になっている場合がかなりあるといわれています。そこで、6カ月以下の乳児がけいれんを起こした時、全員、髄液検査をしたほうがよいともいわれます。また、熱性けいれんが終わったあと、こどもはボーっとしていることがよくありますが、その状態が長く続くときなどもくわしい検査をするほうがよいでしょう。

さて、これで終わりですが、てんかんについては解説しませんでした。くわしくお知りになりたい方は、ぼくが書いた『はじめてであう小児科の本』(福音館書店)や『障害を持つ子のいる暮らし』(築摩書房)を読んでくださいね。

 

管理者からの一言

私は助産師なので、病院では、妊婦さんの子癇発作、糖尿病の低血糖発作、ヒステリー患者の発作などで、けいれんの経験をしてきましたが、どうも慌ててしまいますね。だまって見ていることなどはできませよね、大声でさけんだり、するとドタバタとみんなが集まってきて、あれ持ってこい、これ持ってこい、と騒ぎたてます。苦しそうにして、口から泡をだしていれば、管で吸引をしたり、そうしたら、いっぱい吐かれて、余計な刺激だったり、もちろん酸素マスクもしますが、Drが気管内挿管したり、と、あとで考えると、全く無駄で、むしろ、音も立てずに静かにした方が早く発作が治まるんですよね。現場では難しいと思いますが、知っていると知らないでは大きな違いなので、知っておいた方がよいと思います。

髄膜炎はHibワクチンがあり、小児科で勧められます。しかし、肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が5例報告されています(H23.3)。

お問い合わせ
リンパマッサージはNPO法人日本メディカルリンパ協会の指導課を卒業しました。(現在は理事長が亡くなり廃校しましたが、現在はリンパ専門サロンとスクール名を変更して、継続しております。http://www.lymph-alice.com/)。
リンパマッサージのオイルは、ひまし油にグリセリンを半々に薄めて使用しています。ひまし油は安定、酸化しにくい油です。ひまし油はエジプト時代では薬にも使われていたようです。リシノレイン酸という脂肪酸が90%含まれていて、プロスタグランジン受容体に結合、皮膚の賦活作用、鎮痛作用、抗感染症などの様々な効能がしられています。酸化しやすいといわれるリノール酸の含有率は5%です、これは、乳幼児によく使用されているホホバオイルと同等の量です。(科学ニュースの森)。更にラベンダーアングスティフォリアとリトセアの精油で化粧水を作成して使用しています。(日本メディカルアロマ協会のアロマ療法http://www.jmaa-aroma.com/)乳幼児にはラベンダーアングスティフォリアとナチュラルモイストジェルを使用します。
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お子様の頭痛に使用して見て下さい。
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詳しくは、このホームページに書いてありますので、御参照下さい。
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